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2024年3月18日 (月)

長引いたコロナ。舅の死(ある因縁話)。百貨店でオーラの話。(19日に加筆あり)

カテゴリー「新型コロナ対策: イベルメクチン」記事一覧
https://elder.tea-nifty.com/blog/index_ivermectin_madame-n-blog.html

前記事で家族全員、コロナかインフルかはわかりませんが――たぶんコロナ――風邪症状が長引いたと書きました。イベルメクチンを使ったわりには長引いたので、何だったのだろうと思っています。普段であれば、翌日には風邪症状が消えるのです。

先週わたしは循環器クリニックの受診でしたが、体調は爽快で、結果もよいものでした。風邪症状に悩まされた10日ほどでしたが、綺麗に治ってホッとしました。

風邪症状が出たとき、左胸全体が点状にチクチクするような奇妙な痛みがありました。普段心臓の痛みは乳房の間――胸のど真ん中――で起きるので、筋肉痛なのかなと思いました。このような症状が出たのはわたしだけでした。そのあと、熱が出始めましたが、顎から頭に突き抜けるような痛みが間欠的に起きました。

コロナの前にはなかった症状が起きるので、気持ち悪いと思います。

夫は三半規管をやられたのか、視力がおかしかったといいました。これは相当に危ない出来事だったと思います。

その夜、夫は定年退職後から勤務しているホテルの夜間フロント・警備の仕事がありました。微熱があったので休まなくていいか尋ねると、「食欲もあるし、行けるよ」といいました。確かに見た目は元気そうだったので、わたしは「運転中少しでもおかしなことがあれば、安全なところで止めて、運転代行を頼むなりしてね」といいました。「うん」と夫。

ところが、運転を始めたところ、こちらに向かってきている1台のトラックが2台に見えたり、二車線が五車線に見えたりしたそうです。さすがにおかしいと思いながら、なんとか職場に行き着いたとか。

その異常な症状は、職場でイベルメクチンを服用したら治ったそうです(夫も娘も職場で何かあったときのための予備のイベルメクチンを携帯しています)。

「病院に行かなくていいいの?」とわたし。「さすがにおかしな症状が出たときは耳鼻科に行かなきゃと思ったけれど、イベルメクチンですぐに綺麗に治ったんだよ。帰宅時の運転にも全く問題なかった」と夫。

わたしにはメニエールの持病があるので、そんなにすぐに治るのだろうかと不安で、様子を窺っていました。

ただ病院に出かけたところで、コロナに関してはイベルメクチン以上の薬に出合えるとは思えなかったので、FLCCCのホームページで改めて「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防と治療に関するプロトコル」を閲覧しました。

娘とわたしは治ったはずの風邪症状が1度ぶりかえしました。「まさかレプリコンワクチンを治験した人からのシェディングではないよね」と話したりしましたが、2度目のぶりかえしはなかったので、ホッとしました。

アビガンも持っていますが(狂犬病ウイルスの話題が出たときに購入したのです)、素人が自己責任で使用するにはリスクが大きいと思いました。

イベルメクチンが効かないときは、増やすと大抵、効きます。これ以上の常備薬があるとはもはや思えません。薬局で買えるようになればいいのですが……。

風邪症状に見舞われる前に娘がわたしの誕生日の2月21日にお祝いに買って来てくれていた花束がずっと咲いていて(水を染みこませた土台に植え込んでありました)、仕舞にはドライフラワーになりました。この花のお陰で、風邪症状がいくらか和らいだ気がします。

Birthday221


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ところで、前回の記事から日が空いたのは、舅(夫の父親)が亡くなったからです。97歳の舅には血液疾患がありましたが、こんなに早く亡くなるとは思いませんでした。

亡くなる5日前くらいから、これまでには体験したことのなかった心霊現象めいた心象風景(?)を見ました。白い天井を包むようにふわふわとしたグレーっぽい黒雲が見えたのです。

昔からご訪問くださっているかたはご存じだと思いますが、わたしは神秘主義者ですので、空間に赤、黄、青、紫、黒、銀色、金色などの光の点や黒い浮遊物を霊的な視力で見ることは珍しくありません。エレナ・レーリッヒの文章に、わたしの見るものにそっくりな描写があるので、以下の記事のように何度か引用してきました。

2008年5月17日 (土)
第44回総選挙のときに見た不吉な兆し
https://elder.tea-nifty.com/blog/2008/05/12200510_ed30.html

英語で書かれたブラヴァツキー夫人の『シークレット・ドクトリン』をロシア語に訳したエレナ・レーリヒは、わたしもしばしば見る空間に見える光についていろいろと解説していますが、アグニヨガ協会訳で、ここにその断片をご紹介します。

……(引用ここから)……大抵黒い点は暗黒、又は混沌的なエネルギーの接近を意味する。その場合、万事に注意したほうが良い。だから私は小さな黒い点を見ると、それらが度々、困難の来ることを示したり、又は健康について警告していることを知るのである。点が大きければ大きい程、多ければ多い程、もっと注意を払うべきである。

時々、空間の中を泳いでいる大きなビロードのような黒い点を見ることができる。紫、青、銀色、そして金色の点は、いつもよい使者たちであり、あるいは師匠のご放射が近いことを示すものである。

黄色の点は、危険の警告である。赤い点は、大気の中の大変な緊張を示し、その時、地震や嵐や革命さえも予期できる。……(引用ここまで)……

わたしの場合、空間に届く青い点は、1995年にお亡くなりになった神智学の先生からの光のお手紙であることが多いように感じています。とても高貴にきらめく紫、銀色、金色の点はどなたからのものなのかわかりませんが、高揚感がもたらされ、すばらしい贈り物のように感じます。

黄、赤は警告を感じさせられるものです。黒い点及び浮遊物は幸いめったに見ることがありませんが、何か低級な世界と関係がある表示のように感じられます。

白い天井をふわふわと包むように現れたグレーがかった淡い黒い雲のようなものが何であるのか、さっぱりわかりませんでした。見間違いかと思い、何度も目をこすりましたが、5日間くらいは見えました。

そして8日の午前3時頃のこと、わたしはまだ起きていました。そのとき、窓が開いていないのに、室内を風が吹き抜け、動物は飼っていないのに仔犬か何かが家具にぶつかったような音がしました。

舅の亡くなったのがその頃だと知り、あのグレーがかった雲や風や物音は舅と関係があったのかもしれないと思いました。

もっとはっきりとした挨拶にお見えになるかたも珍しくないのですが、その方々は神智学の先生、カトリック教徒であったフランス文学者、熱心な浄土真宗の門徒であった中学校の校長を務めたかたでした。

昔、葬式に行った夫に就いてきた亡くなったばかりの叔父さん。●●ちゃんと昔と同じ声で呼びかけてきたわたしの幼なじみ、自分の贈った人形を見に来た大学時代からの友人(「わたしが死んだら髪の毛が伸びるわよ」と彼女はいいましたけれど、伸びませんでした)。そういえばフランス文学者もわたしの蔵書を見に来られたので、「昼下がりのカタルシス」という短編小説にしました(その場面を除けば、内容は完全なフィクションです)。

別れの挨拶に見える死者は全員、肉体を喪失していられるので、透明です(透明なのに、わたしにはどなたかわかることがほとんどです。尤も、オーラが見えたかたもありました)。その軽やかさを楽しんでいられるかたもあり、普通に歩いていられるかたもあり。

ですが、今回のような体験は初めてでした。舅はもしかしたら、いくらか霊媒気質だったのかもしれないとわたしの勝手な想像ですが、思いました。

夫の実家でひどい嫁いびりをしていた人々(義父母、よく滞在していた義妹家族)には案外霊媒気質が揃っていて、質の悪いカーマ・ルーパ(死者が脱ぎ捨てていった物質に関する精神的、肉体と欲望によって作られた主観的な形体※H・P・ブラヴァツキー(田中恵美子訳)『神智学の鍵』(神智学協会ニッポン・ロッジ、1987初版、1995改版の用語解説「カーマ・ルーパ」を参照されたい)の悪影響を受けていたのかもしれません。生きている人々は今も。

わたしのハートはその汚くよどんだ雰囲気に耐えられなくなり、心臓を悪くして、子供たちが中学生のころにはわたしは夫の実家には行かなくなっていました。子供たちも行かなくなり、夫は時々行っていましたが、だいたい不機嫌な顔で帰ってきました。次第に夫もほとんど行かなくなっていましたが、時々義母に呼ばれます。

距離を置いて正解だったと今は思っています。源平、元寇時代に遡る因縁があるようにも思われます。

義妹のご主人は平家の子孫を根絶やしにするために遣わされた源氏系の人々が住んだと伝えられる集落辺りの出身です。そして、夫の祖父は自分は平家の子孫だといっていたそうです。夫は半信半疑。「ただの海賊か、平家よりは源氏の側ではなかったの?」などといいます。

源氏と平家は出自がわからなくなるくらい入り乱れていたりしますが、夫の先祖が平家と関係がなかったとはいいきれません。夫の亡くなった親友は間違いなく平家の子孫で、まだ続いている一門の集まりに呼ばれるといっていました。

しかも、わたしの先祖は少弐氏の部下として(わたしの母方の先祖は江上氏と関係が深いようです)、夫の先祖は松浦軍の一派として、共に元寇を戦い抜いたことがだいたいわかっています。

何にせよ、まだ彼ら――特に義妹夫婦――とのおつきあいは残っていて、義父の死後、さっそく彼らが法的常識をはみ出すようなことをいってきました。もはや旧帝大を出たエリート商社マンだったとは思えない義妹のご主人。夫と一緒にわたしたちは法律を参照して、常識的な判断に従うだけだと思っています。

これを読んでくださっているかたは、因縁話を絡めた昔話にうんざりなさったでしょう。小説の下書きとでも思ってください。

話が逸れましたが、いずれにせよ、初七日ごろ、皆さんどこかへ行かれます。皆さん無事に成仏なさったと感じています。

神秘主義的な話題になったついでに、先日百貨店へ娘と出かけたときのこと。物産展のティー売り場で色々と試飲させていただき、その中から3種類買い求め、そこを離れました。娘は別の階へ行く用事があり、あとでまた物産展で待ち合わせようということになりました。

人が少なくなっていました。娘はまだだろうかと思いながら歩いていると、ティー売り場の年輩の売り子さんに呼び止められました。

そのかたの目が星のように輝いているではありませんか。「あなた、先ほどいらしたかたよね? でも何だか違った人に見えるわ。普通、ほとんどの人には見えないと思うけれど、もうあなたは圧倒的なんですよ。それが他の誰にもわからないのが不思議なくらい。こちらに歩いてこられたとき、スポットライトの中を燦然と輝きながら歩いてくる女優さんみたいに見えました。何て綺麗なオーラなんでしょう……」とそのかたが囁くようにおっしゃったので、びっくりしました。

竜王会の大会で、一緒に参加した複数の人々からオーラが綺麗だと褒められたことがありましたが、それはずっと昔のことでしたし、今ではわたしはおばあさん。本当に驚きました。わたしは「実はわたしにもオーラが時々見えるのですよ」と打ち明けて、お別れしました。

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2022年12月20日 (火)

年賀状を用意する時期になりました。スペース座談会「第一回ワクチン後遺症を語る会〜メディアでは報道されない真実〜」。コオロギせんべい(グレート・リセット関連)。魂の無い機械人間?(ツイッターでのやりとり)

もう12月になってしまいました。散々な年でしたね。日本がどう散々だったかは整理しておく必要があると考えていますが、今年のワタクシ的宿題が、まだ手さえつけていない有様です。

それでも、来年への期待を込めて年賀状は出したいと考えています。これまでに紹介してきた年賀状素材サイトを回ってみたところ、充実した素材が発表されていました。

今年はまだ紹介記事を書いていませんが、以下の記事からリンク先のサイトをご訪問になってみてください。市販の年賀状にはなかなかない、こだわりと精神性を感じさせられる素材との出合いが待っていますよ。

ラベル『おすすめ年賀状テンプレート・イラスト』の投稿「Nのめもちょう」

どうしても気になるのが、ワクチン問題、グレート・リセット問題です。

それから安倍元総理の暗殺も未解決のまま、早くも事件そのものを葬り去ろうとしているかのような動きが気になります。そのような中、果敢に謎ーー闇ーーに挑戦なさっている方々がおられます。これは別記事になるでしょう。

ワクチン関係では、長尾和宏医師主催の第一回ワクチン後遺症を語る会〜メディアでは報道されない真実〜がスペースでありました。わたしはまだ全部を視聴できていませんが、接種者も非接種者もぜひ御視聴ください。

Trilliana 華@Trilliana_z·15時間
昨夜収録された長尾和宏医師主催の第一回ワクチン後遺症を語る会〜メディアでは報道されない真実〜が凄すぎます。
何と一晩で13万人視聴!国内スペース史上新記録。全国民が報らなくてはならない驚愕の現実。まだまだ拡散をお願いします!

