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2023年12月31日 (日)

ご近所さんからいただいた南天

南天は「難転」に通じて難を転ずる、あるいは「成天」に通じて願いを成就する――とされ、縁起のよい木または厄除けの木として江戸時代からお正月には欠かせません……と知ってはいましたが、実はわたしは南天をお正月用に飾るのは初めてです。

昨夕、チャイムの音。「Wです。ちょっと、来て!」という切羽詰まったような声に慌てて出ると、両手に南天を抱えた乙女……に美しい笑顔が見えたWさん。

ここに来たときは、中年期の南田洋子にそっくりだったWさん。似ているというと、そういわれるとのことでした。現在ではしっかり高齢者のWさんですが、今も南田洋子風の容貌の活動的なご婦人。

親切な人で、同じ階に病人や困った人を見つけると、すぐに手を差し伸べられます。ちょっとぶっきら棒に……そこがまたいいのです。このマンションでずっと暮らしたいという思いには、彼女がいるから、ということもあります。

静かな、感じのよい住人が多い大きなマンションです。この雰囲気を保つために、これからはわたしも努力しなければと思います。

ここから近いうちに出ることになるのだろうかと思うと、身が引き裂かれる思いでした。オーナーとは色々あったけれど、売っていただけてありがたかった。今年中に何とか片付きました。

オーナーはあちこちにお持ちの物件を次々と処分なさっているのだとか。高齢で、マンション経営が億劫になったのかもしれません。

同じオーナーからマンションを借りている人々は、出て行くか買うかの選択を迫られているのでしょう。

Wさんはドライブがお好きで、時々「遊ぼうよ」と誘われます。「下手な小説を書いているから、だめ」と断ると、「儲かる?」と彼女。「4万弱かな」というと、「凄い、月に?」と訊かれ、「5年間で。素人なんて、儲けてもこんなものです。それでも、やめられない、とまらない」と答えて、2人で大笑い。

やめられないのは、目的が金儲けではないからでしょうね。やめたらそれまで、という言葉が文芸部仲間のMくんの年賀状に綴られていたことがありました。

基本的に文学作品の執筆は職人仕事だと思うのです。やめれば、自分なりにコツコツと身につけてきた職人技が失われます。その技には伝統的な技法が息づいていることを考えるとき、簡単にやめることはできないのです。「お前じゃない」といわれようと、「お前にいわれたくない」と返すだけ。

Nanten1

とりあえず、玄関に置いてみました。大きな花瓶が小さく見えます。椅子の向こうにチラッと見えているのは、避難用バッグ。

Nanten3

床の間に置いてみました。贅沢なまでの南天の枝。上から撮ったので、葉が床の間に触れているように見えますが、わずかに反り返っているので、触れてはいません。大昔、花嫁修業に池坊習っただけのわたしには、どう手をつけていいのかわかりません。最小限の手を加えるだけにしました。

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