久しぶりの電子ピアノごっこ(両手奏への手がかり)。ロスチャイルド夫人かその娘のために作曲された、ショパンのワルツ19番イ短調遺作。
今年も残すところあとわずか。ご無沙汰しがちな当ブログとなっていますが、皆様、お元気でしょうか。要領が悪いのか、わたしは家事に追われる日々でした。来年は萬媛をテーマとした歴史エッセーに集中したいと考えています。一体、何年かかるのやら。
電子ピアノは時々思い出したように弾いています。昔とは違って、弾きたいときに弾くというスタイルになりました。
わたしはソナチネとバッハインベンションをやっています。終えるまでに、これも一体、何年かかるのやら。
相変わらず、課題に入る前のウォーミングアップとして、ソナチネ1巻1番の1. Allegro、バッハインベンション1番を。練習の終わりには『オトナの簡単ピアノ がんばらずに弾ける初心者のクラシック』(シンコーミュージック、2021)からバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」とパッヘルベル「カノン」を弾きます。
夫は一昨日、久しぶりに電子ピアノに触りました。このところわたしが毎日のように練習していたので、夫も弾きたくなってきたようでした。そもそも、電子ピアノは夫のものなのですが……。
立て続けに夫は親友と父親を亡くし、その後、妹夫婦との問題も起きたりして、問題が片付いてからもゲームと動画鑑賞、ベランダ園芸くらいしかやる気が起きないようだったので、わたしは干渉しませんでした。
一昨日の朝、夫が夜間勤務を終えて帰宅したとき、わたしは慌てて楽譜を片付けようとしていました。娘を職場に送り出した後、そのまま何となく音楽の話題になりました。何だか雰囲気的によい感じだったので、「弾く?」というと、夫は電子ピアノの椅子の位置を自分に合わせて直しました。
おお、これはスタンバイオーケーという意味ではありませんか。
丹内真弓「ピアノの教科書」(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス、2019)の74頁に、わたしの書き込んだ日付があります。
「ずいぶんやっていなかったから、最初からだよ」と夫。「大丈夫よ。74頁までしっかりやったんだから、次にいきましょう」
次の課題はグルーバー「きよしこの夜」です。「左手だけ弾きましょう」とあります。これが練習曲5で、6はベートーヴェン「よろこびのうた」です。徐々に両手奏に慣れていけるようなテキストの構成となっています。
2頁にわたる「きよしこの夜」を半分練習しました。夫が左手でコード(和音)を、右手のメロディーはわたしが弾きました。驚いたことに、夫はかなり上手に弾きました。長く弾かなかったわりには、それまでにやったことが身についているようです。和音を弾くのが楽しいようで、音の微妙な重なり具合を味わっている様子でした。
わたしの弾くメロディーが加わると、さらに新鮮な感動を覚えたようでした。両手奏への興味が芽生えたのは確かで、この練習が両手奏への手かがりとなってくれることでしょう。以上、久しぶりの電子ピアノごっこでしたが、充実した時間でした(わたしのようななんちゃって先生で、夫には申し訳ないと思っています)。
ところで、わたしは6月6日の過去記事で、次のようなことを書きました。
今年の暮れまでには『ショパン ワルツ集』のうちの一番易しい曲をマスターするつもりで楽譜買ったのに……弾けるときに弾けばいいか。
楽譜を購入してから全体をざっと見て、これはわたしには早すぎると思い、手をつけていませんでした。それが、最近になって、どうしてもショパンを弾いてみたくなり、ワルツ集に収録されている全曲の難易度を調べてみたのでした。
ショパンはあまり好きではなかったのに、65歳になって気ままな練習を再開してからショパニズムの美しさに目覚めたとでもいいましょうか。
