1オクターブの練習。マイラ・ヘス編「主よ、人の望みの喜びよ」を眺める。共感覚から連想したブラヴァツキー夫人の記述。
早いもので、電子ピアノが我が家にやってきてから37日経ちました。
娘から「よくそんなにピアノ漬けで、飽きないねえ」といわれました。娘はクラシック音楽を聴くことは大好きでも、ピアノをやろうとは思わないそうです。
今からピアノをするくらいなら、イタリア語をするそうです。娘には総合病院から脳神経外科への転職やコロナなどあって、かつてのイタリア語教室の仲間との連絡は途切れ、むしろ書店時代の仲間との関係が復活したようではあります。
わたしはそれほどピアノをしているつもりはありませんが、そういわれてみれば深夜、弾いていて、うっかり朝になってしまうこともしばしば。日中睡眠時間がとれないと、睡眠不足になることもあります。ほどほどにしないといけませんね(新作能はどうした?)
夫は最初の興奮と興味が沈静化したのか、マイペースです。第一にゲーム、第二に3D、第三にピアノだとか。でも、それは防衛本能から来るポーズでもあるようです。
というのも、一緒に電子ピアノに向かっているとわかりますが、夫は新しい課題に対して、物凄く緊張するのです。わたしもそうなので、それが普通かもしれませんが、覚えることが沢山あって、再チャレンジのわたし以上に本当に大変なようです。
今日夫は「1オクターブの練習」「練習曲2《得賞歌/作曲: ヘンデル》」に進みました。ただ、1オクターブの練習以前に、拍子が不安定という問題を解決する必要がありそうでした。
電子ピアノでメトロノーム設定ができるようになっていますが、『ピアノの教科書』のこの課題までは音符に「1と2と3と4と」という風に振ってあるので、声に出して拍子をとってみるように勧めました。
夫がいうには、声に出すと、そちらに気がとられてしまって弾けなくなるそうです。
わたしは足で拍子をとっていました。この癖がつくと、ペダルを踏むときに支障が出る場合があるそうです。わたしはうまく拍子をとれない箇所に慣れるまでそうするだけなので、それほど問題ではないと思っていますが、どうでしょう。
いずれにしても、「手と足を同時に動かすのは無理」と夫。やはり声に出して拍子をとる癖をつけたほうがいいのでしょうか。今のところ、一緒に声を出して拍子をとり始めても、途中で夫の声は聴こえなくなります。付点がついた音符は特に難しく感じるようです。そのうち慣れるでしょう、きっと。
「1オクターブの練習」では、ハイ・フィンガー奏法にトラウマがあり、ソナチネまでしかやっていない、なんちゃってピアノの先生(先輩)のわたしには途方に暮れる課題でした。
電子ピアノの鍵盤が軽いせいか、昔よりはオクターブに手がよく届いている気にさせられるのですが、コツを教えるまでにはいきません。わたしのほうが教えてほしいくらいです。そこで、動画検索。おお、すばらしい先生がいらっしゃいました。「SHUMPEI PIANO CHANNEL」のSHUMPEI先生です。
SHUMPEI PIANO CHANNEL
https://www.youtube.com/@SHUMPEIPIANOCHANNEL/featured
手の開き方、オクターヴの練習法をプロが解説!!【ピアノレッスン】
https://youtu.be/MsrrtqR55Is
この動画でわたしたち夫婦は手の開き方のコツを学び、1オクターブに手が届きやすくなりました。
以下のようなありがたい動画もアップされています。
夫が次に進む予定のメトードローズをわたしは――電子ピアノに向かえる日は――2頁ずつ進んでいます。もう少しで終われそうですが、短期間に終えられると甘く見ていたら、予想外に手子摺りました。
昔好きだったメトードローズ。今弾いてみると、なかなか濃い内容です。この教則本をしっかり学べば、バイエルの上巻は必要ないように思いました。夫にはトンプソン、いいかもしれません。昔はなかった教則本です。
メトードローズに関しても、YouTubeでよい先生が見つかりました。ムジカ・アレグロ先生です。
Musica Allegro ムジカ・アレグロ
https://www.youtube.com/@Musica_Allegro
- 【題名付き曲】メトードローズ教則本(ピアノの一年生)
https://www.youtube.com/watch?v=5_wD8bzapv8&list=PLmYMy-afTFJ__VHYe_VMnmGbgA-J-fzLG&index=1&t=0s
