カテゴリー「アクセス解析」の25件の記事

2015年8月18日 (火)

アクセス解析からわかる、当ブログに求められているもの。本日の体調と対策。

文学、歴史、神秘主義といった分野の検索でお見えになっている方々には、個人的な体調に関する残念な記事ばかりが続く。

が、一方では健康に関する検索でお見えになっている方々も少数ながらあるようだから、まあいいか。健康状態は人それぞれだろうから、参考になるかどうかはわからないけれど。

お盆の間、以下の記事に思いがけないアクセスがあった。

ノートをきちんとした記事にすると予告していたためか、その催促のような検索ワードとアクセスが複数あったのだ。お盆内に書けなくて申し訳ない。

こんな記事ばかり書いていると、よくて霊媒、悪くすると気違いに思われてしまうかもしれないという危惧がわたしにはあり、神秘主義的な記事はそれなりの自己犠牲を払って書いている。

体験も知識も少ない人間が、体験も知識も豊富……になりつつある一神秘主義者の真面目な記事をどう思おうが知ったことか。そう開き直っている近頃のわたしがいる。

「祐徳稲荷神社」「花山院萬子媛」という検索ワードではほぼ毎日、複数のアクセスがある。これはどういった方々なのか、わからない。わたしの小説の構想とは関係のないところで、たまたまお見えになるのかもしれない。

花山院萬子媛のことをもっと知りたいという方が含まれているのかもしれないと思うと、わたしの創作意欲は増す。

幸か不幸か、政治関係の記事へのアクセスは極めて少なく、当ブログに求められているものが何であるかがわかる。総合すると、何といっても、文学に関する記事へのアクセスが多いのだ。

リルケの詩は、著作権の問題がクローズアップされてきたころ、出典を明記しただけではまずいと思い、非公開としたが、今もお見えになる。リルケの小詩集『薔薇』を山崎栄治訳で読みたいという人は案外多いのかもしれない。

健康の話題に戻ると、現在の状況は、喘息対策としてフルタイドの吸入を増やし、不整脈対策として、不整脈を自覚したときにサンリズムを頓服として使用するか、食後の服用時に1錠追加するという対策をとっている。

これを書いている夕方の時点では体調がいい。

朝は一度起きたものの、体調がよくなく、また寝てしまい、次に起きたのが正午。その間、へんてこな夢を見ていた。以下は夢の内容。

クリニックで薬を処方して貰うところなのだが、処方していただくにはテストを受けなければならないという新方式が採用されることになったという。患者が無知ではいけないからだそうだ。

その問題というのが奇妙奇天烈で、薬の種類ごとに訳のわからない問題が並んでいる。どんな問題だったかはあまり覚えていないが、ある薬(インデラル?)の問題は薬の開発者の家族に関する歴史を長いレポートにせよ、というものだった。

わたしは古い新聞から必死になって関係のありそうな記事を切り取って集めている。が、うまくまとまらない。まとめるためには決定的な何かが不足しているのだ。

わたしは全問解けない、無理だと思っているうちに、薬を飲む時間になってしまう。いつもは優しい先生だから、お願いすれば、薬を出していただけるに違いないと思い、「先生、難しくて、どうしても解けません。薬を飲む時間になりました。処方箋を書いていただけないでしょうか」という。

そこはクリニックというより、美術館のような公共施設の一室のような部屋で、そこに作業用のテーブルがいくつか置かれている。

わたしは土下座までするのだが、先生はなんと、「嫌だよ、アッカンベー」といって、左側にある診察室(?)に引っ込まれる。

目覚めたとき、朝の薬も飲まないで寝てしまったせいか、軽い胸の圧迫感と動悸を覚えた。夢は、変な夢すぎて、どっと疲れた。

再度洗顔を済ませると、とりあえずバナナを食べて薬を服用。サンリズムは通常通り1錠。薬を服用後、2時間くらいして、期外収縮かと思われる不整脈が起きた。

この不整脈が曲者で、これが数回出たあと、数時間して大抵、心房細動と思われる不整脈が起きる。心房細動が起きると、生活の質が低下する。

ただ、今のところ咳が出ないので(わたしの場合、心房細動と、咳、冠攣縮性狭心症が連係しているかのような症状が出がち)、本当に調子がよくなりつつあるのかもしれない。長い記事を書いても何ともないのがその証拠かも。動悸も今は感じない。

夕食後の薬には念のためにサンリズムを追加しよう。

今日の夕飯のメインはカレイの煮付けの予定。冷凍しておいたカレイを使う。料理の写真も溜まってきた。あまり書かなくなったが、料理の記事にお見えになる方は結構ある。

過去記事「パンダの後ろ姿」が当ブログの隠れた人気もの。

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2013年9月 5日 (木)

『きんどるどうでしょう』で宣伝していただいていました

 現在、kindle本の無料キャンペーン中なのですが、『昼下がりのカタルシス』が現時点で200ダウンロードを超えています。『茜の帳』はまだ200に届きませんが、それに接近したダウンロード数です。

 これまでは1回のキャンペーンで、だいたい1冊20台のダウンロード数でした。それが今回はなぜ? 

 ところで、わたしのブログの1日の訪問者数はユニークでだいたい250~350人くらいです。こぢんまりとした図書館の1日の利用者数がだいたいこれくらいだそうです。

 夏休みの間は以下の記事にアクセスが殺到し、AccessAnalyzer.com のアクセス解析では1,000人を超える日があり、ココログのアクセス解析でも1,000人に届くくらいの日がありました。

 高校生相手に自己出版した本を押し売り――たとえ無料であっても――するほど、わたしもあくどくはなれないので(歴史的に評価の確立した文豪の著作を読んでほしいです)、ブログが沈静化するのを待って無料キャンペーンを実施、自分のブログで宣伝したのです。

 当ブログはいつものこぢんまりとした湖畔の図書館(いえ、あくまでイメージです)に戻っています。

 それで、キャンペーンでのダウンロード数の増加の原因が思い当たりませんでした。で、ググってみたところ、以下のkindle作家応援サイトで宣伝していただいていたことがわかりました。

 ああ、そうだったのか――と納得しました。大変ありがたいことです。サイト「きんどるどうでしょう」様、ありがとうございます!

