カテゴリー「福島第一原発関連」の40件の記事

2013年9月 8日 (日)

オリンピック。童話『マドレーヌとわたし(新装版・漢字使用)』をKindleストアで販売中。

 2020年夏季五輪開催都市は東京に決定しましたね。明るい話題が嬉しい……。これで仕事が増え、お金が動いて、経済が活性化すればいいなあと思います。

 夫が定年退職した年はまだ民主政権でしたが、とにかく職がありませんでした。本当に怖ろしかった。先日妹と話したところでは、よくなってきているみたいよという話でしたが、地域差もあるでしょうね。

 政府の積極策にはメリット・デメリットの双方があるでしょうが、今は積極策しかないとも思えます。

 そして、五輪開催までに原発問題がどうなるかは世界が注目するところでしょう。

 話題は変わりますが、『ライフ―オブ―パイ トラと漂流した227日』をレンタルのDVDで観て、楽しい時間を過ごしました。

 何と2度も観てしまいました。サバイバル物でありながら、主人公の内面世界が宗教的、哲学的な色彩で描かれ、幻想的なシーンがとても美しい映画でした。最後のところで、実は全てが主人公の空想で、別の現実があったともとれる結末になっているところが何ともいえない小気味のよさでした。

 どちらともとれるように、よく伏線が張られていました。

 監督はアン・リーという台湾の映画監督。原作は、カナダの小説家ヤン・マーテル著『パイの物語』。

 できたら、映画の感想は記事を改めてもう少し書きたいです。書く時間を見つけられるかどうかはわかりませんが。

 童話『マドレーヌとわたし(新装版・漢字使用)』をKindleストアで販売中です。サンプルをダウンロードできます。
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 全かなの方も表紙絵を作り直しました。ストアに並ぶには、本をKDPに提出してからレビュー⇒出版⇒オンラインとなって完了なのですが、全かな版はまだオンライン表示になっていないので、古い表紙絵のままだと思います。新しい表紙絵は以下です。

 こちらのほうは娘が写真を撮ってくれました。人形といえど、撮り方によって様々な表情が表れますね。

K30blog

 全かな版にふさわしいマドレーヌ。

 ところで、これはまずい……と思ったことがあって、それは『茜の帳』の中の第一部の怪異短編『茜の帳』を読み直したら、間違いが早くも3つも見つかってしまいました。どうして気づかなかったのか!

 短い作品なのに、これだけ間違いが多いのは、言い訳になりますが、古い同人雑誌からスキャンしたときに文字化けが多く、平仮名にもそれが及んでいた風です。

 短い作品なのだから、自分の手で写せばよかったのに、失敗でした。近いうちに訂正しておきたいと考えています。

 そのうちにまた無料キャンペーンをしますので、気になる方はそのときに再ダウンロードしてください。Amazonのアカウントサービス⇒My Kindleとアクセスし、Kindleライブラリから削除してしまえば、再度のダウンロードが可能なはずです。

 以下は99円シリーズ。『卵の正体』が売れています。サンプルをダウンロードできます。
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 追記:
 オンラインになりました。こちらは全かなで、替わったのは表紙絵だけです。サンプルをダウンロードできます。
   ↓

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2012年10月31日 (水)

政治家らしい安倍総理……いや違った安倍総裁の代表質問

 安倍総裁の代表質問をテレビで視聴した。

 安倍総裁が政治家そのものに見える。民主が政権を担当するようになる3年前はそんなことを思ったことはなかったから、如何に民主政権の政治が政治らしからぬものだったかがわかる。

 わたしは極力国会中継を視聴するようにしてきた。だから、民主政権が何をやってきたのか、よく知っているし、そのへんの柄の悪いおじさんが総理を気取っているような野田総理には決してだまされない。

 野田さん、あなた、辞めるって、約束したじゃない。早く辞めてよ。あなたには、政治は無理な芸当ってことです。

 地方交付税(国が地方公共団体に渡す資金)の交付が滞るなんて事態は異常すぎる。それすら、野党のせいにする野田。仮にそれが野党のせいだったとしても、その事態を招いた責任者は与党のトップであるあなただ。

 これに対して何もいわないマスコミの異常さはどうだろう! 安倍総裁のカツカレーには、あれほど騒いだマスコミ。この安倍総裁のカツカレー効果でCoCoカレーが潤ったそうだ。

 震災後の復興を担ったのが民主党ではなく、自民党だったとしたら、復興は適切な、温情に富むやりかたでスピーディーに進んでいたことだろう。

 自民党が復興に必要な提案を国会で精力的に行うとき、民主党はぽかんとしていた。自民党が震災直後からつくるように提案していた復興庁ができたのは、何しろ1年も後なのだ。

 民主党は復興予算を食い物にしてきたと、甘利氏はいっていたが、マスコミはそこに目をつける頭がないのか、よその国にのっとられているためかは知らないが(そんな話を聴くようになって久しい)、追及するのは安倍総裁が自分のお財布からお金を支払ったカツカレーのこと……(絶句)。

 ちなみに、安倍総裁は、カツカレー報道について、J-CASTニュース(2012年10月03日付)によると、フェイスブックで以下のように反論しているという。

2012年9月30日には、「3500円の豪華カレーを食べていた」とネット上で話題になっていた件について、「会場費込みの値段で参加した議員皆でワリカンしたものです」と事実関係を説明。この時は、騒動を報じた報道も踏まえた上で、「今や、インターネットでマスコミの発言も精査され、このカツカレー論争等 ジョークの対象となります。何れにせよ、カツカレーがゲンが良かったのも事実ですね」と受け流す余裕すらあった。

 リサーチしたところによると、これはニューオータニのレストラン「SATSUKI」のカレーらしい。ニューオータニへはJTBの東京ステイプランで2回娘と東京旅行したときに泊まり(凄くお得なプランだった)、朝食会場に「SATSUKI」も入っているので、前回泊まったときに行ったことがあった。

 ニューオータニは国会議事堂に近いが、あの辺りはお昼時になると、ビジネスマンで溢れるのだ。レストラン、食堂、コンビニはもとより、ニューオータニの土産物売り場(コンビニ風の一角を備えている)にも、食べられるものなら何でもいいといった人々が列をなして、老舗ホテルのイメージを壊していた。

 ニューオータニのレストランであれば、予約できるところが多いし、国会議事堂には近いので、そこをお昼時の決起集会の会場に選んだとしても何らセンスを疑われるようなものではないと思う。あのカレーには場所代が含まれているのだ。 