娘の勤務する病院には、先日、19歳の脳梗塞患者が来たそうです。19歳ですよ! ワクチンとの関係は不明ですが、2回接種しているそうです。

そして我が国の経済問題を考える上で、グレート・リセット問題を含めないわけにはいきません。

ダボス会議_岸田首相特別講演「今、我々は、グレート・リセットの先の世界を描いて行かなければなりません」
Mayo97 Published January 22, 2022
https://rumble.com/vt1yn4-48800416.html

これについては以下の拙過去記事をご参照ください。

グレート・リセットの目標は、資本主義と民主主義をリセットして全体主義的な高度管理社会への移行を実現することだそうで、早い話が、今の中国がある程度実現しているデジタル共産主義を推し進めた社会と考えたらいいでしょうね。以下のニュース記事参照。

グレート・リセットの提唱者クラウス・シュワブや組織の誕生を支えた他のグローバルエリートの背景を紹介した貴重な動画を紹介します。

グレート・リセット ドキュメンタリー (エピソード1)_v1.2
Mayo97 Published August 13, 2022
https://rumble.com/v1fu659--1-v1.2.html

人口削減やムーンショット計画と関係があるといわれているワクチン推進、昆虫食など推進している彼らは、気違いとしか思えません。確か、無印食品が既にコオロギせんべいを販売しています。

過日、駅で、娘と見た袋ラーメンの催し物にあったラーメンの中に、スープの素にコオロギの粉末の入ったラーメンがさりげなく混じっていました。ゾッとしながら、美味しく安全そうな「すみれ」ラーメンを3袋買い、家族で美味しくいただきましたが、あのコオロギラーメンのことが忘れられません。

ブックマークし忘れましたが、コオロギの外骨格には発がん性があり、免疫系を誘発する可能性があるという研究報告へのリンクのあるツイートが流れてきました。アレルギー体質の方は特に要注意かと思います。

で、遺伝子ワクチンを接種することによって、以下のようなことに怯えている方々がいたので、思わず書き込んでしまいました。

ベガ@5mBI5W8AoElYCKd
日本人の約8割が接種済みです。しかも2回接種だけでなく接種率、接種回数が世界一です。
これはもう手が付けられない状態です。
そしてこれを接種し遺伝子が変わった両親から生まれてくる子供たちの遺伝子も変わってしまう可能性があります。そうなると、未来の日本人はこれまでの日本人の遺伝子とは異
午後2:34 · 2022年12月14日

ニョキッ@6HM598U0BT2FKy6·12月14日
返信先: @5mBI5W8AoElYCKdさん
ハイブリット なってしまったものは仕方ないヒューマノイドとの共存を考えねばなりません でもこの進化形というのはある意味すごくないですか?人類史上初めてで体調さえ崩さなければ私には興味の対象です

ベガ@5mBI5W8AoElYCKd·12月15日
返信先: @6HM598U0BT2FKy6さん
いいえ!恐怖でしかありません。自分の意思がなくなり
ロボット化するようですよ。魂の無い機械人間とでもいえるのでは?!ヒットラーの予言通り。

tsuyoshi@oyatuyo·12月15日
返信先: @5mBI5W8AoElYCKdさん
残念ながら、それが今回の計画の本丸だと思っていました。遺伝子に目をつけられましたね。

naotsuka_maki@NaotsukaM
返信先: @oyatuyoさん, @5mBI5W8AoElYCKdさん @6HM598U0BT2FKy6 さん

神秘主義的観点から考えれば、如何にデジタル支配が進んでも、物質次元の低級な出来事にすぎませんから、魂なし人間にはならないでしょうが、デジタル支配によって、霊媒状態に陥いることが考えられます。この世での霊的進歩が阻害され、人類の退化現象が起きるでしょう。
午後0:00 · 2022年12月15日

これは神智学の教えを参考にした、わたしの考えにすぎませんが。

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2022年11月 4日 (金)

神秘主義エッセーブログより、改稿済み「71 祐徳稲荷神社参詣記 (2)2016年6月15日」を紹介

「71 祐徳稲荷神社参詣記 (2)2016年6月15日」『マダムNの神秘主義的エッセー』。URL: https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2017/06/30/172355

 

2018年8月に、『鹿島藩日記 第二巻』(祐徳稲荷神社、昭和54)を祐徳博物館から購入した。それを読むと、萬子媛は病死なさったのではないか――との推測が成り立つ。一方では、萬子媛には断食入定の伝承があり、その可能性も否定し去ることはできないと思われるので、当エッセーの記述は訂正せず、そのままにしておくことをお断わりしておく。(2018年10月14日、筆者)

目次

  1. 萬子媛について復習
  2. 2016年6月15日、祐徳稲荷神社に参拝し、祐徳博物館を見学する
  3. 萬子媛の身長
  4. わたしが萬子媛を高級霊と疑わない理由
  5. 断食入定の伝承
  6. 何気なくつぶやいた「波羅蜜多」という言葉
  7. カーマ・ルーパという、物質に関するあらゆる欲望によって作られた主観的な形体
  8. どのような地位にある教師なのかは知りようがない


萬子媛について復習

もしかしたら、自分ではその自覚がなくとも、誰にでもあるはずの霊媒性質が強まったがために低級霊と縁ができてしまったのかもしれないという可能性を排除せず、緊張の中で参拝してきた。

しかし、これまでの経験から、強まったのは霊媒性質ではなく、健全な神秘主義的感受性だと確信し、今回わたしは警戒心よりも、神様と呼ばれる、生前から徳と神通力で知られた方に再会できる期待感で胸を膨らませながら出かけた。

深窓の麗人を訪問するような気持になる一方では、これまでのこと全てが夢だったのではないか、もし夢でなかったとしても萬子媛はわたしのことを覚えていてくださるだろうか……という甘美な期待感と恐ろしさに似た気持ちとが交錯した。

ところで、昔の日本の系図には女性の名前は書かれていないことが多く、実は萬子媛の名前もわからない。郷土史家の迎昭典氏が、こうした基本的なことから御教示くださった。

史料から判明しているのは、剃髪して尼となり、瑞顔実麟大師と号したこと。また、謚が祐徳院殿瑞顔実麒大師というくらいである。

萬子媛は佐賀県鹿島市にある祐徳稲荷神社の創建者として知られているが、祐徳稲荷神社の寺としての前身は祐徳院である。

明治政府によって明治元年(1868)に神仏分離令が出されるまで、神社と寺院は共存共栄していたのだった。祐徳院は日本の三禅宗の一つである黄檗宗の禅寺で、義理の息子・断橋に譲られて萬子媛が主宰した尼十数輩を領する尼寺であった。

ここでざっと萬子媛について復習しておこう。

萬子媛は、公卿で前左大臣・花山院定好を父、公卿で前関白・鷹司信尚*1の娘を母とし、1625年誕生。2歳のとき、母方の祖母である後陽成天皇第三皇女・清子内親王の養女となる。

1662年、37歳で佐賀藩の支藩である肥前鹿島藩の第三代藩主・鍋島直朝と結婚。直朝は再婚で41歳、最初の妻・彦千代は1660年に没している。

父の花山院定好は別れに臨み、衣食住の守護神として伏見稲荷大社から勧請した邸内安置の稲荷大神の神霊を銅鏡に奉遷し、萬子媛に授けた。

1664年に文丸(あるいは文麿)を、1667年に藤五郎(式部朝清)を出産した。1673年、文丸(文麿)、10歳で没。1687年、式部朝清、21歳で没。

朝清の突然の死に慟哭した萬子媛は翌年の1988年、剃髪し尼となって祐徳院に入り、瑞顔実麟大師と号した。このとき、63歳。

1705年閏4月10日、80歳で没。諡、祐徳院殿瑞顔実麟大師。遺命に依りて院中の山上石壁に葬られた。


2016年6月15日、祐徳稲荷神社に参拝し、祐徳博物館を見学する

2016年6月15日、祐徳稲荷神社に参拝し、祐徳博物館を見学した。

地上と本殿をつなぐエレベーターができていた。階段での移動が大変な人や移動するエレベーターの中から景色を眺めたい人には便利だ。

萬子媛はあの世の方だから、お元気でないことはないと思うが、それでも変わりなくボランティアを続けていらっしゃることを確認できることは嬉しいことだし、高級霊としての品格を本当にさりげなく伝えていただき、出かけるたびに萬子媛が好きになる。

高級霊と書いたが、地上から離れられずにいる低級霊とは到底考えられない高貴さを感じるから高級霊と書いた。

参拝者を母親のように見守り、太陽の光のようなオーラで抱擁してくださる萬子媛のような方を長い時間をかけて日本人自身が育んできたことを思えば、祐徳稲荷神社のような文化財は本当に日本の宝物だと思う。

今回、萬子媛の御遺物が収められた祐徳博物館に長居した。メモをとるためにあまりに長い時間いたので、夫と娘はソファで寝てしまっていた。

博物館を出るときに長居の失礼をお詫びするつもりだったけれど、男女の職員のお二人が事務所の中から優しい快い表情を浮かべてこちらを見てくださったので、感謝のお辞儀をして出た。

前に博物館を見学したのがいつだったか、正確には思い出せない。そのときの見学で記憶に残っていたのは扇面和歌、大和物語を書写したもの、御掻巻といった僅かな品だった。今回はじっくり見ることができたので、小説に手を加える際の参考になる。

遺愛の名琴と説明のある楽器を見、感激した。小説の第一稿を書いているときに、気品の高い女性が筝を弾いている姿が目に浮かび、その場面を取り入れた。萬子媛は本当に箏を弾かれていたようだ。琴と普段呼ばれている楽器は音楽専門サイトによると筝であるようだが(琴には柱がない)、小説にはどちらの表現を使うかで迷う。

前の訪問時には見落としていたのか、僧侶姿の萬子媛の肖像画をじっくり見ることができた。郷土史家からいただいた資料の中にこの萬子媛の肖像画の写真のコピーがあり、嬉しくてよく眺めていた。

現物はずっと大きく、色合いもこまやかなため、わたしの中で萬子媛の容貌が修正された。厳めしい印象だったのが、もっと軽やかな、優しい、明るい表情に見えた。わたしが思い描くイメージにぴったりだ。貼りついたように肖像画の前を動くことができなかった。

やはり、若いころは相当な美人だったのではないだろうか。老境に入ってさえ、色白で卵形のお顔に鼻筋が通り、如何にも聡明そうな目は高齢のせいで形がはっきりしないが、奥二重か二重だろう。ほどよく小さめの口、薄めの唇、凜とした口元。

家内安全の御祈願をお願いした。たっぷり30分、神楽殿で御祈願していただいた。巫女さんの御神楽もあった。

御祈願していただいている間中ずっと、わたしは背後に、萬子媛を中心にして、生きているときは女性であったと思える方々が端然と立っていられるのをほのかに感じていた。すぐ後ろにいらっしゃるのが萬子媛だとなぜかわかった。

寒いくらいにクーラーが利いていたのだが、背中がずっと温かく、萬子媛から放射されるオーラの温もりだと感じた。太陽さながらの萬子媛だ。

しかし、神秘主義的な現象だったためか、今回も夫はずっと寒かったといった。娘も温かいとは思わなかったようだ。わたしは汗が出るくらいだった。暑い日だったから、もしクーラーが効いていなかったら、こんな確認もできなかったことだろう。


萬子媛の身長

萬子媛を背後に感じていたとき、江戸時代に生きた萬子媛はもしかしたら小柄だったのでは、と思った。わたしは夫と娘に挟まれて長椅子の真ん中に座っていた。萬子媛はわたしのすぐ後ろに立っていらっしゃる気配があったのだ。

このときまで、わたしは萬子媛を長身だと思い込んでいた。前に石壁社を参拝したときの圧倒的なイメージがあったためだろう。小説にも長身のイメージで書いたものの、萬子媛の身長についてはずっと気にかかっていた。

まるで、その疑問に答えるかのように、萬子媛がわたしのすぐ後ろに江戸時代の御姿で立っていらっしゃるのが心の鏡にほのかに映って見えたのが神秘的だった。

石壁社で初めて萬子媛に語りかけ、わたしの語りかけに驚かれた萬子媛が後ろから圧倒的なまでのオーラを放射されたとき、まるで女巨人のような気がした。

あの世ではどんな御姿でいらっしゃるのかわからないが、この世に通勤(?)なさるときは、地上のイメージに合わせて、江戸時代の御姿をとっていらっしゃるような気がする。

「江戸時代がわかるお役立ちサイト 江戸時代 Campus」*2に、江戸時代の人の平均身長は「調査した学者によって異なりますが、だいたい男性は155cm~157cm、女性は143cm~145cmほどであったと考えられています」とあって、それからすると萬子媛の身長は平均身長くらいだったのではないだろうか。小柄なわたしが小柄と感じたくらいだから、それくらいだと思えた。

こういう場所での30分という時間は半端ではなく、萬子媛の臨在を感じていながらふと緊張感の途切れる瞬間が何度もあり、あれこれ雑念が浮かんだ。

あまりに色々なことを心の中でつぶやいていたので、微笑まれる気配や微かに戦慄される気配の伝わってきた瞬間があった。

「日本は今、危険な状況にあると思います。どうか日本をお守りください」とつぶやいたとき、萬子媛が微かに戦慄なさるのが伝わってきた。萬子媛の最も近くに控えていた方が頷かれたような気配も、ほのかに伝わってきた。

