カテゴリー「お知らせ」の295件の記事

2020年12月25日 (金)

文学エッセイ動画「五感が隅々まで働いているモーリアックの文章」をYouTubeにアップしました(字幕付けました、25日夜)

はてなブログ「The Essays of Maki Naotsuka」で公開中のエッセー 29「五感が隅々まで働いているモーリアックの文章」を機械朗読で動画にしました。再生時間は11分15秒です。

モーリアックはフランスのカトリック作家です。クリスマスにはカトリック作家の格調高い作品に浸りたいと思い、図書館からモーリアック全集のうち3冊を借りました。

字幕をつける予定ですが、自動字幕がつくのを待って訂正しようと思っているので、少し時間がかかりそうです。※25日夜に字幕つけました。

五感が隅々まで働いているモーリアックの文章
https://youtu.be/vbhcdoJasc8

動画説明欄から引用します。

№13 五感が隅々まで働いているモーリアックの文章 

標準語話者せいじの朗読による、直塚万季のエッセイ・評論シリーズ第 6 回です。
日本語字幕を付けています。画面の右下に表示されている字幕アイコンをクリックしてください。

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29 五感が隅々まで働いているモーリアックの文章

執筆者: 直塚万季
公開中のブログ: はてなブログ「The Essays of Maki Naotsuka」
ハンドルネーム: マダムN
公開日: 2018年5月22日
URL: https://naotsukas-essays.hatenablog.jp/entry/2018/05/22/195834

※関連エッセイ
 はてなブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」にて公開中。

64 2016年に実質的終焉を告げたノーベル文学賞
  https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2016/10/16/191359

75 ノーベル文学賞の変節、及び古代アレクサンドリアにおけるミューズ
  https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2017/10/08/150033

98 軌道修正したらしい、2019年発表のノーベル文学賞
  https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2019/10/17/222136

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動画作成に使用したソフト、お借りした素材
 ・ナレーションソフト『かんたん!AITalk®3 5話者パック(標準語)』株式会社エーアイ(AI)
 ・甘茶の音楽工房 http://amachamusic.chagasi.com/
 ・Pixabay https://pixabay.com/ja/

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2020年12月11日 (金)

「Nのめもちょう」に「おすすめ年賀状テンプレート・イラスト2021」を公開しました。

Bloggerブログ「Nのめもちょう」に「おすすめ年賀状テンプレート・イラスト2021」をアップしました。

おすすめ年賀状テンプレート・イラスト2021
https://n2019memo.blogspot.com/2020/12/2021.html

趣向を凝らした美しいデザインテンプレートを見ていると、文字通り、癒やされます。年賀状素材をお探しでしたら、アクセスしてみてください。おおかたのサイトには、年賀状テンプレートの他に、写真フレーム、イラスト、賀詞、寒中見舞いハガキテンプレートなどが置かれています。

 

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2020年10月13日 (火)

リブリーリプート、リブリーが戻ってくる! 今後の創作予定。

昼頃、職場にいる娘からメールがありました。「リブリーが復活するかもしれないよ」との思いがけない内容でした。

歓喜したことは、いうまでもありません。

リヴ、また会えるね! この一年、長かった……

2019年11月 2日 (土)
『Livly Island』、2019年12月26日(木)12:00をもって運営サービス終了とのことです。夢のように美しい、温かな世界への感謝をこめて。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2019/11/post-37dcae.html

2019年11月29日 (金)
リヴリーと遊べる貴重な日々
https://elder.tea-nifty.com/blog/2019/11/post-d5b9c4.html

2019年12月26日 (木)
エクリヴァン、クレール、青玉(うちのリヴリーたち)、今度は夢の世界で会おうね。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2019/12/post-e24e8f.html

話題が変わりますが、神秘主義エッセーブログにアップした2本の記事には加筆、訂正を加えたので、こちらにもアップしておきたいと思います。

他にも溜まっている下書きがあるのですが、追々。

今後の予定としては、前に予定していた記事をまとめて前掲ブログにアップし、それを終えたら動画を1本作成したいと考えています(早くも動画の作り方、忘れかけています)。

MAKI NAOTSUKA(聴く文学エッセイはいかが?)

