借りてきた新作能の本、三冊
最近の過去記事で、わたしは萬子媛をモデルとした作品について、次のようなことを書いた。
歴史小説にするには、何か、そぐわないものがあるのです。
わたしは神秘主義者として萬子媛を通して感じることのできた高雅な現象を書きたいのであって、よくわかりもしない萬子媛の生前のあれやこれやではないのです。
いや、あれやこれやにも興味があるから研究ノートを当ブログにアップし、そのまとめをエッセーとして「マダムNの神秘主義的エッセー」に収録してきたわけですが、そのノートは、萬子媛の高雅な現象を表現できてこそ存在価値があるのです(エッセーは「萬子媛研究」といったような形にまとめたいと考えます)。
その表現にふさわしい形式は、新作能以外にありえない気がしてきました。
ノートは萬子媛をモデルとした作品が完成するまで、取り続ける予定。前述したように、いずれ「萬子媛研究」のような形にまとめたいと思っている。
ノートには、郷土史家・迎昭典氏から送っていただいた貴重な史料のコピー及び迎氏のご考察、また祐徳博物館の職員のかた、鹿島市民図書館学芸員T氏、黄檗宗の大本山である萬福寺宝物館の和尚様から伺ったお話など、慎重に扱わなければならない情報があるので、まとめる作業には日数がかかると思う。
新作能を書きたいなどと大それたことを思い、三冊借りて読んでいるところだが、いや、本当に何だか書けそうな気がしてきた。テーマや雰囲気からすれば、過去に書いた「牡丹」という短編は、新作能にすることができるのではないかと思う。
萬子媛をモデルに、そのイメージ像をシテとする新作能を書きたい思いはあるが、まずは戯曲を、と思っている。逸る気持ちを抑えて、まずは新作能の研究からだ。
借りてきた三冊は以下。
- 瀬戸内寂聴の新作能 虵 夢浮橋
- 石牟礼道子全集・不知火 第16巻 〔新作 能・狂言・歌謡ほか〕 (石牟礼道子全集・不知火(全17巻・別巻一))
- 多田富雄新作能全集
瀬戸内寂聴氏を知らない人は少ないだろう。石牟礼道子氏は、2018年にお亡くなりになったが、水俣病を扱った代表作「苦海浄土」でとても有名なかたである。多田富雄氏は免疫学者、文筆家として活躍された。
多田氏の新作能をざっと見ると、脳死、原爆、朝鮮人の強制連行(※最近の検証では強制連行はなかったとされているーブログ管理人N)を扱ったものなど多作なかたである。
力作揃いなのだろうが、わたしが馴染んできた古典の曲とはテーマ自体が違う気がした。
瀬戸内氏の「虵」からまず読んだ。感想は別の記事にします。
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