萬子媛がボランティア集団を組織なさっているとわたしが想像するのは、萬子媛を囲むように一緒にいるあの世の方々を感じることがあるからだ。萬子媛が黄檗宗の禅院を主宰なさっていたときにそこに所属していた尼僧たちなのかどうかはわからない。

わたしの願い事に萬子媛がなぜ微かに戦慄なさったのかはわからなかった。日本が本当に危ないからなのか、萬子媛の守備範囲を超えた願事をしたからなのか、あるいは真剣に受けとめられた武者震いのようなものなのか……

もう一度、微かな戦慄が伝わってきたのは、「萬子媛の小説を書きました。手直しが必要だと思っていますが、もしこの小説に価値がないのであれば、決して世に出ることがありませんように。でも、価値があるのでしたら、世に出ることができますように。わたしは萬子媛のような方の存在を日本ばかりか世界にも知らしめたい……」とつぶやいたときだった。

加筆修正が必要な段階でどうかとは思いつつも、ご報告までと思い、プリントアウトした小説を持参し、御祈願の間ずっと背後にいらっしゃる萬子媛の方に向けて膝に置いていた。

微笑まれたのは、「祐徳稲荷神社に少しは寄付できるくらいのお金があったらな……」と、これは雑念だったが、思わず心の中でつぶやいてしまったときだった。

相手が生きてる人であろうとあの世の人であろうと、神秘主義者にとっては神智学でいわれるように、同じように「思いは生きている」ので、相手の反応が伝わってくることがある。


わたしが萬子媛を高級霊と疑わない理由

わたしが萬子媛を高級霊と疑わないのは、江戸時代の人でいらしたときの豊かな情緒、優れた知性をおそらくは基本として、あの世から人類のためにボランティアをしている方々に特有の、といいたくなるような、完璧といってよい自己管理能力を感じさせられるからだ。

萬子媛の気配を感じるのはわたしの感受性が優れているためであって(?)、萬子媛に隙があるわけではないと思う。

その全てのほのかな気配が何ともいえない優美さ、快い率直さで、392年前に地上に誕生して生きていらしたときの個性を感じさせられる。お亡くなりになったときは高齢だったけれど、わたしに伝わってくるのは妙齢のご婦人を連想させられる若々しい印象だ。

312年前に入寂された方を取材できるなんて、神秘主義者の特権だ。萬子媛が神様と呼ばれるにふさわしい高級霊だと確信できなければ、この世で働いているあの世的な存在を観察しようなんて思わなかっただろう。

これまでの経験から推測するに、萬子媛の御公務は御祈願の窓口が開いている間だと思われる。それ以外の時間はあの世にいらっしゃるのだろう。御祈願が終わるころ、側に控えていた方に促されるようにして去っていかれた気配を感じた。

前回参拝したときもそうだったのだが、童謡「夕焼け小焼け」が流れたあとに萬子媛が祀られた石壁社にお参りしても、何も感じられなかった。哀しいくらいに空っぽに感じられた。


断食入定の伝承

ところで、わたしの歴史小説の初稿を読み、「なぜ、萬子媛は餓死したの?」と尋ねた友人がいた。「えっ?」と、わたしは言葉をなくした。

わたしは歴史小説の中で、萬子媛の断食入定を――それは伝承によるものだが――クライマックスと位置づけ、詳しく書いたつもりだった。さらに丁寧に書くべきか?

「萬子媛の入定がわかりにくかったみたい。あれじゃ、わからなかった?」と夫に尋ねると、「わかるも何も、説明がなくったって、坊主が食を断って亡くなったと聞けば、即身成仏だと思うだろ、普通」

萬子媛を知る人間によって書かれた唯一の萬子媛の小伝といえるものが『祐徳開山瑞顔大師行業記』で、文人大名として有名だった義理の息子直條によって、萬子媛が存命中――逝去の1年前――の元禄17年(1704年)に著述された。

郷土史家が「萬子媛についての最も古くて上質の資料」とおっしゃる萬子媛に関する第一級の資料である。直條の記述を生かしたいと思い、『祐徳開山瑞顔大師行業記』から引用したりしたのが、難しかったのだろうか。

あるいは、断食入定を決意するまでの心情表現が不足していて、なぜ断食入定にまで至ったのかが理解できなかったということかもしれない。禅院での生活にもっと踏み込む必要がありそうだ。入定について、ウィキペディア「入定」の解説を引用しておこう。

入定(にゅうじょう)とは、真言密教の究極的な修行のひとつ。永遠の瞑想に入ることを言う。
原義としての「入定」(単に瞑想に入ること)と区別するため、生入定(いきにゅうじょう)という俗称もある。
密教の教義において、僧は死なず、生死の境を超え弥勒出世の時まで、衆生救済を目的として永遠の瞑想に入ると考えられている。僧が入定した後、その肉体は現身のまま即ち仏になるため、即身仏と呼ばれる。
……(中略)……
江戸時代には、疫病や飢饉に苦しむ衆生を救うべく、多くの高僧が土中に埋められて入定したが、明治期には法律で禁止された。

……(中略)……
生入定を作ることは、現在では自殺幇助罪または死体損壊罪・死体遺棄罪に触れるため、事実上不可能になっている。

 

修行方法

まず、木食修行を行う。
死後、腐敗しないよう肉体を整える。
米や麦などの穀類の食を断ち、水や木の実などで命を繋ぐ。
次に、土中入定を行う。
土中に石室を設け、そこに入る。
竹筒で空気穴を設け、完全に埋める。
僧は、石室の中で断食をしながら鐘を鳴らし読経するが、やがて音が聞こえなくなり、長い歳月の後(約56億7000万年後)に弥勒菩薩と共に姿を現すとされる。
*3

わたしの神秘主義的感性が捉えた萬子媛には深窓の麗人のような趣があり、無垢で高雅で率直な、高級霊の雰囲気が伝わってくる。

それに対して、萬子媛を囲むように一緒に整然と行動している女性的な方々の一歩引いたような、それでいて萬子媛を促がしたりもする雰囲気からすると、大勢の中で中心的役割を果たしている女性的な方々は生前、萬子媛と寝起きを共にした尼僧達ではないかとどうしても思えてくるのだ。

萬子媛の最も近くに控えている毅然とした感じの女性的な方は、もしかしたら京都から萬子媛が嫁いで来られたときに一緒に鹿島にやってきた侍女かもしれない。萬子媛が出家したときに一緒に出家したのでは……あくまで想像にすぎないが、小説であれば、想像を書いてもいいわけだ。

何にしても、萬子媛の一番近くにいる女性は身辺の護衛でも司っていそうな、シャープな雰囲気のある女性なのだ。わたしの内的鏡にほのかに映った気がする程度のものなのだが、萬子媛の圧倒的な雰囲気とはまた別種の矜持と気品とがまぎれもなく感じられて、興味深い。

こうした神秘主義的感性で取材したことを参考にすれば、禅院の生活やムードをもう少し踏み込んで描けるかもしれない。次に祐徳稲荷神社に行くときは、鹿島藩鍋島家の菩提寺「普明寺」にも行きたいと考えている。

普明寺は、鍋島直朝の長男・断橋の開基により、師僧・桂厳性幢に開山となって貰い、創建された寺である。断橋は鍋島直孝の僧名。

普明寺の見学動画が出て来ないか検索していたら、祐徳稲荷神社の動画が沢山出てきた。前に検索したときはもっと少なかった気がする。

そうした動画の一つに、読経(般若心経?)する白装束の人々が映し出されていた。2012年の12月に公開された「祐徳稲荷神社(ゆうとくいなりじんじゃ)」というタイトルの動画である。*4

4:28 ごろから萬子媛(御神名萬媛命)をお祀した石壁社が出てくる。読経する人々が登場するのは 5:13 ごろから。

神社で般若心経が唱えられることがあるとは知っていたが、実際にそうしている人々を見たのは初めてだったので、驚いた。これは明治政府によって禁止された神仏習合の名残りと考えていいのだろうか? 

前掲のウィキペディア「入定」によると、入定とは「僧が、生死の境を超え弥勒出世の時まで衆生救済を目的とする」行為である。

であるならば、入定を果たした萬子媛は、稲荷神社という大衆的な形式を衆生救済の場として最大限に活用していらっしゃるのだと思われる。

博物館で見学した萬子媛の御遺物の中で、僧侶時代のものと思われるものに、御袈裟(みけさ)と鉄鉢があった。御袈裟には「御年60才のころ、普明寺の末寺として祐徳院を草創、出家せられた」と説明があった。

御遺物の中でも最も印象的だったのが、畳まれてひっそりと置かれたこの御袈裟だった。褪せているが、色は鬱金色(うこんいろ)、蒸栗色(むしぐりいろ)といったもので、萬子媛の肖像画を連想させた。

素材は麻のように見えた。夏用なのだろうか。冬にこれでは寒いだろう。意外なくらいに慎ましく見える萬子媛の尼僧時代の衣服から、しばし目が離せなかった。

鉄鉢は「てっぱつ」と読むようだ。鉄鉢とは、「托鉢(タクハツ)僧が信者から米などを受ける。鉄製のはち」(『新明解国語辞典 第五版(特装版)』三省堂、1999)のことだそうだ。

また、金字で書写された「金剛般若波羅蜜経」があった。「臨済禅、黄檗禅 公式サイト」*5によると、臨済宗・黄檗宗でよく誦まれるお経には次のようなものがある(他にも、各派本山のご開山の遺誡や和讃なども含め、多くのお経が誦まれるという)。

開経偈
懺悔文
三帰戒
摩訶般若波羅蜜多心経(般若心経)
消災妙吉祥神呪(消災呪)
妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五(観音経)
大悲円満無礙神呪(大悲呪)
開甘露門(施餓鬼)
仏頂尊勝陀羅尼
金剛般若波羅蜜経(金剛経)
大仏頂万行首楞厳神呪(楞厳呪)
延命十句観音経
四弘誓願文
舎利礼文
白隠禅師坐禅和讃

このうち、経名を含めてわずか276文字の『摩訶般若波羅蜜多心経(般若心経) (まかはんにゃはらみたしんぎょう)』は宗派を問わず広く誦まれるお経で、仏さまの教えのエッセンスともいえ、この題目は「偉大なる真理を自覚する肝心な教え」(山田無文『般若心経』)とも訳されるという。

『金剛般若波羅蜜経(金剛経) (こんごうはんにゃはらみきょう)』は般若経典の一つで、『般若心経』についで広く流布しているもの。禅宗では特に重んじられる経典で、午課で一日半分ずつ誦むのだそうだ。

博物館で見学したときに見た、この般若経典のことが記憶に残ったためか、見学後に神楽殿で30分間家内安全の御祈願をしていただいていたときのことだった。

前述したように、わたしたち家族は長椅子に座っていたのだが、その背後に萬子媛を中心に見えない世界の大勢の方々――ボランティア集団と呼びたくなる統一感のある方々――のいらっしゃるのがわかった(お仕事の一環のような感じであった)。

映像的には内的鏡にはほんのり映ったような気がするだけなのだが、なぜかそうした方々の挙動や心の動き、そして萬子媛のオーラは――色彩より熱として――鮮明に感じられた。


何気なくつぶやいた「波羅蜜多」という言葉

前述したように、わたしが心の中でつぶやいたことは筒抜けで、それに対する萬子媛やその近くにいる方々の反応が伝わってきた瞬間が何度かあった(願い事も雑念も筒抜けであるから、参拝するときは願い事の整理ときよらかな心持ちが肝要)。

博物館で見た般若経典のことが頭をよぎり、わたしはふと「波羅蜜多」と2回心の中でつぶやいた。わたしが見たのは『金剛般若波羅蜜経』だったのだが、つぶやきの対象は『摩訶般若波羅蜜多心経(般若心経)』の方だった。

つぶやいたとき、萬子媛から、すぐさま動揺の気配が伝わってきて、精妙な情感が音楽のように流れてきた。郷愁の交じった、きよらかな心の動きが感じられた。こうした心の動きという点では、生きている人間もあの世の方々も変わらない。

これも前述したことで、高級霊は自己管理能力に優れていることを感じさせる――幼い頃からわたしを見守っていてくださっている方々もそうである――が、情感という点ではわたしが知っているこの世の誰よりもはるかに豊かで、香り高い。

心の動きのえもいわれぬ香しさが伝わってくるために、蜜蜂が花に惹かれるようにわたしは萬子媛に惹かれるのだ。

萬子媛はもっと聴こうとするかのように、こちらへ一心に注意を傾けておられるのがわかった。

『金剛般若波羅蜜経』は御遺物にあったのだから愛誦なさっていたのは当然のこととして、『摩訶般若波羅蜜多心経(般若心経)』という言葉に強く反応されたのは、それだけ生前、般若心経を愛誦なさっていたからだろう。

