カテゴリー「音楽」の79件の記事

2024年5月 3日 (金)

ピアニストのフジコ・ヘミングが4月21日、膵臓がんで亡くなった。92歳だった。

私事ですが、晩年血液疾患と認知症を患っていた舅の死後――実際にはその数年前から――義妹夫婦が色々とおかしなことを仕出かしてくれていまして――そのことを放置もできないので、法律家の助言を仰いだりして対処する必要があり(娘もわたしも法学部出身なので、法的におかしなことには気づくことができます。内容は話せませんが)、何かと気忙しい日々です。

それで、電子ピアノにも触っていなかったのですが、昨日の昼下がり、職場にいる娘からメールがありました。昼休みだったのでしょう。

ピアニストのフジコ・ヘミングが4月21日、膵臓がんで亡くなったとのこと。

92歳だったそうですね。

わたしが娘とフジコさんの独奏会に出かけたのは、2006年、2007年、2008年、2012年の4回でした。

4回目のとき、フジコさんは80歳。高齢でしたから、これが最後になるかもしれないと思ったものでした。でも、そのときから10年以上長生きして演奏会をなさっていたのだから、もう1回くらいは行っておきたかった――と残念です。

深夜、フジコさんのCD、動画を聴こうとしたのですが、つらくて聴けませんでした。

電子ピアノに触りたくなりました。しばらく触っていなかったので、前より少し下手になっていましたが、いつも練習前に弾くことにしているバッハ「主よ人の望みの喜びよ」、パッヘルベル「カノン」(いずれも易しく書き変えられたもの)、ソナチネとバッハインベンションの最初の曲を弾きました。

以下はX(旧ツイッター)より。

macaron@fraisst
ピアニストのフジコ・ヘミングさん
4月21日、膵臓(すいぞう)がんで亡くなった
92歳だった

2024年3月 すい臓がんと診断
2024年4月 容態が急変

治療やリハビリに励み
3月に予定していた
NY カーネギーホールでの公演を楽しみにしていた
 fuzjko.net/news/20240502
(画像あり)
午前8:25 · 2024年5月2日

「ファンの皆様ならびに関係者の皆様へのご報告」『フジコ・ヘミング オフィシャルサイト』。2024年05月02日、URL: https://fuzjko.net/news/20240502

まゆー@degu_mayu
フジコ・ヘミングさん、いっぱい動物たちが迎えに来るんだろうな🥲

国籍を、聴力を失っても、天からの使命のように弾き続けるあの演奏。

安らかに💐

「私がピアノを弾くのは、小さき命のためです。そのためなら永遠に弾ける」
フジコ・ヘミング
(画像あり)
午前8:20 · 2024年5月2日

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ウィキペディア「フジ子・ヘミング」

フジコ・ヘミング(本名:ゲオルギー=ヘミング・イングリッド・フジコ(Georgii-Hemming Ingrid Fuzjko[1]、1931年12月5日[2] - 2024年4月21日)は、日本とヨーロッパ・アメリカ合衆国で活躍したピアニストである。

父親はスウェーデン人画家・建築家のヨスタ・ゲオルギー・ヘミング(スウェーデン語版)(1986年死去[3])。母親は日本人ピアニストの大月投網子(1903年 - 1995年)[4][注釈 1][5]。俳優の大月ウルフは弟[6]。歌手の橋本潮は従姪にあたる。……(以下略)……

ウィキペディアの執筆者. “フジ子・ヘミング”. ウィキペディア日本語版. 2024-05-02. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%95%E3%82%B8%E5%AD%90%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0&oldid=100221876, (参照 2024-05-02).

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当ブログにおけるフジコさんに関する記事

2006年4月29日 (土)
イングリット・フジ子・ヘミング(Ⅰ)
https://elder.tea-nifty.com/blog/2006/04/post_532e.html

2006年5月 1日 (月)
イングリット・フジ子・ヘミング(Ⅱ)
https://elder.tea-nifty.com/blog/2006/05/post_19e4.html

2007年5月21日 (月)
フジコ・ヘミング、ソロコンサート①
https://elder.tea-nifty.com/blog/2007/05/post_a68b.html

2007年5月29日 (火)
フジコ・ヘミング、ソロコンサート②『革命のエチュード』の素晴しさとベーゼンドルファー
https://elder.tea-nifty.com/blog/2007/05/post_3e23.html

2008年6月 2日 (月)
イングリット・フジコ・ヘミング2008ソロリサイタル~4月23日のメモより  
https://elder.tea-nifty.com/blog/2008/06/2008423_eaa5.html

2010年5月 3日 (月)
中村紘子のピアノ・リサイタルで、フジ子・ヘミングを想う
https://elder.tea-nifty.com/blog/2010/05/post-c8ee.html

2012年6月 7日 (木)
フジコ・ヘミング, ソロピアノリサイタル.
https://elder.tea-nifty.com/blog/2012/06/post-9344.html

2014年5月 5日 (月)
別府アルゲリッチ音楽祭で、またしてもフジコを想う
https://elder.tea-nifty.com/blog/2014/05/post-5dc0.html

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2024年2月 4日 (日)

久しぶりに電子ピアノのこと。カノン。

夫は、丹内真弓「ピアノの教科書」(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、2019)の練習曲6《よろこびのうた/作曲:ベートーヴェン》Part3を終えた後、「3 コードを使った伴奏形」STEP1、2へと進んでいました。

昨年の11月頃から1月にかけて、住居問題が持ち上がり、ろくに電子ピアノの練習ができませんでした。その次のSTEP3から始めたところ、何だか全然できません。しばらくぶりだったからでしょうか?

左手の伴奏形の練習中で、STEP3の課題には「コードの音を1音ずつ分けて弾きましょう」とあります。

ト音記号とヘ音記号については25ページで学習しましたが、楽譜を見ると、音部記号がヘ音記号です。音部記号にはト音記号(高音部記号)、ヘ音記号(低音部記号)、ハ音記号(中音部記号)があります。

楽譜には、ヘ音記号の1段譜が4段並んでいます。

右手で弾いたらいいのか、左手で弾いたらいいのか、わからなかったようでした。どちらで弾くことも可能ですが、左手の伴奏形の練習なので、左手で弾くべきでしょう。

25ページの「へ音記号」の解説には、「ヘ(ファ)の音を表す記号です。2つの点の間がへの音です。中央ドより低い領域に使われ、ピアノの場合、重に左手で演奏する時の記号です」とあります。

大人は理屈で考える生き物なので、考え出すと音楽理論に踏み込むことになってしまい、模倣の天才である子供より上達が遅れるかもしれません。ですが、曲を自分のものにするのは大人のほうが得意かもしれません。

40年ぶりに電子ピアノに触れ、曲に対する見方が子供の頃とは明らかに違います。構造的に見るようになったというのか。

そもそも、子供の頃は調べたくても、ネットなどない時代(テレビは白黒からカラーへ)、自宅には『音楽事典 楽譜篇』(音楽之友社、改版昭和41年)があるだけでした。何度も開いてみましたが、当時のわたしには読むだけで頭が痛くなる代物でした。

先生に指摘されて間違いを正し、たまに先生が断片的に弾いてくださる弾きかたを覚えて真似(1曲通して聴いた覚えがありません。何人もの専門家のお手本をYouTubeで聴けるなんて、凄いことです)、曲らしくなったら次の曲へ……という具合でした。

その繰り返しが何年も続きました。おまけにハイフィンガー奏法の欠点を感じていたわたしには、ピアノの先生のお宅への道そのものが茨の道でした。

和音に比べると、それを1音ずつ分けて弾くのは夫には難しいようです。次のページになると、その2つが混ざっています。その次のページでは3連符の練習。そのまた次のページでは「高いミ、ソ」の練習で、「アメイジング・グレイス」には高いミとソの音が出てくるとあります。

果たして、ページをめくると《アメイジング・グレイス/イギリス民謡》の登場です! ここまで来れば、夫も楽しくなってくるのではないでしょうか。

わたしはそうでした。ここまで進んで、満足度が高くなりました。

この1冊を終えれば、後は夫にお任せです。わたしと練習を続けてもよし、ひとりで弾くのを楽しむのもよし、やめるもよし。ピアノを弾くことは、高齢者となったわたしたちには認知症の予防になると思うので、続けてほしい気がしますが、これ以上の干渉はできません。

わたしは課題に入る前のウォーミングアップとして、ソナチネ1巻1番の1. Allegro、『オトナの簡単ピアノ がんばらずに弾ける初心者のクラシック』(シンコーミュージック、2021)からバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」とパッヘルベル「カノン」、バッハインベンション1番を弾くのですが、眠かったり疲れたりしていると、練習不足が祟って、あちこち間違えていました。

最近は集中でき気分よく弾けて、課題に入りやすくなっています。

しかし、問題はその課題です。

2023年6月21日 (水)
ソナチネについて、知らなかったこと
https://elder.tea-nifty.com/blog/2023/06/post-b5ed33.html

前掲記事に書きましたが、ソナチネがやさしい順には掲載されていないことを知らず(あるいは忘れていて)、難しい2番に入ってしまったのでした。おまけに23番に収められているモーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)を弾きたくなってしまって……。

練習をほぼ休んでいた昨年11月に思ったこととして、今のわたしにはこの2曲に合格するだけの力量が備わっていないということでした。それでも、ソナチネ1巻2番は何とか1. Allegroを終え、2. Adagio e sostenute に入ったところでした。これも何とか終えようかというところ。短いのに難しい。3. Allegro scherzando も難しそう!