 海外のAmazonではいつものようにちらほらとダウンロードしていただいていますが、いつもであれば海外ではダウンロード数が一番多いアメリカで皆無です。もしかしたら、シリア情勢による緊迫感があるためでしょうか。

 わたしもシリア情勢の今後とわが国の関わり方がどうなるのか心配で、ニュース記事をクリップしておくために、提携メディアサービスに参加しているSeesaaブログを一つ増やして専用のブログを開設したほどです。

 そういうわけで、電子書籍の作成も文章入れのほうがなかなか進みませんが、『すみれ色の帽子』は来週中には出せるのではないかと思います。こんなことやってたら、『日田文學』に提出すべき作品のことを忘れてしまいそうです……! 

 今月末には遅くともその準備にかからなくてはなりません。新しい作品は間に合うとは思えないので、既にある作品の中から送ることになりそうですが。

 また表紙絵を作り直しました。

Bo10blog

ぼくが病院で見た夢』の表紙絵で病院の建物にのっかっているカエル、雲の間から出ている虹は、無料で画像のオンライン編集ができるpixlrのうちの以下のサービスに入っていたモノです。

村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち』の表紙絵も作り直しましたが、これも今一つかな。なかなか、思うように作れません。

Nobel1blog_2

 それでも、泣きたいような気分で嫌々始めた表紙絵作成が、最近は何だか楽しくなってきました。GIMPもpixlrも使い方をきちんと学ぶには時間が足りませんが、世界が拡がったような悦びがあります。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

アマゾンのKindleストアで販売中の電子書籍『茜の帳』(幻想短編小説、萬子媛に関するエッセー、俳句)、『昼下がりのカタルシス』(神秘主義小説)の無料キャンペーン、題して静かな時間にキャンペーンを実施中です。

無料キャンペーン期間は、日本時間9月3日午後5時~6日午後5時ごろの3日間となります。無料期間中はダウンロード画面で「kindle購入価格  ¥0 」 と表示されます。

 

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2013年7月13日 (土)

夏休み前なのに、もう読書感想文の準備?(先生それは誤解です)

 先週くらいから、以下の記事にアクセスが集中しています。

 まだ夏休み前だと思うのですが、今年は出足がよいようで……どうして?

 これまでは8月も半ばとなってようやく、狂ったように(?)この手の記事にアクセスが集中したものですが……。今回は、わたしの書評の記事にはそれほどアクセスが増えていないので、これは生徒さんではなく、もしかしたら先生?

  生徒さんだったら、感想そのものを盗めるものなら盗みたいようで、あちこち漁った跡がアクセス解析から知れるんです。

 でも先生だとすると、1日あれば、という記事に集中するのが不自然ですね。うーん、どなたがアクセスなさっているのかしら。

夫は、「1日あれば、なんていう不届きな記事がある――と思って、先生がチェックに来ているんじゃないのかな?」といいました。考えてみれば、そうですね。さすがは、授業のサボり魔だったという夫。そのあたりの洞察には力量を発揮します。でも、先生それは誤解です。高校生時代に読むと糧となるような作品を様々な角度――みずみずしさ、深み、思想的中庸、読みやすさ……――から分析して選んでいます。

 前掲の記事は、2011年版中編、長編も同時に紹介しており、また2012年版(中編中心)へのリンクもあるので、我ながら親切な記事だと思っていますが、生徒さんにはできれば中編くらいは読んでほしい気がします。

 その陰で、わたしは自己出版した電子書籍『台風』の無料キャンペーンを淋しくやっております。まだ誰もダウンロードしてくれません。純文学小説の2回目のキャンペーンは厳しいのでしょうか。

『台風』は高校生が登場する純文学小説で、読書感想文にもそう悪くはないと思うのですが(媒体さえあれば現在無料だし)、市民権を得ていない小説をすすめるわけにはいかないので(いや、内容からすると、『台風』は大人向きでした。先生におすすめします)、孤独に次の電子書籍の作成に励んでいます(というより、ずっと別のことにかまけてサボっていました)。

 作成中の電子書籍『茜の帳』は三部構成で、一部は幻想小説「茜の帳」とエッセー「萬子媛抄」、二部は祐徳稲荷神社で詠んだ俳句、三部はブログ「マダムNの覚書」で公開した萬子媛に関する記事で構成。

 三部に収録するエッセーをリストアップし、現在これの作業中です。

  • 2012年1月 9日 (月)
    祐徳稲荷神社 ①初詣
  • 2012年1月12日 (木)
    祐徳稲荷神社 ②石の馬と「うま」くいく御守り。
  • 2012年3月12日 (月)
    祐徳稲荷神社 ③萬子媛ゆかりの石壁神社にて
  • 2013年1月 5日 (土)
    初インスピレーションと石の馬の夢
  • 2013年2月17日 (日)
    不思議なこと
  • 2013年3月22日 (金)
    萬子媛の美麗なオーラ
  • 2013年4月20日 (土)
    同人雑誌と萬子媛のこと
  • 2013年4月22日 (月)
    宗教の違いなんていうけれど……マグダラのマリア伝説と萬子媛
  • 2013年5月23日 (木)
    萬子媛のお社

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2013年6月16日 (日)

検索ワードに反応してみました (1)神智学おすすめの本

 アクセス解析をチェックしていたところ、「神智学おすすめの本」というワードで検索してお見えになったかたがあったようです。

 再度当ブログにお見えになるかどうかはわかりませんが、アマゾンで注文できる本に絞って、一神智学協会会員としてというより、ワタクシ的おすすめにすぎませんが、神智学運動の母といわれるブラヴァツキー関係の本で、アマゾンで注文できそうな本を挙げてみます(2013年6月16日5時ごろの情報です)。