神様として祀られるようになった萬子媛は、生死の境を超えて衆生救済を目的とする入定を果たした方らしく、稲荷神社という大衆的な形式を衆生救済の場として最大限に活用していらっしゃるように思われる。

しかしながら、萬子媛の生前は大名の奥方でありながら出家し、晩年の20年を禅院を主宰して入定まで行った僧侶だったのだ。わたしが何気なくつぶやいた「波羅蜜多」という言葉に、それが甘露か何かであるかのように反応なさった萬子媛、否、瑞顔実麟大師がどれほど僧侶に徹した方だったのかということが自ずと想像された。

わたしは萬子媛が愛誦し指針とされたに違いない『般若心経』を暗記することにした。

ちなみに、このあとで「オウム、アモギャーヴァイロウ、キャーナーマハムドラ、マニペードム、デュヴァラー、プラヴァルスターヤー、ウーン」という竜王会で教わったマントラムを意図的につぶやいてみたのだが、こちらのほうは反応が感じられなかった。

萬子媛を囲むように控えている大勢の方々に幾分白けたような気配さえ漂ったところからすると、マントラムは意味不明な言葉と受け取られたのだと思われる。

現代人と変わりないように感じられるのに、やはり江戸時代に生きた方々ということなのだろうか。現代人であれば、マントラムの内容はわからなくとも、こうした言葉がインド由来の真言であることぐらいの察しはつくだろうから。

エッセー 59 「神智学をさりげなく受容した知識人たち――カロッサ、ハッチ判事 ②ハッチ判事」で紹介したエルザ・バーカー(宮内もとこ訳)『死者Xから来た手紙―友よ、死を恐れるな』(同朋社、1996)には、次のようなことが書かれている。

物質界と霊界が交流するとき、物質界にいるきみたちは、霊界にいるわれわれがなんでも知っていると思いがちだ。きみたちは、われわれが占い師のように未来を予言し、地球の裏側でおきていることを教えてくれると思っている。まれにできることもあるが、ふつうわれわれにはそういうことはできない。*6

あの方々の端然とした統一感のとれているところが、地上界のためにボランティア活動を行っているあの世の方々の特徴なのか、かつて江戸時代に生きた方々ならではの特徴なのか、わたしにはわからない。

いずれにしても、萬子媛の清麗な雰囲気こそは、高級霊のしるしだとわたしは考えている。

御祈願が終わるころ、萬子媛は近くに控えている方々に促されるようにして、どこかへ去って行かれた。全員がさーっと……一斉に気配が消えた。『竹取物語』の中の昇天するかぐや姫を連想してしまった。上方へ消えて行かれた気がしたのだ。


カーマ・ルーパという、物質に関するあらゆる欲望によって作られた主観的な形体

そういえば、石壁社で萬子媛に語りかける以前に参拝したとき、高いところから夫を見てハッと警戒した方々がいたのを感じたことがあった。

上空を漂いながら警備している天上的な女性的な方々――といった映像を、わたしは内的鏡で見たように思った。そのときはその場面が何を意味するのかがわからなかった。あのころはまだ亡き義祖父のカーマ・ルーパが夫に憑依していたから、そのことが関係していたのではないだろうか。

H・P・ブラヴァツキー(田中恵美子訳)『神智学の鍵』(神智学協会ニッポン・ロッジ、1987初版、1995改版)の用語解説「カーマ・ルーパ」によれば、カーマ・ルーパとは次のようなものである。

形而上的に言えば、また我々の哲学的観点からすると、物質に関するあらゆる精神的、肉体的欲望と思いによって作られた主観的な形体をいう。この形体は肉体の死後生き残る。……(中略)……高級自我は新たな化身の時が来るまでデヴァチャンの状態にいる。以前の人格の影は、その新しい住み処であるカーマ・ローカに取り残される。かつて人間であった時のかすかな写しであるこの影は、しばらくの間生き延びるが、その期間は影に残る物質性の要素によって異なり、それは故人の生き方が決定するのである。……(後略)……*7

デヴァチャンとは極楽。カーマ・ローカとは黄泉、冥界、ハデスのことである。

遠い昔――わたしより七つ上の夫が中学生のころ――亡くなり、従ってわたしが会ったこともなかった義祖父が死後、地上に残していったカーマ・ルーパとの戦いで、わたしの新婚生活はスタートした。

影のように夫に寄り添う、目には見えない何者かの存在をしばしば感じずにはいられなかった。映像的には、内的鏡にはほんのり映ったような気がすることもあった。いずれにせよ、その存在の悪影響は目に余るものだった。

カーマ・ルーパには高級な知性も霊性もないので、説得は無意味である。結局のところは、それに取り憑かれている人間が変わるしかない。

アルコール中毒になるほどの酒飲みではなくとも、習慣的な飲酒が霊媒体質の強化に関係しがちなことは間違いない。

この現象が稀なことだとは思われない。何かの依存症になっている人は、自らが霊媒体質を作り出してカーマ・ルーパを招いているのではないかと疑ったほうがよい。

以前であれば、神社に行くのが嫌そうな夫だった。ところが、義祖父がめでたくあの世で目覚めた後の参拝だった今回は何のこだわりもなく一緒に出かけて、それが自然な行動と映った。萬子媛を描いた短編小説を気に入ってくれた夫はむしろ今回の参拝を楽しみにしていたほどだった。

義祖父がめでたくあの世で目覚めたと書いたが、俗にこれを成仏というのだろう。それまではどうもあの世では昏睡状態だったようである。夫から離れたカーマ・ルーパがその後どうなったかは知らない。

変われば変わるものだ。改善されたいくつかの傾向を夫に認めるとき、義祖父の死後残していったカーマ・ルーパとの長い戦いがわたしの妄想ではなかったことを確信させるのである(義祖父の成仏については エッセー 47及び60で公開したが、一旦閉じて改稿中)。

話が脱線したが、萬子媛を囲むように控えていた方々の中には、あのとき上空からの警備を担当していた方々もおられたに違いない(もしかしたらこのときも警備中で、神楽殿にはおられなかったのかもしれないけれど)。


どのような地位にある教師なのかは知りようがない

あの方々の行動から推測すれば、地上界での一日の仕事が終われば全員があの世へ帰宅なさるのだろう。まさか、あの世の方々が地上界の人間と同じようなスケジュールで行動なさっているなど想像もしなかった。

前掲書には次のようなことも書かれている。

 大師を信じることを恐れてはいけない。大師は最高の力を手にした人だ。彼らは、肉体をもっていてもいなくても、こちらの世界と地上を意志の力で自由に行き来できるのだ。
 だがわたしは、彼らが二つの世界を行き来する方法を世間に教えるつもりはない。大師以外の者がその方法を試そうとすれば、行ったきり戻れなくなる恐れがあるからだ。知は力なり。それは事実だが、ある種の力は、それに見合うだけの英知をもたない者が行使すると、危険な事態を招く場合がある。……(中略)……
 こちらの世界でわたしを指導している師は大師である。
 地上の世界に教授より地位の低い教師がいるのと同じで、こちらの世界には大師でない教師もいる。……(中略)……
 わたしは、死と呼ばれる変化のあとで迎える生の実態を人々に伝えようとしているわけだが、師はその試みを認めてくれていると言ってよいと思う。もし師が反対するなら、わたしはその卓越した英知に従うしかない。*8

萬子媛や三浦関造先生がどのような地位にある教師なのか、わたしには知りようがない。

ただ、萬子媛にしても三浦先生にしても、生前からその徳を慕われ、また神通力をお持ちだった。現在はどちらも肉体を持っておられない。そして、お二方が二つの世界を自由に行き来なさっていることは間違いのないところだ。

わたしは前世から三浦先生とはつながりがあったと感じている。だからこそ、先生のヴィジョンを見たのだと思っている。萬子媛にはそのような縁を感じたことはない。

だが、萬子媛を知り、作品に描くことは、この世に降りてくるときの計画にあったのではないかと考えたりしている。駄作のままではだめだとの衝動を覚えるのだ。

 


マダムNの覚書、2016年6月17日 (金) 18:33,2016年8月18日 (木) 12:58,2016年8月21日 (日) 07:24,2016年10月13日 (木) 19:15,2017年6月 6日 (火) 20:08

*1:鷹司家は五摂家の一つ。

*2:<http://www.edojidai.info/sinntyou.html>(2017/06/29アクセス)

*3:「入定」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2018年10月7日 18:49 (UTC)、URL: http://ja.wikipedia.org

*4:<https://youtu.be/jV4qeCYEu8g>(2017/06/06アクセス)

*5:<http://www.rinnou.net/>(2016/8/20アクセス)

*6:バーカー,宮内訳,1996,p.25

*7:ブラヴァツキー, 田中訳,1995,用語解説 p.24

*8:バーカー,宮内訳,1996,pp..203-204

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2022年2月20日 (日)

モンタニエ博士の「水は情報を記憶する」という研究内容から連想したブラヴァツキー夫人の文章

モンタニエ博士の「水は情報を記憶する」という研究内容から連想したブラヴァツキー夫人の文章を紹介したいと思います。あくまで、わたしの個人的な連想にすぎません。

神智学に関するわたしの考えには間違っていることも多く混じっていると思いますので、書籍や神智学協会の動画を参考になさってくだされば幸いに思います。

神智学協会ニッポン・ロッジのチャンネルがYouTubeに開設されており、現時点で15本の動画が公開されています。

神智学協会
https://www.youtube.com/channel/UCzZCXhRNoZZ7DkMcIkJpAwQ

わたしが行う引用については、故田中会長に引用の許可を伺い、黙認して貰っていたという経緯があります。はい、あくまで 黙認 にすぎないものです。

田中恵美子先生とジェフ・クラークさんの翻訳はすばらしく、ここで日本語の神智学用語が確立されたといってもいいでしょう。

その貴重な邦訳書から引用させていただくことは畏れ多いことですが、現代科学とリンク……といわないまでも連想させられる内容については、わたしのような未熟な者でも発信しないことには、知られないままで終わってしまうのでは……という懸念を覚えるのです。

一方では、ブラヴァツキー夫人が述べてもいない荒唐無稽な思想が夫人と関係があるかのようにあまりにも堂々と横行しており、この傾向にささやかにでも対抗するには、夫人の香気ある、なまの論文を読んでいただくのが一番だと考えました。

わたしの考えが間違っていたとしても、たとえ引用という形であれ夫人の論文の断片が存在すれば、それを読んでいただき、読まれたかたが邦訳書や原書を追跡なさることによって正しく判断していただくことが可能となります。

本当は、大学のような研究機関において高度な研究がなされるべきです。ブラヴァツキー夫人の文章は一般人には難解ですし、夫人の論文内容をまともに研究するには、強靱な知性と美しい心、そして膨大な資料(資金)が必要でしょうから。

その間に合わせのような、おかしなことを、わたしのような無知なおばさんがするべきではないことは重々承知の上ですが、どなたもあまりしてくださるふうではないので、わたしがあくまで個人的なメモとして書くしかないという事情をわかっていただきたいと思います。

サイト「ブラヴァツキー研究センター」はブラヴァツキー情報の宝庫です。

Blavatsky Study Center
https://blavatskyarchives.com/

以下の動画では、ここの資料へリンクさせていただいています。

「原子の無限の分割性」とブラヴァツキー夫人は言う
2020/10/23
https://youtu.be/c54EEOWPngo

ところで、新型コロナワクチンに警鐘を鳴らし続けたフランスのウイルス学者リュック・アントワーヌ・モンタニエ博士(Luc Antoine Montagnier,1932年8月18日 - 2022年2月8日)の急逝について、以下の記事で採り上げました。

2022年2月13日 (日)
モンタニエ博士の急逝。世界では薄れてきたワクチン信仰、それなのに日本ではガンガン打っている理由。危険なロット番号。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2022/02/post-d3e0ba.html

よく引用させていただくインディープさんの記事を閲覧していました。

興味の方向性が似ているなあと思って閲覧させていただいていると、時々、シュタイナーの著作からの引用に出合います。ああそうか、やはり方向性が似ているんだと思いました。

新型コロナが流行するようになって、インディープさんの記事を閲覧する医学の専門家が増えたようです。そのかたがたのツイートに引用があるのです。原文に当たって、きちんと紹介されているので、専門性が高いインディープさんのサイトです。

In Deep
https://indeep.jp/

ウイルス学者として知られるモンタニエ博士が光学生物物理学というジャンルにも偉大な足跡を残されたことを、インディープさんの以下の記事で知りました。

「生体の光」「水の記憶」「DNA」で人間の多くの病気を治癒する技術をほぼ完成していた矢先のモンタニエ博士の死。その「光学生物物理学」の歴史
投稿日:2022年2月19日
https://indeep.jp/dr-montagnier-s-revolutions-in-optical-biophysics/

インディープさんの記事によると、モンタニエ博士は、実験によって次のようなことを立証しました。

  • DNA の情報は、電磁波として水に転写される
  • 水はその DNA の情報を(DNAが消えた状態でも)記憶する
  • そして、その水に転写された DNA の情報は(そこに何もないのに)元の DNA と同じ電磁波信号を発し、(そこには何もなかったのに)DNAが検出された

また、同様の研究をしているかたの論文の抄録を読みました。そこには次のようなことが書かれていました。

水の情報記憶について
Memory of Water
根本 泰行
https://ci.nii.ac.jp/naid/130005253316

…(前略)…従来科学においては、「水の情報記憶」について、なかなか認められず、結果として「『水からの伝言』は非科学的である」との批判を受けてきた。ところが過去10年ほどの間に、世界のトップレベルの科学者たちから、「水は情報を記憶する」ということを示唆する証拠が提示されてきている。 ワシントン大学のジェラルド・ポラック博士は、水には固体・液体・気体の他に、「第四の水の相」とでも呼ぶべき特殊な「相」があることを発見した。そして博士は「『第四の水の相』を考慮すると、『水からの伝言』で示されている現象を初めて科学的に説明できる可能性がある」という趣旨の発言をしている。その理由として、博士は以下の2つ―すなわち「水が凍る時、水は必ず『第四の水の相』を通過する」ということと、「『第四の水の相』は、水分子がランダムに動いている従来の液体の水のイメージと異なり、極めて秩序正しい形になっているので、実際に情報を記憶する能力を持っている可能性がある」ということ―を挙げている。…(後略)…

こうした分野の研究全体については、わたしにはちんぷんかんぷんです。

そういえば、息子が大学、修士、博士課程を通して――社会人ドクターとして頑張りましたが、卒論の仕上げにかける時間がとれず中退しました――師事していた教授は水の研究で世界的に有名なかたですが、こうした研究とは全く異なる方面の研究なのでしょうか?