 自民党は原発で叩かれるが(特に昔からのエネルギー問題を肌で知らない、子育て中の団塊の子層に原発アレルギーが多いようだ)、エネルギー問題は決して単純ではない。

 いうまでもないことだが、エネルギー問題は日本だけの問題ではなく、世界的な問題で、中国が尖閣諸島関係に躍起になっているのも、このエネルギー問題が絡んでいるためだ。

 昔は、ダムに沈む村、炭鉱労働の悲惨、石油獲得のための戦争……などのイメージがエネルギー問題にはつきまとっていた。

 先進国が、そして先進国になろうと頑張った日本が原発に走ったのは、ある意味で、仕方のない流れだったと思う。

 エネルギー問題は、人間が毎日食べなければならない主食の問題に匹敵するもので、待ったなしの問題であるのが難しいところだ。エネルギーに常に飢えている人類が、原発にエネルギー問題解決の幻想を抱いたのも、無理からぬことだったのだ。

 危ない(と未曽有の震災ではっきりした)原発で40年、なんとかやってこられたのは自民党の長期政権下でのみ可能なことだった。民主党みたいな党であったなら、原発産業はとっくの昔に破綻していただろうが、それで果たして今のような日本が存在していただろうか。

 貧困にあえぐ後進国になっていたのではないだろうか。あるいはどこかの国にのっとられていたかもしれない。アメリカからも見離されて。

 エネルギー問題への対応は容易ではないが、政治理念に欠ける、すなわち長期的見通しができない民主政権には到底担えない。シェル石油採掘による環境破壊が早くも問題となってきた。ジョン・レノンの息子がそれを訴えていたような……。シェル石油採掘による地震誘発の危険度はどんなものなのか? 原発をとめるにしても、長い管理が必要だ。

 ああしかし、今日の国会を視聴した限りでは野田は相変わらずだ。この男は、何のためか、居座れるだけ居座るつもりだ。

 まさか、ブラック団体から支援して貰ったために、ブラック団体に約束のブツ(例えば外国人参政権とか)を渡さなければ、消される心配がある……なんて、ドラマみたいなことが裏側で起きているのではないだろうが。

 ところで、わたしは別に自民党の応援団の一員というわけではなく、フリーのバランス人。今は自民党しか見るべき党がないので、自民党寄りの記事を書いている。

 話は変わるが、2062年から来た未来人の予言(2010年11月から2011年7月までの間に2ちゃんねるオカルト板に書き込まれている)が面白い。

 津波や原発事故を警告するような書き込みや、政治についての書き込みもあり、わたしはSFとして読んでいるが、なかなか読ませるのだ。インドの躍進や2062年にはフリーメーソンは表で存在しているといった書き込み、わたしには興味深い。全ての病気を治せるなどという書き込みも、山中教授の研究が進めば、そうならないとはいえなくなった。

 これから忙しいので、今日は無理かもしれないが、面白い未来人さんの予言はクリップしておきたいところ。〔クリップしました。以下〕

 娘のパソコン購入で、パソコンが1台増えて3台になったため、無線ランにした。何だか操作が軽い。わたしのパソコンの寿命がこれでいくらかでも延びてくれたら、ありがたいのだけれど。春くらいまで持ってくれないかしら。

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2012年7月23日 (月)

福島第一原発の工事で、下請け会社の役員が被曝量を低く偽装

 21日付朝日新聞朝刊によると、東京電力が発注した福島第一原発の工事で、昨年12月、下請け会社「ビルドアップ」の役員が被曝線量を少なく見せかけるため、作業員に鉛のカバーで放射線の線量計を覆うように指示していたという。

 ビルドアップというのは、福島県の中堅建設会社だそうだ。以下は新聞記事中、市田隆氏による記事後半部より引用。

事故後の福島第一で放射線を浴びた作業員は今年5月までに約2万2千人。東電の集計によると、平均の被曝線量は東電社員の方が高いが、人数では8割以上が社員以外だ。
 今回の問題の深さは、原発に依存した労働構造にもある。下請け会社の役員は、線量限度を超えれば仕事がなくなると繰り返し訴えた。末端の労働者に被曝隠しを強いるのは論外の行為だが、地域経済に金を落としてきた原発での仕事に頼らざるを得ない人が多い現実を物語っている。
 この中で、発注者の東電の役割は重要だ。元請け会社任せにせず、率先して安全管理を厳しくしない限り問題解決はない。再発防止がかけ声だけで終われば信頼回復はあり得ず、原発再稼動を訴える資格もない。

 昨年3月に福島第一原発3号機のタービン建屋で電源復旧作業中だった3人が汚染水に浸かって被曝(そのうち2人は長靴を履いていず、くるぶしまで汚染水に浸かった)、病院に運ばれ、退院したと報じられた。その後、3人の健康状態はどうなのか。ずっと気になっているのだが、ネットでリサーチしたところで、確かなことはわからない。労働基準法違反に当たる18歳未満の就労も見つかっている。

 原発作業員の安全をないがしろにしたニュースに接するたび、絶望的な気持ちにさせられる。だが、脱原発デモのニュースなど観ると、よけいに気が滅入ってしまう。

 若い人々であればともかく、年齢がいっているのに、福島第一原発の事故で初めて原発問題を知ったなどという、あまりに無知な、基本的に自分のメリットにしか関心のないような近視眼の人々がどれほどの人数デモに加わったところで、集団ヒステリーの原因になるくらいのことしか招くまい。以前から地道な活動を続けて来た、信頼に値する人々の割合は、如何ほどだろうか。

 エネルギー問題は行き詰っているように見える。再生エネルギーは到底主力とはなりえない。火力発電への依存が大きく高まった結果、2011年度の輸入量はLNG(液化天然ガス)輸入が大幅増加したという。石油は、中東情勢の影響で原油価格が高騰し、輸入量は前年より減ったが、輸入額は増加。そして、財務省が4月19日に発表した「貿易統計(速報)」によれば、2011年度のわが国の貿易赤字は過去最大の赤字を記録したという。日本経済は本当に厳しい状況下にあるのだ。

 日本経済の厳しさを、庶民の一人として、昨年の夏、定年退職した夫と共に嫌というほど味わった。夫の窮状がわかっていながら、病人で、働けそうにわたしの心情としてはもう神頼みしかないと思うところまでいき、(気分転換も兼ねて)産土にある祐徳稲荷神社の萬子媛にお願いに行ったほどだった。

 とにかく、多くの資格や経験を求める癖に、その給料ではとても暮してはいけないような求人ばかりが目についた。ハローワークではなぜか、公的機関からの求人はすぐに引込められる傾向にあった。尤も、定年後の夫は年齢だけでアウトという場合が多かった。よく求人を出してくる、何とか雇って貰えそうなところといえば、ブラック企業――という現実があった。