これらを終えたら、萬子媛をシテのモデルとした新作能へ。その前にアップしておきたい記事が次々に出てきて、なかなか萬子媛の作品に戻れませんでしたが、水面下では途切れることなく、作品について考えていました。

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2020年10月11日 (日)

神秘主義エッセーブログを更新しました

はてなブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」を更新しました。

104 イルミナティ創立者ヴァイスハウプトのこけおどしの哲学講義
https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2020/10/11/220247

105 テロ組織の原理原則となったイルミナティ思想が行き着く精神世界
https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2020/10/11/220929

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2020年6月15日 (月)

14歳の当ブログを少しだけ手入れしました

当ブログの更新は数日置きぐらいに行っていたものの、サイドバー、プロフィール、トップページなどは、もうずっと放置状態でした。

ふと、そのことに気づき、あちこち調べてみると、https化前のURLがそのままになってリンク切れを起こしていたり、時勢にそぐわない記事を強調していたりと、ほぼ化石化しておりました。

開設が2006年4月ですから、当ブログは14歳です。利用中のディスク容量は40.06%。記事数6,270件。同じ調子で記事を書き続けたらディスク容量は80.12%で、まだ大丈夫。そのとき、わたしは76歳。怖ろしい。まだ生きているんでしょうかね?

そのとき自分が、日本がどうなっているのか、皆目見当がつきません。14年間、考えてみるといろいろありましたが、このブログをずっと書き続けてこられたことに、感謝の気持ちでいっぱいになります。そして、ご訪問くださるあなた様にも、ありがとう!とありがたい気持ちでいっぱいです。

あちこちに残っているhttps化前のURLを全部書き替えるのは不可能に近いですが、サイドバー、プロフィール、トップページくらいは更新しようと思い、そうしました。

お借りしているSMAC様の画像は、美しいままですね。

わたしの写真は古いままにしておきます。今ではめったに自分の写真なんか撮らないし。

トップページに賞歴など記しましたが、これって履歴書に英検5級と書くようなものかもしれませんね。でも、自分でも忘れかけていたので、文学界の細かなことまで記録として残してくださっているサイト「文学賞の世界」を参考に痕跡として記しておくことにしました。

わたしはこうした賞応募の後、戦線離脱し、『関西文学』(横井晃編集長、横井三保編集長)、「日田文学」(江川義人編集人)といった同人誌が廃刊になったり休刊になったりした後は、1人で創作活動を続けながら、文学界のことを政治・歴史方面から改めて見る機会を得て、日本の文学界に対して抱いていた疑問がほぼ解けました。

そして今、何となく新しい仲間が見つかりそうな気がしていますが、気のせいかもしれません。気のせいでも嬉しいです。

そういえば、Googleウェブサイト翻訳ツールが気づかないうちにサービス終了していました。アクセス解析を見ると、海外からのアクセスも結構あります。

海外在住の日本人かなと想像しますが、外国のかたかもしれません。Googleウェブサイト翻訳ツールのようにはいきませんが、複数のサイトがお示しくださっていた代替案を取り入れ、ザイドバーの「TRANSLATE THIS BLOG」というラベルの下に、以下のようなリンクを張ってみました。

https://translate.google.com/translate?sl=ja&tl=en&u=https://elder.tea-nifty.com/

黄色い部分に、翻訳したいURLを入れれば、多言語化できます。

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2019年10月29日 (火)

評論『村上春樹と近年の…』をお買い上げいただき、ありがとうございます!

評論『村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち(Collected Essays 1)』(Kindle版、ASIN:B00BV46D64)をお買い上げいただき、ありがとうございます! 

10月27日ごろ、アメリカのKindleストアでお買い上げいただいたようです。アメリカでのお買い上げは35冊目でした。『村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち』は、82冊お買い上げいただいたことになります。

  • オーストラリア……1冊
  • ブラジル……1冊
  • カナダ……1冊
  • 日本……35冊
  • アメリカ……35冊
  • ドイツ……4冊
  • イギリス……2冊
  • メキシコ……1冊
  • イタリア……1冊
  • フランス……1冊

サンプルをダウンロードできます。

村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち(Collected Essays, Volume 1)