いずれにせよ、わたしには難解なのですが、前掲二つの記述からブラヴァツキー夫人の次の文章を連想せずにはいられませんでした。1831年に生まれたブラヴァツキー夫人は1891年――和暦では明治24年――に亡くなっていますから、現代の科学用語を駆使するわけにはいかなかったことを頭に置いて読んでいただきたいと思います。

氷は素晴らしい魔法使いであり、エーテルと同じように、その性質がほとんど知られていません。それはアストラル光とオカルト的な関係があり、ある状態の下で目に見えないアストラル領域からあるイメージを反射することもあります。ちょうど光と感光板は望遠鏡でさえも見えない星を反射することができるのと同じようなことです。…(略)…とにかく氷は光の或る状況の下でその表面に印象づけられたもののイメージを保存する特性が確かにあり、溶けるまでそのイメージを目に見えぬままで守ります。高質の鋼も同じ特性をもっていますが、氷ほどオカルト的な性質ではありません。氷を表面から見たら、これらのイメージは見えないでしょう。しかし、熱で氷を分解させて、そこに印象づけられていた力やものを扱うようになると、氷は印象づけられていたイメージを投げ出し、その形が現れるのを観察できます。それは別の環に至る一つの環にしかすぎません。もちろんこれはすべて近代科学ではありませんが、それでも事実であり、真実です。
(H・P・ブラヴァツキー著、田中恵美子&ジェフ・クラーク訳『シークレット・ドクトリン 宇宙発生論(上)』神智学協会ニッポン・ロッジ、1989、「議事録」729頁)

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2021年11月25日 (木)

(再度の加筆のため、一旦閉じました)神秘主義的エッセーブログを(一応)更新しました(加筆あり、赤字)

※加筆に時間がかかりそうなので、一旦閉じました。「いいね」してくださったかたがあったのに、申し訳ありません。(2021/11/27 18:44)

ブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」を更新しました。

113 ワイス博士の前世療法の問題点について、神秘主義的観点から考察する
https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2021/11/23/030326

公開後に改めてヘッセの『デミアン』を読み、以下のようなことを考えたところなので、これをそっくり加筆するかもしれません。

+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

ヘルマン・ヘッセ(高橋健二訳)『デミアン』(新潮文庫 - 新潮社、2007改版)の訳者解説によると、1919に発表された『デミアン』がドイツの若者に如何に大きな影響を与えたかが窺えます。

『デミアン』は力作であると同時に問題の作である。大戦直後、発表された当時、シュペングラーの『西洋の没落』と並んで、迷えるドイツ青年層に大きな衝撃を与えたばかりでなく、ヘッセ自身にとっても人間的にも芸術的にも一転機を画した作である。成功した作であるか、失敗した作であるかは別として、『デミアン』はヘッセが必死になって自我と取り組んだ力作であり、よかれあしかれ彼の代表作であることは衆評の一致しているところである。(p.247)

ヘッセによると、デミアンとはデーモン(悪霊にとりつかれたもの)から出ているとか。

『デミアン』執筆の背景として、第一次世界大戦の衝撃、ラングという精神分析に詳しい医師と知り合いになったことから精神分析に強い興味をそそられ、読心術、夢の解釈などをはじめとする精神分析的要素が随所にとり入れられたことが挙げられています。

ロックフェラー家の助力でユングの「心理学クラブ」が設立されたのは1916年。そこを訪れたというヘッセの『デミアン』にはクラブの大きな影響が――作風を一変させるほどに――あったというわけです。

神的なものと悪魔的なものとに引き裂かれそうになったヘッセは、この作品を書くことで、二つの概念の止揚を試みたのではないでしょうか?

悪魔的なものの中には性欲も入っており、性欲の扱いに困っている青年の姿が生々しく描かれているのですが、それを主人公が頭の中で誇大妄想的に、理想とする生身のエヴァ夫人の幻像を世界観に溶かし込む様子に読者として不安にさせられました。エヴァ夫人と息子のデミアンは主人公の指南役として、過剰なまでに大きな役割を果たします。

若者受けを狙ったのかどうかはわかりませんが、この作品の発表当時のヘッセが42歳だったことを思えば、大人の視点を完全に欠いたまま無理に脱稿したような作風にわたしは奇異な感じを受けざるをえませんでした。何歳での発表だったか確認するまでは、20代前半での発表と思っていたほどです。

心理学クラブの影響を受けたヘッセ(1877 - 1962)と、神智学及び人智学の影響を受けたカロッサ(1878 - 1956)は同世代です。

『デミアン』の後半部はあまりに夢幻的、抽象的、観念的であり、世界と自己の陥っている限界感を解決するものとして、ヘッセは次のような結論を主人公にもたらします。

巨大な鳥が卵から出ようと戦っていた。卵は世界だった。世界は崩壊しなければならなかった。
ヘルマン・ヘッセ(高橋健二訳)『デミアン』(新潮文庫 - 新潮社、2007改版、p.242)

これは革命思想ですね。

崩壊後の具体的なヴィジョンのないところは、イルミナティ教団を創設したアダム・ヴァイスハウプトと同じです。カバール(悪魔崇拝主義)といわれる国際金融資本ロスチャイルド家がヴァイスハウプトとマルクスを支援し、ロックフェラー家がユングを支援していたとはね。

一方、カロッサの作品では、神智学の影響が次のような言葉となっています。

空疎な唯物論は、さいわいにして、ようやく没落し、今では神智学という立派な信頼すべき学問が存在している。そしてその学問のおかげで、私たちが現世の肉体のほかにもう一つの肉体、エーテルの肉体を持っていることが、決定的に証明された。この肉体は宇宙のあらゆる永遠の生命力とつながっていて不滅であり、幾度も浄化され、いくつも星をへめぐったのちにおいて、ふたたび自分の血縁者たちと出会うだろう。
カロッサ(国松孝二訳)『指導と信徒』(岩波文庫 - 岩波書店、2012、p.40)

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2021年10月22日 (金)

【23日に加筆修正、追記あり】夢にまで見た紙書籍(ペーパーバック)出版がAmazonで可能に! 過去記事のシュールな神智学問答に関して。ドライアイスで生き延びた(?)一夜干し。ナイノーって?

夢にまで見た紙書籍(ペーパーバック)の出版がどうやら、ようやく日本でも解禁となったようです。Kindleからのお知らせがなぜか迷惑メールに入っていたため、今まで気づきませんでした。

電子書籍だけでなく、マンガを含む、すべてのジャンルの紙書籍(ペーパーバック)も、無料で出版いただけます」とあるので、このサービスも電子書籍と同じように無料で利用できるようです。

ただし、「Amazon で販売されたすべての紙書籍(ペーパーバック)に対して、60% のロイヤリティを獲得いただけます。なお、印刷にかかるコストは、ロイヤリティから差し引かれます」とのことなので、値段は高めに設定せざるをえないでしょう。

となると、買うのは自分だけかもしれませんが、図書館に置いて貰うことができますし、ちょっとしたプレゼントにすることもできます。新作能の台本を紙書籍にすることも可能となります!

紙の書籍の出版方法をわかりやすく解説してくださっているサイトがありました。

結構大変そう。これは来年の課題としたいと思います。できれば、来年早々にでも紙の書籍の出版に漕ぎ着きたいところですが、新作能の執筆があるので、これが一段落付くまでは作業に入るのは無理かな。

紙書籍となると、電子書籍の作成時に採用していた作品ごとに一冊に……というのではなく、単行本として成立する頁数を念頭に、編集作業からやり直す必要がありそうです。

Kindle管理画面の本棚にはこれまでに出版したKindle本が並んでいます。それをざっと見たところでは、最初の紙書籍は児童小説『田中さんちにやってきたぺガサス』になりそう。

この作品は、頁数的にも内容的にも、これのみ一冊の紙書籍として成立すると思います。ただ表紙がこれじゃまずいでしょうね。新しくエッセー集も出したいなあ。勿論、電子書籍と紙書籍で。

こうなると、賞の応募にはよくよく注意が必要ですよ。本を出したいから、文学賞に応募するという人も少なくないと思われます。出したが最後、著作者人格権まで持って行ってしまうような怖い賞もありますのでね。

2017年12月27日 (水)
ホラーさながらの文学コンクール
https://elder.tea-nifty.com/blog/2017/12/post-c242.html

話題は変わりますが、以下の過去記事で、ヨギぐまさんとのツイッターでのやりとりを記事にしました。

2021年8月 2日 (月)
ヨギぐまさんとのシュールな神智学問答(あくまで個人的なやりとりです)
https://elder.tea-nifty.com/blog/2021/08/post-b7a54e.html

なぜ記事にしたかというと、神智学協会の会員同士によるツイッターでのやりとりに、ニューエイジ現象との関連が見出せたことからです。

ブラヴァツキー夫人は「ニューエイジの祖」といわれるほど人口に膾炙している巨大な存在ですけれど、夫人の文章以上に、それに尾鰭をつけたり内容を改変したりしている人々の説のほうが多く出回り、彼らの自説がブラヴァツキー夫人の説と混同されている状況をわたしは憂えてきました。

この問題は、軽く済ませられるものではないと個人的には考えています。

ツイートでお約束してくださったように、ヨギぐまさんは神智学協会ニッポンロッジ会報誌 vol.56 で七つの光線について紹介してくださっています。よく整理された、わかりやすい紹介でした。

会報誌ですので、内容をそのまま紹介するわけにはいきませんが、ツイートの内容に関わる部分について結論めいたことは追記として書いておきたいと考えています。すぐには追記のための時間がとれないかもしれませんが。

故田中会長が2回に分けて竜王会の会報誌にお書きになった「七光線について」の記事も確認しましたので、それについても書ける範囲内で追記に含めます。

勿論、この追記もあくまでわたしの個人的な考えによるものです。

また話題が変わりますが、使い込んだ冷蔵庫が壊れて新調するはめになり、そのことに追われた数日間でした。

16日の土曜日に、16年前の7月14日に購入したシャープの冷蔵庫が壊れました。

ここ数年、酷暑続きである上に――だからこそというべきか――365Lの冷蔵庫には大抵食材がパンパンに詰まっている状態でした。

そろそろ買い替え時かな、と思うようになったのは今年の夏で、静かとはいえなかった冷蔵庫の機械音が一層大きくなったことからでした。アイスクリームがゆるい……と思ったことが何度かありました。

それでも何とか猛暑を乗り切り、まだあと1年くらいはいけるかも……と思わせてくれた頼もしい冷蔵庫でした。

それが、どうしたことか突然……。深夜、冷蔵庫を開けると、電気がつきませんでした。全く作動していませんでした。コンセント、ブレーカーなどあれこれ確認しましたが、どうもアウトっぽいのでした。

翌朝、電器店に電話して事情を話すと、仮に修理を頼んだところで、メーカーにはもう部品はないと思うとのことでした。やはり買い替えるしかないんだ、と最終宣告(?)が下った思いでした。

365Lの冷蔵庫を使ってきたのだけれど、それくらいは入る冷蔵庫ではどんなメーカーの商品が置いてあるのか、価格帯、配達にかかる日数――購入の段階でしかわからないとのことでした――など尋ね、深夜勤務の夫が帰宅したら、休日だった娘も一緒に電器店に行くつもりで、今後の対策を練りました。

娘がネット検索で、ドライアイスで冷蔵庫の中身を持たせる手があるよ、といいました。その手でいこう、と即座に思いました。

というのも、長崎県産のアジの一夜干し(塩味の開きと桜干しが2枚づつ真空パックになっているものが各5組)を通販で取り寄せたばかりだったので、何よりこれを無駄にしたくありませんでした。