わたしはできればかつて学んだブルグミュラー、ツェルニー、ソナチネ、バッハインベンションまで――順番はこれでいいかどうかわかりませんが――駆け足で終えたいと思っていました(バイエル、ハノンはいいでしょう、年だもの)。
ですが、メトードローズですら難しいと感じるくらいですから、そう簡単ではないようです。
それでも、少しは弾いていたときの感覚が戻ってきた気がしますし、トラウマになっていたハイ・フィンガー奏法にも利点があることに気づきました。
『オトナの簡単ピアノ がんばらずに弾ける初心者のクラシック』(シンコーミュージック スコア編集部、2021)の中に大好きなバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」が入っていたので、真っ先に弾き始めたことは過去記事で書きました。ハイ・フィンガー奏法で1音1音、明確に弾くやり方は、バッハで生かせそうな気がします。
これが仕上がってきたとなると、マイラ・ヘスがバッハのカンタータから編曲した「主よ、人の望みの喜びよ」の楽譜を取り寄せてみたくなりました。ヘスの楽譜は全音から出ています。全音ピアノピース一覧表で、ヘス編のこの曲は難易度A~Fのうち、E(上級)ではありませんか。
それをろくに調べずに、Amazonで注文してしまったのでした。でも、どのみち楽譜は購入したでしょう。生きているうちに上級になんて到達できるわけがないですし、弾けようと弾けまいと、どんな楽譜か見てみたかったのです。
ところが、全音「ピアノピースー278 主よ,人の望みの喜びよ/バッハ」の楽譜はYouTube動画で見ることができます。このことも、あとで知りました。
zen-on piano solo PP-278 バッハ:主よ,人の望みの喜びよ 全音楽譜出版社
この動画を鑑賞する程度にとどめておくべきだったかもしれません。
曲自体は全部で4頁です。右手だけで弾いてみているところです。初心者でも、何年かかけたら、何とかなるでしょうか? 寿命が尽きるまでには、弾けるようになりたいものです。まずはSHUMPEI先生の以下の動画を学習しました。
- 【習得必須!!】バッハの装飾音の入れ方 【ピアノレッスン】
https://youtu.be/i5rM-ABSYBg
そして、次に以下の動画を鑑賞しました。どう弾けばいいのかわからない箇所があるので、勉強になりそうです。
銀ちゃんねる / Gin channel
https://www.youtube.com/@ginchannel6165
【解説付】主よ人の望みの喜びよ バッハ /Bach Jesu, Joy of Man's Desiring
https://youtu.be/tqiA93lavco
演奏なさっている銀ちゃんというかたは男性のようですが、綺麗な手ですね。すばらしい演奏です。
ところで、前述したSHUMPEI先生は以下のような動画もアップされていました。
- 【共感覚】「音に色を感じる」とは?? 24調で感じる色についてピアニストが解説!!
https://youtu.be/CEER_lxR1Q4?list=PLcJri6NgFeRn5cSAYjQlF5H6rutYD6g9w
ウィキペディアに「共感覚」があります。いろいろと書かれていますが、当然というべきか、霊的な観点からの記述はありませんでした。五感は置き換えることができるともいわれますね。
わたしはオーラやオーラの卵、ハートの光、あるいは想念形体と神智学でいわれるものなど見ることがありますが、音に色を感じたことはありません。昔、竜王会の会員だった人から、そのかたの知り合いに音が色として見える人がいるという話を聞いたことがありました。
わたしは神秘主義者なので、ブラヴァツキー夫人の以下の文章を連想してしまいます。
全宇宙は楽器であるというバラ十字会の理論は、ピタゴラス派の天球の音楽の教義である。音と色は、すべて霊的な数である。天界のある一点から七つのプリズムで分光される光線が発せられるように、各々が数である自然の七つの諸力は、大統一体である中央の霊的太陽からの七つの放射である。『覆いをはがれたイシス女神[アイシス・アンヴェールド]』第一巻514頁
ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー(ウィニーフレッド・ハーレイ編、山口多一訳)『ブラヴァツキーのことば365日』(アルテ、2009)55頁より
この文章は、H・P・ブラヴァツキー(ボリス・デ・ジルコフ編、老松克博訳)『ベールをとったイシス 第1巻 科学 下』(竜王文庫、2015)の663頁にあります。