 ブラック企業とわかっていながら、ホームレスになるよりはましだと思って入社を決める人々も、今は多いことだろう。前掲の記事に出てきた下請け会社は、いわゆるそうした企業のうちの1社ということだ。求職活動の過酷さは、日本経済の落ち込みをそのまま映し出しているように思えた。

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2011年7月14日 (木)

今日の国会中継(衆院復興特別委2011.7.12)……妊娠中の女性と小さな子供を持つ母親を不安のどん底に陥れる厚労省配布のパンフレットと菅総理の傲慢なつぶやき

 午前中は高市早苗氏しか視聴できなかった。午後は西村康稔氏、谷公一氏、斉藤鉄夫氏の質疑。それ以外の議員の質疑も視聴したが、極めて断片的でメモすらとれなかった。

 13日になって、高市氏の質疑で視聴しそびれた部分を衆院ホームページのビデオライブラリで確認したところ、驚くべき場面があったので、とりあえず、この部分を中心にメモをとっておきたい。

 その場面では、菅総理はもはや一国の総理とは思えない柄の悪さだ。しかも、その質疑は国民の健康に(特に妊娠中の女性と子供たちにとって)影響する公報にかんする質疑の最中になされたものだった。

 そもそも問題となった公報というのが、公報とも思えない呆れたシロモノで、二重の驚きだった。このような、妊娠中の女性と小さな子供を持つ母親を不安のどん底に陥れるだけの公報など、まだないほうがましだとすら思われる。 

 テレビニュースはこのことを報じただろうか? 菅総理の極左団体への献金も極めて衝撃的な問題であったというのに、テレビニュースは黙している。

自民:高市早苗

 高市氏の質問は要点を衝いたひじょうによい質問ばかりだったが、菅総理の応答は総じて要領を得ないばかりか、前掲の場面で高市氏が思わず傲慢と咎めたような態度を晒したりした。
 明日のことを心配して訊いている質問者に対し、10年後のことを話したりする菅総理。疲れた顔の質問者。
 佐賀の玄海原発をめぐる菅総理と海江田経産相の言動のずれについて、菅総理がくどくどしい応答をしている間、海江田経産相は目を伏せ、凄く辛そうに顔をしかめていた。
「梯子を外された海江田大臣が気の毒だ」と高市氏。

「この1、2週間、内閣不一致という言葉が飛び交い、議員も誰の言葉を信じてよいのかわからない状態だった。憲法第66条に『内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ』というのがある。内閣は国会、立法機関に対して統一した方針を示し、その方針のもとで一致して行政権を行使し、そしてまた、その結果責任を皆で負う――これは当然のこと。特に、行政権の行使に関わるところは一致していないといけない。ところが、民主政権になってから、閣僚のおっしゃることはバラバラ、誰も責任をとらない。過去に菅総理は自民の内閣不一致をずいぶん指摘してきた(講演など、国会以外の場での個人的見解に対してすら)。地域、国会の混乱、国益を損なう事態は避けてほしい」と最初に菅総理に警告した高市氏。続いて質疑。

閣議決定された以下の法案について。

“原子力損害賠償支援機構法案(内閣提出)

第1条(目的)
「(前略)原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を確保するとともに、電気の安定供給その他の原子炉の運転等に係る事業の円滑な確保を図り、もって国民生活の安定向上及び国民経済の健全な発展に資することを目的とする」”

 菅内閣における原子力発電の位置づけを明らかにしなくてはならない(以下の質問)。

  1. 今すぐに脱原発をするということを前提とした法案でないということで、間違いないか?――菅総「これからのエネルギー政策は……」(明確な回答は得られなかった。それに対して高市氏。法案の前提で脱原発があるとしたら、この法案は必要ない。原子力損害賠償には自民の「仮払い法案」で間に合う)
  2. 将来、福島第一原発以外の原発で不幸にして事故が起きた場合にも、損害を受けた方を救済できる枠組みを作る法律ということで、間違いないか?――菅総理の回答はイエス。

内部被曝について。

 厚労省が今年4月の紙不足の時期に、女性対象に配布した300万部のパンフレットから。

タイトル――妊娠中の方、小さなお子さんを持つお母さんの放射線への心配にお答えします

食べものに含まれる放射線物質については安全のための規制が行われています。この規制に基づいた検査が行われ、結果が公表されています。

規制値を上回った食べものは、お店にならぶことのないよう、国や自治体が対応しています。

お店にならんでいる商品は、いつも通り買っていただいて大丈夫です。

万が一、規制値を上回った食べものを口にしてしまったからといって健康への影響が出ることはありません。

高市「大丈夫、大丈夫と書かれている。規制値を上回った食べものを口にしても問題がないなら、規制値を設ける必要がないわけですよ。暫定規制値について、本当にこの基準で大丈夫なのかという不安が子育て真っ最中のお父さん、お母さん方にある。通常の規制値より、かなりゆるいのではないか?
 規制値を上回る食べものについて、安全性を政府が保障してしまったことになる。将来、内部被曝も損害賠償の対象となりうると思う。損害倍賞責任は主に政府が負うことになるが如何か?」
菅総「表現が適切かどうか疑問に感じたが、損害賠償の内側か外側かについては、はっきりと申し上げることは控える」

 このあとに、ギョッとする場面があった。

高市「何をおっしゃるんですか。厚生大臣を呼びゃあいいじゃないか、と総理はおっしゃいました。今の傲慢な態度を見ていて、残念に思いますよ」
議長「先ほどの発言は、わたくしも総理としてふさわしくないと思う」
菅総「申し訳ない発言だった。担当の大臣に詳しいことをお訊きになればと思って」
高市「フリップを示したし、資料は総理にも行っているはず。それが適切かどうかすら判断できない総理だとわかった。科学的な根拠のもとに作成された、国民の命にかかわる公報物なので、資料の提出を求める」

ストレステストについて。

 ストレステストの必要性を菅総理が考え始めたのはいつからか?

 一次と二次、2種類あるのはなぜか。どう違うのか?