この一夜干しはとても美味しいので、そのうち別記事にする予定です。2回目の注文でしたが、佐賀唐津産(玄界灘)のお魚と味付けに馴染みの深い夫とわたしが「ああ、同じ味!」と感動した一夜干しなのです。

で、ドライアイスに関しては、以下のサイトが参考になりました。

車であればすぐに行ける範囲内に氷屋さんがありました。朝9時に電話すると、8時から開いているそうで、年中無休だとか。夫に買いに行って貰いました。

新聞紙に包まれたドライアイスの塊を冷蔵庫のあちこちに置きました。新聞紙に包まれていても、素手で触ると凍傷になりそうに冷たいですよ。

17日に2,000円分。朝9時に買いに行って、午前2時にはなくなります。18日から20日にかけては3,000円分買いました。配達は21日の朝9時ということでしたが、古い冷蔵庫から食品を出して新しい冷蔵庫が冷えるまで持たせなくてはならないので、この日も2,000円分買いました。

氷屋さんは葬祭業者の利用が多いという夫の話でした。まあそうでしょうね。

ドライアイス代は思わぬ出費で高くつきましたが、新しい冷蔵庫が来るまでの食生活を見事に支えてくれました。4日家族で外食すれば、それだけでもドライアイス代くらいでは済みません。ぎっしり詰まった食材を入れ替えるとなると、さらに出費が嵩みます。それに、食材を棄てれば心が痛むでしょう。たぶんドライアイスで正解でした。

購入したのは、501Lのパナソニックの冷蔵庫です。容量は大きくなりましたが、外観はそれほどの違いが感じられません。電気代もむしろ安くなりそうです。

電器店では国内産の製品に限定して見ていきました。シャープの冷蔵庫は気に入っていたので未練がありましたが、扉を開けると中国産(中国製だったかな)の文字が。日本の宝の多くが中韓に奪われましたね。でも、それを可能にしたのはアメリカ――というよりディープステート――だそうですよ。

冷蔵庫のコーナーにおられた日立の人を電器店の店員さんと間違えて声をかけてしまい、当然ながら日立推しがすごかったのですが、以前は日立信者だったわたしは日立製品の購入を重ねるごとに失望することが多くなり、自ずと日立製品を見る目が厳しくなってしまいました。

購入したパナソニックのPXシリーズは上位グレードではありません。日立冷蔵庫も同じ位置づけのモデルを見ていたわけですが、日立の下位モデルの棚板はプラスティックで、それが嫌です。過去に棚板のたわんだ経験があったのです。今のプラスティック棚板はもっと丈夫なのかもしれませんが……。

わたしは「切れちゃう瞬冷凍 A.I.」の三菱冷蔵庫がいいなと思いました。でも、夫がAI搭載を謳っているところが嫌だというのです。勝手に学習されて勝手な真似をされたくないそうです。

今はどこのメーカーのも自動でいろいろとやってくれるのですから、有名メーカーはどこのも似たりよったりだとわたしは思うのですが、どうでしょう。中国産のAI搭載には拒否反応が起きますけれど。

日立と三菱が候補から外れると、あとはパナソニックしかありません。これしかないかという思いで見ていったのですが、幸いパナソニックが気に入りました。あとになってAmazonの口コミを見ると、口コミはありませんでしたが、試験依頼先の一つに北里環境科学センターとあって、心が踊りました。イベルメクチンですっかり北里ファンなのです。

23日に追記: 取扱説明書に「ナノイーX」試験内容の試験機関(一財)北里環境科学センターとありました。ナノイーXって、何でしょう? 「ナイノーXは、水に包まれた微粒子イオンです。(以下略)」と説明がありますが、このパナソニックのナノイーやシャープのプラズマイオンについて調べれば調べるほど、科学音痴のわたしはわけがわからなくなりました。肯定・否定両論あって。ウィキの「マイナスイオン」の記述は信用できるのでしょうか? イベルメクチンは実際に服用した経験から判断できるのですが、ナイノーXに関してはこれから使っていく中で観察してみたいと思います。
庫内はなかなか清潔感があり、生き延びた野菜たちが――つい見とれてしまったほど――瑞々しくなりました。温度、湿度の調節とナイノーX効果なのでしょうか。

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これは、新しい冷蔵庫の冷凍室に移したばかりのアジの一夜干しです。真空パック入りですし、色からすれば大丈夫だと思いますが、食べてみるまではわかりません。

わたしが冷凍するときは、肉なり魚なりを裸にしてアルミホイルで包むことにしています。百貨店の食品売り場で教わったのです。アルミホイルで直に保護してやると、よく持ちますよ。料理サイトにもそのように書かれています。

 

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2021年7月 7日 (水)

ユングは、若い頃から生涯にわたって降霊術のとりこだったようだ

はてなブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」で公開中のエッセー 77前世療法は、ブラヴァツキー夫人が危険性を警告した降霊術にすぎない」及びブロガーブログ「Nのめもちょう」にクリップした以下の記事3本をまとめて動画にする予定なのだが、まとめるのが億劫だ。

ワイス博士の前世療法の問題点について、神秘主義的観点から考察する ①
https://n2019memo.blogspot.com/2021/04/blog-post.html

ワイス博士の前世療法の問題点について、神秘主義的観点から考察する ②
https://n2019memo.blogspot.com/2021/04/blog-post_3.html

ワイス博士の前世療法の問題点について、神秘主義的観点から考察する ③著名なヨガ行者パラマンサ・ヨガナンダと前世療法における「前世の記憶」の様態の決定的違い
https://n2019memo.blogspot.com/2021/04/blog-post_73.html

ピプノテラピストとして前世療法を行い、それで食べている人も多いだろうことを思えば、ますます億劫になる。

だが、前世療法――降霊術と同じものだとわたしは考えている――の危険性は神秘主義者として訴えていくべきだと強く思わざるをえないのである。

前掲はてなブログの注目記事を見ると、エッセー 91C・G・ユングの恣意的な方法論と伝統的な神秘主義」が入っている。この記事がまだメモの段階にあったことを思い出した。

老松先生訳の以下の著書も読むつもりでいながら、まだ読んでいなかった。

リチャード・ノル(老松克博訳)『ユングという名の「神」―秘められた生と教義』 ( 新曜社、1999)

タイトルからして、衝撃的だ。

ウィキペディア「カール・グスタフ・ユング」によると、ユングはスイス、トゥールガウ州ボーデン湖畔のケスヴィルでプロテスタント(改革派)牧師の家(ドイツ系)に生まれ、チューリッヒ州のキュスナハト改革派教会に葬られた。(ウィキペディアの執筆者. “カール・グスタフ・ユング”. ウィキペディア日本語版. 2021-02-09. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%A6%E3%83%B3%E3%82%B0&oldid=81749853, (参照 2021-07-06).

エッセー 91 に加筆するつもりで、次のようなメモをとっていた。

+‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

現代哲学・心理学が依拠しているといってよいウィリアム・ジェームズ(William James,1842 - 1910)は、自分には同じに見えるからという、ただそれだけの理由で、ラリっている薬物中毒者の幻覚も、霊媒の憑依現象も、神秘主義者のヴィジョンも、皆、同一の神秘主義的経験に一緒くたに分類してしまうという大きな過ちを犯した。

神秘主義と心霊主義は見分けがつかないものとなって、その結果、全体が胡散臭いものと見做されるようになってしまった。

ジェームズの神秘主義へのアプローチは次のようなものである。

神秘的状態に関する私の論じ方が光を投げるか、それとも暗〔かげ〕を投ずることになるのか、私は知らない。というのは、私自身の性質として、神秘な状態を享楽することが私には全然できないといっていいくらいなのであって、私としてはその状態についてはただ間接的にしか語れないからである。しかし、たとえ問題をこうして外面的に眺めるほかないにしても、私はできるだけ客観的また受容的であるつもりである。(W・ジェイムズ、桝田啓三郎訳『宗教的経験の諸相(下)〔全2冊〕』岩波文庫 -岩波書店、2015、182頁)

神秘な状態を享楽? 

前置きであるにも関わらず、早くもジェームズは「神秘的状態」とは「享楽」する性質のものであるかのように唐突に断定し、その口吻からはそうすることで彼が自らを神秘主義者たちより上位に置き、自分こそ洗練されたストイックな、そして誠実な論じ方をする人物であると印象づけるための心理操作を行っている。

カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung,1875 - 1961)はジェームズより凡そ30年遅く生まれたが、ジェームズの影響は免れ得なかっただろう。ウィキペディアの以下の記述を見ると、やはりそのようである。

精神科医であったユングは、ピエール・ジャネやウィリアム・ジェームズらの理論を元にした心理理論を模索していた。

ウィキペディアの執筆者. “カール・グスタフ・ユング”. ウィキペディア日本語版. 2021-02-09. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%A6%E3%83%B3%E3%82%B0&oldid=81749853, (参照 2021-07-06).

前掲書『ユング自伝 2 ―思い出・夢・思想―』で、ユングは次のように書く。

批判的な合理性は、死後の世界についての考えを多くの他の神秘的な考えと共に、除去してしまったようである。これは現代では殆どの人が、自分を意識と同一視し、自分について自ら知っていることのみが自分であると考えているためにこそ生じたことである。しかし、このような知識がいかに限定されたものであるかは、心理学を生かじりしたものでさえ明らかなことである。(ユング,河合・藤縄・出井訳,p.138)

ユングは「批判的な合理精神」に一見、批判的なようでありながら、その批判的合理精神に除去されてしまった「死後の世界についての考え」と「多くの他の神秘的な考え」を除去される以前の状態に戻して精査してみようとはせず、独自のアプローチを図った。

われわれの時空の概念は、単に近似的な近似的な妥当性をもつだけで、従ってそこには大なり小なりの歪みのある領域が存在する。これらすべての点を考え直して、私は心の不思議な神話に注意深く耳を傾けることにした。(ユング,河合・藤縄・出井訳,同上)

そして、ユングが次のように書くとき、彼は――彼のいうところの――神秘的な人ではなく、また科学的な人でもないことがわかる。彼は「神話のこころみ」を行うが、それは「癒やすものであり、価値ある行為」、「それなしではすまされない不思議な魅力を与えてくれる」であるゆえに行うというのである。

われわれは、全く異なった法則によって統制されている他の世界を心に描き出すことはできない。それはわれわれが、われわれの心を形づくり、基本的な心の状態を確立するのを助けるような特殊な世界に住んでいるからである。われわれは、自分の内的な構造のために著しく限定されており、従って、われわれの全存在と思考によって、このわれわれの世界に縛られているのだ。神秘的な人は、「そのすべてを超えてゆく」ことを疑いもなく主張する。しかし科学的な人はそれを許すことはできない。知性にとって、私の神話のこころみはすべて不毛な思弁にすぎない。(ユング,河合・藤縄・出井訳,p.139)

僭越ながら、わたしは自分のことを神秘主義者と自覚してきた。幼い頃から「異なった法則によって統制されている他の世界」のことを始終心に描き出してきたし、常にその「他の世界」の観点でこの世界を見てきたのである。わたしには「他の世界」のほうがこの世の上位にある。その世界がこの世より精妙な、よりよき世界に思えるからだ。

神秘主義は神聖科学(あるいは秘教科学)に基づいた体系を持ち、科学中の科学に他ならない。少なくとも、神秘主義者はそのように認識しているのである。

ユングはウィリアム・ジェームズ同様、「多くの他の神秘的な考え」を精査することなく、神秘主義を科学の対極にある非科学的なものであるかの如くに扱う。

つまり、ユングは神秘主義者ではない。批判的合理精神に与する人であり、その批判的合理精神が出てきたキリスト教という一神教の残照に染まって見える。

精神分析の運動から離れ一人研究を進め、1916年には石油王ジョン・ロックフェラーの四女イーディス・ロックフェラー・マコーミック(en, 1872年 - 1932年)の助力で「心理学クラブ」を設立して、分析心理学の確立に努める。このクラブには、ヘルマン・ヘッセも訪れている。このマコーミック夫人の縁でジェイムス・ジョイスを知り、『ユリシーズ』の批評も書いている。

ジェイムズ・ジョイスとも知り合いだったとは。エッセー 96「ジェイムズ・ジョイス (1)『ユリシーズ』に描かれた、ブラヴァツキー夫人を含む神智学関係者5名」を書いたことを思い出した。ロックフェラー家の助力で「心理学クラブ」を設立……どんなクラブだろう?

