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2020年8月 7日 (金)

国際的な医学雑誌「ランセット」からの引用が、1889年出版のブラヴァツキー著『神智学の鍵』に登場していた!

国際的な医学雑誌「ランセット」からの引用が、1889年出版のH・P・ブラヴァツキー著『神智学の鍵』に出てくる。

ブラヴァツキー夫人は1831年8月12日に生まれ、1891年5月8日に亡くなった。

わたしは「ランセット」について、以下の過去記事で触れている。

2020年2月 3日 (月)
朗報、新型肺炎はエイズ・インフル薬で治癒するらしい
https://elder.tea-nifty.com/blog/2020/02/post-50aa75.html

大紀元によると、中国当局の「武漢の海鮮市場が発生源」「死亡した2019-nCoV罹患者はすべて高齢者、疾患を患う人」という発表とは矛盾する内容が「ランセット」掲載の論文には書かれている。

レイチェル・ストーム(高橋巌&小杉英了訳)『ニューエイジの歴史と現在――地上の楽園を求めて』(角川書店、1993)がブラヴァツキー夫人をニューエイジの母と大々的にプロパガンダしておきながら、著者が夫人の代表作さえ読んでいないことは内容と参考文献(原著による文献リスト)から明らかだった。

ストームの著作に『シークレット・ドクトリン』と『ヴェールを脱いだイシス』は「その主要の部分は『高位の導師』、特にチベットに本拠を置く霊的存在であり、叡智の導師であるクート・フーミー大師とモリヤ大師から口述されたものだという」(ストーム,高橋&小杉訳,1993,p.21)と出鱈目が書かれていたので、大師方が「霊的存在」でなかったことを確認しようとして、わたしは『神智学の鍵』を開いたのだった。

すると、H・P・ブラヴァツキー(田中恵美子訳)『神智学の鍵』(神智学協会ニッポン・ロッジ、1995改版)の「第14章 神智学のマハートマ達  マハートマ達は『光の霊達』か、または『悪魔達』か?」に、「ランセット」という雑誌名が出てきた(※太字N)。

マハートマ方は私達が生まれるように生まれ、また他のすべての人間のように死ぬ運命にある、生きている方々です。……(略)……私達が人の噂を否定すればするほど、人々を正そうとすればするほど、ばかばかしい話が考え出されるようになります。『創世記』のメトセラは969歳まで生きたと私は聞きましたが、それを信じず笑いましたので、私はすぐに多くの人達に不敬な異端者といわれました。……(略)……約190歳のメキシコ人のことを『ランセット』という医学誌で読んだことを覚えています。しかし、凡人であれアデプトであれ、メトセラの年齢の半分も生きた人間のことは聞いたことがありません。あるアデプトは私達の言う普通の年齢よりずっと長生きされますが、それには奇跡的なことは何もありません。長生きをしようと思うアデプトはほとんどおられません。(ブラヴァツキー,田中訳,1995,pp.276-277)

ブラヴァツキー夫人の代表作の一つ『神智学の鍵』を度々読み返していても、「ランセット」が何であるか知らなかったので、当時イギリスで読まれた医学雑誌なのだろうと漠然と思っていた。

改めて、『神智学の鍵』で「ランセット」が出てくる箇所を読んだわたしは、「ランセットといえば、新型コロナウィルス関連で目にした医学雑誌ではないか」と驚き、いや、そんな昔から「ランセット」があったのだろうかと疑問に思ってウィキペディア「ランセット」を見た。

『ランセット』(英語: The Lancet)は、週刊で刊行される査読制の医学雑誌である。同誌は世界で最もよく知られ、最も評価の高い世界五大医学雑誌の一つであり[1]、編集室をロンドンとニューヨーク市に持つ。……(略)……

歴史
『ランセット』は、1823年にイギリスの外科医トーマス・ウェイクリー(英語版)[注釈 1]によって創刊された。誌名をつけたのは彼で、手術用メスの一種であるランセット[注釈 2]、および、光を取り入れるを含意するランセット窓(英語版)にちなんだものである。

「ランセット」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2020年4月13日 13:06 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org

The_lancet_first_issue

Cover of the first issue of The Lancet.
説明 ランセットの 創刊の表紙。
日付 1823
ソース 会社概要-ランセットグローバルヘルスネットワーク
著者 ランセット
出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)

何と、医学雑誌「ランセット」はブラヴァツキー夫人が生まれる前からあったのだ。

ブラヴァツキー夫人の引用には、それがどこからの引用なのか、きちんと書かれている。編集者や協力者たちの骨折りもあっただろう。現代日本で流行っているような「オマージュ」という名で剽窃を誤魔化すやり口などは、ブラヴァツキー夫人には縁遠いのである。

ブラヴァツキー夫人の代表作も読まずに、夫人のことを霊媒と呼びたがる人は多い。それがまるで知能が足りない人の代名詞であるかのように。ペテン師と呼ぶのも好きだ。誹謗中傷する人々は、ブラヴァツキー夫人の爪の垢を煎じて飲んでいただきたい。

夫人がどれほど厳密で、また努力家であったかが彼女の著作の端々に表れているというのに、そのことを知ろうともせずに夫人を貶めながら飯の種にする恥知らずな人々は夫人の存命中からいた。そんな人々がいなければ、夫人はもっと長生きして、未完の著作も完成できたかもしれない。

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