高市「年がら年中、原発はテストを受けることになる。安全は大事なことだが、事業者の負担は大変なことだ。ストレステストの結果の責任を最終的に持つのはどこか?」
菅総「3大臣の下で合意されたのであって、責任逃れをするつもりはない。これからは経産省、保安院、内閣府の原子力安全委員会がみていくことになる。3大臣と総理のわたしが責任を持つ」
「影響を受ける地域の雇用や衛生(電力が落ちて自販機の牛乳が傷んだ例を挙げて)にまで総理が責任を持ってくださるということで安心だ。地域が責任をとるのは無理だから」と皮肉っぽい口調になる高市氏。

二次補正、三次補正の問題。

「このままでは原発が止まってしまう。冬に向けて、安心できる対策が必要だ」と懸念を示し、2009年度発電電力量比率表を示す高市氏。

高市氏はいった。「自民を悪者になさいますが、確かに菅総理は随分昔から再生エネルギーの質問はされています。ですが、議員立法をされたことはわたしが調べた限り一度もありませんでした」

2011/07/12 13:14⇒07/14改稿

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2011年7月 9日 (土)

意外なところからリンクが。Kくん、再々度の掲載おめでとう。

 アクセス解析を見たら、海外からのものも含めて馬鹿にアクセス数が多いので、どこかからリンクしていただいているのだろうと思い、足跡を辿ってみると、以下の頁からリンクしていただいていました。

一色清編集、朝日新聞社(webronza
テーマ「村上春樹氏の演説から考える核と日本人の関係」
関連情報▼ブログ&コラム一覧

 わたしの記事『村上春樹:カタルーニャ国際賞授賞式スピーチにおける論理のすり替え』へのリンクの前にべつの三つのリンクがあったので、閲覧させていただきました。それぞれ、全く異なった観点から村上春樹のスピーチが捉られていました。

 ありがたいことに、わたしのような無名の物書きの文であっても、時々どこかからリンクしてくださることがあって、そのたびにアクセス数が跳ね上がります。少しすると、また湖畔のこぢんまりとして静かな図書館(あくまでイメージ)、否ブログに戻るわけですが、ネットが、ブログサービスがなければ、どう足掻いても一作家志望から抜け出せそうにないわたしなどは、とうに力尽きてしまっていたかもしれないと思います。

 そして、話が後先になってしまいましたが、Kくん、「文学界 8月号」への掲載おめでとう! 

 本日、新聞の広告で知りました。頑張っていますね!

 ええっと、こんなことをいうのはナンですが、うんとエラくなってから(?)でいいですから、機会がありましたら、女性ならではの視点から文芸作品や社会現象の分析・発信をブログで続けている物書きもいるということをおしゃべりくださればと思います。はしたないわねー、こんな媚、ほほほ……。

 いえね、「文学界」を含む純文系の文芸誌主要5誌中4誌を女性が率いることになった――というニュースを見たので、戯れにいってみたまでのことでした(掲載号は男性編集長ですね)。

 お仕事なさりながらの執筆は体力的にも大変だと思いますが、どうかこれからも、体に気をつけながらよい作品を執筆してくださいますよう。

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2011年7月 6日 (水)

今日の国会中継(衆院予算委2011.7.6)……店晒しになっていた津波対策法案

 衆参のホームページに行けば、録画をあとでゆっくり視聴できるが、なかなかその時間がとれないので、視聴中、印象に残った質疑をメモ。結局、自公の質疑しか視聴できなかった。内容の是非は別として、自民は与党として長く政権を担っていただけのことはあると思わせる実際的な質問を行うケースが多いので、なるべくチェックするようにしている。

 視聴できた部分から受けた感想は、菅政権はもはや政権の体をなしていないということだった。辞めるつもりは全くないようだが。それにしても、赤沢亮正氏の質疑中のチリ地震・津波に関する菅首相のずれた応答には、本当にドキッとさせられた。 


自民:石原伸晃

  • 阪神淡路大震災のときの復興法案の焼き直しではだめだといってきたのに、焼き直しにすぎない。
  • 復興担当大臣を決めるように震災後2日目からいってきたのに、108日かかっている(阪神淡路大震災のときは3日で決まった)。
  • 津波対策法案は1年前にわが党が出していた。それがようやく通過した。
  • ガレキ処理は3割しか進んでいない。放射線廃棄物はそのまま(2ヶ月ブルーシートをかけたままの校庭の写真)。
  • 二重ローン問題。
  • 政治献金問題(時間がないので、引き続き参院で)。


自民:石破茂(石原の関連質問)

  • 復興の遅れについて、大臣の増員に応じなかった自民が悪いといったが、何の大臣を増やしたいという国対(国会対策委員会)に申し出はなかった。
  • 復興のための連立などはありえない。なぜなら、政策一致、政策協議なく、連立を持ちかけるのは憲法違反だからだ。
  • 我々は不眠不休で被災地に入り、577項目の提言をしてきたが、あなたがたは何も関わってこなかった。
  • 内閣はあなたの私物ではない。自己満足のためにあるのではない。政治は結果責任。内閣が動くかどうかは現象を見ればわかる。求心力がない。
  • 将来が不安だから、民間がお金を使えない。今やることは、復興債を大きく出すこと。このままだと、デフレが進む。三次補正はどうなるのか。税と社会保障の一体改革は構造の問題だから、復興とは切り離して別に考えるべき。
  • 原子力賠償で、東電が免責されないのはなぜか? 予見可能であったから。もし原発事故が起きたらどれくらいの損害が出るか、というレポートが昭和34年に出ていた。自戒をこめていうことだが、逃げるな、曖昧にするな……
  • 普天間問題。


自民:塩崎恭久(石原の関連質問)=原発立地圏の代議士

  • 公務員制度改革について。
  • 脱原発の話もどうなったのかわからない。
    定期検査後の再開問題。再開できなければ経済的損害は大きいが、安全も必要。

    「海江田経産相の再稼働へのお願いは、総理に報告したのか?」
    海相「事前にはしていない」
    「今や広く有名となった『安全宣言』について、総理は関与していないということか。こんなことは、考えられない」
    海相「報告についての評価をやっている。総理との間で意見交換をしている」
    塩「佐賀県知事にあなたは『総理にはうまくやってくれ、ということで、任されている』とおっしゃった。うまくやるとはどういうことか、総理」
    菅総「ストレステストをパスしてから、原発の運転再開を……〔以下省略〕」
    「質問とは関係のない発言だ。まる投げということがよくわかった。福島の原発はまだ安定していない。54基全部の安全基準の見直しが必要だ。これから仕組みをつくろうというのでは、遅い。国による新しい安全基準を確立することが再開の条件。今後の制度は徹底的に議論しなくてはだめだ」
  • 原子力損害賠償問題。
    今のスキームでいくと、法治国家としての責任が果たせない。

午前中はここまで。午後の視聴は残念ながら断片的。


自民:赤沢亮正(石原の関連質問)

  • 運転再開についての政府的統一見解を示せ、といっているのに、今からルールをつくるという。
  • 津波対策法案が店晒しになっていなければ、今回の被害は遥かに少なかったと思う。
    平野復興相がこの法案について知っていたかどうかの質疑――知らなかった。