以下に、アマゾンに掲載中の商品説明を引用します。

商品の説明

自由な立場から書かれた本書は鋭い分析力を特徴とし、文学界のみならず日本文化そのものに警鐘を鳴らしている。
2006年5月3日から7日にかけて、著者は自身のブログで、小論「村上春樹『ノルウェイの森』の薄気味の悪さ」を公開した。その小論に加えて、近年のノーベル文学賞作家オルハン・パムク、ドリス・レッシング、ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ各人の作品に関する雑感を紹介する中で、村上春樹がノーベル文学賞作家にふさわしいだけのわが国の誇りとできる作家であるのかどうかを検証した評論を2009年5月、同人雑誌に発表。本書はそれに加筆・訂正を行ったものである。

〈目次〉
 はじめに
 Ⅰ 村上春樹現象
 Ⅱ 小論「村上春樹『ノルウェイの森』の薄気味の悪さ
 Ⅲ オルハン・パムク『わたしの名は紅』を分析する
 Ⅳ 乾いた知性、強烈な社会性――ドレス・レッシング
 Ⅴ ル・クレジオの光と風
 Ⅵ 最後に
 あとがき
 第二版あとがき 

以下はアマゾン・キンドルストアの著者ページです。拙電子著書一覧を御覧いただけます。

Amazon.co.jp: 直塚万季: 作品一覧、著書略歴
https://www.amazon.co.jp/-/e/B00BERQ7P0

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2019年10月18日 (金)

「98 軌道修正したらしい、2019年発表のノーベル文学賞」を神秘主義エッセーブログにアップしました。

拙ブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」を更新しました。

マダムNの神秘主義的エッセー
http://mysterious-essays.hatenablog.jp

目次

  1. ノーベル文学賞が迷走した3年間
  2. 2019年発表のノーベル学賞は2年分
  3. 2014年の「IRORIO」の記事で見た、ペーター・ハントケに関する記事
  4. ペーター・ハントケは映画「ベルリン・天使の詩」の脚本でも知られる、オーストリアの作家
  5. オルガ・トカルチュクはポーランドの小説家、エッセイスト
  6. 図書館から借りたトカルチュクの2冊、ハントケの4冊
  7. オルガ・トカルチュクの手法に対する疑問
  8. ペーター・ハントケ『左ききの女』のクリアな世界、真摯な創作姿勢

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加筆、訂正した7,8を転載しておきます。青字が主な加筆、訂正箇所です。元記事は加筆、訂正済みです。

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7.オルガ・トカルチュクの手法に対する疑問

オルガ・トカルチュクの『昼の家、夜の家』について、訳者あとがきには「本書を構成する111の挿話は、主人公の日常生活、日記、伝説、聖人伝、料理のレシピ、隣人のうわさ話など、それぞれが独立したものでありながら、互いがゆるやかに連関している」*4と解説されている。

独立したものを、なぜバラバラの断章にしてパラレルな形式にするのかわからない。連載物を掲載した雑誌を発行された順に綴じたような、不親切な体裁なのだ。

例えば、パトハリス修道士の物語はまとまって読むほうがわかりやすいだろうに、キノコのレシピや日記などの間に挟まれている。

わたしには必然性が感じられず、全体としてまとまりのない、統一されない内容のものを、統一感のある、意味のある集積に見せかけるためのまやかしの手法に思えた。

出典も、わざとわからなくしているのだとしか思えない。これも、作者がコレクションした文章の寄せ集めをオリジナル性の高いものに見せかけるための誤魔化しではないだろうか。

引用箇所や参考文献がどことわかるように明記してあれば、作者の改変や潤色がどの程度加わっているのか、いないのか、その引用や参考の仕方が適切なのかどうかを調べることができるのだが、それができず、わが国で流行っているパクリと見分けのつかない、フランス語で誤魔化した「オマージュ」という怪しい手法を連想して、わたしは苛立ってしまう。

というのも、「家」をモチーフとしたカリール・ジブラーンの詩の一部は、トカルチュクの小説の扉に置かれているときとジブラーンの詩の中に置かれているときとでは、別物としか思えないからだ。異なる観点から「家」というモチーフが使われ、「家」は異なる意味合いを持っているということである。

また、例えば、『逃亡派』に出てくる「ショパンの心臓」の話は実話だが、作者の解剖学趣味とショパンの心臓の話は全く意味合いの異なるもので、この作品の中に目玉商品のように置かれるのは、わたしの感覚からすれば、ショパンに対する冒涜でしかない。

作品から見る限り、トカルチュクは自然科学的というよりは即物的で、決して宗教的でも、神秘主義的でもない。ご都合主義的な、ごたまぜのスピリチュアル風俗に生きる人なのだ。