 現時点での一押しは、何といってもこの本です。

シークレット・ドクトリン 宇宙発生論《上》
H・P・ブラヴァツキー(著), 田中恵美子(翻訳), ジェフ・クラーク (翻訳)
価格: ¥ 4,200 
単行本(ソフトカバー): 480ページ
出版社: 宇宙パブリッシング; 第1版 (2013/4/15)
発売日: 2013/4/15

『シークレット・ドクトリン』はブラヴァツキー畢生の大作です。内容はひじょうに難解なので、スラスラ読めるというものではありませんが(科学、宗教、哲学に通じている必要があります。どれにもほとんど通じていないわたしなどは、拾い読みできるだけです)、ブラヴァツキーのいう神智学(神聖な知識または神聖な科学)というものがどんなものかが伝わってきます。

 宇宙と人類の叡智の薫りがする、知識の宝石箱とでも申しましょうか。

 あるテーマを哲学的に展開するには、第一に、そこで使用する言葉を定義していく必要がありますが、ブラヴァツキーはその点において徹底した、それでいて無駄のない側面を見せます。重箱の隅をつついてばかりいるような退屈な哲学書って、多いんですよね。

 ブラヴァツキーは哲学書や宗教書から引用するとき(バルザックやシェークスピアなどの文学書からの引用も少なくありません)、その説の意味や著者及び派がどんな系譜に属するかを解説し、比較したり他に参照できる説があればそれらも紹介し、同時に批評も行うので(手厳しい批評が癪に障る人々から、誹謗中傷の出る傾向があります)、この本を読むことで、人類の宗教的、哲学的歩みを知ることができます。科学の教養があれば、科学的歩みを知ることもできるはずです。

 作風において、プラトンが文学的なら、ブラヴァツキーは科学的といってよいのではないでしょうか。だからこそ、科学音痴のわたしには難しいのですが、宇宙論の展開なのですから、科学色が強いのは当然でしょうね。

 最初に、『ジャーンの書』から翻訳された七つのスタンザが登場します。スタンザの注釈という形をとって、宇宙の進化という壮大なテーマが展開されていくのです。このスタンザの神秘的、豊麗な雰囲気には圧倒されます。ここで扱う宇宙について、ブラヴァツキーは以下のように規定しています(曖昧さは極力排除されていきます)。

……引用ここから……
これから与えられるスタンザはすべて、一太陽プララヤ後の地球惑星体系とそのまわりの目に見えるものの(宇宙)発生論だけを扱っていることを読者は覚えておかなくてはならない。普遍的コスモスの進化についての秘密の教えは与えることはできない。それはこの時代の最高の叡智の持ち主にも理解できないからである。〔略〕従って、伝えられることは、“梵の夜”が終わったあとの我々の目に見えるコスモスについてだけである。
……引用ここまで……

 プララヤとはサンスクリット語で消滅、壊滅の意です。マンヴァンタラの反対語として用いられ、全宇宙の休息期を意味します。

『シークレット・ドクトリン』にはヒンズー教用語、仏教用語が沢山出てきますが、日本人には比較的馴染みやすいのではないでしょうか。難解ではありますが、この本で西欧哲学的に表現されている思想自体は、日本人が自然に身につけている原理、原則と無関係ではありません。それを自覚させてくれるこの本。

 出版元「宇宙パブリッシング」で注文することもできます。本の紹介ページのサイドバーから最初の20ページを読むことができ(PDFファイルのダウンロード)、インタビュー形式の解説を読むこともできるので、購入の際の参考になります。

ベールをとったイシス 第1巻 科学 上 (神智学叢書) 
H.P.ブラヴァツキー (著), ボリス・デ・ジルコフ(編纂), 老松 克博 (翻訳)
価格: ¥ 4,830 
出版社: 竜王文庫 (2011/01)
発売日: 2011/01

『ベールをとったイシス』は、『シークレット・ドクトリン』の前に書かれた本。わたしはグノーシス、初期キリスト教などを調べるようになってから、この本が大変助けになっています。

夢魔物語 (神智学叢書)   
H.P.ブラヴァツキー (著)
価格: ¥ 2,520   
単行本: 156ページ
出版社: 竜王文庫 (1997/05)
発売日: 1997/05

『夢魔物語』はブラヴァツキー異色の怪奇小説ですが、格調の高い筆致で、神秘主義的な教訓が盛り込まれています。読みながらわたしはブラヴァツキーがロシア人だったことを、ふいに思い出しました。ゴーゴリの怪奇小説を連想したのです。ただの空想の産物ではないことがわかるだけに、面白くも怖ろしい本です。
 無神論者の西欧人、京都・知恩院の僧侶、山伏が織りなす『不思議な人生』、パガニーニに勝ちたいという思いから忌まわしいヴァイオリンを手にすることになった若きヴァイオリニストの話『不思議なヴァイオリン』の二編が収録されています。本の帯には次のように書かれています。

……引用ここから……
すぐれた透視家であったH・P・ブラヴァツキーならではの臨場感あふれる透視場面が展開する 神智学の怪奇小説!

