日記から拾った過去の健康に関する記録②1995年1月~3月
再び頻脈の治療を受けるようになった当時の記録が日記にありました。本来のわたしの心臓が病的に小さいことをご存知なのは、このときのC先生だけです。現在、C先生は福岡市の早良区で開業なさっています。
わたしの心臓は頻脈の負担に耐え切れず、心不全の症状があらわれていたのですが、インデラルの服用で改善されたのでした。C先生との出会いがなければ、今頃この世にいなかったかもしれませんね。
気になる脈の乱れがおありのかたは、一日中の心電図が全て記録されるホルター心電図をつけて貰ったらいいかもしれません。
平成7(1995)年1月21日
昨年晩秋より市立病院にかかり、インデラルをのんでいる。社会保険病院でテノーミンをのんでいたことを告げると、「あれはねえ、確かに脈拍数は落ちるけど……よくない」とのこと。W医院で高血圧治療のためにカルシウム拮抗剤のバイロテンシンをのんでいたことを告げると、「カルシウム拮抗剤の中で、あなたの症状に使えるのは1種類しかありません」バイロテンシンはわたしにはよくないそうだ。
インデラルはベータ・ブロッカーの中では一番古くからある薬で、副作用の点では最も信頼のおける薬だそうだが、それでも「副作用は数えきれないほどあります。糖尿病とかね。心不全になることがあるので、検査が必要です」とのことだ。
新患で受診した際、頻脈は120くらいだったが、一時的なものとしてあしらわれようとした。主婦のアンニュイととられても仕方がないと予想はしていたが、とにかくくるしい状態がずっと続いていて、がまんできそうになかったので、主婦のアンニュイでないことをわかってもらうしかなかった。そのためにはホルター心電図をつけてもらえばいいのだが、わたしの側からは言いにくい。いちかばちかで、理系の先生の関心を文系のわたしに向けることができれば、とかけに出た。職業をきかれた時、機会は訪れた。
「主婦ですが、作家志望で小説を書いています。真剣に書いていますので、脈が速いために体力の失われるのが、くやしいです」と言った。すると、C先生の表情が一変し、何かうっとりとなった。かけは成功し、「検査と、それから、友人に不整脈の専門家がいますから、相談してみましょう」と先生。そのあと、心臓の検査(心エコー、心レントゲン、ホルター心電図)を受けることができ、脳から出ているホルモン量を調べて原因を探ってもらえた。
原因はわからなかったが、ホルターの解析を見ながら、「あなたの言っていた通りだ。普通の人がしょっちゅう走り回っているような心電図ですね。うーん、これは治療が必要だ。うちで手におえないようであれば、不整脈専門病院へ紹介しますが、とりあえず、インデラルで抑えることをやってみましょう。血圧も寒くなって高くなってきているので、丁度そちらの方のコントロールもできていいでしょう」と先生。
平成7(1995)年3月10日 37歳
クスリをのみ始めて、3ヵ月。昨日の受診時に胸部のレントゲン写真を撮ったが、心臓がクスリの影響で大きくなるどころか、逆に小さくなったという。わたしは心臓が縮んでしまったのだろうか、とびっくりしたが(先生も息を呑まれた様子)、今の方が心臓の状態としてはいいそうだ。つまりクスリの服用で心臓の負担が軽くなり、それまで腫れていたのが正常化したということらしい。わたしの心臓のサイズが普通からすると比率的に病的に小さいために、腫れていたのがわからなかったのだ。これで、これまで苦しくても、わかってもらえなかったわけが、ようやくわかった。
心臓の状態がよくなった(らしい)のは嬉しいが、ここ数日は体がだるく、家事をする以外は眉根を寄せて横になってばかりいる。多少の副作用はがまんしなければ。
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