「前世療法は、ブラヴァツキー夫人が危険性を警告した降霊術にすぎない」を動画化するに当たって、ワイス博士の著作を読書中
米大統領選や料理の記事も書きたいのだが、ちょっとメモしておきたいことが出てきた。
拙はてなブログ「マダムNの神秘主義的エッセー」における「注目記事」のランキング上位によくエッセー 77「前世療法は、ブラヴァツキー夫人が危険性を警告した降霊術にすぎない」が来るので、いずれ動画化したいと思っていた。
そのエッセーに、米国の精神科医ブライアン・L・ワイスが前世療法の提唱者と書き、ウィキペディアを始めとするネットで情報蒐集したことからこの療法の危険性をほぼ確信していたのだが、肝心のワイス博士の著作を読んでいなかったので、代表的著作を数冊読んでエッセーを改稿してからでないと……と思い、とりあえず図書館検索だけしておくつもりで、検索した。
残念ながらワイス博士の著作は、ブライアン・L・ワイス(山川紘矢・亜希子訳)『前世療法――米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘』(PHP研究所、1991)一冊しかヒットしなかった。幸いなことに、1988年にサイモン・アンド・シャスター社から上梓されたこの著作は全米的なベストセラーとなったもので、代表的著作といってよい作品のようだ。
Amazonの商品説明から引用させていただく。
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「私は18歳です…長いドレスを着ています…時代は紀元前1863年です…」催眠治療中の女性患者が、前世の記憶を鮮やかに語りはじめた。彼女を通して伝えられた精霊達のメッセージによって、精神科医は現代科学では説明できない輪廻転生の世界を徐々に理解していく。―神秘的とも言える治癒の記録を綴ったこの手記は、人間観・人生観の革命であり、生きる真の意味を教えてくれる。
当記事を書いている現時点で、135個の評価、星5つ中の4.4である。レビューした人々の中には同業者もおられるようだ。神秘主義=心霊主義と捉えている人が多い。著作の内容からすると、ワイス博士もどうやらそうだ。
『前世療法――米国精神科医が体験した輪廻転生の神秘』の「著者について」(p.266)には、ワイス博士の略歴が紹介されている。
1966年コロンビア大学を優等で卒業後、1970年エール大学医学部で医学博士号をとる。……(略)……現在、フロリダ州のマイアミビーチにあるシナイ山医療センターの精神科部長兼マイアミ大学医学部精神科の教授をつとめている。
ワイス教授の専門分野は、うつ病と不安症、不眠症、薬物濫用による精神障害、アルツハイマー症、脳化学等の研究及び治療である。
まだ半分読んだところなので、全部読めば違った感想になるかもしれない。が、おそらく自身の結論が覆ることはないだろう。わたしがタイトルに書いたことは正しかったと現時点では確信している。
ワイス博士の著作を信奉して治療するピプノセラピストとその療法を受ける患者がどれくらいの数に上るのだろうと思い、すっかり怖くなってしまった。
ワイス博士の略歴を見ると、優秀な頭脳の持ち主であるようだ。しかしながら、神秘主義に関しては素人であり、主に心霊主義の著作を参考にしながら、時々神秘主義の著作のあちこちから恣意的に拾ってきて前世療法の理論構築に使っている。つまり、神秘主義的観点から見れば、子供の火遊びに等しいことをワイス博士は行っている。
そもそも、学者なのに、なぜワイス博士は、引用したり参考にしたりした箇所の情報をきちんと報告しないのだろう? 大衆向きに執筆したからだろうか? それならば、学者としての自身の身分を公言する必要もなかったのではないか。
わたしが読んで戦慄した箇所は、前世療法の被験者キャサリンのゆっくりとしたささやくような声が、突然、大きなしゃがれた確信に満ちた声になった箇所である(p.48)。
ワイス博士は、キャサリンがその声の持ち主を「マスター達、すなわち、現在は肉体に宿っていない非常に進化した精霊達」(p.同上)であると突きとめたと記す。
その少し前に起きた出来事として、キャサリンは全レース当たり馬券を買った(儲けのために賭け事をしたのではなく、父親に自分に起こっていることは本当だと証明するためだった)。
いずれにしても、ワイス博士は前世療法を施すことで、キャサリンを絵に描いたような霊媒にしてしまった。そのような霊媒に「マスター達」が出現するはずもない。出現したのは、マスターを騙るカーマ・ローカの幽霊に違いない。
キャサリンの悩みは消えたのかもしれない。しかし、その悩みと一緒に彼女の繊細な感受性や明晰な知性もどの程度かは失われたのではないだろうか。いや、霊媒性質を強められたことで、いずれ深刻な事態が彼女を襲わないとは限らない。
環境や人間関係に不協和音を生じたために神経症や強迫観念が起きたと思われるキャサリンは、前世療法を受けたために、小難逃れて大難に陥ったと思えてならない。
次の箇所を読んで驚いた。わたしが自然に行うようになり、また三浦関造先生の著作で確認したヨガの技法に似たことが書かれていたからだ(「マダムNの神秘主義的エッセー」所収、エッセー95「H・P・ブラヴァツキーの病気と貧乏、また瞑想についての貴重な警告」)。これは、誰の何という著作を参考にしたものなのだろうか?