わたしがトカルチュクの作品に神経質になってしまうのは、ジェイムズ・ジョイスの恣意的な手法を連想してしまうからで、その手法に対する不審感をエッセー「96 ジェイムズ・ジョイス (1)『ユリシーズ』に描かれた、ブラヴァツキー夫人を含む神智学関係者5名」及び「97 ジェイムズ・ジョイス (2)評伝にみるジョイスのキリスト教色、また作品の問題点」で表明した。

ただ、わたしにはオルガ・トカルチュクの作品を読み込んでいる時間的ゆとりがないので、ジョイスの手法に似て見えるという点だけ、指摘しておきたい。

8.ペーター・ハントケ『左ききの女』のクリアな世界、真摯な創作姿勢

ぺーター・ハントケの作品は、池田香代子訳で、『左ききの女』(同学社、1989)を読んだところだ。読み始めると先が気になって、一気に読み通した。

絶対音感という音楽用語があるけれど、これは絶対情感の世界とでもいうべきか、よくも悪くも夾雑物が一切ないクリアな世界である。邦訳文はそれを的確に感じとらせてくれ、読みやすい。

孤独がテーマなのだろう。

女主人公マリアンネには子供が一人いて、彼女は夫ブルーノに別居したい旨を告げる。

小説だが、映像的で、ほぼ会話と描写から成立しており、ハントケが脚本家でもあるという肩書きはなるほどと思わせられる。

女主人公の孤独だけでなく、登場人物全員の孤独が捉えられている。客観的視点を保ちながら、作者は自身を登場人物全員に重ねている。

別居した夫が、腹立ちまぎれにマリアンネにいう。

君はどんどん年をとっていく。たいしたことじゃないわ、とかなんとかいいながら。そしてある日首を吊るんだ。墓に入っても、君の生きざまにお似合いの下品な臭いをぷんぷんさせる。その日まで、君はどうやって過ごすんだ? おおかた、ぼけっと坐りこんで爪でも噛んでるのが落ちだ。そうだろ?*5

ハントケの母親は1971年に自殺しており、このことを扱ったという『幸せではないが、もういい』が出たのは、翌1972年のことだった。『左ききの女』が出たのは1976年である。

女性の孤独を濃密に扱ったこの作品にも、母親のことが投影されているのではないだろうか。図書館にペーター・ハントケ(元吉瑞枝訳)『幸せではないが、もういい』(同学社、2002)がなくて残念だ。いずれ読みたいと思っている。

作者の視点は小説に登場する子供の視点と重なりながらマリアンネを観察し分析し、彼女の輪郭を顕微鏡にかけるかのように外側から克明に描写する。

マリアンネがおかしくなりそうなクライマックスで、彼女の父親が登場し、よい味を出す。父親は往年の流行作家で、今は雑文書きとなっている。この父親に娘のマリアンネは似ており、彼は娘の指標となりうる人物なのだ。

父親の登場で、マリアンネは救われたといっていいだろう。

作者ハントケは無力な子供シュテファンとしてマリアンネを見つめる一方では、滋味に溢れた物書きの父親となって、マリアンネを見つめる。

息詰まるようなストーリー展開であるにも拘わらず、途中で読むのが嫌にならないのは、作者の真摯さ、誠実さ、人間的な温かさが読者にも伝わってくるからだろう。

マリアンネが父親に再会して再生のきっかけを掴むように、読者も作者から言葉にできない何か確かなものを受けとる。

それは孤独を課題として引き受けて身じろぎもしない、作者の誠実な創作姿勢及び不撓不屈の精神性であるかもしれない。

父親と別れたマリアンネは、息子と山登りをする。風景描写が美しい。

下の方では煤に点々と汚れていた積雪もこのあたりでは純白だった。犬の足跡に代わって鹿の足跡があった。
 二人は下生えをかきわけて登って行った。いたるところ鳥の声に満ちていた。雪解け水が小さな流れを作って音たてていた。樫の幹からか細い枝が生え、干涸らびた葉が数枚そよいでいた。白樺の幹には白い樹皮が縞模様をなして垂れ下がり、震えていた。
 二人は木立が疎らになったところを行き過ぎた。空き地の縁には鹿が群れていた。それほど深くもない雪からは枯れ草の先がのぞき、草になびいていた。*6

