カテゴリー「映画・テレビ」の3件の記事

2008年7月20日 (日)

日田林工、甲子園出場決定おめでとう!

 日田林工の甲子園出場が決定しました。

 県のベスト8に日田の高校が3校入り、その中ではうちの子供たちの卒業した高校がまず敗退。

 日田林工はなかなか魅力的なチームで、ずっと応援していたから嬉しいです。現在わたしは日田市民ではないのですが、子供たちの中・高校時代を日田市で過ごしたために、甲子園となるとどうしても日田の高校を応援してしまうのですね。

 気に入った選手のいたのが、たまたま日田林工だったというだけのことかもしれませんが。

 眼鏡をかけたキャッチャーの三浦くんがいいと思いました。可愛く(などという褒め言葉はかえって失礼かな)、温厚そうで、頭もよさそう。よい働きをしていました。

 甲子園。大変な闘いが待っているのでしょうが、まずは1勝を祈っています。

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2008年7月13日 (日)

映画『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』を観て

 わたしは『インディ・ジョーンズ』シリーズが大好なので、20年もの歳月を経たあとに公開された『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』も勿論観に行った。

 映画を楽しく観ながら、一方では色々なことを考えていた。

 そして、11日に観てすぐに記事にすればよかったのだが、13日になった今日には早くも、何をそんなに色々考えていたのか、ほぼ忘れてしまった。

 で、覚えていることだけで、何とか記事にしてみたい。

 映画というジャンルを超えた意味で一番衝撃的だったのは、娯楽映画だから……では済まされない、核実験シーンのあまりの軽さである。

 これが意図的に軽く描かれたとは思えないだけに(パンフレットの中に視覚効果スーパーバイザーであるヘルマンの「とても深刻な題材なので、軽々と扱うことはできなかった」という言葉がある)、原爆とはそのようなものだと一般アメリカ人に認識されていると感じられ、深刻にならざるをえなかった。

 原爆を作った側の人々を真摯に描いた重厚なパール・バック著『神の火を防御せよ』でさえ、わたしには被爆の描かれ方が甘いと感じられた(関連記事:https://elder.tea-nifty.com/blog/2007/09/post_4ac2.html)。

 もうだいぶん前になるが、テレビで、アメリカの核実験下で訓練をした米兵の被爆問題を扱ったドキュメンタリー番組があり、その中で核爆発の被害を防ぐための兵士用マニュアルが公開されていた。

 それに書かれていたことは、目が損傷するから核爆発を直視するなとか、放射能被害を防ぐために体を洗えだとかいった、我々日本人からすれば子供騙しとしか思えない内容だった。インディが鉛の冷蔵庫に入って命拾いしたあとで、しきりに体を洗われていたのも頷けよう。

 被爆国に生まれたというだけで、我々は原爆の怖ろしさを何とはなしに実感できる。何とはなしに、といったが、勿論これは、それを身を持って教えてくれた人々のお蔭であることはいうまでもない。

 1959年にパール・バックの『神の火を防御せよ』が出版されてから、この『インディ』が製作されるまでに、50年もの歳月が流れ、反核運動が行われ続けてきたにも拘らず、『インディ』における核実験のシーンは一般アメリカ人の核に対する認識の甘さが一向に変わっていないということの例証になっている。

 一気に、映画の話はエンディングに飛ぶが、それはインディとマリオンの結婚式というハッピーエンドで、わたしはこれには感激して涙が出るほどだった。

 なぜなら、この脳天気ともいえるロマンティシズムがアメリカの魅力だと思ってきたからだ。このアメリカが生きていればこそ、アメリカはわたしにとって、気は優しくて力持ちの国という幻想を誘うのだ。

 ずいぶん荒み、国力も衰えてきているように見えるアメリカであっても、こんなエンディングのある映画が作られている限りは、かつてのよきアメリカの復活が可能だとの期待を抱かせてくれる。

 内容からいえば、今回のスターリン下のKGBよりヒトラー下のナチスのほうがオカルト色を出すには使えたに決まっているから、最初から過去の作品に対しては、今回の作品の負けが決まっていたようなものだと思う。

 でもスターリンの秘蔵っ子でサイキック研究計画の中心人物であるイリーナ・スパルコ大佐は、「鉄のカーテン」という古い言葉を象徴したような女性に仕上がっていて、なかなかよかった。

 肝心のインディの考古学的探究・冒険が宇宙人に辿り着く物語の結末部は、描き方が漫画的すぎてもう一つも二つもだった。

 このちゃちさと、核に対する認識の甘さは、どこかでつながっている気がする。娯楽物であればこそ、宇宙人を出したら出したで、もっと壮麗な描き方をしてほしいものだ。

 尤も、『インディ・ジョーンズ』シリーズの魅力の一つは、かつて別の映画のどこかで見たシーンがキルトのように綴り合わさっているというところにある。

 今回の映画では特に『アメリカン・グラフティ』と『未知との遭遇』を、かつてそれらの映画を観た者であれば、思い出さずにはいられないだろう。

 ところで、パンフレットにはインディ(本名ヘンリー・ジョーンズ・ジュニア)の履歴書が載っている。

 それによると1899年生まれのインディは、1910年に「広場でクリケットをしている少年たちと遊ぶが、その中の1人が、神智学協会会長アニー・ベサントらが救世主と崇める宗教的哲人のクリシュナムルティだった。インディはクリシュナムルティ少年と友人になり、神と愛について考え」たそうだ。

 神智学協会の会員であるわたしは、こんなところにアニー・ベサントやクリシュナムルティが出てきて、びっくりした。

 ベサントが、相棒リードビーターと共に、オーラのこよなく美しいクリシュナムルティを発見して救世主に仕立てようとした出来事は、神智学協会にとっては過去の汚点ともいうべき事件といってよい。