続いて、頭のてっぺんに、白くてまばゆい光をイメージするようにと指示した。それから、私がその光をゆっくりと体全体に拡げさせてゆくと、彼女の体全体、すべての筋肉、すべての神経、すべての器官が完全にリラックスし、彼女はますます深い安らぎと平和へと導かれていった。(ワイス,山川紘矢・亜希子訳,1991,p.22)
これは自分でできるはずなので、こうした技法を教えるにとどめ、子供の頃の父親によるセクハラと現在の恋愛問題がキャサリンを窮地に陥れていることを考えれば、改善できる余地は前世療法以外にありそうな気がする。
何より、ワイス博士には指南役にはふさわしくないところがある。催眠術自体が神秘主義では黒魔術であることに加え、ワイス博士は自分の好奇心を優先させて、施術を進めるときがあるからだ。
先週のセッションの興奮が続いていて、私は彼女をまた、中間生へ行かせたくてたまらなかった。すでに、彼女が召使いだった過去生のことに、九十分も費やしていた。私はヘッドカバーのかけ方、バターの作り方、樽のいぶし方などを微に入り細に入り聞かされていた。私はもっと霊的な話を聞きたかった。待ち切れなくて、私は、彼女を死の場面まで進ませた。(ワイス,山川紘矢・亜希子訳,1991,p.53)
これが子供同士の火遊びでなくて、何だろう?
わたしは、エッセー77「前世療法は、ブラヴァツキー夫人が危険性を警告した降霊術にすぎない」で次のように書いた。
ある一連の動画では、はじめはごく普通に見えた女性がセラピストの退行催眠によって次第に異常体質を強めていき(霊性を弱められ)、霊媒になっていく過程をつぶさに確認できた。
退行催眠中に「あの世にいるマスター」が側に出現するようになり、彼女を通じて前世の細かな様子を語り、忠告などを行う。
この動画で視聴した日本での前世療法は書籍化もされているようで、それも借りた。それにしても、前世療法の現場で決まって(?)出現する「マスター」と呼ばれる存在が気持ち悪すぎる。
関連記事:
- 2021年1月25日 (月)
「前世療法は、ブラヴァツキー夫人が危険性を警告した降霊術にすぎない」を動画化するに当たって、ワイス博士の著作を読書中②
https://elder.tea-nifty.com/blog/2021/01/post-d80bf4.html - 2021年2月13日 (土)
著名なヨガ行者パラマンサ・ヨガナンダと前世療法における「前世の記憶」の様態の決定的違い
https://elder.tea-nifty.com/blog/2021/02/post-465244.html
| 固定リンク
« バイデンと尖閣諸島に関するジュリアーニ元ニューヨーク市長の告発動画。トランプ大統領に関する予言。 | トップページ | YouTubeに動画「魔女裁判の抑止力となった暗黒時代の神秘主義者たち」をアップしました。 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 新型コロナはヘビ中毒で、レムデジビルはコブラの毒ですって? コロナパンデミックは宗教戦争ですって?(12日に追加あり、赤字)(2022.05.11)
- 萬子媛の言葉(2022.03.31)
- 姑から貰った謡本(この記事は書きかけです)(2022.03.15)
- クリスマスには、やはり新約聖書(2021.12.25)
- 大分トリニータ、天皇杯決勝戦進出。札付き巨大製薬会社ファイザー、アストラゼネカの10年前の行状。「ワイス博士の前世療法の問題点について、神秘主義的観点から考察する」を再公開。(2021.12.14)
「神秘主義」カテゴリの記事
- 小指が立つ癖。モーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)、パッヘルベル「カノン」。ピタゴラスは弟子たちの魂を音楽によって矯正しました。(2023.08.06)