頂上で、焼いたじゃがいもを食べ、魔法瓶の熱いコーヒーを飲みながら母子は思い出を語り、ふとマリアンネはイエス・キリストの十字架への道行きのいろんな留[りゅう]のシーンを描いた絵の話をする。その話が印象的だ。

『イエス、十字架より下ろさる』はほとんど真っ黒で、その次の最後の留、イエスがお墓に葬られるシーンはまた真っ白なの。そこからがおかしな話なんだけど、お母さんはゆっくりと絵の前を歩いていたのね。その最後の真っ白の絵の前に立ったとき、突然、白い絵と重なってほとんど真っ黒のさっきの絵が、数秒間残像になって見えた。それから真っ白な絵が見えた。*7

このような、宗教に属するモチーフは、作品の中でふいに顔を出す。

宗教がマリアンネにとってかけがえのないものであり、彼女の意識が純粋に向かう対象であって、日々の営みの通奏低音となっていることがわかる。読者にその感覚の共有を強いるようなものではない。ハントケは読者を信頼して、彼の大切なものを女主人公に分かち与えたのだ。

その後、父親を除く大人の登場人物がマリアンネに誘われて集合し、ホームパーティーとなる。夫ブルーノ、マリアンネの友達で教師をしているフランツィスカ、マリアンネがブルーノのセーターを買ったブティックの女性店員、マリアンネを翻訳者として雇っている社長とその運転手、マリアンネに言い寄る俳優――といった人々である。

各人が自分の孤独を身の内に宿したまま大団円を迎え、パーティーは御開きとなる。

これは未だ初期の作品で、後半部は幾分緊張感が緩み、結末を急ぎすぎた感もあるが、純文学作品らしい手応えのある作品である。

ひとまず、ノーベル文学賞が軌道修正したことに万歳といいたい。おめでとうございます、ペーター・ハントケ。疑問点はあるけれど、おめでとうございます、オルガ・トカルチュク。

*4:小椋彩、P.378
*5:ハントケ,池田訳,1989,pp.82-83
*6:ハントケ,池田訳,1989,pp.119-120
*7:ハントケ,池田訳,1989,pp.123

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2019年9月25日 (水)

エッセーブログ「The Essays of Maki Naotsuka」を更新、43。萬子媛の小説に関すること。

エッセーブログ「The Essays of Maki Naotsuka」を更新しました。

目次

  1. 「講談社新社長」「青い鳥文庫」に関する新聞記事
  2. 拙読書体験
  3. ベルテ・ブラット(石丸静雄訳)『アンネは美しく』(偕成社、1970)

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エッセーブログを更新し、続けて「44」として以下の記事を収録するために、その過去記事を再読。2007年の古い記事で、何を書いたかすっかり忘れていただけに、自分の文章に驚かされました。「ああ、いつか新作能の脚本を書いてみたいなあ」なんて、大それたことを書いているのです。

2007年10月17日 (水)
能『船弁慶』を観て
https://elder.tea-nifty.com/blog/2007/10/post_6c22.html

能に詳しいわけでもないのに恥ずかしいことを書いて……と思いながら、記事に加筆するために小学館と岩波の『謡曲集』2冊を開きました。すると、熱心にそれらの本を読んでいたころの記憶が甦りました。

確かに、能を含む古典にはまっていたこのころであれば、新作能の脚本を書けそうな気がしたのもわかるような気がしました。そして、今回連想したのは、第二稿に一向に入れない、祐徳稲荷神社を創建した花山院萬子媛をモデルとした歴史小説のことです。

歴史小説にするには、何か、そぐわないものがあるのです。

わたしは神秘主義者として萬子媛を通して感じることのできた高雅な現象を書きたいのであって、よくわかりもしない萬子媛の生前のあれやこれやではないのです。

いや、あれやこれやにも興味があるから研究ノートを当ブログにアップし、そのまとめをエッセーとして「マダムNの神秘主義的エッセー」に収録してきたわけですが、そのノートは、萬子媛の高雅な現象を表現できてこそ存在価値があるのです(エッセーは「萬子媛研究」といったような形にまとめたいと考えます)。

その表現にふさわしい形式は、新作能以外にありえない気がしてきました。

古典にはまっていない現在、新作能を書けそうな気がしません。勉強すれば、書けるでしょうか。とりあえず、戯曲にしてみてはどうでしょう。戯曲なら書いたことがあるので、書けるはずです。新作能ならなおいいでしょうが、それはハードルが高いかもしれません。