はからずも日本のオカルト神秘に触れてしまった欧州の無神論者が体験した人生をつづった「不思議な人生」と若きヴァイオリニストが恐ろしい黒魔術にはまる悲劇を描いた「不思議なヴァイオリン」の二編を通してブラヴァツキーは読者に何を伝えようとしたのか?
……引用ここまで……

H・P・ブラヴァツキー夫人―近代オカルティズムの母 (神智学叢書) 
田中 恵美子 (翻訳), ハワード マーフェット
価格: ¥ 3,150    
単行本: 422ページ
出版社: 神智学協会ニッポンロッジ (1981/04)
発売日: 1981/04

 ブラヴァツキーの伝記です。平易な描き方をされた初心者向けの伝記といった趣です。わたしはブラヴァツキー派神智学と、彼女の影響を受けてはいても全く別の思想を展開している人々との区別があまりついていない時期にこの本を読み、ブラヴァツキーを知る上での参考になりました。

 ちなみにオカルティズムとは、H・P・ブラヴァツキー『実践的オカルティズム』(田中恵美子&ジェフ・クラーク訳、竜王文庫、平成7年)によると「宇宙と自然と人間の物質的、サイキック的、メンタル的及び霊的な秘密を研究する科学」という意味で使われています。

ブラヴァツキーのことば365日 
ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー (著), ウィニーフレッド・パーレィ (編纂), 山口 多一 (翻訳)
価格: ¥ 1,890 
単行本: 190ページ
出版社: アルテ (2009/09)
発売日: 2009/09

『ブラヴァツキーのことば365日』 をほしいと思いながら、3年以上、買わないままでした。わたしが昨夜買ったので、現在アマゾンで「一時的に在庫切れ」と表示されてしまいました。すみません。読んだら、感想を書きたいと思っています。

 追記:「在庫あり」に戻っていました。(6月17日9時43分時点での確認) 

オカルティズム対話集 (神智学叢書) 
W.Q.ジャッジ (著), 田中 恵美子 (翻訳), ジェフ・クラーク(翻訳)
価格: ¥ 3,570   
単行本: 199ページ
出版社: 神智学協会ニッポン・ロッジ (1997/05)
発売日: 1997/05

『オカルティズム対話集』はブラヴァツキーの愛弟子ジャッジによる本です。ジャッジは神智学協会の最初の法律顧問で、アメリカ部門の第一代会長でした。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

 ここからはアマゾンでは中古品しか入手できませんが、どれもすばらしい本なので、ざっと紹介しておきます。

 難解な『シークレット・ドクトリン』を読む前に、できれば真っ先に読みたい本『神智学の鍵』。神智学の入門書として読めますが、人間の生死を貫くあれこれに密着した知識が満載です。新プラトン派について、詳述してあるのも嬉しい……。

 綺羅星のような神秘主義的知識に触れることのできる『実践的オカルティズム』を、わたしはよく開きます。

インド幻想紀行』(原題:ヒンドスタンの石窟とジャングルから)は、読み応えのある旅行記です(探検記といったほうがいいかもしれません)。わたしは今、従軍慰安婦問題との関連からイサベラ・バード『朝鮮奥地紀行』を読んでいるところですが、読みながらブラァツキーのこの『インド幻想紀行』を連想しました。どちらも女性によって書かれており、観察の巧みさ、調査能力の高さ! ブラヴァツキーの場合は、それに志の高さが加わります。

 どちらでもトラがいると書かれ、現にブラヴァツキーはトラが現れたときのことを迫力に満ちて描写しています。彼女が象に乗ったときのことも独特のユーモラスな描写です。クジャクの描写も忘れられません。意外にも、『インド幻想紀行』のほうがナイーヴな印象です。ブラヴァツキーは本来は芸術家肌の(ピアニストとしても通ったほどのピアノの名手だったとか)、とても繊細な人柄だったことがわかります。それに……面食いだったのではないでしょうか(?)。

「訳者あとがき」「解説」によると、この旅行記は、はじめモスクワの新聞「モスクワ・クロニクル」に36回に渡って寄稿されたものだそうです。第一信は1879年11月30日付。寄稿の大半にはラッダ・バイという筆名が用いられました。その後、雑誌「ロシア・メッセンジャー」に再録されたそうですが、その雑誌にはトルストイやツルゲーネフも寄稿しているとか。

 連載は大変な反響を呼び、多くのロシア人がインドに関心を持つようになったそうです。ただ、この旅行記は1回の旅行での出来事を忠実になぞったものではなく、何回かの旅行時の体験が含まれているそうです。ブラヴァツキーがかつて単身インドを放浪したときのことなども。

 ブラヴァツキーが旅した当時のインドが如何にエキゾチックな処だったとしても、『インド幻想紀行』は当然、ただの旅行記ではありません。万華鏡のようなインドの宗教を体験し、インド哲学を探究するための旅なのです。

 神智学協会成立についても語られ、協会が拡がっていく中でインドとの接点ができた様子が説明されています。また、当時インドで最高のサンスクリット学者と見られていたバラモン、ダヤーナンダ・サラスワティーと文通し、その指導の下で先史アーリア国家のこと、ヴェーダ文献、難解な言語の勉強を始めたとあります。

 ジャングルで仙人生活を送っていたというこのバラモンは普通のバラモンではなく、謎めいていて、ダヤーナンダの行くところ、どこでも民衆はその足下にひれ伏すとか。外見は日に焼けていたにも拘わらず、肌が白くてヨーロッパ人のようだったそうです。「ダヤーナンダほどサンスクリットに優れ、哲学が深遠で、説得力に秀で、しかも諸悪を糾弾することに仮借ない人物は極めて稀であり、唯一の前例は、ヴェーダンダ哲学の著名な創立者で多神教教理の帝王、シャンカラチャーリのみ、ということです」とあります。

 そして、ダヤーナンダは今やほとんど忘れられたサンスクリット語へ戻れ、とだけいいます。
……引用ここから……
原初の聖仙たち――アグニ、ヴァーユ、アディチャ、アンギラたち――の教えた純粋な神の概念へ戻るように諭すのです。またほかの行者のように、ヴェーダ文献が「神からの啓示」だとは教えません。「ヴェーダ文献のことばはすべて、この地上で人間に可能な最高の霊的直感の一種であり、人類至上、必要とあればほかの民族でも同様な直感が生じてきたものだ」と教えます。
……引用ここまで……

