作品1「祐徳院」らくがきメモ 2(7月29日に訂正あり)
能向きの文章に調えるのは後にして、まずは、へんてこな文章になるのを怖れず、サクサク書いていこう。
ワキ〈名ノリ〉
これは肥前国鹿島より出でたる大日本帝国陸軍軍医にて候。このたびの東亜細亜の大事を計らひ、ちはやぶる天下を和(やは)さんと、わが大日本帝国は米國また英國へ宣戦を布告せり。
初めつ方は時つ風吹けども、やうやう勢ひのしづまれり。
赤紙来たれば、地区一同各戸総出にて、われの武運長久の祈願祭を祐徳稲荷の社にいとなみたまひて、其の後に地区有志はなむけの会を開きたまひき。
国に留め置きつる妻子あり。明日打ち出でんとての夜、子とみに病ひづきて候。子の病ひ、軽からねば、われは後ろ髪を引かるる思ひなり。
わが船団十二隻は門司の泊まりを発向致し候。駆逐艦、水雷艇、駆潜艇、飛行機に守られて、朝鮮海峡、東支那海と南下すれど、鬼神よりは凄まじき敵は取り掛けき。其をからうじて交はして、魔のバシー海峡凌ぎけり。
続きは明日。
田中保善『泣き虫軍医物語』(毎日新聞社、1980)によると、田中氏が出発する直前に発病した4歳になる長女は、鶏のもも肉に当たったらしい。病名は疫痢と書かれている。幸い、病気は治った。
ググってみたところでは、カンピロバクターによる感染性胃腸炎ではなかったのだろうか。鶏肉からの感染が多いそうで、ほとんどが生や加熱不足の鶏肉を食べることによって発生するという。患者の多くは1週間程度で回復するが、子供や高齢者、抵抗力の弱い人などは重症化する可能性が高いらしい。
『泣き虫軍医物語』で、ボルネオにいた兵隊達がよく罹患していたのはマラリアだ。用いられていた薬はキニーネ。田中軍医は、宿舎付近の藪を切り払い、水溜まりをなくして蚊の発生を防ぎ、残った水溜まりにはカルキを散布、夜は必ず蚊帳を使用させている。
内科は、マラリアの他に赤痢、肝炎、栄養失調症、脚気など。外科は外傷のほか虫垂炎、時々性病患者も発生。
兵隊達が息を引き取る時は「天皇陛下万歳」といったり、「お母さん」といったり、いろいろとつぶやいたり、叫んだりして死んでいったと書かれている。
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