やさしい順に弾いていきながら、時間があるときに2番に取り組みたいと考えています。荘重な美しい曲なので、通して弾いてみたいのです。23番モーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)に関しては、これも好きな曲ですし、プロのピアニストも採り上げる曲とあって、弾けるようになりたいのですが、時間が足りません。もっと上手になってから再チャレンジしたいと考えています。

ソナチネで1番やさしいとされる7番ですが、tr(トリル)が出てきます。1番や7番を弾いていると、所々で昔の自分が重なる錯覚を覚えます。ここは何度も練習して得意になった箇所だとか、ここは昔はもっと弾けたような気がするといった、他愛もない感覚ですけれど。

バッハインベンションは昔も今も大好きです。ただ、当時トリルをどのように弾いていたのか、さっぱり記憶にないのです。

……ここで記事を中断して、7番を右左片手で弾いてみました。バッハの曲にはどの曲にも謎めいたところがどこかにある気がするのですが、この曲でもそのように感じました。

解釈を求めて、ググってみました。

☆アナリーゼ J.S.バッハ : インベンション 第7番 ホ短調 / J.S.Bach : Invention No. 7 e minor BWV 778
Takahiko Sakamaki
https://youtu.be/PyQopTqzudU?si=R_x6HK4cy-dozaLp

アナリーゼが楽曲分析のことだと知ったのは電子ピアノを始めてからですが、前述した古い音楽事典には見当たらない用語でした。

音楽用語 音楽用語集 音楽用語辞典』というサイトに、わかりやすい解説がありました。

アナリーゼ=analyse(独)アナリーゼとは、音楽作品を、形式や様式の観点から分析研究する事。

動画を視聴していて、他にもわからない用語が。

「綺麗なカデンツがあって……」とおっしゃっています。カデンツとは?

『音楽事典 楽譜篇』(音楽之友社、改版昭和41年)を見てみます。127ページにありました。

カデンツ=Kadenz(独)本来は終止(形)のことをいうが,教義の用語法として,近年は主要和音の意味で用いられることが多い。調性的音楽の終止構造にS→D→T(↗機能付標)によるものが多いのに由来し,調性的音楽の和声的基礎構造を一般的に代表せしめたもの。ほかにカデンツァの意味でも用いられる。

カデンツァ=cadenza(伊)(Kadenza 独)元来はカデンツァ・デイ・ブラヴーラ(cadenza di bravura),カデンツァ・フィオリトゥーラ(cadenza fioritura)の略されたもの。終止(形)の前に挿入されるところの演奏困難な自由な無伴奏の部分。……(以下略)……

ドミナントも調べます。すると、属音を見るようにとの指示があったので、見てみましたが、うー頭が痛くなる。

前掲サイトがわかりやすそうなので、そちらを閲覧。

ドミナント=dominant(英)ドミナントとは、次のような意味を持つ。(1)属音(2)属和音(3)属和音と共通の機能を持つ和音を総称して指す事もある。Dと略記。V以外にVIIの和音をV7の根音省略形と見なしドミナントに含む。

モールも、わたしの古い音楽事典にはありません。前掲サイトを再び閲覧。

モル=Moll(独) モル=短調。英語ではminor(マイナー)。音から全音→半音→全音→全音→半音→全音→全音の順に音が上がる。モール。

いやはや、音楽用語を全然知らないでは、曲の解釈も何もあったものではありませんね。ちなみに「カノン」について、わたしの古い音楽事典では128~130ページにかけて、かなり詳しく解説されています。

カノン=(canon 仏)(canon 英,Kanon 独,canone 伊)カノンは元来,「規則」「標準」を意味するギリシャ語で,中世紀以来の音楽においては,最も厳格な模倣による,対位法楽曲の一種を指す。十四世紀には,単旋聖歌よりとられた定旋律(cantus firmus)が他声部によって終始厳格に模倣されるカノン風フーガ(fuga per canonem)と呼ばれる楽曲があり,これが今日のカノンに発達した。カノンの特徴を一般的に述べれば,主題と呼ばれる一声部が旋律を始め,これが応答と呼ばれる他声部によって,ある一定の時間的間隔をおいて正確に模倣される形式である。そして同じく模倣手法によるフーガにおいては模倣が主題のみに限られるのに反し,カノンにおいては終始模倣が行われる。カノンは,色々な観点から,大体次のような種類に分けることができる。……(以下略)……

11種類に分けることができるとあります。

  1. 平行カノン
  2. 転回カノン(反行カノン)
  3. 逆行カノン
  4. 逆行転回カノン
  5. 拡大と縮小によるカノン
  6. 群カノン
  7. 有限カノン
  8. 無限カノン(循環カノン,永久カノン)
  9. 圏状カノン
  10. 混合カノン
  11. 謎カノン

カノンの作曲者といえば、やはり真っ先にJ.S.バッハとパッヘルベルを思い出します。パッヘルベルとバッハ家には深い親交があったようですよ。

ウィキペディア「ヨハン・パッヘルベル」

……(略)……1677年、パッヘルベルはアイゼナハに移り、ザクセン=アイゼナハ公のヨハン・ゲオルク1世に仕えていた宮廷楽長、ダニエル・エーベルリンの下で宮廷オルガン奏者の職に就き、宮廷とゲオルク教会での礼拝に携わった(なお、エーベルリンはパッヘルベルと同郷でニュルンベルクの出身であった)。アイゼナハは、J.S.バッハの父ヨハン・アンブロジウス・バッハの故郷であり、パッヘルベルはそこでバッハ家の人々と出会い、アンブロジウス・バッハと親しくなり、彼の子供たちの家庭教師を任せられた[15]。しかし、パッヘルベルのアイゼナハでの生活は、わずか1年で終わることになった。……(略)……1678年の6月、パッヘルベルはヨハン・エフラーに代わりエアフルトのプレディガー教会(伝道者教会)のオルガン奏者として雇われた。エアフルトでもバッハ家は有名で、パッヘルベルと彼らとの交友はここでも続いた。(なお、その地のオルガン奏者たちは皆 "Bachs" と後に呼ばれるようになるほどであった) パッヘルベルは、ヨハン・アンブロジウス・バッハの娘ヨハンナ・ユーディタの名付け親となり、ヨハン・クリストフ・バッハ(1671–1721年、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの長兄)の家庭教師を務め、ヨハン・クリスティアン・バッハ(1640-1682年)の家に住んでいた[17]。エアフルトでの滞在は12年間におよび、その間に彼は、当時のドイツにおける主要なオルガン作曲家の一人に数えられるほどの地位を確立した。……(以下略)……
ウィキペディアの執筆者. “ヨハン・パッヘルベル”. ウィキペディア日本語版. 2023-07-16. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%83%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%AB&oldid=96030670, (参照 2024-02-03).

ところで、前回の電子ピアノの記事でわたしは次のようなことを書いています。

2023年10月21日 (土)
何とヤマハの先生に習った過去を忘却していました。磯山雅著『J・ S・バッハ(講談社現代新書)』(講談社、1990)を再読中。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2023/10/post-0b241b.html

……(略)……ところで、バッハで検索していたとき、バッハ研究で著名な磯山雅氏が 2018年2月22日に71歳でお亡くなりになっていたことを知りました。以前、テレビでバッハの解説者としてよくお見かけしていました。その解説が大好きで、バッハへの理解が深まりました。著作も持っています。

磯山雅『J・ S・バッハ(講談社現代新書)』(講談社、1990)には沢山線を引いています。次回の電子ピアノの記事で、そのうちのいくつかを紹介させていただきたいと思っています。

磯山氏のブログを見つけました。

I招聘教授の談話室
https://prof-i.firebaseapp.com/prof-i.asablo.jp/blog/index.html

お亡くなりになった後の3月23日に、国際基督教大学の春季卒業式が挙行され、礒山先生の博士学位授与式が執り行われたそうです。……(略)……

礒山氏の御著書から当記事で紹介する予定でしたが、またの機会に。

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2023年10月21日 (土)

何とヤマハの先生に習った過去を忘却していました。磯山雅著『J・ S・バッハ(講談社現代新書)』(講談社、1990)を再読中。

イスラエルとパレスチナ戦争について書くつもりでしたが、先に電子ピアノごっこのことを書きます。予告したら、大抵その記事は後回しになりがちなのはなぜでしょう? この問題の核心は、縮小し続けるパレスチナ領土の地図と、3年前の或るユーチューバーのガザ観光動画を視聴すれば、嫌でもわかりますので、複雑な説明は要らない気がしています。

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さて、電子ピアノごっこの話題です。

最近、あれこれ忙しく、電子ピアノを弾く時間がほとんどとれませんでした。わたしが弾かないと夫も弾かず、わたしが弾き出すと夫も弾きたくなるのか、にわかに弾き出すといった風です。

二日続けて練習時間がとれたときは、何だか晴れ晴れとしていつまでも練習中の旋律が頭の中に残り、ふと鏡を見ると、いつもの冴えない顔が輝くような表情を湛えていて、我ながら驚きました。

レッスンに通っていた学生時代とは全く異なる環境で、誰に強いられるでもなく、自分が弾きたいときに弾ける開放感があります。発表会とか、ああいったものもわたしは大嫌いです。専門家性の高いプロの演奏しか聴きたくない。(発表会を好きな方がなさるのはよいことだと思いますよ)。

前にも書いた気がしますが、幼稚園生のときに、通っていた幼稚園で開かれていたカワイオルガン教室でオルガンを習いました。

その後、三人が一人の家に集まり(母親達が付き添っていました)、ピアノの先生に来て貰って、ピアノを習い始めました。その先生はカワイの先生だったのか、発表会がありました。……と、ここまで書いて、古いアルバムの発表会の写真を見て驚愕!