 ブラヴァツキー一行に保護者として加わったクラーヴ・ラル・シンとなると、さらに謎めいた趣です。初対面は27年前のイギリス、このヒンドゥー人は廃位されたインドの王子と一緒だったとあります。そしてクラーヴ・ラル・シンの母国インドで再会を果たしたとき、ブラヴァツキーは老女になっていたのに、クラーヴ・ラル・シンは27年前と同じように30歳くらいに見えたそうです。

 神出鬼没で、トラを撃退したときの神秘的な様子、石窟で気絶したブラヴァツキーを救出したときの超人技、100年以上前に描かれた絵の中にクラーヴ・ラル・シンと瓜二つの姿が描かれていたり、『シークレット・ドクトリン』で書かれているのとそっくりなことを講義するクラーヴ・ラル・シン……ブラヴァツキーはある秘密を明かされたようですが、沈黙を約束したとあります。クラーヴ・ラル・シンの異常な長身と美貌は、格式張って保守的なロンドンの新聞も記事にしたほどだったとか。

 インドの風景、風俗、宗教、哲学に関する詳細な報告が興味深いのは勿論ですが、このクラーヴ・ラル・シンという名で語られる人物はひときわ光彩を放っています。さすがはインドという感じです。

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2013年4月16日 (火)

桜花賞の1着2着はディープインパクトの娘たち、妹トーセンソレイユは残念。

『田中さんちにやってきたペガサス』を書くために乗馬体験をして以来、馬にはまってしまいました。

 あくまで馬にはまったのであって、競馬にはまったのではありません。ギャンブルはぞっとするほど嫌いなので。もっぱらYouTubeで観戦しています。

 現在は引退して種馬となっているディープインパクト。ディープの過去の動画に魅せられ、すっかりファンになり、デスクトップ壁紙までディープにしているほどです。

 アクセス解析を見ると、ほぼ毎日、「ディープインパクト 壁紙」でお見えになるので、ググってみたところ、何とわたしの記事がトップページに表示されているではありませんか。

 オバさん、ちょっと恥ずかしい。以下の記事です。

 で、さすがに毎晩ではありませんが、ちょくちょく競馬の動画を見ています。ディープインパクトの異父妹トーセンソレイユが好きになりました。『田中さんち…』の表紙絵のペガサスに似ている気がしています。

 桜花賞にトーセンソレイユが出ていたと知って、動画観戦しました。桜花賞というのは、阪神競馬場で開催される3歳牝馬限定G1です。

 調子が出なかったのか、トーセンソレイユは7着(18頭の戦い)。華奢な馬体が問題なのか、調整不足だったのか、騎手シュタルケとの相性がよくなかったのか。

 4キロも馬体重が減っていたようです。心配です。

 桜花賞の1着2着はディープインパクトの娘たちで、1着はアユサン、2着はレッドオーヴァルでした。

 アユサンの騎手はイタリア出身、20歳のクリスチャン・デムーロ。レッドオーヴァルの騎手はクリスチャンのお兄さんミルコ・デムーロ。

 アユサンは2010年2月21日生まれとありました。2月21日だなんて、わたしと誕生日が同じではありませんか。

 娘2頭はお父さんのディープインパクトにそっくり。お父さんそっくりの顔つきで異母姉妹が競り合っている……しかも、それは兄弟の騎手の勝負でもあるという場面に、不思議な感じを覚えました。

 でも、わたしは優美なトーセンソレイユが好き。馬も大変だなあと思いますが、がんばってほしいものです。

 サンプルをダウンロードできます。
    ↓

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2013年3月 8日 (金)

短編児童小説『卵の正体』のお買い上げ、ありがとうございます!

 短編児童小説『卵の正体』をお買い上げいただき、ありがとうございます。

 体調がパッとせず、評論『村上春樹と近年のノーベル文学賞作家たち』の電子書籍化作業どころか、薬がなくなってきたのに、循環器クリニックにも行けていない始末。

 でも、本を買ってくださるかたがあると、元気が湧いてきます……!

  話題は変わりますが、アクセス解析を見たら、昨日・今日とアクセス数がかなり多くなっていました。昨日のユニーク訪問者数が765人。普段は200人ぐらいです(この訪問者数は、あるこぢんまりとした図書館の訪問数と同じぐらいだと知りました)。

 村上春樹の記事のときのように、何千という単位ではありませんが、普段より多いとぎょっとしてしまいます。以下の記事でアクセスが増えているようです。

 またまた話題が変わりますが、WBC 2次ラウンド、日本vs台湾。

 日本、危うし! 1点差。息子が会社帰りらしくて、電車に乗り継ぎの合間なんかに娘にちょくちょく電話をかけてきて、情報を求めています。わー、追いつきました!  さあ、どうなる? 興奮してめまいがしてきたわ。とりあえず、この記事、アップしておきます。

 追記:日本勝ちましたね!

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2012年7月24日 (火)

検索ワード/フレーズ「読書感想文 高校生 おすすめ」で、訪問者数急増

 当ブログの訪問者数はだいだい日に250くらいですが、このところ急増し400を超えています。よく目につく検索ワード/フレーズは「読書感想文 高校生 おすすめ」。アクセスが急増したのは以下の記事。

 他に中編部門、長編部門の記事もあるのですが、アクセス数は多い方から①短編 ②中編 ③長編 の順となっています。ちなみに、それらの記事でおすすめした本を以下にご紹介。

短編部門・ベスト3(ポプラ社「百年文庫」から)
①ヴァーグナー『ベートーヴェンまいり』(百年文庫13 響)
②夏目漱石『琴のそら音』(百年文庫31 灯)
③ピランデルロ『よその家のあかり』(百年文庫26 窓)

中編部門・ベスト1
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/08/post-286a.html
①トーマス・マン『トーニオ・クレーガー』(河出文庫)

長編部門・ベスト5
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/08/post-ad1a.html
①ロマン・ローラン『ジャン・クリストフ』(岩波文庫)
②トルストイ『戦争と平和』(新潮文庫)
③ドストエフスキー『罪と罰』(新潮文庫)
④マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』(新潮文庫)
⑤円地文子訳『源氏物語』(新潮文庫)