    「津波対策法案の存在すら知らなかった平野氏は、災害の専門家でも何でもないじゃないか」
    平野相「想定外の災害だった。法案の成立が遅れたことについては批判があるだろうが、前向きで取り組みたい」
    「9ヶ月前に法案が通っていたら、4ヶ月前に国民規模で津波対策の訓練をやっていたはず。想定外、想定外というが、自公は想定していた。チリ地震・津波で危機意識を覚えた。だから、9ヶ月前に法案を出していたのだ。我々は泣く思いだ。法案の店晒しについて、総理はしらなかったのか」
    菅総「知らなかった。先見性の高い法律ということで、成立したことについては尊重していきたい。学生時代にヒッチハイクして被害の痕を見、チリ地震・津波の凄まじさに驚いた」
    「ようやく20日前に成立した。法案の意味を噛み締めて、有効に活用してほしい。今この瞬間にも津波が来るかもしれないのだから」
    菅総「でも、チリ地震が起きたのは60数年前で」
    「2010年にチリ地震・津波が発生した。去年のことだ。そのときの被害によって、我々は危機意識を持ったのだ」
    菅総「学生の頃にヒッチハイクをして被害の痕を見たのが40年前ということで……」

公明:高木美智代

  • 被災地の人間が陳情にいっても通らない。民主議員も頼りにならないと被災地の人々はいう。
  • 再生可能エネルギーの利用を促進するため、固定価格での買取というが、原子力損害賠償のスキームができない限り、電力会社は固定価格での買取も無理。

 「ニュース7」では、菅首相が原発のストレステストについて話す場面をとり出して最大限に利用していた。ストレステストの重要さとは別の問題が持ち上がっているときのずれた回答であろうとなかろうとお構いなしだ。

 そして、再生可能エネルギーへの菅首相の意欲をつけ加え、あたかも脱原発の救世主のように演出していた。原子力損害賠償のスキーム(計画、企画)ができない限り、電力会社に電力の固定価格買取は無理であるし、このままでいくと結局は電気料金の値上げになって国民負担になるという危惧を野党が示したのだが、それについてもニュースは掠りもしなかった。暴言で辞めた松本元復興相を思い出すと、メディアにどんな圧力がかかっているのだろうと疑ってしまう。

 菅首相のボケを誰か止めてほしい(わが父親ではないが、ボケはとまりにくいのだ)。復興の遅れに留まらず、日本が頭から腐っていく……

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2011年6月17日 (金)

今日の国会中継(参院復興特別委2011.6.17)……「日本は法治国家である」という意識が欠落している菅首相と枝野官房長官

 NHK「ニュース7」で、福島第一原発では、「たまり続ける汚染水を浄化したうえで原子炉を冷やす循環注水冷却を近く始め、今後1か月で原子炉の安定的な冷却を目指す」と報じていた。何しろ11万トン以上たまっているというのだから、厄介なたまり水を減らし、原子炉冷却を安定させるという一石二鳥の働きをしてくれそうなこの汚染水の浄化装置がうまく働くかどうかが事故の終息の鍵を握ることになるのだろう。この浄化装置は、日本、アメリカ、フランスの技術を持ち寄った特注品で、試運転の段階で何度もトラブルが起きているらしい。菅政権のもたもたぶりを見てきた限りでは、日本だけでは心許ないが、アメリカとフランスが見守ってくれているのだから、何とかなりそうな気がしてきた。

 冷温停止は来年1月中旬を目標としているという。

 菅首相が今日の国会答弁で、福島第一原発の処理に関する特別な法律体系を作って、国が廃炉まで責任を持つという法律の整備を検討しているという考えを示した。

 脱原発に関しては、まずは自然エネルギーを育てることが先で、それが軌道に乗るかどうかを見て、うまくいくようなら何年か後に国民の選択があってもいい――と、珍しくまともなことをいっていたので、ひとまず胸を撫で下ろした。

 法治国家日本としては法整備が大事というのは当然の認識のはずだが、野党は菅政権に東日本大震災のすぐあとから、法整備の必要性を口をすっぱくして促してきた。促さなければ、彼らは懇談会だの会議だのを楽しんでばかりいて(としか思えない。そういったことにも税金が使われているはずだが)、いっこうに法整備へと舵を切ろうとはしないのだ。

 今日も、自民党の川口順子氏が切れて、「こんなの、法治国家ではありませんよ!」と菅首相を責めた一場面があった。

 それは、前掲の「ニュース7」でも、「ニュースウォッチでも」採り上げられた汚泥処理に関する一件でのことだった。ここで、過去記事から引用しておきたい。

2011年6月 2日 (木)
内閣不信任案、可決か否決か?
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/06/post-e6c3.html

党首討論での自民党の谷垣総裁は、わかりやすく、なぜ菅総理では駄目なのかを説明した。

日頃、国会中継を観ない向きにはわからないだろうが、菅総理がトップでは瓦礫の処理一つ進まないのだ。

業を煮やした川口順子氏が5月13日の参院予算委で「瓦礫を片付けないと復興はできないんですよ、菅総理」といい、そのための法整備を促してから半月以上が経過してもなお、昨日の党首討論で谷垣総裁が「瓦礫」のことをいっていた。

また「薔薇色の将来像を描くのもいいが、被災地の現実から見れば、やっぱり前払い金、仮払い金でも早く届くことが必要」ともいっていたが、この被災者に前払い金、仮払い金を急いで届けるようにとの提案も、東日本大震災後の国会で何度もなされてきたことだった。

 呆れたことに、今日の国会でもデジャヴ……また同じような場面が繰り返されたのだ。仮払い金、仮設住宅の件は相変わらず進んでいないようだが、川口氏が現在注目を集めている汚泥処理について質問していたので、それについて採り上げておきたい(断片的なメモだが)。

川口氏「放射能によって汚染されている下水汚泥処理の方針がようやく出されたことは評価されるが、もっと早くしてほしかった。1日に2万トン。強いものは10万ベクレルを超えている。範囲は16都道府県にまたがっている。指針は指針として、これからどうなるのか。市町村はこの指針を受けて、どういう対応をとるのか?」