とりあえず戯曲にしてみようかと思った瞬間、脳裏に百花繚乱の景色が匂うばかりに広がりました。新作能の本を数冊、図書館から借りて読んでみたいと思います。

「The Essays of Maki Naotsuka」に収録しようと思っていた前掲記事は、加筆して「マダムNの神秘主義的エッセー」のほうに収録する予定です。

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ところで、最近、わたしのパソコンにもWindows 10 の新大型アップデート「May 2019 Update (バージョン1903)」が提供されたのですが、それ以降、Microsoft Edgeでサイトを閲覧していると、よくEdgeがフリーズするようになりました。Chrome、Firefoxでは正常に動作するのですよ。

タスクマネージャーでEdgeを閉じても、立ち上げるとまたフリーズしたままの元の画面が出てきます。再起動しても、シャットダウンしても、Edgeを立ち上げると、同じ元のフリーズしたままの画面。

困ったと思い、ググったら、Edgeの設定をリセットしたらいいことがわかりました。

「スタート」メニューの歯車(設定)」をクリック→「Windowsの設定」画面で「アプリ」をクリック→「アプリと機能」画面で「Microsoft Edge」をクリック→「詳細オプション」をクリック→「Microsoft Edge」画面で「リセット」をクリック。

そうすると、閲覧の履歴などのデータが削除されます。わたしの場合は今回、この方法で改善しました。

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2019年9月21日 (土)

評論『村上春樹と近年の…』をお買い上げいただき、ありがとうございます!

評論『村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち(Collected Essays 1)』(Kindle版、ASIN:B00BV46D64)をお買い上げいただき、ありがとうございます! 

9月18日ごろ、アメリカのKindleストアでお買い上げいただいたようです。アメリカでのお買い上げは34冊目でした。『村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち』は、81冊お買い上げいただいたことになります。

  • オーストラリア……1冊
  • ブラジル……1冊
  • カナダ……1冊
  • 日本……35冊
  • アメリカ……34冊
  • ドイツ……4冊
  • イギリス……2冊
  • メキシコ……1冊
  • イタリア……1冊
  • フランス……1冊

サンプルをダウンロードできます。

村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち(Collected Essays, Volume 1)

以下に、アマゾンに掲載中の商品説明を引用します。

商品の説明

自由な立場から書かれた本書は鋭い分析力を特徴とし、文学界のみならず日本文化そのものに警鐘を鳴らしている。
2006年5月3日から7日にかけて、著者は自身のブログで、小論「村上春樹『ノルウェイの森』の薄気味の悪さ」を公開した。その小論に加えて、近年のノーベル文学賞作家オルハン・パムク、ドリス・レッシング、ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ各人の作品に関する雑感を紹介する中で、村上春樹がノーベル文学賞作家にふさわしいだけのわが国の誇りとできる作家であるのかどうかを検証した評論を2009年5月、同人雑誌に発表。本書はそれに加筆・訂正を行ったものである。

〈目次〉
 はじめに
 Ⅰ 村上春樹現象
 Ⅱ 小論「村上春樹『ノルウェイの森』の薄気味の悪さ
 Ⅲ オルハン・パムク『わたしの名は紅』を分析する
 Ⅳ 乾いた知性、強烈な社会性――ドレス・レッシング
 Ⅴ ル・クレジオの光と風
 Ⅵ 最後に
 あとがき
 第二版あとがき 

以下はアマゾン・キンドルストアの著者ページです。拙電子著書一覧を御覧いただけます。

Amazon.co.jp: 直塚万季: 作品一覧、著書略歴
https://www.amazon.co.jp/-/e/B00BERQ7P0

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2019年9月 5日 (木)

「あいちトリエンナーレ2019」問題と週刊ポスト問題

「あいちトリエンナーレ2019」で芸術監督を務めた津田氏が9月2日に日本外国特派員協会で記者会見した動画を視聴したので、それについて「その11」に書こうと思っていたところ、週刊ポスト問題が起きました。

大同小異の問題と思われますので、まとめて「その11」に書きたいと思います。一つ前の記事で予告した本の紹介も忘れてはいませんが、ちょっと用事があって思うように時間がとれません。

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