- 年賀状を用意する時期になりました。スペース座談会「第一回ワクチン後遺症を語る会〜メディアでは報道されない真実〜」。コオロギせんべい(グレート・リセット関連)。魂の無い機械人間?(ツイッターでのやりとり)(2022.12.20)
- 神秘主義エッセーブログより、改稿済み「71 祐徳稲荷神社参詣記 (2)2016年6月15日」を紹介(2022.11.04)
- 神秘主義をテーマとしていたはずのツイッターでのやりとりが、難問(?)に答える羽目になりました(2022.06.22)
- 「西方浄土」という表現に関する私的発見。オーラに関する補足。(2022.06.01)
「文学 №2(自作関連)」カテゴリの記事
- 小説ブログの移転と新ブログの開設。ライブドアブログ「マダムNの俳句手帖」を久しぶりに更新。(29日朝に加筆あり、緑字)(2023.09.29)
- Kindle版『気まぐれに芥川賞受賞作品を読む 2007 - 2012(Collected Essays, Volume 2)』をお買い上げいただきました。ありがとうございます!(2023.06.21)
- 『気まぐれに芥川賞受賞作品を読む 2007 - 2012(Collected Essays, Volume 2)』をお買い上げいただき、ありがとうございます!(2022.11.07)
- 使い道のない小説のざっとした出だし(タイトルは「ピアノのお稽古」になるかな) (2023.06.04)
- 純文学の創作で練習時間が減りました。ソナチネ1番第1楽章で指が滑る、バッハインベンション第2番は難しい!(16日に動画1本差し替えました)(2023.05.13)
「Theosophy(神智学)」カテゴリの記事
- 年賀状を用意する時期になりました。スペース座談会「第一回ワクチン後遺症を語る会〜メディアでは報道されない真実〜」。コオロギせんべい(グレート・リセット関連)。魂の無い機械人間?(ツイッターでのやりとり)(2022.12.20)
- 神秘主義エッセーブログより、改稿済み「71 祐徳稲荷神社参詣記 (2)2016年6月15日」を紹介(2022.11.04)
- モンタニエ博士の「水は情報を記憶する」という研究内容から連想したブラヴァツキー夫人の文章(2022.02.20)
- (再度の加筆のため、一旦閉じました)神秘主義的エッセーブログを(一応)更新しました(加筆あり、赤字)(2021.11.25)
- 【23日に加筆修正、追記あり】夢にまで見た紙書籍(ペーパーバック)出版がAmazonで可能に! 過去記事のシュールな神智学問答に関して。ドライアイスで生き延びた(?)一夜干し。ナイノーって?(2021.10.22)
「時事・世相」カテゴリの記事
- 明日(2023年9月20日)から始まる新型コロナワクチン秋接種に対して、全国有志医師の会が緊急声明を発出。明らかになってきたDNA混入問題。(2023.09.19)
- 今夜21時、Twitter(X)のスペース上で、荒川央先生と新田剛先生の対談が開催されます。福島雅典京都大学名誉教授を代表理事とするワクチン薬害研究団体「ワクチン問題研究会」が設立。身近となってきた超過死亡。今頃になってFDAがイベルメクチンの有効性を認めた。(2023.08.26)
- 2023年7月8日は、白昼、応援演説中に暗殺された安倍元首相の一周忌でしたね(2023.07.12)
- ようやくメディアが報じ始めたワクチン後遺症。7月に循環器クリニック、内分泌内科受診。『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を観ました。(2023.07.27)
- イベルメクチンが慢性腎臓病の進行を抑制することを発見(千葉大学)。LGBT法案(2023年6月9日、衆議院内閣委員会)、LGBT当事者への優れた内容のインタビュー動画。牛舎、豚舎、養鶏場の相次ぐ火災。(2023.06.10)
コメント