国交大臣「10万ベクレル以上は保管。10万~8,000ベクレルは保管、検討後に埋め立て可能。8,000ベクレル以下は埋め立て可能」

川口氏「今のは前の質問の回答だが、市町村はこれを業者に委託して持っていって貰うのか?」

国交大臣「基本的にそうなる」

- 途中省略 -

川口氏「放射性物質によって汚染された下水汚泥については、廃掃法(廃棄物処理法)が適用されるかどうかわからないということか?」

菅首相「それについては気になっている。現在カバーする法律体系ができていないから、何らかの法律体系を作る必要がある。今検討中だ」

川口氏「新しい法律を作るということか? イエスかノーで」

菅首相「今すぐはできないから、方向性を定める」

川口氏「指針は既に出ている。あとは法律を作るということを考えるしかないが、法律がなくてもどういう場合だと可能なのか?」

枝野官房「原子力災害本部の権限で」

川口氏「法律がなかった場合は、どうやって対応できるのかということを伺っているのだ。法律がなければ、不法投棄を止められないということを総理は認識しているのか?」

菅首相「大規模だから方針を決める」

川口氏「全然わかっていらっしゃらない。方針は出ている。市町村に通達されようとしている。作業は始まろうとしている。実害が起こってからでは遅いのですよ。誰かが法律に基づいてチェックをする必要があるのに、法律を作ろうとしない。こんなの、法治国家ではありませんよ!」

枝野官房「法律があったほうが望ましいが、行政指導でできる」

川口氏「埋め立て場所が見つからない。引き取り手がない。自治体の悲鳴が出てきている。総理は不法投棄の場を見に行ったことがおありか? 一刻も早く法律を作ってほしい」

菅首相「法律の不備がある場合は、行政指導でやるしかない。法律が必要でないとはいっていない」

川口氏「1日も早く、これに関する法律を作るのがリーダーシップだ。これでは都道府県は浮かばれない。法律を必ず作りますとおっしゃってください」

菅首相「法律案は作るから、国会の審議で通るように協力してほしい」

川口氏「同じ瓦礫の処理も伺おうと思ったが、時間がない。これも、国が全面に出なくてはいけないと思う。リーダーシップで、棄てるところを探すよう命じてほしい。命じられたら、彼らは一生懸命探しますよ」

 視聴していて、脳味噌が腐りそうになった。復興が進まないのは、菅政権が必要な法律案を作らないからなのだ。同じ自民党の愛知治郎氏は、「野党に転落して我々もしっかり反省すべきところは反省しなくてはならないと思う。だが、国会議員に一番できるふさわしいことは対策案を練ることで協力することで、これまで800を超える対策を提言してきた」といった。

 何だか、文学賞に作品を出せども出せども棄てられるだけのわたしみたいな話だった。野党とは哀しいものだ。実務に長けていればいるほど……。 

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2011年6月15日 (水)

村上春樹:カタルーニャ国際賞授賞式スピーチにおける論理のすり替え

 ググれば、いくらでもスピーチの全文が出てくるので、気になった箇所を引用するにとどめたい。

“日本語には無常(mujo)という言葉があります。いつまでも続く状態=常なる状態はひとつとしてない、ということです。この世に生まれたあらゆるものはやがて消滅し、すべてはとどまることなく変移し続ける。永遠の安定とか、依(よ)って頼るべき不変不滅のものなどどこにもない。これは仏教から来ている世界観ですが、この「無常」という考え方は、宗教とは少し違った脈絡で、日本人の精神性に強く焼き付けられ、民族的メンタリティーとして、古代からほとんど変わることなく引き継がれてきました。

「すべてはただ過ぎ去っていく」という視点は、いわばあきらめの世界観です。人が自然の流れに逆らっても所詮は無駄だ、という考え方です。しかし日本人はそのようなあきらめの中に、むしろ積極的に美のあり方を見出(みいだ)してきました。”

 何だって、原発を話題にしたスピーチに、仏教用語が出てくるのか。民族的メンタリティーなどを考察するタイプでない村上春樹のこれまでの傾向からすると、震災の惨状をテレビで見て定めし、『平家物語』の「諸行無常の響きあり」なんかを連想したのだろうが。

 真の仏教徒であれば、自然災害が襲ってきても、ああそれは無常だから、と深いところで理解するのだろう。しかし、仏教とあまり関わりなく生きている一般的な日本人は、絶望感な動揺から「この世は無常だ」などと仏教用語を借りて思うかもしれないが、それは概ね、そのときだけのことで、これは仏教とは無関係な心情表現にすぎない。

 村上春樹は、あちこちの権威ある書物から言葉や文章をとってきてアクセサリーにする癖があるが、ここでもそうだ。仏教における無常とは科学的な洞察による「変化しない実体はない」という認識で、「あきらめ」などとはおよそ無縁の、解脱を志向するための土台となるものだ。そもそも作品でカーマ(欲望)をそそる文章を垂れ流しておきながら、仏教用語をとってくるなど、寂聴とよい勝負だ。

“ご存じのように、我々日本人は歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民です。1945年8月、広島と長崎という二つの都市に、米軍の爆撃機によって原子爆弾が投下され、合わせて20万を超す人命が失われました。死者のほとんどが非武装の一般市民でした。しかしここでは、その是非を問うことはしません。”

 なぜ問わない? アメリカによる2度の原爆投下は、明らかに国際法違反ではないか。日本の知識人がそれを問わなくて、誰が問うのだ?

“広島にある原爆死没者慰霊碑にはこのような言葉が刻まれています。

 「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませんから」

 素晴らしい言葉です。我々は被害者であると同時に、加害者でもある。そこにはそういう意味がこめられています。核という圧倒的な力の前では、我々は誰しも被害者であり、また加害者でもあるのです。その力の脅威にさらされているという点においては、我々はすべて被害者でありますし、その力を引き出したという点においては、またその力の行使を防げなかったという点においては、我々はすべて加害者でもあります。”

  慰霊碑の言葉は、原水爆反対運動を連想させる。戦争にならなくて済むように頑張るということも意味するのだろう。しかし、戦争に至った経緯は決して単純ではない。戦争を早く終わらせるために原爆を投下したなどというアメリカの詭弁をまさか真に受けているわけではあるまいが、村上春樹の言葉は無知な自虐史観にすぎないと思わせる。物書きであるならば、歴史を透視し、戦争の舞台裏を見抜いたらどうだ? 

 物事を単純化しないと理解できないかのような村上春樹は、核兵器と原発を一緒くたにする。しかも、今初めて原発の存在に気づいたかのように。いい年して。これまで行われてきた原水爆反対運動も、原発反対運動も、何も知らなかったというのだろうか? 堀江邦夫の『原発ジプシー』も読んだことがなかったのか?