 高校生の読書感想文関係でアクセスが増えるのは、これまでは8月に入ってから――それも盆過ぎ――だったのですが、今年は先月から増え、出足が早い印象です。なぜでしょう? 訪問者は高校生を想像しているのですが、もしかしたら、どの本で感想文を書かせようかと迷っている先生方だったりしてね。

 せっかく来ていただいて古い記事しかないのは申し訳ない気がするので、「高校生の読書感想文におすすめの本 2012年夏」を書こうと思い、一昨日からリサーチしていました。

 今回は、短編から中編までの手頃な長さの作品を中心に10編ほど、文庫になっているもののなかから、Amazonで新品の購入が可能なものを選びたいと思っています。

 プラトンとギリシア悲劇からどれか……も入れたいのですが、ギリシア悲劇よりもシェークスピアの方がとっつきやすいかしら。チェーホフ、テネシー・ウィリアムズなどの戯曲にも触れてほしい気がしますが、彼らの作品は憂愁の色が濃いから……うーん。

 高校生には、精気を揮い起こしてくれるような、スケールの大きな作品を推薦したい気がします。総合的観点に立って物事を見る習慣をつけてくれるような……。プラトンの『ソクラテスの弁明』『饗宴』は高校生にも読めると思います。『風姿花伝』なんかもおすすめしたいのですが、高校生には少し難しいでしょうね。『竹取物語』『更級日記』『雨月物語』は、通して読むといいと思うけれど、古文の勉強みたいで億劫になるかしら。

 まさに青春文学といえる太宰、坂口、織田の作品のうちのどれか。織田作之助の『六白金星』なんかは、面白いんじゃないかしら。泉鏡花、円地文子、岡本かの子の作品のどれかも入れたいのです。谷崎潤一郎の『春琴抄』『少将滋幹の母』はまとまりがいいし、高校生にも読めるのでは?

 ローデンバック、ギッシング、モーリアック、ヘンリー・ジェイムズはあまりに大人びているでしょうか? シュティフターだといいかもしれません。最近岩波文庫から出たカロッサもいいかも。モーパッサン、モーム、マンスフィールドはまとまりがよすぎて、箱庭的かな。

 手頃な長さでありながら、ダイナミズム、スケールの大きさを秘めた1編となると、ゴーゴリは外せません――『外套』『鼻』『肖像画』。バルザック、ユーゴー、ゾラは形式的にも内容的にも「手頃さ」からはみ出てしまいます。トルストイ、ドストエフスキーには手頃なものもあるけれど、彼らが本領を発揮するのは長編だから……。ジョルジュ・サンド、ゲーテ、アンデルセン、ドーデは、手頃なものが文庫であるかどうか。 

 おすすめしたいと思って再読してみると、以前とは違った感じを覚えることがあります。若い頃に感動を伴って読んだ作品、そして中年になった今読んでもみずみずしい印象を受ける作品のなかから、比較的まとまりのよい(それでいてスケールの大きさを秘めた)、品格がある作品――の収録されている本――を選ぼうと考えています。考えているうちに、夏が過ぎてしまうかもしれません。
 ⇒書きました。こちら

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2011年11月28日 (月)

絶望と好奇心の間で

 ココログのアクセス解析を見たら、

  • 累計アクセス数: 487794
  • 1日当たりの平均: 241.36

 と出ていました。2006年4月に当ブログを始めてからのアクセス数ですね。左サイドバーにログバートという無料カウンターをつけていますが、これは自分がブログを開いたときにアクセスしている人が何人いるのかを知りたくて、あとからつけたものでした。またカウントの仕方も違うでしょうから、この二つでは累計数が違います。

 アクセス解析のお蔭で、当ブログがどんな利用のされかたをしているのか、また、どんな事柄が人々の注意を惹きつけているのかがわかり、本当に重宝しています。

 最近、自作の小説にアクセスしてくださるかたが増えてきて、不思議に思っています。

 賞狙いを始めたために、作品を新しく収録するどころか、非公開にしてしまうことも出てきだしてからこうなるとは、嬉しいながらも皮肉な現象だと思わずにいられません。

 実はこのところ、ブログを閉じてしまおうか、と思うことが何度かありました。賞狙いをやり出すと、作品そのものはアップしていなくても、ブログを創作ノートとしても活用してきたために、ねたを散りばめているという事実は否めません。

 簡単な対策としては、ブログ記事を非公開にしてしまうか、いっそブログを削除してしまうことでしょう。

 現在は児童文学作品に応募を限っているので、そこまではしなくてもいいかしら、と考え直したところです。Note:不思議な接着剤については、近々非公開設定にするかもしれません。ブログを主に自己確認と孤独解消の場として活用してきたわたしとしては、この賞応募の強いる沈黙が負担で、ナンにしても頭の痛くなる問題です。

 しかし、応募を始めたばかりでいうことではありませんが、わたしの応募生活はそう長くは続かないと思います。第一、心身がその負担に耐えられません。まあ生活不安から応募を再開したわけですが、仮に運よく受賞できたところで、そのことが生活の向上に役立つとは思ってはいず、不安を忘れるための手段としているだけだということもあります。

 それに、なまけごころを鞭打つにはよい手段ですしね。来年の半ばにはギブ・アップしているんじゃないかしらね。そうしたら、非公開設定にした記事を公開設定に戻しますね。早くそうしたい。映画や料理の記事をアップする時間すら思うようにとれない今のブログ生活は決して幸せなものではありません。

 そうはいっても、このあたりで本を出したい、プロになりたいという思いには強いものがあります。このままでは、自分の人生が閉じていくばかりであるような焦燥感に駆られるのですね。

 ただ、プロになるのは不可能ごとに近いなあ、と思わずにはいられません。純文学ではギブ・アップしましたけれど、児童文学でも、応募を始めたばかりの段階で既にそれ気味です。