ウィキペディアには、「鈴木大拙、ミルチャ・エリアーデ、ハーバート・リードらと親交を結ぶ」とある。鈴木大拙は神智学徒だったが、禅の研究で著名である。ユングが神智学や禅を理解していたようにはとても思えない。

母方のプライスヴェルク家が霊能者の家系として著名だった」ともあるが、この霊能者とは霊媒のことだろう。神秘主義者は個々人の体験的獲得によって神秘主義者になるのであって、個別的なものであるから、「家系」的に連なることはありえないのだ。

ユングがその霊媒の家系に連なる人であるかどうかはわからないが、ユングを――夢、あるいは幻視・幻聴の形で――訪れた夥しいまでのイメージは、神智学的観点から解釈すれば、カーマ・ローカ(主観的で目に見えない半物質的世界。黄泉の国)のアストラル幻影ではないだろうか。

『ユング自伝』全体がアストラル幻影に満ちているようにわたしには思われる。

死後の世界といっても、カーマ・ローカという死後の世界の前庭しか知らないユングだからこそ、次のように回りくどく書かねばならないのである。それを誠実さと勘違いしてはいけない。

……(略)……私は、死後の世界について明白な形でのべたことはない。それはつまり、そのときには私の個人的な考えをのべねばならなくなるだろうし、私としてはそのようなくせは全く持ち合わせていないからである。それはともかくとして、今、私は自分の考えをのべようと思う。
 今になっても、私はお話を物語る――神話として話す――以上のことはできない。この点について自由に語るためには、多分、死に近づいていることが必要であろう。死後の生活を私が望んでいるということはない。実のところ、そのような考えを育てたくはないと思っている。それでも、現実に対して公平であるために、私は、そのようなことを欲したのでもなく、それについて何かをしたのでもないのに、このような考えが私の心の中に動いていると言わねばならない。(ユング,河合・藤縄・出井訳,pp.137-138)

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥+

午前中にここまで書き、中断していた。その間に、夫がユング関係の著書を7冊、図書館から借りてきてくれた。その中には、前掲書『ユングという名の「神」―秘められた生と教義』が含まれている。

まだ読み始めたところだが、驚いている。

ユングは若い頃から降霊術に熱中しており、生涯にわたって、降霊術に出現する死者の国の霊や神々に相談し、それを他人にも相談するよう教えたというのである(p.37)。

自伝が霊媒臭いとは思っていたけれど、まさか、そこまで愚かな人だったとは!

道理で、ワイス博士のような人物が出てくるはずだ。何ということだろう、開いた口がふさがらない。ユングについては、今日はここまでしか書けない。後日また、気が向けば。

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2021年4月23日 (金)

イベルメクチン服用2回目。パンデミックの次に来るのはエンデミック? 

当ブログは個人的な考え、クリップしておきたい情報をメモしている覚え書きにすぎないことをお断りしておきます。

このコロナワクチン、毎年打たされるようになる懸念があります。

気をつけないと、どの時点かでワクチンに殺されますよ。

ワクチンを接種した方から他人への感染をどの程度予防できるかはまだ分かっていません。(厚生労働省)
https://cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/other_5.html

インフル予防接種に比べて遙かに危険なのに、効果のほども定かでない有害ワクチンをがんがん打ったら、どの時点かで体が壊れることは必至……まあ過去記事で紹介したビル・ゲイツやヘンリー・キッシンジャーの言葉から見ても、こうなることは火を見るより明らかなことではありました。

2021年1月20日 (水)
ヴァイスハウプトはロスチャイルドに依頼されてイルミナティを作った ③
https://elder.tea-nifty.com/blog/2021/01/post-a53d44.html

2021年3月24日 (水)
トーマス・マン『魔の山』の舞台で行われるダボス会議のテーマであるグレート・リセット、内閣府のムーンショット計画、新型コロナワクチン
https://elder.tea-nifty.com/blog/2021/03/post-a12c87.html

2021年3月24日 (水)
コロナ禍から世界を救うのは危険な遺伝子ワクチンか、人間にも動物にも優しいイベルメクチンか?
https://elder.tea-nifty.com/blog/2021/03/post-52bf02.html

2021年3月27日 (土)
反ワクチンとは。イベルメクチンについての43頁の論文を閲覧中。遺伝子ワクチン接種後の死亡
https://elder.tea-nifty.com/blog/2021/04/post-ca4b79.html

2021年4月19日 (月)
セロリスープ(E・レシピ)、カレーの話題。ワクチンに関するキッシンジャーの怖ろしい迷言。大阪市が心配です。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2021/04/post-b00f60.html

4月17日の記事で、こうこさんというかたのツイートを紹介しましたが、とても心配になったので、フォーローさせていただいて、報告を待っていました。

2021年4月17日 (土)
イベルメクチンを特例承認して、自宅・ホテル待機者に配布を! 
https://elder.tea-nifty.com/blog/2021/04/post-02b81d.html

幸い、よい方向へ向かわれたようです。

ご主人は入院でき、こうこさんはオノダクリニックのオンライン診療を受けられたようです。

オノダクリニックは、4月11日の記事で採り上げた「COVID-19 薬コロナ治療薬情報(イベルメクチン)」さんのツイートで紹介されていたイベルメクチン処方可能な病院・クリニックのうちの一軒です。

そのツイートを再掲しておきます。

ちなみに、わたしは自己責任でユニドラ(イベルメクチン検索表示ページ)から個人輸入したイベルメクチンをコロナ予防目的で飲み始めました。(4月7日の記事参照)

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ユニドラはここから▶https://www.unidru.com/

普通の人は2~3週間に1回飲めば予防できるそうなので(勿論完全に予防できるわけではないので、発病したときは受診しなくてはなりません)、火曜日に2回目を服用しました。

実は、先日ご報告した腰痛がまだ残っていました。あまりにしつこいので別の疾患を疑い出し、イベルメクチンを飲む前は、家族に受診の相談をしていたほどでした。

よくなったと思って、家族とショッピングモールへ出かけて歩き回ったために、痛みがぶり返したのかもしれません。

いずれにせよ、イベルメクチンはわたしの腰痛には効かないらしいと思い(なぜか期待していました)、オーラビーム(すなわちレーリッヒ夫人の表現ではハートによる自己治療、三浦関造先生の御著書にあるマニ光明ヨガも同種のものとわたしは考えています)ももう一つ気が乗りませんでした。これまで、オーラビームはこの手の痛みにはすぐに効いたのに、と憂鬱な気持ちでした。

ところが、イベルメクチンを服用して3~4時間ほど経ったとき、前回服用したときのように体に爽快感が満ちて、腰のあたりも軽くなった気がしました。

「これって、オーラビームに成功したときにそっくり!」と思いました。でも、腰痛がひどかったときもイベルメクチンの効能は持続していたはずでは? なぜそのときは効かなかったのでしょうか? 効いていても、効果が表れないほど腰痛がひどかったのでしょうか。

わたしが想像するに、イベルメクチンを服用して3~4時間くらいで、薬の効能がピークに達するのではないでしょうか?

その後は、個人差があるのでしょうが、ゆるやかに落ちていくのでしょうか。

椅子に座ることはできても、畳には座れず、いろいと不自由でしたが、しつこかった腰痛が消え、普通に動けるようになりました。

東京都医師会理事、鳥居明氏のオンライン論文「新型コロナの重症化を抑えるイベルメクチンの有用性」(https://www.tokyo.med.or.jp/wp-content/uploads/press_conference/application/pdf/20210309-5.pdf)には、イベルメクチンのエビデンスとして、次のようなことが挙げられています。

FLCCC (Front Line Covid-19 Critical Care Alliance)

  • 多くのウイルスの複製を阻害
  • 強力な抗炎症作用
  • サイトカイン産生と炎症のメディエーターの転写を強力に阻害
  • 感染者と接触した人の伝播と発症を予防
  • 症状早期に治療すると軽症から中等症の患者の悪化を防ぐ
  • 重篤患者の死亡率を低下させる
  • 死亡率の著しい減少
  • 高い安全性、入手可能性
  • 薬物相互作用はほぼ皆無
  • 観察された副作用は軽度でまれ
  • WHOは「必須医薬品リスト」に含めてきた

4月17日採り上げたツイートで紹介されていた論文「Long-COVID患者におけるイベルメクチンの使用についてのレトロスペクティブ研究」では、次のように述べられていました。

イベルメクチンは、ウイルスが細胞に侵入する能力を低下させ、また、免疫や血液の調整作用があることがすでに証明されているので、post-COVIDにイベルメクチンを使用することで、ほとんどすべての症状を軽減、短縮、さらには完全に改善できる可能性がある。

イベルメクチンの秘める抗炎症作用、免疫を高める作用がわたしの腰痛を楽にしてくれたのでしょうか。門外漢には想像することしかできません。

わたしと同様にぎっくり腰が治ったとツイートされているかたがありました。

わたしは沢山の薬を服用してきましたが、イベルメクチンのような薬は初めてです。薬を飲むことは足し算と引き算で……つまり薬の効果と副作用の両方を嫌でも意識せざるをえませんでした。

ですがイベルメクチンはむしろ、前述したように、何だか神秘的に思えるその効き方から、どちらかというと、前述したハートによる治療を連想させます。足し算と引き算ではなく、まるで贈り物のように思える効き方なのです。

2017年12月8日、2019年2月12日の過去記事でも紹介しましたが、再引用します(2019年の過去記事では、三浦関造先生のマニ光明ヨガについても考察しています)。

2017年12月18日 (月)
腰痛のその後、最強のオーラビーム?(19日に追記あり)
https://elder.tea-nifty.com/blog/2017/12/post-1.html

2019年2月12日 (火)
五十肩の再発と回復の経緯を三浦先生の著書で確認してみる。ブラヴァツキー夫人の病気と貧乏。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2019/02/post-9a12.html

レーリッヒ夫人は述べています。

治療者は二つのグループに分かれる。一つは手を当てたり直接見たりして治療する。もう一つは、ハートの流れを遠方に送る。もちろん、未来の建設のためには、二番目の方法が優先する。ハートの放射による場合は、患者の多くの中心を打つ必要はない。むしろ、患者の注意力に負担をかけず、患部だけに作用し、バランスを取り戻そうと戦っている組織体を元気づける。……(略)……ハートの流れによる治療者は、肉体と同様精妙体にも作用する。人生の現象的な面に注意を払うべきだ。それは、思ったよりもずっと本質的である。(アグニ・ヨガ協会編『ハート(平成17年9月1日コピー本復刻)』田中恵美子訳、竜王文庫、2005、51頁)

重病だけでなく、初期のものでもハートによる治療は特に有効である。現在ではこの治療法はほとんど忘れられているが、これは輸血と同じくらい強力である。なぜなら、不快な血液の低級な混合などせずに、ハートの影響を通して、精妙なエネルギーを送るからである。(同書、49頁)

日本の――否、世界の危機的状況を前もってご存じの八百万の神々が大村博士を通して人類に贈ってくださったのかもしれません。

それなのに、イベルメクチンを大村博士と共同開発した米国メルクの日本法人(MSD株式会社)の副社長は、人助けよりもお金のほうがお好きなようです。この人本当に日本人かしら?

虚しくなります。でも、負けるわけにはいかないでしょ? 「戦死者」のためにも。これは戦争なのです。

 

カテゴリー「新型コロナ対策: イベルメクチン」記事一覧

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2021年4月17日 (土)

イベルメクチンを特例承認して、自宅・ホテル待機者に配布を! 

カテゴリー「新型コロナ対策: イベルメクチン」記事一覧

 

わが国の誇る大村智博士が抗寄生虫抗生物質エバーメクチンを発見し、米メルク社と共同開発の下、イベルメクチンが誕生しました。

国内外で絶賛され、新型コロナの予防薬・治療薬として期待が寄せられるこの薬は特例承認されず、高価な割には副作用の強い、使う時期も限られる薬は治療薬として早期承認されて、突貫工事で開発された遺伝子ワクチンとなると、それをほしがる国民にも、不安を覚える国民にもどんどん打たれて被害を拡大しそうな勢いです。

長崎でも、ワクチン接種後の死亡者が出たようです。

暗いムードを帯びた遺伝子ワクチン接種――ロシアンルーレットのようだともいわれます――に比べると、自己責任で個人輸入してイベルメクチンで新型コロナを予防するカスタマーレビュー、服用体験談のツイートは明るいムードに包まれています。

ツイートのリンク先の論文「Long-COVID患者におけるイベルメクチンの使用についてのレトロスペクティブ研究」の中で次のように述べられています。

イベルメクチンは、ウイルスが細胞に侵入する能力を低下させ、また、免疫や血液の調整作用があることがすでに証明されているので、post-COVIDにイベルメクチンを使用することで、ほとんどすべての症状を軽減、短縮、さらには完全に改善できる可能性がある。

新型コロナの後遺症の改善、または予防のためにイベルメクチンを服用し始めた人の中には――わたしもその一人ですが――、期待しなかった他の不調まで改善されたという人が少なからずおられます。

門外漢のわたしは、医学的なことがよくわからないながらもその理由を探してきました。前掲論文の「免疫や血液の調整作用があることがすでに証明されている」という部分を読み、「ああそうなのか」と感動しながら思いました。

「厚生労働省ホームページ」(https://www.mhlw.go.jp/)

第55回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催) 資料
令和3年4月9日(金)
13:00~15:00
WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_17917.html

資料1-3 死亡として報告された事例について
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000767202.pdf[PDF形式]