なぜカワイ所属のピアノの先生と思い込んでいたのでしょう! 幼稚園でカワイだったからその流れでカワイの先生に……と時間が経って勘違いし(家にあったアップライトピアノもカワイ製だったし)、その記憶が固定してしまったようです。アルバムを見るのは嫌いで滅多に見ないのです。この年になって見て、びっくり。

「ヤマハ講師合同ピアノおさらい会々場」(主催 ヤマハ音楽教室講師一同/後援 高柳楽器、日本楽器)と書かれた立札を真ん中にして、先生及び三人の生徒で記念撮影をしています。水色のドレスを着て、舞台に置かれたグランドピアノ(ヤマハ製でしょうね)を弾いているわたしの背後には「モーツアルト ソナチネ」と書かれた立札があるではありませんか。

その後、別の先生に就きました。その先生は有名音大に何人もの生徒を送り込む厳格な中年の女の先生でしたが、発表会のようなものはありませんでした。生徒間の競争も皆無。生徒は一人一人が他人とは異なる独立した存在として扱われ、完全に生徒の能力に合わせた教え方でした。

ピアノの部屋には、壁を覆い尽くす文学書、グランドピアノがあって、学校では得られない類いの均整のとれた静寂があり、そこでのレッスンはその静寂を破る行為でした。

あの独特の空間はすばらしいものだったし、発表会や競争がなかったのはよかったけれど、わたしをすっかりピアノ嫌いにしたハイフィンガー奏法を徹底的に叩き込まれました。それまでの弾き方は何も思い出せないくらいに。

いやはや、ヤマハの綺麗な若い、優しかった先生に教わった弾き方で進んだほうがよかったのかもしれません。でも、何か崇高な芸術というものが存在することを教えてくれたのはハイフィンガーの先生でした。

ハイフィンガー奏法のショボい音色と崇高で美学的な音楽的求道性との乖離に、ひどく苦しめられた日々がありました。今思い出しても陰鬱な日々。

嫌というほど挫折感を味わい、新天地の純文学世界へとわたしは孤独(?)に旅立ったわけでした、ハイ。純文学は芸術で、学究的なのです。大衆文学(エンター系)とは絶対的に違う。どちらがいい悪いではなく、ジャンル及び目的が違うのです。音楽におけるクラシックとポピュラーに置き換えてみると、わかりやすいように思います。

以上はあくまで、わたしの体験と感じ方、考え方にすぎませんが……。

夫は今朝、丹内真弓「ピアノの教科書」(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、2019)の練習曲6《よろこびのうた/作曲:ベートーヴェン》Part3を通して弾いていました。

「見ようか?」というと、まだだめ、と夫。傍に行くと緊張するらしいので、遠目にちらっと見ました。割合綺麗な指の形になっていました。

わたしは「ソナチネ・アルバム 1」(音楽之友社、1955)、2番の第2楽章に苦しめられています。片手の段階では問題なく弾けるのに、両手になると壊滅的です、間違ってばかり。曲の形には何とかなりましたが、短いのに最後まで行き着くまでが長く感じられ、汗だくになって弾いていました。当分合格できそうにありません。

23番に収められているモーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)も、まだ後半に進んでいません。前半部分を練習しています。

インベンションの4番は、今朝一応合格にしました。トリルが自然な感じで弾けるようになったので。

2023年9月 6日 (水)
「もう少し自主練習する」と夫。楽しいVinheteiro卿のチャンネル。インベンションの練習の順番を考える。目から鱗のトリルの弾き方。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2023/09/post-64063f.html

前掲記事で紹介させていただいた、イタリア仕込みのピアニストが伝授してくださっている、お洒落なトリルの弾き方もできるようになりました。お洒落な弾き方は正式なものだそうです。

次に弾く曲を自分で決められるのは楽しい。前掲記事で書いたように、インベンションのバッハ推奨順が「1、4、7、8、10、13、15、14、12、11、9、6、5、3、2」だと知りました。

だとすると、次は7番。

イタリア仕込みのピアニストHaruna先生の動画を視聴してみました。7番でもトリルの練習がたっぷりできそうなので。

バッハを硬く弾かないで!【あなたの知らないバッハの世界】インヴェンション7番解説レッスン
Haruna Pianist
https://youtu.be/rR9TpbVwPkE?si=9o-jRVgB2AqHeBmm

素敵ですね。

SHUMPEI先生の演奏も聴いてみました。

J.S.バッハ:インベンション第7番 ホ短調 J.S.Bach Invention No.7 BWV778 SHUMPEI演奏
SHUMPEI PIANO CHANNEL
https://youtu.be/6jpPORxk_R4?si=dQbrolAdZkcbvDAf

美しい。

どちらのトリルも甲乙つけがたいです。どちらのトリルの弾き方も練習します。7番は優雅な曲ですね。

ところで、イタリア仕込みのピアニストHaruna先生がインスタグラムでインベンションの人気投票を行ったところ、結果は14番だったそうです。Haruna先生の個人的な予想は1番、4番、13番だったとか。

わたしは練習していくなかで変わるかもしれませんが、今のところ一番好きなのは13番です。次が2番、1番、4番。

連弾伴奏集の弾き方のお手本として公開されている動画で、13番を聴いてみました。

【2台ピアノ/第13番】原曲がそのままひける ふたりの バッハ インヴェンション 第13番
音楽之友社出版部 ONGAKU NO TOMO EDITION
https://youtu.be/ZrLVafQoPFg?si=JnLKrKHBhP_JLirM

佐々木ご夫妻の動画は、過去記事で紹介させていただいています。

2023年5月13日 (土)
純文学の創作で練習時間が減りました。ソナチネ1番第1楽章で指が滑る、バッハインベンション第2番は難しい!
https://elder.tea-nifty.com/blog/2023/05/post-0adf7f.html

ところで、バッハで検索していたとき、バッハ研究で著名な磯山雅氏が 2018年2月22日に71歳でお亡くなりになっていたことを知りました。以前、テレビでバッハの解説者としてよくお見かけしていました。その解説が大好きで、バッハへの理解が深まりました。著作も持っています。

磯山雅『J・ S・バッハ(講談社現代新書)』(講談社、1990)には沢山線を引いています。次回の電子ピアノの記事で、そのうちのいくつかを紹介させていただきたいと思っています。

磯山氏のブログを見つけました。

I招聘教授の談話室
https://prof-i.firebaseapp.com/prof-i.asablo.jp/blog/index.html

お亡くなりになった後の3月23日に、国際基督教大学の春季卒業式が挙行され、礒山先生の博士学位授与式が執り行われたそうです。

ウィキペディア「礒山雅」

礒山 雅(いそやま ただし、1946年4月30日[1] - 2018年2月22日[2])は、日本の音楽学者。元国立音楽大学招聘教授。元大阪音楽大学客員教授。

来歴
東京都生まれ。長野県で育つ。長野県松本深志高校を経て、東京大学文学部美学科卒業、同大学院美学藝術学博士課程満期退学。1982〜1984年にはミュンヘン大学へ留学。 1977年に国立音楽大学助教授に就任。その後教授。図書館長や音楽研究所所長も務めた。 1990年の開館よりいずみホール音楽ディレクター。2006年から2012年まで日本音楽学会会長、2015年には藝術学関連学会連合会長。サントリー芸術財団理事や日本芸術文化振興会評議員の役職も務めた。 1988年バッハの研究により辻荘一賞受賞。1994年の『マタイ受難曲』で京都音楽賞・研究部門賞受賞。

2018年1月27日夜、第29回埼玉ヴォーカルアンサンブルコンテスト[3]の審査をしたのち、雪で足を滑らせ頭を打ち入院。同年2月22日に外傷性頭蓋内損傷のため死去。享年71歳[4]。 前年10月に完成した博士論文『バッハの《ヨハネ受難曲》——その前提、環境、変遷とメッセージ』の口述試験を前日に終え、『マタイ受難曲』の改訂版とともに出版準備作業に取り掛かっていた矢先の死去だった。博士論文は国際基督教大学の審査に合格し、遺族が代理で博士号(Doctor of Philosophy)の授与を受けた。遺著『ヨハネ受難曲』は2020年に出版。(以下略)

ウィキペディアの執筆者. “礒山雅”. ウィキペディア日本語版. 2022-10-05. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E7%A4%92%E5%B1%B1%E9%9B%85&oldid=91789830, (参照 2023-10-20).