 というのも、日本では、大人の純文学系商業雑誌は、名のみ残して内実はほとんどが娯楽系になってしまっている――いや、純文系とも娯楽系ともいえない何か独特の変なものになってしまっている――現実があり、児童文学のほうでも娯楽系が主流であると感じられるからです。

 わたしは岩波少年文庫に収録されているような純文系の書きかたをしていきたいのですが、最近の児童文学賞を射止めた作品を読んでみると、娯楽系の書き方が多いと感じます。タイトルからしてそうです。純文系の作品を求めていない賞に応募したところで、受賞できるとは到底思えません。

 ですから、別にわたしは悲観的な気分から作家にはなれそうにもない――と思っているわけではなく、リサーチをもとにした推測から、作家にはならない自分の将来像が浮かび上がってくるというわけなのです。娯楽系に方向転換できそうにないし、それに、そんなこと、したくもないからですわ。無名のまま書き続けるほうがわたしには似合っているのかもしれません。そのほうが気楽でもありましょう。

 問題は、ブログ作家(?)としてやっていく決断をどの時点でするかですね。そう決断したら、ブログとホームページを表現の場として本格的に運営していきたいと考えています。来年のどの時点かで決断できるのかどうか……わたしが懼れるのは、どっちつかずの気もちでほとんどの作品を非公開にしたりブログを閉鎖したりして、本当に誰にも作品を読んで貰えないままになってしまうことです。

 それを考えさせられたのは、真摯に活発に創作し、賞狙いしていた方々のブログやホームページがある時点でまるで力尽きたように放置されたまま、ネット上を漂流しているのを多く目撃してしまったときでした。明日は我が身かと泣けました。

 それはそれとして、一方では好奇心も湧いてきました。娯楽系が主流という感じを受けるといっても、あくまで傍観的にそう感じたにすぎない日本の児童文学がどういう状況にあるのか、きちんと知りたくなったのです。純文学の世界のことはすっかりわかってしまったのですが、児童文学の世界については何となくしかわかっていないことに気づいたというわけです。

 で、リサーチの結果、他にもあるのかもしれませんが、以下の雑誌が有名であることがわかりました。これらを読めば、日本の児童文学がどんな状況下にあるかがはっきりするにちがいありません。

  • 日本児童文学者協会「日本児童文学」
  • 日本児童文芸家協会「児童文芸」
  • 児童文学の冒険「飛ぶ教室」
  • 全国児童文学同人誌連絡会機関誌「季節風」
  • 「鬼ヶ島通信」

 このなかの2誌は既読。そして昨日、「鬼ヶ島通信」の購読申し込みをしたところです。「鬼ヶ島通信」の編集委員のなかに、編集者時代に『魔法使いのリーキーさん』を担当なさったという末吉暁子氏(ネット検索で偶然知りました)のお名前があり、また、(やはりネットで閲覧して)共感を覚えた『私とファンタジー』の作者、堀切リエ氏のお名前も『鬼ヶ島通信』の最新号紹介のなかに見つけ、興味が湧いたのでした。

 とりあえずは賞の応募を続けます。来月から本腰入れて児童文学作品Yに取り組みたいと思っています。時間を見つけて、料理の記事などもアップしますね。 

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2011年1月 8日 (土)

児童文学作品『不思議な接着剤』のマスコット

児童文学作品『不思議な接着剤』のマスコット

遅い年賀書きが終わって、わたしにもようやく年が明けました。

昨年は薬剤性肝炎騒動(その伴奏となったのが忌まわしい湿疹。もう治らないかとすら思いました)で、わたしにとってはひじょうに不快な年であり、形となった作品は零に等しい不作な年でしたが、今では湿疹はほとんど治って、不作だった畑はよく耕されているではありませんか!

誰が耕したかといいますとね、驚いたことに、このわたしなんですよ。

これで新しい年に対して希望が湧かないなんて人は、化石になった原人だけでしょう。

なぜハイになっているのかとお疑いかもしれませんが、それは長編児童文学作品のための創作ノート「Notes:不思議な接着剤」を読んでいたからなのですね。

我ながら、よく耕したものだと会心の笑みがこぼれました。

ハイになっているもう一つの理由は、アクセス解析を見て、映画の公開によって増えていた村上春樹関係のアクセスが下火になり、文学好きの方々からのアクセスがわたしの目によく止まるようになったからでした。

勿論、村上春樹関係でアクセスいただくことも嬉しいのですが、それによって普段の10倍ものアクセスがあると、アクセス解析を見ようという気分自体が失せてしまうのです。

突然のイベント的混雑を見せた、湖の畔に建つこぢんまりとした私設図書館が、いつもの静かで居心地のよい図書館に戻ったという感じでしょうか(なぜ湖が出て来たかというと、それは単なる効果です)。

ところで、写真は、娘が昨年の大掃除中に見つけた小さなぬいぐるみで、娘は真っ黒に汚れていたそれを洗い、室内物干しに洗濯バサミで吊り下げていました。

娘がいうには、息子が小さかったときに大事にしていたぬいぐるみだそうですが……変な服を来ているわねえ……まさか、わたしが作ってやったなんてことは……息子が作ったのかしらん?