 というのも、神智学協会のモットーは「真理に勝る宗教なし」であるというのに、ベサントは協会を教会に、すなわち宗教組織に変えようという対極的行動を起こしたから(勿論クリシュナムルティはそれを拒否し、神智学協会から離れた)。

 邦訳されているベサントの著作を昔読み、わたしには、ベサントがブラブァツキーの著作を部分的にしか理解できていないとしか思えなかった。ブラヴァツキーの著作に関しては邦訳されているものの中で読みやすいものを読むのが精一杯のわたしでさえ、それらに一貫して流れている金科玉条は自ずから伝わってくる。

 頭が悪かったとは思えないベサントがなぜ? と思わざるをえないが、これは核実験のシーンの軽い描かれ方にどこか通じるものがある気がする。

 それでも、わたしは清すぎて魚も住まないようなクリシュナムルティの哲学よりは、間違いも多かったけれど、神智学協会やインド独立運動に懸命に取り組んだ情熱家ベサントのほうに惹かれる。

 話が逸れてしまった。

 ハリソン・フォード、わたしはかなり好き。アクション・シーンではいくらか体が重たげだったが、頑張っていた。

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2007年1月11日 (木)

日テレ系ドラマ『ハケンの品格』で考えさせられる脚本家の品格

『ハケンの品格』がいまどきのファンタジーもの、スーパーウーマン物語として書かれたというなら話は別だが、記者会見による脚本家の話ぶりでは、社会問題として書かれた節も窺われ……うーん。

わたしが新婚だった頃の話だから、もう25年も昔の話になるが、派遣社員として登録し、マネキン販売員をしていた知人がいた。その頃、派遣という雇用形態が問題になることはあまりなかったように思う。

労働者派遣法は1986年に施行されたが、このような雇用形態が問題になり出したのは主に、1999年の改正後のことではないだろうか。一時的に人材が必要となる専門性の高い13の業種に限られてきた対象範囲はこの改正により、禁止業種以外は派遣が可能となった。

そして、労働者が不当な扱いを受けることなく働く権利を保障した憲法の観点からすれば不当としかいいようがないこの間接雇用形態は、労働者を安い人件費で、必要なときに必要なだけ使うことのできる企業に都合のいい形態として、定着するようになった。

ドラマの大前春子のように、全ての派遣社員が事前に高度なスキル(特殊技能)を身につけることができ、時給3,000円も得ることができるようであれば、派遣という雇用形態には何の問題もないわけである。

事前に大した技能も身につけられなかったのだから、雇われる人間としてはウブで無能であって当然の森深雪ですら、ドラマでは庇われ、保護されすぎている。

それにしても大前春子であるが、彼女は以前は銀行のエリート社員だったという。わたしの親戚に銀行で凄腕といわれていたという女性がいるけれど(既に定年退職しているはず)、全くぴんとこない。パソコン、フラメンコくらいならありうるとしても、クレーン車ねえ。。。

あれだけのスキルを身につけるためには、どれだけの時間とお金が必要なことやら(ため息)。現在書店で契約社員として働く娘が大学生だった頃、大学側は就職難に備えて多彩な技能を身につけることをすすめた。

学生たちは本業(授業)そっちのけで、アルバイトに精を出したり、専門学校に通ったりしていた。それで、それがどれくらい成果につながったかは疑問である。

政府が現在のような新自由主義政策を推し進める中では、学生たちは落ち着いて勉強するのもままならない。それがひいては、国力の低下につながるのは、火を見るより明らかだ。

クレーン車で思い出したが、フォークリフトと関係のある次のような記事がmsn.ニュースにあった。以下に引用させていただく。


 位はいの横の写真は、はにかんだ笑顔だ。

 事故は昨年6月、静岡県藤枝市の冷蔵倉庫で起きた。平野和雅さん(当時24歳)は無免許でフォークリフトの作業中、崩れたコンテナの下敷きになる。専門学校を出て職を変えた末、派遣・請負最大手のクリスタル(本社・京都)の子会社で求人を見つけ、03年11月から働き始めた。

 父武治さん(49)は一人息子に「きちんとした仕事についた」と聞かされ安心した。フォークリフトの作業を命じられたのは昨年4月。同社とクリスタル側は免許取得の費用を負担せず、無免許のまま働かせた。零下30度の中でマグロなどを運ぶ。時給は1200円。子会社の取り分はこれとは別に550円にもなる。アパート代を除くといくらも残らない。それでも正月には妹にうれしそうにお年玉を渡した。

 事故の数日前、母三津枝さん(48)は、たくましくなった息子に声をかけられた。「母さんの葬式はおれが出してやるからな」。遺影は母がアパートからやっと見つけた。

 裁判所は今年5月、子会社らに労働安全衛生法違反などで罰金の略式命令を出した。労働者派遣法では、刑罰が確定すると派遣業の許可取り消しの対象になる。だが子会社は略式命令の直前、許可を持つグループ会社と合併したため、法律上取り消しできない。愛知労働局は営業所に事業停止命令を出すしかなかった。別の子会社は6月に業務改善命令を受けた。

 同社は未上場。急増する売り上げは05年3月期で5387億円に上る。今年3月時点で抱える労働者と社員は13万人を超え、ホンダやNECの各グループに匹敵する。林純一オーナー(61)が子会社の社長会で経営姿勢を40項目にまとめた資料を配った。中にはこんな記載がある。「業界ナンバー1になるには違法行為が許される」

 ドラマ『ハケンの品格』が続くあいだは、派遣問題、ワーキングプアの問題をわたしなりに考え、当ブログで採りあげていきたいと考えている。 

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