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2023年9月 6日 (水)

「もう少し自主練習する」と夫。楽しいVinheteiro卿のチャンネル。インベンションの練習の順番を考える。目から鱗のトリルの弾き方。

電子ピアノ(ピアノのお稽古ごっこ)の話題です。

夫は、丹内真弓「ピアノの教科書」(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、2019)の練習曲6《よろこびのうた/作曲:ベートーヴェン》Part3 に入り、1ページずつ進め、現在通して弾いています。

左手のまむし指も左手の小指が立つ癖も目立たなくなりました。欠点の現れるのが左手ですので、左手が弱いということでしょうね。右利きの大抵の人はそうだと思います。小指も弱いですね、どうしても。

ただ、この課題自体は次に進んでもよいレベルだと思うのですが、本人がもう少し自主練習(?)するといいます。

確かに、まだぎこちなさはありますからね。それは練習を重ねる中で、解消していくものなのでしょう。わたし自身のこれまでの練習経過を俯瞰してみても……。

わたしは夏バテしていたためか、夜中に練習することがめっきり減っていました。朝まで寝てしまい、夜間勤務を終えた夫が帰宅するまでの短時間、練習できるだけでした。

その間、娘を食べさせ、職場に送り出す仕事(?)もあり、正味1時間といったところでしょうか? 夫の休日は練習を遠慮しています。

夜中に弾けるときは練習の後に自分の楽しみのためのバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」やパッヘルベル「カノン」、その他も気ままに弾いたりできますが、時間が限られるとなると、練習だけに集中するしかありません。

でも、涼しくなってきたので、また元気になって3~5時間くらい弾けるようになると思います!←萬媛のエッセーはどうした? こちらも進めなくては。小説もあるしね。時間配分が難しいところです。

「ソナチネ・アルバム 1」(音楽之友社、1955)は2番。

第1楽章が弾けるようになり、第2楽章に入りました。第1楽章と第3楽章は3ページずつあり、第2楽章は1ページだけです。短いからといって、楽勝というわけにはいかないような……。

ソナチネ2番 op.20-2 第二楽章 クーラウ 楽譜 Adagio e sostenuto Fr.Kuhlau
ピアノ 楽譜 ライブラリー 無料 Free Sheet Music
https://youtu.be/GRVdVMNlJkw?si=oI1NjI4HpGeswFo4

「これだけでも難しいのに、解説を読んでいるうちに、23番に収められているモーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)を弾きたくなってしまいました」と前回の電子ピアノの記事で書きました。ソナチネとインベンション1曲ずつがわたしには適度なようで、好奇心に駆られたこの曲の追加が重荷となっています。

それでも、最初の2ページはだいたい弾けるようになりました。あとは残りのページ。前のページに1段プラス3ページあります。

前回の記事で、モーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)は長井充氏の演奏を参考にさせていただいていると書きましたが、指の動かしかたがよく見えるので、以下の動画も参考にさせていただいています。あと半世紀練習したとしても、参考にしている方々のように上手に弾けるようになるとは思えませんが……(^^;)

Mozart Rondo in D. K. 485
Vinheteiro @Lord_Vinheteiro
https://youtu.be/GlXFtp6NmFc?si=Qw9RFizUPWoUN_AV

Vinheteiro卿のチャンネルには楽しい動画が沢山あるので、ファンになりました。例えば……、バッハの13曲の出だしを集めた以下の動画。練習中の曲があると、嬉しくなります。それにしても、なぜ、いちいちこっち見るの?

13 Bach Pieces You've Heard and Don't Know the Name
Vinheteiro @Lord_Vinheteiro
https://youtu.be/_tIZ2Savx60?si=gufuI-HC3SaxjoHz

以下の動画には、玩具のようなピアノからゴージャスなピアノまで、色々と出てきて楽しめます。

Can You Hear The Difference Between a Cheap and Expensive Piano?
Vinheteiro @Lord_Vinheteiro
https://youtu.be/wdRekUGLQvM?si=BqWAZlWlidmXNblS

インヴェンションの2番は一応合格ということにしました。本当に満足のいく出来映えとはいえませんが、とても好きな曲なので、今後もちょくちょく弾くだろうと思いますので。

1番もまあまあかな、といった程度の自己合格点(?)でしたが、ちょくちょく弾いているうちに美しく弾けるようになってきました。

こんな風にこれまで練習してきた曲をあれこれ弾くとなると、最低でも3時間、可能なら5時間くらいの練習時間はほしくなるのです。バテてしまった夏場は何だかもう眠くて眠くて(心臓の調子がもう一つということもありましたが、シェディングの影響も考えられます)、ピアノが満足に弾けなくて寂しかった。

インベンションの話題に戻ります。2番が難しい曲だと後で知り、インベンションについても難易度を調べる必要があると思いました。

インベンションを習ったのは大昔なので(だって半世紀前ですよ。わたしもお婆さんになるわけです)、どの曲を弾かされ、どのように弾いたのか、ほとんど覚えていません。

ただ、インベンションの練習のとき、ああ先生は心底バッハがお好きなんだ……と思ったことは覚えています。指導してくださる先生の声の響きが他のときより繊細で、先生の心の震えがはっきりと伝わってきました。

もしかしたら、わたしがバッハを好きになったのは先生のお陰かもしれません。インベンションを練習していると、時々、先生のお宅で弾いているような錯覚に陥ることがあります。

また話が横道に逸れました。以下の記事がインベンションの練習の順番を考える上での参考になりました。

インヴェンションの難易度と取組み順(2022年12月6日)」『GARI ♪ ぴあ〜の』
https://garipiano.blogspot.com/2022/12/blog-post.html

4名の先生方がつけられた順番に混じって、バッハ自身の推奨順(初稿)が紹介されています。

わたしはバッハがつけた順番を参考にすることにしました。理由はインベンションを作曲したのはバッハだから。

バッハ推奨順は「1、4、7、8、10、13、15、14、12、11、9、6、5、3、2」となっています。

それで、4番を現在弾いています。2番に比べると易しく感じられます。課題はトリルの入れ方でしょうか。

半世紀ぶりの長いトリル。ドタバタ聴こえていたのが、いくらか軽やかになってきたところで、疑問が湧きました。

頭でっかちならぬトリルでっかちというか、曲の長さからしてトリルが長すぎるように思えます。

使っている楽譜、市田儀一郎「J.S.バッハインヴェンションとシンフォニア」(全音楽譜出版社、1987)の「第4番 ニ短調」の解説は難解なのですが、最初に「動きの早い舞踏曲」とあるではありませんか。

杉浦日出夫『バッハインヴェンションこころの旅』(音楽之友社、2016)は、そのうち読みたい本ですが、目次にインベンション第4番についてのものがあります。

インヴェンション 第4番 嵐の日に:激しさを秘めた舞踏曲/さまざまなクーラント/荘重なダンス、サラバンド/3種類のジーグ/頭→手・指→耳

激しさを秘めた舞踏曲とありますね。

なるほど、だからプロの方々はどなたも速く弾かれるのですね。当然ながらトリルも速い。

そして、「インベンションとシンフォニア」はバッハが長男の音楽教育のために作曲した曲集といわれていることから考えれば、第4番で長いトリルの弾き方を学ばせようとしたのかも。

以下の動画のようなトリルの入れ方が一般的なようです。

バッハ インベンション4番 BWV 775 ニ短調
ピアノ 楽譜 ライブラリー 無料 Free Sheet Music
https://youtu.be/S9zPqGcyHMM?si=15oHv9RRIa_7E0J1

ただ、トリルの入れ方についての疑問が解消しないまま検索していると、以下の動画に出合いました。目から鱗でした。

保存版!イタリア仕込みのピアニストが伝授!【トリルの弾き方】ピアノでバッハを弾く時 のルール!バロック時代の装飾音の入れ方。大人のピアノオンラインレッスン
Haruna Pianist
https://youtu.be/lbosqfHLGac?si=e-K5AcIlqZsv2DbF

とりあえずは、長いトリルの練習をします。気がつけば、テーブルを指で叩いていることがあります(トリルの練習が自動化している……)。

上達したら、上記動画のようなお洒落なトリルの入れかたにチャレンジしてみようと考えています。ああ4番も長くかかりそう。

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2023年8月 6日 (日)

小指が立つ癖。モーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)、パッヘルベル「カノン」。ピタゴラスは弟子たちの魂を音楽によって矯正しました。

電子ピアノ(ピアノのお稽古ごっこ)の話題です。

以下の過去記事で、夫のまむし指の問題を書きましたが、それは直りました。

2023年7月13日 (木)
ピアノの「まむし」指
https://elder.tea-nifty.com/blog/2023/07/post-1d8572.html

すると、今度は、弾いていない左手の小指を立てる癖が表れました。注意すると、すぐに直りましたけれど、「どうしても、力が入ってしまうんだ」と夫は自分で原因を分析していました。

以下の記事を閲覧すると、夫の分析は的を射たものであるようです。

ピアノを弾くときに小指が立つ!立たないようにする練習法」『だいすきおんがく!』
https://daisukiongaku.com/pinky-when-playing-the-piano/

そのあとはスムーズにいきました。

丹内真弓「ピアノの教科書」(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、2019)の練習曲5《よろこびのうた/作曲:ベートーヴェン》Part2 は合格しました。その次の練習は自分でかなりやっていたので、ここも合格。

練習曲6《よろこびのうた/作曲:ベートーヴェン》Part3 に入りました。左手の伴奏が複雑になります。全部で3ページあります。まずは1ページ。夫は新しい顔をした「よろこびのうた」に新鮮さを覚えると同時に緊張しているようで、わたしも思わず緊張しましたが、ここまで来た歓びを共有していました。

わたしは45年ぶりくらいのピアノの再開を独学でするに当たり、浦島太郎状態でしたから、楽譜も気ままな選び方でした。

  • 丹内真弓「ピアノの教科書」(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、2019)
  • エルネスト・ヴァン・ド・ヴェルド著、安川加壽子訳「新版 メトードローズ・ピアノ教則本 ピアノの1年生」(‎音楽之友社、2022)
  • 「ソナチネ・アルバム 1」(音楽之友社、1955)
  • 市田儀一郎「J.S.バッハインヴェンションとシンフォニア」(全音楽譜出版社、1987)

「ピアノの教科書」「メトードローズ」は自己卒業(?)しました。昔弾いたバイエル、ツェルニー30番、ハノン、ブルグミュラーは、迷いつつスルーしています。急がば回れで、ハノンのような指の訓練はすべきかもしれませんが、あくまで楽しみとして続けたいので、自分が弾きたいものを弾くことを優先したいと考えています。