よく見ると、恐竜のぬいぐるみだったので、わたしが貰うことにしました。『不思議な接着剤』のマスコットにします。

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2010年12月19日 (日)

ハルキ現象に疑問を覚えて

2010年12月20日 (月)
申し訳ございません。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2010/12/post-0b15.html

村上春樹『ノルウェイの森』原作の映画が封切られる前に、当ブログへの訪問者は多い日で2,000人を超えた(ココログのアクセス解析では1,863人)。

普段は、1日に150人からせいぜい200人くらいの利用者がいる小さな図書館を想像していただきたい。

その多くがマナーのよい人々で、わたしがごくささやかな純文学継承の草の根運動の一環として行ってきた、現在ではなかなか読めなくなった山崎栄治訳のリルケの詩『薔薇』はじめ、かつて講談社から出ていた児童文学全集のリスト紹介、東京創元社から出ているバルザック全集に関する記事などには毎日のように閲覧者があり、わたしを悦ばせる。

カーリル・ジブランの本は現在も数種類が入手可能と思われるので、自分のお気に入りしか紹介していないが、閲覧者が多い。卑弥呼関連、ユイスマンス、シモーヌ・ヴェイユ、Notes:不思議な接着剤で触れているカタリ派・グノーシス・原始キリスト教・ユダヤ教に関する記事、コミックスでは『テレプシコーラ』、映画ではベルイマンの諸作品とか最近の『インセプション』『アリス・イン・ワンダーランド』、この時期には年賀状。料理の記事には毎日閲覧者が多い。芸術関係の記事の閲覧者も多く、フジ子・ヘミングに関する記事では男性からの心温まるメールと貴重なリポートをいただいた。

村上春樹の記事には公開以来、毎日多くの閲覧者があるが、普段は比較的マナーのよい閲覧者が多くて、いただくメールもわたしの考えに共感を示す女性からのものが多い。

しかし、何かイベントがあるたびに(前回は1Q84、今回は映画の封切り)、普段は静かな図書館に、大勢の人々がどやどやと押しかけて、ゴミを散らすわ、あちこち漁り回るわ、本は汚すわで、迷惑を蒙っている。

誇大広告のため、イベント前にハルキ現象は最高潮に達し、イベント後は潮が引くように沈静化するのが常だ。封切り後は、訪問者は600人から800人に減った。

福袋と同じと思われる。文学の広告があれでいいのだろうか?

日本を代表する世界的作家の歴史的偉業……風の赤面するような誇大広告を真に受けて、『海辺のカフカ』『1Q84』を子供(小学生、中学生)に与えた後に読んでみて後悔したというような記事を複数閲覧したときは(与える前に読んでほしいものだが)、憤りの念を禁じ得なかった。

今回の映画『ノルウェイの森』でも、これはPG-12に指定されており、「12歳未満のお客様は、なるべく保護者同伴でご覧ください。」となっているが、対象年齢をもっと上げるべきというレビューを閲覧し、商業主義の一番の犠牲者は子供だと胸が痛む。

ところで、このイベントのたびに膨れ上がる現象について、わたしは商業主義の凄まじさに呆れてきたが、今回初めてこの現象に深い疑問を持った。

このハルキ現象の責任者は誰かということを考えてしまったのだった。

村上春樹は芸能人ではない。今やとめどもなく膨れ上がるかに見えるハルキ現象も、火元は作品の誇大広告にあり、その責任者はいうまでもなく村上春樹だろうと想像した。

わたしは本を出したことすらない素人だからわからないことだけれど、誇大広告というものは勝手につけられてしまうのだろうか。

それに対して著者は何もできないのだろうか。

何もなすすべがないのだとすれば、著者の責任は問えないが、もし何かしら手を打てるのだとすれば、この現象の責任者は村上春樹当人ということになる。

ここまで考えてしまうのは、あまりにハルキ現象が文学的なムードとはかけ離れた異質なものだからだ。

新興宗教か芸能人に伴う現象に酷似している。

映画『ノルウェイの森』についてのわたしの感想を聞きたいという人もいるが、原稿料が貰えるわけでもないのに、そこまではしたくない。2回観た『インセプション』の記事さえ、完成させる時間がないというのに……。『ポッター』の記事もまだ書けていない。

ところで、村上春樹は世界中でよく売れているという話だが、どのような層の人々によく読まれているのか、調査の必要があると思う。

純文学などというものはない、といわれ始めたのと、村上春樹の作品が売れ出したのは同じような時期だったと記憶している。

しかしまた、純文学の社会的栄冠ともいうべきノーベル文学賞に(ハーレクインロマンスにノーベル文学賞が授与されたという話は聴かないから、あれはやはり純文学作品が対象と思われる)、村上春樹の売り手とファンほど期待をかけている人々はいないように見える。

純文学の愛読者は普通、そのような世俗的出来事と作家を結びつけて一喜一憂したりはしないものだと思う。

どんな作品にも訴えかけてくる部分があり、長所短所がある。わたしは記事で書いたが、直子の描写は優れていると認める。そして、その時点で彼はどちらの方向へも行けたと書いた。

熱狂的ファンの中には、わたしの記事や評論をよく読みもしないで攻撃してくる人がいるけれど、わたしほどムーディーな習作『ノルウェイの森』をよく読み(名作と呼ぶには文学作品としての体裁が整っていず、作者の姿勢に疑問があることを評論中で指摘した)、才能を的確にチェックしようと真摯に試みた人間は少ないと思う。

このようなことは本来ならプロの評論家がやるべき仕事で、わたしのような一主婦がすることではないはずだ。そう想うと、虚しさがこみ上げる。

村上春樹の作品を読んでいるときは心地よいが、読後に倦怠感、嫌悪感に襲われて、その原因がわからなかったところ、わたしの記事、評論を読んで医師に患部を指摘して貰ったような気がした……という感謝のメールをいただかなかったら、とっくに村上春樹に関する記事は非公開にしてしまっていたと思う。

ちょうど、この記事を書き終わったとき、長年、統合失調症を患っている女友達から電話があった。

精神病薬の副作用によるパーキンソン症候群がなかなか改善されないという。そのための薬が増え、今度はその副作用にも悩まされているというので、改善に役立たない薬は切って貰って、医療用ステッキを積極的に活用するほうがよいのではないかといった。

わたしは薬剤性肝炎の話をし、そのあとで彼女の作品の話になった。障害者対象の賞に作品を応募する相談だった。……余談になった。

※当記事に関するコメント、メールは受け付けておりません。

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