 安全神話を鵜呑みにして原発を信頼してきた……というより、自分のメリット以外、何も考えてこなかった連中が、今度はラディカルな脱原発運動に走り、自然エネルギー幻想を鵜呑みにする。原発がここまできたのだって、原発神話を鵜呑みにする連中が多勢を占めていたからではないか。

“何故そんなことになったのか? 戦後長いあいだ我々が抱き続けてきた核に対する拒否感は、いったいどこに消えてしまったのでしょう? 我々が一貫して求めていた平和で豊かな社会は、何によって損なわれ、歪められてしまったのでしょう?

 理由は簡単です。「効率」です。

 原子炉は効率が良い発電システムであると、電力会社は主張します。つまり利益が上がるシステムであるわけです。また日本政府は、とくにオイルショック以降、原油供給の安定性に疑問を持ち、原子力発電を国策として推し進めるようになりました。電力会社は膨大な金を宣伝費としてばらまき、メディアを買収し、原子力発電はどこまでも安全だという幻想を国民に植え付けてきました。”

 電力会社の謳い文句をそのまま信じていた人間がいたとは、信じられない。嘘とわかっていながら、資源に乏しい日本は原発に頼るしかなかった現実があったのではなかったか? 日本が小エネルギー国であるということは、ABC包囲網(説明が面倒なので、知らなければググってほしい)が敷かれた昔も今も幻想ではなく現実の話だ。

“原子力発電を推進する人々の主張した「現実を見なさい」という現実とは、実は現実でもなんでもなく、ただの表面的な「便宜」に過ぎなかった。それを彼らは「現実」という言葉に置き換え、論理をすり替えていたのです。”

 ‘実は現実でもなんでもなく’との根拠を示せ。原油供給が安定しているという根拠を。中東情勢が危険な頃ですら、タンカーの乗組員だった父が中東に行っていたのは何のためだ? 下手をすれば、まる2年帰宅できず、母が亡くなったときも太平洋にいた父は帰宅できずに、のちにそのことは家族の絆に影響することとなった。隔離されたような海上生活のため、発狂する人もいると父はまともな頃にいっていた。一般人は、ガソリンや灯油の値段に一喜一憂していれば済むだろうが、原発で無名の働き手が大変な思いをしているように、石油獲得のためにも大勢の無名の働き手が大変な思いをしてきたのだ。

 先進国が原発推進している間は、少なくとも、化石燃料の奪い合いから第三次世界大戦が惹き起こされることは避けられるかもしれないと考えていたが、先進国の間に脱原発の動きが拡がって行くと、皮肉なことに、その危険度は高くなるのではないだろうか。

 その不安を裏づけるような発言が、14日の国会中継で、たちあがれ日本・新党改革の藤井孝男氏からあった。「脱原発はいいが、日本は小エネルギー国。何となく、油も天然ガスも入ってくるようなムードは危険だ。今はアラブの春といわれる大変革で、安定的なのはカタールくらい。自然エネルギー、脱原発をどうするという話もいいが、その過程ではどうなるのか。イタリアもドイツも脱原発、代替は現実的にみて結局、天然エネルギーの奪い合いになる」

 松本外務大臣がそれについて答弁を求められ、「中東問題は死活問題と認識しています」といっていた。

 また藤井氏は、「アフターケアなしに浜岡原発をとめた菅首相はあまりにも無責任だ。根拠は確率だけではないか」と疑問を呈していた。

 浜岡原発の代替は天然ガスで、輸入先はカタールだそうだ。「止めるなら止めるで、首相がカタール政府に安定供給をお願いするくらいのことをするのがリーダーシップだ」という藤井氏の主張は正しいと思う。

 脱原発が必要であればなおのこと、計画的に、慎重に進めなくてはならないはずだ。国会中継の答弁からも、そう思わされる。脱原発を進めるということは、一層の外交手腕が要求されることでもあるが、民主政権になってからその点での稚拙さが目につき、気が気でない。

 国会中継後、夜の番組「クローズアップ現代」の「原発に対処せよ! 日米舞台裏」で、菅政権の原発事故に対する初期対応のまずさを、日米関係から検証していた。原発事故を知ったアメリカが翌日には具体案を示して働きかけたのに対して、日本は3月16日のヘリ降水まで、躊躇ばかりしていたという。

 番組でのルース大使の緊迫した表情に対して、菅、枝野、福山といった日本政府の顔が脳天気に見えて仕方がなかった。大人と子供くらいの差を感じた。アメリカには批判的な気持ちのほうが強かったが、この原発事故でむしろ逆になった。これがいい傾向だとも思わないが、これまで知らなかった舞台裏を垣間見てそうなってしまった。

 いっそ何もかもアメリカにお任せしてしまえばよかったのだ。そうすれば、ここまでの事態にはならなかったのではないかと思えてならない。12日から16日までのブランクが本当に惜しい。

 “日本で、このカタルーニャで、あなた方や私たちが等しく「非現実的な夢想家」になることができたら、そのような国境や文化を超えて開かれた「精神のコミュニティー」を形作ることができたら、どんなに素敵だろうと思います。それこそがこの近年、様々な深刻な災害や、悲惨きわまりないテロルを通過してきた我々の、再生への出発点になるのではないかと、僕は考えます。我々は夢を見ることを恐れてはなりません。そして我々の足取りを、「効率」や「便宜」という名前を持つ災厄の犬たちに追いつかせてはなりません。我々は力強い足取りで前に進んでいく「非現実的な夢想家」でなくてはならないのです。人はいつか死んで、消えていきます。しかしhumanityは残ります。それはいつまでも受け継がれていくものです。我々はまず、その力を信じるものでなくてはなりません。”

 悲惨きわまりないテロルを通過してきた我々? そのテロは、元はといえば中東に対する石油狙いから出てきたものだ。それにぬくぬく便乗してきたのは、わが日本、わたしたちではないか。

 そもそも、自国が戦争をするつもりがないというだけで、平和が守られ、その上、小エネルギー国でありながらリスクもなしに豊かでいられるなどと、大の大人がどの頭で考えるのだろうか? ――村上春樹の頭でだ。

 日本がこれまで何とか平和でいられたのは、アメリカの核の傘に入っていたからだ。村上春樹はそこでぬくぬくと作家稼業を享受し、アメリカの書店ボーダーズにぽろ儲けさせて貰ったのではないか?