ブルグミュラーもすべきだと感じましたが、昔は大好きだったブルグミュラーがなぜか今は嫌いになってしまったのです。それはわたしが子供だったころとは違って、文学に没頭した長い年月があるためか、タイトル通りの曲の作りが何かもう意外性がなさすぎて耐えられないのです。

ブルグミュラーはどれも美しい曲なのに、こんなこと書いてしまって、すみません。でも、偽らざる感想です。そういう意味では弾くたびにどこか意外性があり、底知れない深みを感じさせられるバッハが昔も今も好きでたまりません。

インヴェンションの2番はまだ自己合格できていません。急ぐ必要はないので、ちゃんと弾けるようになるまで、頑張りたいと思います。

「ソナチネ・アルバム 1」(音楽之友社、1955)の18番から最後の30番までは、古典およびロマン派の代表的作曲家の小品が収められていると解説にあり、18番は《平均律クラヴィーア曲集》の第1巻,第1番のプレリュードです。現在の課題である2番そっちのけで弾きたくなり、自己合格しました。

2番はまだ第1楽章を弾いています。弾いているうちにこの曲に魅了されるようになりましたが、わたしには難しいです。もう少しすらすら弾けるようにならないと、第2楽章に進めません。

これだけでも難しいのに、解説を読んでいるうちに、23番に収められているモーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)を弾きたくなってしまいました。解説にはこのように紹介されています。

……(引用ここから)……

このニ長調のロンドは初歩の学習用教材としてもっとも親しまれている曲です。また,そればかりでなくモーツァルトの独特の明快さ,優美さ,そして気品の高さすべて感じさせる名曲として,この曲は演奏会のプログラムの中で,大曲のあいだにひかれても決して聞き劣りのしない曲でしょう。

……(引用ここまで)……

確かに、ちょっと検索しただけでも、ギーゼキング、アラウ、ホロヴィッツ、アリシア・デ・ラローチャ、内田光子……など名だたるピアニストの演奏が出てきます。聞き比べたところでは、わたしはアリシア・デ・ラローチャの落ち着きと輝かしさのある演奏が好きです。

以下の長井充氏の演奏も大好きです。

Mozart Rondo in D-Dur KV485 (Nagai)
2525sagi
https://youtu.be/bxH5dfPRt3c

一見、簡単に見えたので、弾きたいと思ったということもありますが、すぐに難しいことがわかり、もう少しソナチネの他の曲を勉強してからにすればよかったと後悔しました。

モーツァルトは転調の実験をしているのか、面白がっているのか、曲想が必然的にそうさせたのかはわかりませんが、うーん、めまぐるしくて難しい。難易度はDです。

装飾音の勉強からしなくては。以下の記事、動画は参考になりました。

「装飾音」「装飾記号」に関する基礎知識を理解しよう!」」『OTO×NOMA』
https://kensukeinage.com/musical_grammar_grace_note_symbol/

トリルのコツ【トリルの正体】
こっこのピアノ
https://youtu.be/hUSqBJsUaPw

モーツァルトのトリル/上から弾くの?下から弾くの?両手の合わせ方練習など
こっこのピアノ
https://youtu.be/co5LT3JBfjs

とりあえず最初の2ページ、弾いています。

「オトナの簡単ピアノ がんばらずに弾ける初心者のクラシック」(シンコーミュージック、2021)の中の「主よ、人の望みの喜びよ(バッハ)」を練習の度に弾いていると前に書きましたが、もう一曲、「カノン(パッヘルベル)」が加わりました。

ピタゴラスは弟子たちの魂を音楽によって矯正した――とイアンブリコスは書いています(水地宗明訳『ピタゴラス的生き方』京都大学学術出版会、2011、6ページ)。

バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」やパッヘルベル「カノン」を弾いていると、本当に魂が矯正され、浄化されるような感じがします。以下の動画の概要欄に楽譜のPDFを無料でダウンロードできるとあったので、ダウンロードさせていただき、プリントアウトして弾いてみました。「オトナの簡単ピアノ……」のより少し難しいですが、弾きやすいです。


パッヘルベルのカノン(ピアノ楽譜)
StudioMahoroba
https://youtu.be/5NwKUr646Bk

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2023年7月13日 (木)

ピアノの「まむし」指

電子ピアノ(ピアノのお稽古ごっこ)の話題です。

夫は、まだ両手で「よろこびのうた」を通して弾いています。一つの和音からもう一つの和音に移行するのが難しいみたいです。これは練習を重ねれば、スムーズに弾けるようになると思うのですが、このところお互いの自由時間が合わず、日が空いて練習したところ、左手の2番(人差し指)がなんと「まむし指」に戻っていました。

2023年4月 5日 (水)
2023年4月7日にTwitterスペース「『ワクチンヤコブ』 ご遺族が語り尽くす壮絶な真実!」。ピアノに合った手の形に試行錯誤。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2023/04/post-0633bb.html

指摘すると、夫はこのようにしか弾けないといいましたが、そんなはずはありません。まだ安定していなかったのでしょう。

ピアノにおける「まむし指」に関しては、以下の記事が参考になります。

2023年3月11日
ピアノのまむし指とは?弊害となおし方」『ピアノ上達の処方箋』
https://pianoskill-musica.com/mamushiyubi/

夫の場合、左手の2番だけがまむし指になります。その理由として、前掲記事には次のように書かれています。

……(引用ここから)……

2~5指がまむし指になる理由

  • 関節が弱い、または支える意識が弱い
  • 指の腹をベタっと使う
  • 強すぎる力で押す
  • 手首が高すぎる

……(引用ここまで)……

手首の高さはいいと思うのですが、関節が弱いかどうかはわかりません。「指の腹をベタっと使う」「強すぎる力で押す」は当たっていました。ベタッと使わないようにいうと、今度はわざとのように――わざとかもしれない――指を立てて爪の音をさせます。

強すぎる力で押すことに関しては、わたしたちが使っているのは電子ピアノなので、強い力で押しても意味がないことを説くと、効果がありました。弾くときに、過度に緊張するということも原因だと思います。

それでも、なぜ「まむし指」がいけないのか、わたしが説明しても「なんちゃって先生」を馬鹿にした風に意に介さないので、前掲記事を見せると、納得しました。たちの悪い「なんちゃって生徒」ですよ。公文教室にもこんな子、いました。その子はまだ中学生だったのに、コーラの飲み過ぎで胃潰瘍になりました。面白いところのある少年でしたが、そのうち来なくなりましたっけ。

「まむし指」、しばらく注意していきたいと思います。夫がなるべく長く続けてくれたらなあと思います。情操教育(年とっても必要)にも、認知症予防にもいいと思いますので。これは勿論、わたしにもいえることです。

夫にはクラシックよりポピュラーのほうが合っているのかもしれませんが、クラシックのよさもうすうす感じているように思えます。わたしがクラシック曲により惹かれる理由の一つには、メロディーの美しさ以上に、ある音から別の音に移るときに、えもいわれぬ優美さを感じられる瞬間があるからです。

その瞬間を味わいたくて、自分には難しいと感じられる曲を弾くのが億劫ながら、とても楽しいのです。

わたしは、主婦業&創作の都合により、このところ2~4日に1日の練習となっています。1時間しか弾けないこともありますが、夜中に起きて朝までだいたい3時間半くらいです。できれば5時間はほしいです。

バッハインベンション2番とソナチネアルバム1・2番第1楽章は、両方とも何とか形になってきました。どちらも「合格」までにはもう少し時間がかかりそうです。

『新訂 ソナチネアルバム1 解説付』(音楽の友社、1955)に関しては、前回の記事を書くときに難易度を調べました。

2023年6月21日 (水)
ソナチネについて、知らなかったこと
https://elder.tea-nifty.com/blog/2023/06/post-b5ed33.html

そのときに、18番にバッハの曲があることに気づき、弾いてみたくなりました。解説には次のように書かれています。

……(引用ここから)……

 アルバムの後半,この18番から最後の30番までは古典およびロマン派の代表的作曲家の小品が収められており,その第1曲目に,大バッハの遺した有名な《平均律クラヴィーア曲集》の第1巻,第1番のプレリュードがのせられています。
 曲は終始一貫して,規則正しい分散和音型の繰返しですが,その静かな流れの中に情感の幅広いゆれ動きがあり,その曲想の起伏を的確につかんでひくことが,この曲の演奏にもっとも大切なことです。一音一音を美しく粒をそろえてひくことに細心の注意をはらい,完全なレガート奏法によって美しくひいてください。(以下略)

……(引用ここまで)……

難易度はCなので、Dの2番より、ただ弾くだけなら易しいのですが、まるで波紋が拡がるように美しく弾くにはまだまだです。SHUMPEI先生の動画で、勉強させていただいています。2:06からはフーガです。

J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1巻第1番 ハ長調 J.S.Bach The Well-Tempered Clavier Book 1 No.1 in C Major BWV846
SHUMPEI PIANO CHANNEL
https://youtu.be/WqaXNFv_A1w

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2023年6月21日 (水)

ソナチネについて、知らなかったこと

電子ピアノに関する話題です。

夫は両手で「よろこびのうた」を通して弾いています。都合や気分に合わせて2~4日に一度の練習ですから、ゆっくりですが、両手で弾き始めてから楽しそうで、見守る?わたしも楽しいです。