「資料1-3」の一覧を参考にして、これが「資料1-1 国内での死亡例の発生状況について」中、「2.報告症例一覧(医療機関からの報告) 報告日 2021年2月17日~2021年4月4日」ではNo.何に当たるのか探してみました。

No.1,61女 くも膜下出血,2/26接種・3/18死亡(資料1-1ではNo.13)
No.2,26女 小脳出血,くも膜下出血,3/19接種・3/23死亡(No.994)
No.3,72女 脳出血,3/24接種・3/18死亡(No.1303)
No.4,65男 急性心不全,3/9接種・3/28死亡(No.1250及びNo.1689,資料1-1※3)
No.5,62男 溺死,4/1接種・4/2死亡(No.1662)
No.6※,69女 脳出血,3/17接種・3/26死亡

※2021/3/30に製造販売業者から厚生労働省に一報。詳細調査の後、4/6に副反応疑い報告がなされた。以降は3/30に報告がなされたものとして処理

資料1-1 予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について[PDF形式:1.5MB]
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000767199.pdf

次に「資料1-1」中、「2.報告症例一覧(医療機関からの報告) 報告日 2021年2月17日~2021年4月4日」から「重篤度(報告医評価)」が「重い」、「転帰内容」が「未回復」あるいは「不明」のかたのみ、「No」「年齢」「性別」「症状名(PT名)」「転帰内容」をピックアップしてみます。

「接種日」「発生日」「接種から発生までの日数」「ワクチン名(コミナティ筋注)」「製造販売業者(ファイザー)」「ロット番号」「因果関係(報告医評価)」「重篤度(報告医評価)」「転帰日」は割愛しています。「症状名(PT名)」の重複する内容も割愛しています。

※は一覧外の記載です。

雑なピックアップなので、間違いがあるかもしれません。厚労省のホームページをご閲覧ください。

No.13, 61女 心肺停止 くも膜下出血 転倒→死亡

No.19, 33女 アナフィラキシー反応→不明

No.46, 48女 アナフィラキシー反応→不明

No.126, 47女 三叉神経障害→未回復

No.137, 29女 アナフィラキシー反応→不明

No.141, 31女 喘息発作(喘息)→不明

No.189, 44女 血圧上昇(高血圧) 頻脈 気分障害(不快感)→未回復

No.263, 30女 末梢神経障害(末梢性ニューロパチー)複合性局所疼痛症候群→後遺症あり

No.267, 50女 アナフィラキシー反応 呼吸障害・呼吸不全(呼吸困難 悪心・嘔吐 口腔咽頭不快感→不明

No.287, 30女 歩行障害 排尿障害(排尿困難) 浮動性めまい→未回復

No.302, 32女 血圧低下 腹部不快感 皮疹・発疹・紅斑 異常感→不明

No.307, 43女 アナフィラキシー反応→未回復

No.329, 58男 脳出血→不明

No.341, 37男 小腸炎→未回復

No.381, 51女 アナフィラキシー反応 悪心・嘔吐 皮疹・発疹・紅斑(発疹)→不明

No.409, 22女 胸痛 口腔咽頭痛 呼吸障害・呼吸不全(呼吸困難) 咳嗽(湿性咳嗽|咳嗽|咳嗽) 皮疹・発疹・紅斑→未回復

No.428, 27男 心筋炎 急性冠動脈症候群→不明

No.439, 21女 下痢・軟便 悪心・嘔吐→不明

No.491, 40女 関節痛 熱感 悪寒 発熱 接種部位紅斑→不明

No.536, 36女 頭痛 血圧上昇 悪心・嘔吐→未回復

No.556, 44女 ワクチン接種部位知覚異常 筋炎・筋膜炎→未回復

No.653, 42女 アナフィラキシー反応→未回復

No.731, 51女 そう痒症 蕁麻疹 湿疹→未回復

No.775, 63男 心不全→未回復

No.789, 44女 アナフィラキシー反応→不明

No.851, 39女 アナフィラキシー反応 喘鳴 酸素飽和度異常(酸素飽和度低下) 悪心・嘔吐 皮疹・発疹・紅斑 結膜充血 口腔咽頭不快感蒼白→不明

No.882, 35女 アナフィラキシー反応 顔面神経麻痺 腹痛 下痢・軟便 悪心・嘔吐 感覚異常(感覚鈍麻|感覚障害) ジスキネジア 耳不快感 流涎過多 潮紅→未回復

No.890, 47女 アナフィラキシー反応→不明

No.892, 25男 呼吸障害・呼吸不全(呼吸困難) 皮疹・発疹・紅斑→不明

No.899, 64女 アナフィラキシー反応 無呼吸 そう痒症 胸痛 呼吸障害・呼吸不全 酸素飽和度異常(酸素飽和度低下) 胸部不快感 血圧上昇 徐脈 皮疹・発疹・紅斑 口腔咽頭不快感 悪寒→不明

No.965, 47女 ワクチン投与関連肩損傷→未回復 

No.977, 47女 頭痛 ワクチン接種部位疼痛→不明 

No.983, 36女 呼吸障害・呼吸不全(呼吸困難) 動悸 嚥下障害→不明

No.985, 48女 そう痒症 舌痛 咳嗽 窩周囲腫脹 口腔咽頭不快感→不明

No.987, 25女 筋肉痛 倦怠感→未回復

No.994, 26女 脳出血→死亡

No.1020, 31女 ギラン・バレー症候群→未回復

No.1061, 58女 下血・血便(血便排泄) 蕁麻疹 悪心・嘔吐→未回復

No.1069, 25男 末梢神経障害(末梢性ニューロパチー)→未回復

No.1097, 58女 下血・血便(血便排泄) 蕁麻疹 悪心・嘔吐→未回復

No.1114, 42女 無菌性髄膜炎→未回復

No.1185, 50女 血圧上昇 動悸 異常感→不明

No.1250, No.1689,65男 急性心不全 心原性心停止(心臓死) 消化管出血(上部消化管出血)→死亡

※3 No.1250とNo.1689は、同一の副反応疑い事例について、2つの医療機関からそれぞれ報告があったもの。集計の都合上、「1.医療機関からの副反応疑い報告について」では1件、「2.医療機関からの副反応疑い報告について(図表)」では2件として扱っている。

No.1303,72女 脳出血→死亡

No.1386,53女 くも膜下出血→未回復

No.1462,51女 関節痛→未回復

No.1479,53男 脳出血→未回復

No.1497,31男 大脳静脈洞血栓症 片頭痛 悪心・嘔吐 頭痛→未回復

No.1498,53女 喘息発作→未回復

No.1502,79男 心筋梗塞 胸痛 胸部不快感→不明

No.1575,35女 熱感 倦怠感 発熱→不明

No.1659,33男 関節炎→未回復

No.1662,62男 死亡→死亡

No.1722,37女 顔面神経麻痺→不明

No.1735,63女 アナフィラキシー反応→未回復

No.882, 35歳女性の「アナフィラキシー反応 顔面神経麻痺 腹痛 下痢・軟便 悪心・嘔吐 感覚異常(感覚鈍麻|感覚障害)ジスキネジア 耳不快感 流涎過多 潮紅→未回復」、No.1020, 31歳女性の「ギラン・バレー症候群→未回復」という内容から、過去記事で紹介した子宮頸がんワクチンに関する動画で見た症状を連想してしまいました。

ワクチン 副作用などヤバい情報盛りだくさん 【緊急!拡散希望】
2021/02/17 23:24
dc5 さん
https://www.nicovideo.jp/watch/sm38290626

鹿先生の動画で学習できますが、子宮頸がんワクチンは遺伝子組み換えワクチンで、ファイザーワクチンは遺伝子ワクチンだそうです。

遺伝子ワクチンと遺伝子組み換えワクチンの違い
2021/03/28
JPSikaHunter
https://youtu.be/BtKr_oGxZdU

ワクチンの種類は違っても、同じような副反応が起きています。

No.882, 35歳女性には「顔面神経麻痺」もあるようですが、No.1722,37歳女性も「顔面神経麻痺」とあります。「症状別報告件数」で見ると「顔面麻痺」は6件となっています。

癌治療を受けずにホスピスで亡くなった幼馴染みは、長年、顔面神経麻痺に苦しみ、あちこちで治療を受けたけれど、完全には治らなかったといっていました。

片目を閉じられなかった時期が一番つらかったそうです。お洒落な可愛らしい人でしたから、本当につらかっただろうと思います。

血圧上昇、脳出血が目に留まります。心臓関係の異常も気になります。No.965, 47歳女性の「ワクチン投与関連肩損傷 」とは何でしょう? 筋肉注射した肩がどうなったというのですか? それが重篤というのですから、怖ろしいですね。

「重くない」「重い」人どちらにも、皮膚症状は多いですね。「症状別報告件数」の「皮膚および皮下組織障害」を見ると、本当に多い。

前掲ツイートでは「私の顧客は、今日の予約をキャンセルしました。2週間前にファイザー社からもらった熱と発疹がひどく、2回目の投与は受けていません」「これが外見上の効果であれば、中身はどうなっているのか想像もつきません」とのやりとりがあります(DeepL訳)。

湿疹自体がつらいものですが、自己免疫疾患に伴う皮膚症状でなければいいのですが。

「症状別報告件数」を見ると、全身に様々な症状が出ていることに驚かされます。効果のほどもわからないのに、このまま新型コロナのワクチンを打ち続けていいのでしょうか。何度、打つつもりでしょうか。

ファイザーワクチンと脳出血
2021/04/15
JPSikaHunter
https://youtu.be/8yeLN2EQqOI

国内外の専門家の何人もが、遺伝子ワクチンを接種したら、5年~10年は自己免疫疾患の発症に気をつけるべきだと警告しています。

イベルメクチンを全国民に配布するほうが遙かに安全で、安上がりのはずですよ。

金の亡者たちを信じる馬鹿は救われません。

菅政権は「厚生労働省ホームページ」(https://www.mhlw.go.jp/)にこんなことを書いておきながら、健忘症でしょうか(強調の赤字は引用者)。

Q ワクチンを接種した後も、マスクは必要ですか。
A ワクチンを接種した方から他人への感染をどの程度予防できるかはまだ分かっていません。引き続き、皆さまに感染予防対策を継続していただくようお願いします。
https://www.cov19-vaccine.mhlw.go.jp/qa/life/

接種を受ける際の同意
 新型コロナワクチンの接種は、国民の皆さまに受けていただくようお勧めしていますが、接種を受けることは強制ではありません。しっかり情報提供を行ったうえで、接種を受ける方の同意がある場合に限り接種が行われます。

 予防接種を受ける方には、予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています。受ける方の同意なく、接種が行われることはありません。
 職場や周りの方などに接種を強制したり、接種を受けていない人に差別的な扱いをすることのないようお願いいたします。
 ⇒職場におけるいじめ・嫌がらせなどに関する相談窓口はこちら
 ⇒人権相談に関する窓口はこちら
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00218.html

PCRと新型コロナワクチンについて、政府関係者でさえ詳しくないのではないかと思うことがあります。高橋先生の動画はわかりやすく解説されています。

高橋徳医師の貴重なお話 PCRと新型コロナワクチンについて拡散希望
2021/02/19 14:56
ecocoppi さん
https://nico.ms/sm38297375

このような自宅・ホテル待機者にイベルメクチンを特例承認して配布を! とツイッターなどで政府に訴えかけている人は大勢います。

こうならないために打ったワクチンでひどい目に遭うとしたら、あんまりです。

本当に効く、全身を爽快にしてくれる薬が手に入らないときの希望は、いざとなったら自分の中に神聖な力が潜んでいることを思い出すことです。

もし、具合が悪くなって、万策尽きたように感じたときは、まず一番つらい箇所に、次に全身に、想像の輝かしい白い光を放射してみてください。人間のより本質的な体は光でできているため、この方法が無駄になることはありません。

わたしは昨日、そのことを確認したばかりでした。

久しぶりにぎっくり腰になってしまったのです(癖になっているようです)。キッチンで流しの排水口を掃除していたときに、見えにくい穴をのぞき込もうとして、変に腰をひねってしまったのでした。

あまりの衝撃にしばらく立ったままでいました。ショックと疲れで、横になりたくなり、恐る恐るそうしたら、今度は暑い日にへたばった蛙のようにひっくり返ったまま、動けなくなりました……その状態でいるのもつらかったのですが。

夫が「病院に行くね?」と訊いてきたので、「行きたくない。行けない。救急車は嫌」と困らせ、「いつものオーラビームやってみる」といいました。痛みのため集中できず、途中寝てしまったりしながら、20回は放射しました。

そして、まだ用心は必要な状態ですが、こうしてブログを書いているぐらいですから、ほぼよくなりました。効果があるのは、ぎっくり腰や五十肩に対してだけではありません。以下はこの関係の関連記事です。

日本はありがたいことに、八百万の神々の国です。いざというときには、好きな神様に助けを求めるのもいいかもしれません。

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2021年3月20日 (土)

コロナワクチンについて、ツイッターで噛み合わないバトル{続きあり(2)(3)(4) 最後までご閲覧ください}

(1)

(2)

(3)

(4)まだ続きます。ぜひ、ご閲覧ください。

 

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