で、実は今、ショパンの曲の中でも弾くのが一番易しいといわれるワルツ19番イ短調遺作を練習しているところです。ブルグミュラーを弾ける程度の実力で弾けるのだとか。ブルグミュラーを終了したのはずいぶん昔ですが、「ブルグミュラーは初級~初中級、ソナチネアルバムは初中級~中級くらいのレベル」(ピアノサプリ)とググると出てきました。
わたしは今、昔練習したソナチネを復習しているところなので、ワルツ19番イ短調遺作にチャレンジしても問題ないと思われました。
わたしの楽譜(全音楽譜出版社)ではイ短調遺作は19番となっていますが、ヘンレ版などでは17番となっているようです。まず、動画を探して、聴いてみました。
「ショパン/ワルツ第19番 イ短調(遺作)CT224/演奏:ブルーノ・リグット」『PTNA』URL: https://youtu.be/cTvRCvdC3NE?si=rUwuK8LHaAmtmS_r
うわっ、何て美しい……まぎれもないショパンの薫りがしますね。
わたしは決して、このように弾けるようにはならないと断言できます。でも、弾いてみたい気持ちは膨らんで膨らんで、ぱちんと弾けんばかり。
楽譜を見ると、調号(#や♭)がない調です。なるほど、これは弾きやすそうだと感じさせます。弾いてみると、憂いを帯びた暗い感じで、メロディーの最後の音がラですから、イ短調です(明るい感じで、最後の音がドのときはハ長調)。タイトルにイ短調とありますね。
遺作というのは、生前に公表されなかったという意味です。若いとき――17歳のときの作品ともいわれます――の作品で、ロスチャイルド家の夫人か娘さんのために作曲された……ロスチャイルドって、あの、ディープステートとかカバールとかいわれるユダヤ財閥ロスチャイルド家の?
最近書いてきた自分の記事でたびたびロスチャイルド家の人々に触れてきたことを思い出し、ちょっとぼんやりしてしまいました。
練習し始めて、すぐに難問にぶつかりました。ショパンの装飾音についての疑問でした。前打音(小さいサイズの音符で表す)がちょくちょく出てくるのです。前打音を拍より前に出すのか、拍頭から弾き始めるのか? ショパンはロマン派だから……ええっと。
結論からいうと、バッハに薫染したショパンの前打音は原則、拍頭から弾き始めることが多いが、ケースバイケースだとか。わたしが今取り組んでいるワルツ19番イ短調遺作の場合も……。
以下に、参考にしたプロの先生方の動画を紹介します。このことを調べる過程で、わたしはショパンのバッハ好きを恥ずかしながら知ったのでした。ショパンはバッハが大好きで、練習するときには必ずバッハを弾いたそうです。
「【実は違った!?】ショパンの装飾音の弾き方について 【ピアノレッスン】」『SHUMPEI PIANO CHANNEL』。URL: https://youtu.be/SWZU7RcQe-U?si=3C6PPMEG59gMMKu9
「【ショパンのトリルの弾き方】ショパン本人はどうトリルを弾いていたのかを考えましょう♫ パデレフスキ版の使い方も紹介します」『ゆき先生のピアノレッスン』。URL: https://youtu.be/RVUjHGFC1Gw?si=HA3NJ_eSkl7O4RGD
「[ピアノ初中級〜中上級]ショパンのワルツ入門〜前編〜」『ゆき先生のピアノレッスン』。URL: https://youtu.be/dHg0EORksH0?si=W3bLYxGpBZ3bhx3R
「[ショパンのワルツ入門・後編]ワルツ イ短調(遺作)の練習方法を解説します♪」『ゆき先生のピアノレッスン』。URL: https://youtu.be/ckPrdhI_nLM?si=oTA-3-BqG3IPK11g
「ワルツ第19番イ短調遺作/プロの表現・弾き方のコツ・練習法を解説/初心者でもできる!/ピアノ」『PiaDOOR ピアドア』。URL:https://youtu.be/lbofGik57po?si=ByUI1nQj4o5cn7Yu
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