わたしは過去記事で「バッハインベンション第2番が何とか形になってきました。……ソナチネは1番を通して弾いていて、まだ完全ではありませんが、2番に入りました」と書いたような状況ですが、ちょっと考え込んでいました。

購入した教則本は『新訂 ソナチネアルバム1 解説付』(音楽の友社、1955)で、65歳になってからの再チャレンジということもあり、浦島太郎状態で、ほとんど何も考えずに教則本を買いました。その後で購入したバッハインベンションのときは、少し調べました。

メトードローズ、ピアノの教科書は、これ以前にウォーミングアップとして済ませていました。昔使っていたバイエル、ブルグミュラー、ハノン、ツェルニー30番はスルーしてしまっています。ソナタに到達しようと思えば、ハノンとツェルニーはやるべきかなあと迷っています。

ここでなぜソナタが出てきたかといえば、ソナチネ2番が難しいので、改めてソナチネについて調べるうちに、ソナタに行けそうな気がしてきたからでした。

昔、わたしが習っていた先生は、有名音大に生徒を送り出す指導力のある先生でした。ハイフィンガー奏法というわたしには致命的ともいえた同じ奏法で有名音大に行った人は少なくありません。

ところが、わたしはその奏法が嫌で、ピアノまで嫌になってしまいました。「わたしはソナタに行くことはないだろう」と思いました。音大を志す人はソナタを弾いていた印象があり、「ソナタへ行けない」というのがピアノにおける自分の限界を表現する言葉となっていました。

文学に関心が向いてからは、完全にピアノから遠ざかりました。でも、ピアノとの出合いと別れは苦い思い出となって、よくピアノの夢を見ました。再チャレンジしてからは一度も見ていません。

今こうして弾いていると、ピアノを弾く姿勢をしっかり叩き込まれていることがわかります。わたしはそこからハイフィンガー奏法の特徴を消し去って弾いています。

ソナチネ2番が難しいので、つい深夜に4~5時間くらいも弾いてしまいますが、幸い、指、腕、どこにも不具合は感じられません。もっと弾いていたいのですが、昼間仮眠がとれないと悲惨なことになるので(若い頃のような踏ん張りが利きません)、これくらいが限界です。

2番を昔弾いたかどうか、覚えていません。

前掲のソナチネは、近眼+老眼には小さめの音符がややきついということはありますが、問題なく使っています。ただ、解説付とあるのに、ろくに読んでいませんでした。

2番がこんなにも難しいのだとしたら、近々わたしはピアノに2度目の挫折をするだろうと思い、気分的に落ち込みました。2日ほど落ち込んでいました。3日目になって、ピアノが嫌いだった昔でさえ、ソナチネをこんなに難しいと感じたことはなかった……と思い、ググッてみました。

すると、ソナチネアルバムの1と2に難易度の差はないため、2はせずにソナタへ行く人もいるという記事を読みました。そして、ソナチネアルバム1の2番は難易度が高いほうだということもわかりました。

わたしはソナチネを最初から順番に弾こうとしていましたが、考えてみると、ピアノの先生は行ったり戻ったりしながら次の課題曲を指定していらっしゃいました。

『新訂 ソナチネアルバム1 解説付』には全部で30曲収められています。ソナチネとは小さなソナタという意味ですが、18番からは古典及びロマン派の代表的作曲家の小品が収められています。

曲に入る前に、作曲家の紹介(ハイドン、クレメンティ、モーツァルト、ベートーヴェン、クーラウ)、ソナチネ主題一覧、難易度が掲載されています。

やさしいほうからA~Eまで。曲全体と各楽章別の難易度が表示されています。E(非常にむずかしい)は、19番ハイドン「Adagio」、24番ベートーヴェン「Rondo Op51,No.1」、30番シューマン「小さなフーガ」です。

Opとは作品番号のことです。

やさしいA……6曲、少しやさしいB……6曲、少しむずかしいC……6曲、むずかしいD……9曲、非常にむずかしいE……3曲。

1番はBです。2番はDなので、確かに難しいほうですね。バッハインベンションの2番も難しい曲なので、難しい曲の二重攻撃。憂鬱になったのも仕方がありません。

ソナチネはやさしい順に掲載されていると思い込んでいたので、2番でこれだと30番ではどれくらいの難しさだろうとビビり、その先にソナタが遙か遠くヒマラヤ山脈のように聳えているというイメージでした。昔のことを思い出せば、そこまでかなという気も若干はしましたが。

ですが、実際の難易度を知ると、ソナタが近くの山に思え、調子抜けしました。ソナチネ2番に手子摺っている癖に、ソナタが近くの山というと、いい過ぎかもしれませんが。ピアノの先生がとても厳しかったのは、「あなただって音大に行くんでしょう、そのつもりで教えているのよ」という教え方だったからかもしれません。

以下の記事で、「学んでおいた方が良いかなというものを難易度順」に紹介してくださっています。

中級レベルの有名なピアノ教則本!ソナチネアルバム第1巻の難易度順!!」『しろくろ猫のおもむくまま』
https://shirokuroneko.com/archives/1807.html

7番 クレメンティー ソナチネ Op.36 No.1 ★
4番 クーラウ ソナチネ Op.55 No.1 ★★
8番 クレメンティー ソナチネ Op.36 No.2 ★★★
9番 クレメンティー ソナチネ Op.36 No.3 ★★★★
10番 クレメンティー ソナチネ Op.36 No.4 ★★★★★
6番 クーラウ ソナチネ Op.55 No.3 ★★★★★★
12番 クレメンティー ソナチネ Op.36 No.6 ★★★★★★★

記事では、各曲について、詳しく解説されています。そして、「他にも曲はありますが、これだけ弾けばもう充分です!」とお書きになっているではありませんか。

そこで紹介されている全曲、最初の2頁だけざっと弾いてみました。最初から両手で弾けます、間違いながらですけれど。どれも昔弾いたことがあるような……。12番は、『新訂 ソナチネアルバム1 解説付』での難易度はCです。どれも2番よりやさしいので、弾きやすいはずです。

わたしがある曲を厄介だと感じるのは、五線からはみ出した加線音符が沢山目につくとき。加線が3本以上になると、嫌になります。この課題を克服しなければ、ソナタには行けないでしょうね。

しかし、この課題についても、様々なアドヴァイスがネット検索で出て、助かります。

ソナチネで1番やさしいとされる7番。

Clementi: Sonatine no.7 in C-Dur Op.36-1(Nagai)
2525sagi
https://youtu.be/TG6hQtT4I6Y

手子摺っている2番。

Friedrich Kuhlau: Sonatina Op. 20 No 2 in G Major (Complete)
SV NS
https://youtu.be/2ePa5IsqGdI

ソナタアルバム、平均律クラヴィーア曲集、モーツァルト・ベートーヴェンのソナタ集、ショパンのエチュード……まだまだ沢山の山々が。どこで寿命が尽きるのやら。

神智学のブラヴァツキー夫人はピアノの名手だったそうです。聴いてみたいなあ。優れた小説家でもありましたね(格調高い神秘主義小説)。

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2023年5月13日 (土)

純文学の創作で練習時間が減りました。ソナチネ1番第1楽章で指が滑る、バッハインベンション第2番は難しい!(16日に動画1本差し替えました)

電子ピアノの話題です。

最近、ピアノを弾く時間がうまくとれず(久しぶりに純文学の創作に取り組んでいるためです)、3~4日に1回の練習になってしまっています。やはりピアノと文学の両立は難しいですね。

高校1年生でピアノをやめてしまった理由には、中学1年生のときに始めた文学に強く関心が向いてきたということがありました。中学1年生のときに大学ノート1冊の初ジュニア小説を書いて以降は、もっぱら詩に専念していました。

そういえば高校生になってから、好きでもあり精神的な鍛錬の目的もあってバレー部に入りましたが、これも文学のための時間がほしいという同じ理由から2年生のときにやめています。

高校3年のころに、自分でも詩といえるレベルの作品が書けるようになったと思ったので、学研の学習雑誌『高3コース』に投稿するようになりました。11年前の記事に次のようなことを書いています。

2012年1月23日 (月)
戯れにググってみたら ①「前登志夫の文芸ノート『詩』」(学研・高3コース)で印象的だった詩
https://elder.tea-nifty.com/blog/2012/01/post-9c20.html

たまたま昔々の学研・高3コース「前登志夫の文芸ノート『詩』」と題された投稿欄を読み返し、ああこの人はどうしているのだろう、と思った女性の投稿者がありました。

その人もわたしも高3の夏以降に集中的に投稿したようで、優れた投稿詩の沢山ある中、なぜか、その人の詩と名前が印象に残っていました。

その人の戦歴は、五席、二席、二席。わたしは六席、四席、三席。

実は、そのときもピアノと同じように詩はわたしの表現形式にはなりえない、と何となく感じてはいました。

しかし、もう少し詩の可能性を追ってみたくて、大学で文芸部に入部しました。

学力という点で、レベル的にはもう一つと思われた大学の文芸部に、大した期待もせずに入ったわけですが、これがわたしには圧倒的なところでした。

今思い返してみても、福大の文芸部は当時は充実した、レベルの高い活動をしていたと思います。

その文芸部で、左サイドバーに紹介記事へのリンクを設けている、天性の詩人と思われた行織沢子さん(ペンネーム)はじめ、優れた才能を秘めた部員たちとの交流が始まり、わたしも沢山書きましたが、その結果、自分に詩の才能のないことがはっきりしました。

はっきりするまで、書きに書いたので、むしろ爽やかな自覚でした。

創作は、インスピレーションと知的作業の協力で成り立ちますが、詩をわたしは頭だけで――勿論、イメージはわくのですが――作ってしまうのです。

というのも、他の形式では、小鳥のように降りてきてくれるインスピレーションも、どういうわけか詩では全然降りてきてくれないからなのです。

わたしに合わないと感じる形式は短歌、詩、推理小説(どうしても殺害行為を描けない)です。

純文学小説は、何ともいえません。

合うと感じるのは、俳句、児童小説、童話(幼児向きの童話に関しては今後の課題)、評論、エッセーです。

どの作品も、というわけにはいきませんが、これらでは――作品の最終的な出来不出来は別として――頑張っていれば大抵、インスピレーションが降りてきてくれます。ミューズの管轄が違うのかしらね。ミューズは9人いらっしゃいますから。

童謡も書けるのではないかと思っていますが……どうでしょう。作曲家や挿し絵画家とコンビを組んで仕事をするのが夢です。

歴史小説は、ぜひ挑戦してみたい形式ですが、時間と取材資金がありません。(以下略)

ピアノをやめてしまった理由には文学のための時間がほしかったということの他に、もう一つ、ハイフィンガー奏法に苦しんだということがありました。現在は、夫の購入した電子ピアノを借りて好きなように弾いています。ピアノを弾くのがこんなに楽しいとは!

