(再度の加筆のため、一旦閉じました)神秘主義的エッセーブログを(一応)更新しました(加筆あり、赤字)
※加筆に時間がかかりそうなので、一旦閉じました。「いいね」してくださったかたがあったのに、申し訳ありません。(2021/11/27 18:44)
ブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」を更新しました。
113 ワイス博士の前世療法の問題点について、神秘主義的観点から考察する
https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2021/11/23/030326
公開後に改めてヘッセの『デミアン』を読み、以下のようなことを考えたところなので、これをそっくり加筆するかもしれません。
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ヘルマン・ヘッセ(高橋健二訳)『デミアン』(新潮文庫 - 新潮社、2007改版)の訳者解説によると、1919に発表された『デミアン』がドイツの若者に如何に大きな影響を与えたかが窺えます。
『デミアン』は力作であると同時に問題の作である。大戦直後、発表された当時、シュペングラーの『西洋の没落』と並んで、迷えるドイツ青年層に大きな衝撃を与えたばかりでなく、ヘッセ自身にとっても人間的にも芸術的にも一転機を画した作である。成功した作であるか、失敗した作であるかは別として、『デミアン』はヘッセが必死になって自我と取り組んだ力作であり、よかれあしかれ彼の代表作であることは衆評の一致しているところである。(p.247)
ヘッセによると、デミアンとはデーモン(悪霊にとりつかれたもの)から出ているとか。
『デミアン』執筆の背景として、第一次世界大戦の衝撃、ラングという精神分析に詳しい医師と知り合いになったことから精神分析に強い興味をそそられ、読心術、夢の解釈などをはじめとする精神分析的要素が随所にとり入れられたことが挙げられています。
ロックフェラー家の助力でユングの「心理学クラブ」が設立されたのは1916年。そこを訪れたというヘッセの『デミアン』にはクラブの大きな影響が――作風を一変させるほどに――あったというわけです。
神的なものと悪魔的なものとに引き裂かれそうになったヘッセは、この作品を書くことで、二つの概念の止揚を試みたのではないでしょうか?
悪魔的なものの中には性欲も入っており、性欲の扱いに困っている青年の姿が生々しく描かれているのですが、それを主人公が頭の中で誇大妄想的に、理想とする生身のエヴァ夫人の幻像を世界観に溶かし込む様子に読者として不安にさせられました。エヴァ夫人と息子のデミアンは主人公の指南役として、過剰なまでに大きな役割を果たします。
若者受けを狙ったのかどうかはわかりませんが、この作品の発表当時のヘッセが42歳だったことを思えば、大人の視点を完全に欠いたまま無理に脱稿したような作風にわたしは奇異な感じを受けざるをえませんでした。何歳での発表だったか確認するまでは、20代前半での発表と思っていたほどです。
心理学クラブの影響を受けたヘッセ(1877 - 1962)と、神智学及び人智学の影響を受けたカロッサ(1878 - 1956)は同世代です。
『デミアン』の後半部はあまりに夢幻的、抽象的、観念的であり、世界と自己の陥っている限界感を解決するものとして、ヘッセは次のような結論を主人公にもたらします。
巨大な鳥が卵から出ようと戦っていた。卵は世界だった。世界は崩壊しなければならなかった。
ヘルマン・ヘッセ(高橋健二訳)『デミアン』(新潮文庫 - 新潮社、2007改版、p.242)
これは革命思想ですね。
崩壊後の具体的なヴィジョンのないところは、イルミナティ教団を創設したアダム・ヴァイスハウプトと同じです。カバール(悪魔崇拝主義)といわれる国際金融資本ロスチャイルド家がヴァイスハウプトとマルクスを支援し、ロックフェラー家がユングを支援していたとはね。
一方、カロッサの作品では、神智学の影響が次のような言葉となっています。
空疎な唯物論は、さいわいにして、ようやく没落し、今では神智学という立派な信頼すべき学問が存在している。そしてその学問のおかげで、私たちが現世の肉体のほかにもう一つの肉体、エーテルの肉体を持っていることが、決定的に証明された。この肉体は宇宙のあらゆる永遠の生命力とつながっていて不滅であり、幾度も浄化され、いくつも星をへめぐったのちにおいて、ふたたび自分の血縁者たちと出会うだろう。
カロッサ(国松孝二訳)『指導と信徒』(岩波文庫 - 岩波書店、2012、p.40)
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