 わたしは原発は怖いが、極貧も戦争も怖い。だから、計画的に、慎重に、庶民に負担の少ないやりかたで脱原発を進めてほしいと願うばかりだ。

 大衆は物事を単純化したがるが、作家は決してそうであってはならないはずだ。日本を代表する知識人としてスピーチするのであれば、なおさら。

“原子炉は効率が良い発電システムであると、電力会社は主張します。つまり利益が上がるシステムであるわけです。”

 「村上春樹の作品は効率が良い出版システムであると、大手出版社は主張します。つまり利益が上がるシステムであるわけです」といい換えることができそう。この方面での汚染は既に海外にまで拡がっている。過剰な宣伝と出版部数。大手出版社が儲けに走らなければ、村上春樹がこれほどまでに膨れ上がった存在になることもなかっただろう。

参照:文学界にかんする考察
    http://blog.livedoor.jp/du105miel-vivre/

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2011年6月10日 (金)

気になる『ケサラン・パサラン』第5回、欄外のコメント

 『テレプシコーラ』の再開が待たれる山岸凉子先生だが、現在連載中の『ケサラン・パサラン』の欄外に気になる政治コメントがあった。

 『パエトーン』[無料配信中⇒http://www.usio.co.jp/html/paetone/index.htmlなどで、原発の怖ろしさ、問題点を真摯に追及してきた山岸先生であるから、脱原発の必要性を訴えられるのは当然だろうが、ただ、そのことと菅政権支持とは別問題であると思う。

“浜岡原発停止は英断です! 菅首相”

 うーん、わたしは山岸先生の大ファンだし、計画的脱原発は必要だと考えている一人だが、一緒にエールを送る気にはなれない。

 以下は、国会中継を観たあとにわたしが書いた記事からの抜粋。

2011年5月13日 (金)
本日の国会中継(参院予算委):自民篇
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/05/post-0fb4.html

 麻生政権はIAEAの勧告を受けて福島第一原発1号機のメンテナンス費用を21年度予算に盛り込んだ。しかし、民主政権に変わって、このメンテナンス費用は事業仕分けで削減され、菅内閣はIAEAの勧告を無視してメンテナンスしないまま、今年2月に使用延長の承認をした。衛藤氏はこのことにも触れていた。

 また、浜岡原発の停止について、菅総理の判断が正しいかどうかはわからないが、そのやりかたには問題があると指摘していた。

 川口順子氏は、内閣は法律に基づいて仕事を行うものなのに、「法律に基づかないで、いろんなことをやられる菅総理」と指摘。

 上に抜粋したことからもわかるように、菅政権がIAEAの勧告を無視して福島第一原発1号機のメンテナンスをせずに使用延長の承認をしたことと浜岡原発の停止命令とは、表裏一体の言行なのだ。

 何より、川口氏がいったような「法律に基づかないで、いろんなことをやられる菅総理」の問題は、民主主義の根幹に関わる重大問題だ。

 菅首相には政治家としての基本的認識が欠如している、そのことが問題なのだ。菅首相自身が、いつ暴走するかわからない原発をシンボライズしているようにすらわたしには想える。

 かつて新自由主義政策を突貫工事で推し進めた自民党の小泉元首相が、菅首相と似た独断的政治を行った。どんな政党であろうと、こうした独裁者が出てきたのでは、おかしくなってしまう。明日が予測不可能なものとなって、国は方向性を見失う。

 それにしても、今回の原発事故で、原発が悪魔の産物とさえ思えてきて、そんな側面があることは否定できない事実だが、しかし一方では、産業革命以降、エネルギー源として化石燃料が重視され、戦争の原因ともなってきたため、先進国が勇み足で原発推進に傾いたことは、愚かながら歴史の流れだったとも思える。

 炭鉱労働者の悲劇はよく知られているところだ。イラン・イラク戦争以前から中東情勢は不安定で、タンカーの乗り組み員だった父はそれこそ命がけで石油をとりに行っていた時期があった(それでなくとも航海には大きな危険がつきまとう)。今後、原発に依存できないとなると、中東情勢がますます気にかかるようになるだろう。このところ一気に注目を集め、わたしを含め多くの人々に薔薇色の夢を描かせている太陽光発電だが、この分野はまだこれからで、いずれにしてもエネルギー問題には慎重さと計画性が要求されるところだ。

 コメントが気になったので、こんなワタクシ的記事を書いてしまったが、上にリンクさせていただいた『パエトーン』という作品では、原発の問題点がよく整理されているので、おすすめ。


当ブログにおける関連記事

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2011年5月13日 (金)

本日の国会中継(参院予算委):自民篇

 自民篇としたのは、その後不覚にも寝てしまったから。

 興味深かったのは、山本順三氏の関連質問に立った衛藤晟一氏が、福島第一原発事故のどこまでが天災で、どこまでが人災であったかを追及していたこと。

 原子力委員会専門委員の青山繁晴氏が参考人として呼ばれていた。彼によると、現場を見た限りでは天災というべきものではなく、判断ミス、操作ミスによる人災と考えるべきとのことだった。

 福島第一原発は地震とあの破壊的な津波とに、よく耐えたと思われるそうだ。ただ、政府側の参考人として呼ばれた東電の清水社長は、電源系統は津波で失われたと反論していた。

 そして清水社長は、地震、津波が襲い、停電して真っ暗な、高い線量の中で作業をしなければならなかった困難さを訴えた。

 衛藤氏は、そうした事情はいいわけにしか聴こえず、安全管理の基本がなっていない、しかもその人災のもとを総理がつくったと指摘した。

 非常時に総理が現場に行くというナンセンス、非常識。総理は邪魔しに行っただけだという。

 青山参考人は聴き取り調査によりそれを裏付け、現場ではベント作業に加えて「首相を迎える準備が必要だったことは間違いない」と証言。

 麻生政権はIAEAの勧告を受けて福島第一原発1号機のメンテナンス費用を21年度予算に盛り込んだ。しかし、民主政権に変わって、このメンテナンス費用は事業仕分けで削減され、菅内閣はIAEAの勧告を無視してメンテナンスしないまま、今年2月に使用延長の承認をした。衛藤氏はこのことにも触れていた。

 また、浜岡原発の停止について、菅総理の判断が正しいかどうかはわからないが、そのやりかたには問題があると指摘していた。

 川口順子氏は、内閣は法律に基づいて仕事を行うものなのに、「法律に基づかないでいろんなことをやられる菅総理」と指摘。

 菅総理が法律に基づかない命令を出して瓦礫の処理を禁じているために、困った事態が生じているという。「瓦礫を片付けないと、復興はできないんですよ、菅総理」と川口氏。法律がない場合は法律をつくらなくてはならない(法律案が国会で審議され、衆・参院を通過すれば、成立)。法律をつくって瓦礫の処理を早く行うようにと川口氏は促していた。また原発事故による大気、地下水などの環境汚染管理も採り上げていた。

 そして、世界を飛び回らなければならない環境大臣と日本にいなければならない防災大臣を兼任させるという、大臣の役割に関する菅総理の認識ミスを鋭く指摘していた。

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