夫の練習を4日ぶりに見たいと思って、そういうと、「もう練習したよ」と夫。感心だなあと思いましたが、「ちょっと見せてよ」といいました。夫は「もう済んだから、今日はいいよ」といいながらも、電子ピアノの前の椅子に座りました。

開かれた丹内真弓著『ピアノの教科書』を見ると、《きよしこの夜/作曲:グルーバー》の頁ではありませんか。「前の頁は済んだ?」と訊くと、まだとのこと。早く両手で弾いて見たかったのでしょうね。わたしも「きよしこの夜」からが両手で弾く曲だと勘違いしていました。

前の頁が済み、「きよしこの夜」に進みました。最初は夫の弾きたいように弾いて貰います。

右手だけで弾き始めた夫が妙な指使いをしています。「その指使いだと、先につながらないんじゃない?」というと「指番号が振ってないから、わからない。これでいいじゃん」といいます。

おかしいなと思って楽譜を改めて見ると、次のように書かれていました。

「きよしこの夜」のコード進行に合わせて、左手だけ弾きましょう。右手にはメロディーのガイドが入っています。

「そうだったんだ」と思いました。左手の和音(コード)にはちゃんと指番号が振られていました。少し先の《よろこびのうた/作曲:ベートーベン》part2 からがいよいよ両手です。指番号は両手に振られています。

「今練習している和音が、『よろこびのうた』でも出てきているでしょう?」というと、夫は「ホントだ」といって楽譜を見つめていました。

今日は2頁にわたる「きよしこの夜」の最初の段を、夫が左手、わたしが右手を弾いて練習を終えました。夫の指の形はかなり満足のいくものになってきています。

わたしは、ソナチネ1番第1楽章がなかなか合格できずに困っていました(判定を下すのは自分ですが)。第2、第3楽章も弾いているのですが、第1楽章がネックになって、いつまでも1番が終わりそうにありません。

その原因は、指が滑ることにありました。1番は黒鍵を含む音階がかなり出てきます。自然に動いてしまうくらい指を速く動かせるようになってきているのですが、滑る、滑る。滑ると台無しです。

練習不足が原因の一つと思われたので『ハノン』を取り入れるべきか、迷いました。ただ、昔の生ピアノの微かに覚えている感触と比較すれば、使っている電子ピアノの材質が違うせいかとも思えました。

ググってみると、やはりそのようでした。電子ピアノは軽くて、滑りやすいことが多いようです。また指の乾燥も問題のようでした。わたしは指が乾燥しやすいのです。夫のは、逆にしっとりしています。

対策として、化粧水をたっぷりつけて弾いてみると、おお、滑らないではありませんか。第1楽章、合格です!  練習後に鍵盤は丁寧に拭きました。

「バッハインベンション」は「第2番 ハ短調」に手子摺っています。片手ずつ弾くと、弾けるのですが、両手になると、難しい。両手ともよく歌うからでしょうね。

どこか物憂げな、美しい曲で、魅了される曲です。これから紹介する2本目の動画のピアニストは二人が歌を歌っている……とおっしゃっていますが、わたしには二人が会話をしているように聴こえます。

この曲、ちゃんと弾けるようになりたいものです。

以下のチェンバロ奏者として長年バッハを演奏してきたかたの解説によると、やはり第2番は難しいようです。

第2番なのに、なぜインヴェンションの中で最も難しいの?(バッハのインヴェンション 第2番 ハ短調 BWV773)
八百板正己
https://youtu.be/WLLnTIvdCfo

弾くに当たって、以下の動画が参考になります。

[バッハの魅力]インヴェンション2番-実演と解説
おんがくだいすきクラブ
https://youtu.be/iyBqvOYDb0I

以下に、真上から映された指使いの参考になる動画を置いていましたが、過去記事で紹介した SHUMPEI 先生のインヴェンション動画を見つけたので、差し替えました。真上からの撮影ではありませんが、指使いがわかりやすいです。意識の高さを感じさせる SHUMPEI 先生の演奏……。

J.S.バッハ:インベンション第2番 ハ短調 J.S.Bach  Invention No.2 BWV773 SHUMPEI演奏
https://youtu.be/Ycs71iwp7Tw

以下のサンプル動画も、何だか面白くて参考になります。

【楽曲解説】J.S.バッハ◎インヴェンションNo.2【講座サンプル動画】
https://youtu.be/Pt1Vkxaw0O0

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2023年4月12日 (水)

市田版『バッハ インベンションとシンフォニア』を購入。昨日は田中恵美子先生の命日でした。

『バッハ インベンション』を弾きたいと思ったものの、Amazonで見る楽譜にはあれこれあって、迷いました。わたしが50年前にレッスンしたのはインベンションだけが1冊となっていましたが、シンフォニアと一緒になっているものが多いです。

音楽の父バッハは、ピアノ曲を作曲していません。ピアノは発明されていましたが、あまり普及していなかったようです。ですから、ウィキペディアには次のように解説されています。

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(独: Johann Sebastian Bach, 1685年3月31日(ユリウス暦1685年3月21日)- 1750年7月28日)は、ドイツの作曲家・オルガニストである。

ウィキペディアの執筆者,2022,「ヨハン・ゼバスティアン・バッハ」『ウィキペディア日本語版』,(2023年4月11日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BC%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8F&oldid=92737275).

作品数は膨大です。→ウィキペディア「ヨハン・ゼバスティアン・バッハの作品一覧

「2声のインヴェンションと3声のシンフォニア」はクラヴァーア曲とあります。

クラヴィーアとは何でしょう? コトバンク「精選版 日本国語大辞典」には次のように解説されています。

クラビーア
〘名〙 (Klavier) ドイツ語で鍵盤楽器(オルガン、ハープシコード、クラビコードなど)の総称。現在では、ふつうピアノ、ハープシコードなど有絃の鍵盤楽器をさす。

ウィキペディア「インヴェンションとシンフォニア」に、次のようにあります。

他のバッハの曲集と同様、古くから多くの校訂版が出版されてきた。特にインヴェンションとシンフォニアは、学習者の需要があることから、原典版にはない表現記号を校訂者が補筆した「実用版」が多い。その解釈は極めて多様であり、このことは演奏を幾つか聞き比べすることでも実感できる。解釈や装飾音の選択等によっては、各曲の印象や難易度はかなり変化する。

ウィキペディアの執筆者,2021,「インヴェンションとシンフォニア」『ウィキペディア日本語版』,(2023年4月11日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%A8%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%8B%E3%82%A2&oldid=86110419).

昔使った楽譜がどんなものだったのか、表紙はうっすらと覚えていますが、特定するまではいきませでした。いずれにせよ、楽譜の選択は先生にお任せでした。

再チャレンジでは、レビューにお任せです。

よく使われるものに、ベーレンライター版、ヘンレ版、ウィーン原典版があるようです。

ウィキペディアその他を参考にすると、ベーレンライター出版社(Bärenreiter-Verlag)は、クラシック音楽関連の出版社で、原典版出版社として知られているそうです。ドイツ・カッセルに本拠を置く出版社です。

ヘンレ出版社(G. Henle Verlag)は、楽譜の原典版に特化した出版社で、ドイツ・ミュンヘンに本社があります。

ウィーン原典版 (Wiener Urtext)とはオーストリア・ウィーンの出版社から出ているもので、日本語版は音楽之友社より出版されています。

わたしは、夫が誕生日に贈ってくれたアマゾンギフト券の一部で、市田版と呼ばれる楽譜を購入しました。

レビューによると、ヘンレ版はほとんど解説がないそうです。ウィーン原典版は学術的で解説が充実しているそうですが、紙質があまりよくないとレビューしておられるかたがありました。

市田版は「バッハの楽譜として最も信頼できる、ベーレンライター新バッハ全集(原典版)を底本」としているそうです。特徴として「原典版(バッハ自身が書いた部分)と編集の市田儀一郎氏が補った部分が、きちんと区別して書かれている」らしいです。市田氏はバッハ研究の第一人者だとか。

実は、楽譜の無料サービスからダウンロードした楽譜が、わたしには弾きにくく、昔はインベンションが一番好きだったのに、何だか嫌いになってしまいそうな危機感がありました。

何しろ半世紀ぶりのピアノですから(昔はカワイ。今は夫が購入したヤマハの格安電子ピアノを弾かせて貰っています、これホントによくできています)、単に下手になっただけなのかもしれませんが、こんなに楽譜が読みにくかったかなあという疑問があり、他の楽譜で弾いてみたいと考えました。

市田版、昨日届いて深夜にさっそく弾いてみました。わたしには正解でした。とても弾きやすいです!  解説は懇切丁寧。市田氏はバッハの意図を理解し尽くしておられるような印象を持ちました。

J.S.バッハインヴェンションとシンフォニア 全音ピアノライブラリー
市田儀一郎 (著)
出版社 ‏ : ‎ 全音楽譜出版社 (1987/9/25)
発売日 ‏ : ‎ 1987/9/25

といっても、解説はわたしには難しいところがあり、まだ部分的に読んだだけです。とりあえずインベンション1番を弾くのに必要な装飾音トリルとモルデントについての解説を読みました。

老眼にも優しい文字が大きめの楽譜。楽譜を開くと、バッハのこちらを見透かすような肖像画が印刷されています。身が引き締まるようなまなざしです。でも、どこか慈愛が感じられます。涙がこぼれそうになりました。

涙がこぼれそうになったのは、昨日が神智学を教えてくださった田中恵美子先生の命日だったからかもしれませんが……。

そういえば、前に自分の楽しみのために購入した『オトナの簡単ピアノ がんばらずに弾ける初心者のクラシック』54曲を3日かけてざっと弾いてみました。

ステップ1と2があり、演奏レベルは星1~3です。星の数の多いほうが難易度高い。

表紙に「超初級」とありますが、わたしには結構難しいと感じられる曲もありました。ただ、かなり易しくて長いと、途中で飽きて弾きたくなくなったり、眠くなったりしました。全部弾きましたよ。

全曲中、やはり一番好きなのは、バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」です。これはステップ1で星3です。練習の前後に弾いています。

何度弾いても飽きません。美しい。胸の中心部から柔らかな白い光がとめどもなく出てくる――ように神秘主義者のわたしには見える――ときがあります。いつもではありません。

娘が聴くのと弾くのとではどう違うの、と訊きました。あくまでわたしの場合ですが、聴く場合は耳で聴きます。弾くときは自分が曲に「参加」するからか、弾きながら全身の細胞で音楽に浴しているような感覚があって、やめられません。

昔は自覚しなかった感覚です。わたしにはつらくて、コンプレックスばかりが募る練習でした。そのときのつらさがすっかり歓びに変ってしまったような不思議な感覚の変容。

実際のところは、昔と今とではどちらが上手に弾けているのかわかりませんが。

バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」のマイラ・ヘス版は、初心者のわたしには難しすぎる……からというより、ソナチネとインベンションの練習に時間をとられるので、休止中です。

お休みする前に両手で弾いてみました。全く弾けないということはありませんが、超ゆっくりしか弾けませんし、手の動きが見苦しい。ソナチネとインベンションの練習が軌道に乗ったら、またマイラ・ヘス版を練習したいです。何年かかってもモノにしてみせる……

夫は、前掲楽譜の最後を飾るガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」を弾くのが目標だとか。ステップ2で星2です。わたしは同じガーシュインのでは「サマータイム」のほうが好きです。ステップ1で星2。

ベートーヴェン「歓喜の歌~交響曲第9番より第4楽章」は、もっと易しくしたものが夫が弾いている『ピアノの教科書』に出てきます。これは早く弾けるようになるかもしれません。ステップ2で星1です。

ステップ2で星2のヴェルディ「凱旋行進曲~オペラ『アイーダ』より」は初心者の発表会にいいかも! 華やかで、スケールの大きな曲想に会場が沸くかもしれませんよ。これも、もっと易しくしたものが『ピアノの教科書』に出てきます。

オトナの簡単ピアノ がんばらずに弾ける初心者のクラシック
出版社 ‏ : ‎ シンコーミュージック (2021/9/10)
発売日 ‏ : ‎ 2021/9/10

【ステップ1】
ラクに楽しむ♪ シンプル&かんたんアレンジ

「四季」より冬 第2楽章(ヴィヴァルディ)
アヴェ・マリア(バッハ、グノー)
主よ、人の望みの喜びよ(バッハ)
メヌエット(ペツォルト)
シチリアーナ(レスピーギ)
トルコ行進曲(モーツァルト)
キラキラ星変奏曲(モーツァルト)
エリーゼのために(ベートーヴェン)
悲愴ソナタ 第2楽章(ベートーヴェン)
アヴェ・マリア(シューベルト)
ます(シューベルト)
別れの曲(ショパン)
ノクターン 第2番(ショパン)
トロイメライ(シューマン)
結婚行進曲(メンデルスゾーン)
ラ・カンパネラ(リスト)
愛の夢 第3番(リスト)
ピアノ協奏曲第1番より第1楽章(チャイコフスキー)
情景~バレエ「白鳥の湖」より(チャイコフスキー)
ワルツ~バレエ「眠りの森の美女」より(チャイコフスキー)
白鳥~「動物の謝肉祭」より(サン=サーンス)
モルダウ~「我が祖国」より(スメタナ)
朝~「ペール・ギュント」より(グリーグ)
家路~交響曲第9番より第2楽章(ドヴォルザーク)
「パガニーニの主題による狂詩曲」より第18変奏(ラフマニノフ)
夢(ドビュッシー)
亡き王女のためのパヴァーヌ(ラヴェル)
ジムノペディ 第1番(サティ)
木星~「惑星」より(ホルスト)
サマータイム(ガーシュウィン)
行進曲「威風堂々」第1番(エルガー)
愛の挨拶(エルガー)

【ステップ2】
弾きごたえアップ! レパートリーを増やそう

カノン(パッヘルベル)
G線上のアリア(バッハ)
トルコ行進曲(ベートーヴェン)
歓喜の歌~交響曲第9番より第4楽章(ベートーヴェン)
月光ソナタ 第1楽章(ベートーヴェン)
恋とはどんなものかしら~オペラ「フィガロの結婚」より(モーツァルト)
セレナーデ(シューベルト)
前奏曲 第7番(ショパン)
ラデツキー行進曲(ヨハン・シュトラウスI世)
美しく青きドナウ(ヨハン・シュトラウスII世)
花の歌(ランゲ)
乙女の祈り(バダジェフスカ)
スケーターズ・ワルツ(ワルトトイフェル)
凱旋行進曲~オペラ「アイーダ」より (ヴェルディ)
ハバネラ~オペラ「カルメン」より(ビゼー)
誰も寝てはならぬ~オペラ「トゥーランドット」より(プッチーニ)
間奏曲~オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」より(マスカーニ)
ワルツ 第15番(ブラームス)
花のワルツ~バレエ「くるみ割り人形」より(チャイコフスキー)
「展覧会の絵」よりプロムナード(ムソルグスキー)
ユーモレスク(ドヴォルザーク)
ラプソディ・イン・ブルー(ガーシュウィン)

以上、全54曲

自分のことばかりになりました。夫は両手で弾くのにいくらか慣れてきたようで、だんだんサマになってきています。夫が隣室でイヤホンつけて練習しているとパコパコ音がするので、「おっ、またやってる、うんうん」とわたしは嬉しくなります。

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2023年3月19日 (日)

バッハインベンションも始めることにしました

前記事とは別記事にしたかった、私的電子ピアノの話題です。

ツイッターを通して知り合ったピアノの上手な女性から、ロシア奏法と重力奏法は似ているけれど、微妙に違うと教わりました。そのかたは、3年ぶりのピアノ再開でロシア奏法のレッスンを受けておられるそうです。

そのかたがバッハインベンションの練習動画をツイートしておられたのを拝聴して、バッハインベンションにも再チャレンジしたくなりました。

楽譜は色々とあり、行きつけの書店に何冊かシンフォニアと一緒になったのがあったので、見てこようと思います。

「ピアノ無料楽譜ライブラリーindex」『音楽のお話』
https://www.ongakunoohanasi.com/free-scores/index.html

とりあえず、インベンション1をダウンロード印刷させていただいて、弾いてみました。懐かしさでいっぱいになりました。何とか弾けます。50年ぶりくらいですけれど(怖!)。

インベンション全曲楽譜 - 装飾音の弾き方付き|バッハ BWV772~786 
Five Senses Sound
https://youtu.be/0QPBwUhej04

バッハの基本を以下の動画でSHUMPEI先生から教わりました。ありがとうございます!

バッハの弾き方の基本についてプロが解説!! 【ピアノレッスン】 
SHUMPEI PIANO CHANNEL
https://youtu.be/Hj7qBLp0LNQ

ソナチネアルバム1は、1番の1楽章は大体仕上がったので、2楽章に入ります。

夫は両手に入っています。強ばった感じだった手が、一緒に見ていく中で、いくらか自然な円味を帯びるようになりました。

そうなると、楽しいのか、昼間1人で30分くらいも練習しています。最初は5分で投げ出すことがあったことを思えば、大変な進歩です。

わたしは昼間弾くと、家事半ばの疲れがあり、気が散りやすくて、練習すればするほど間違えることが多々あります。

「練習すればするほど、下手になるときがあるよね」というと、夫は共感を示しました。「うんうん、わかる」

「でも、次に練習したときに上達したことがわかったりする」というと、夫は深く頷きました。「そうだね」

夕飯後は片付けたあとで一眠りすると、疲れが取れて我ながら上手に弾けるので、つい長時間弾いてしまいがちです。少し短めにしようと考えています。創作もありますから。

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