あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」中止のその後 その6。いっそ展示を再開して、鑑賞会を開いては?
あいちトリエンナーレ「表現の不自由展」に怒り、脅迫ファクスを送った男性は逮捕されたようだし、再開したら? という意見が出始めたようです。わたしもしばらく考え、その意見に賛成の気持ちです。せっかくの祭典なのですから、このまま終わらせるのはもったいないではありませんか。
展示の再開に賛成です。吉村知事、日本国民の品性と日本の芸術の今後に関わることなので、がんばってください。NHKで、全作品の大鑑賞会を開いていただいてはどうでしょう? 吉村知事に司会をしていただき、大村知事は勿論、左右の言論人、一般の愛知県民も招いて。
— naotsuka_maki (@NaotsukaM) August 8, 2019
大村愛知県知事は、弁護士である吉村大阪府知事に対して、憲法論争をふっかけました。表現の自由を保障した憲法21条を理解していないと批判したのです。少なからず、わたしは驚きましたね。
このレベルの人が愛知県の代表なのかと思うと驚いた!
— naotsuka_maki (@NaotsukaM) August 8, 2019
愛知県知事が反論、「辞職相当」大阪府知事発言に https://t.co/NtPR6mROvs @Sankei_newsさんから
わたしは素人ですが、ネット上で憲法を閲覧できますし、手元に古い小六法もあるので、21条を見てみましょう。
第二一条[集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密] 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
➁検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。
大村愛知県知事には、この21条しか頭にないようですが、憲法は全部で103条あるのです。
今回の件では、現場を視察した河村名古屋市長が「表現の不自由展」の内容は公的空間にはふさわしくないと判断し、展示の中止を要請されたのであって、吉村大阪府知事も同意見。さらに、大村愛知県知事が展示内容を容認したとして、知事として不適格ではないかとの考えを表明されたのでした。
特に問題となった展示物は、曼荼羅や頭蓋骨などとコラージュした昭和天皇の御真影を燃やす映像作品、「平和の少女像」(慰安婦像)、「馬鹿な日本人の墓」と題された、星条旗を下敷きに、上に特攻隊のために寄せ書きされた日の丸を貼り付けた祠です。
専門的なことはわからないのですが、これらの展示物は、憲法第1条、第12条に反しているように思えます。
第一条[天皇の地位・国民主権 ]天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
第一二条[自由・権利の保持義務、濫用の禁止、利用の責任]この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
これらの展示物が反日プロパガンダと見なされるのは、全て、歴史認識で摩擦のある韓国側の視点で作られているからです。芸術は自己主張ではありません。私利私欲を離れた客観的な視点が欠けていては、芸術作品とはいえません。
以下の過去記事で、わたしは次のように書きました。
2019年8月 2日 (金)
「平和の少女像」(慰安婦像)と「ライダイハンの母子像」を芸術的観点から比較してみる
https://elder.tea-nifty.com/blog/2019/08/post-fda191.html
「ライダンハンの母子像」は、嘆きと美が絶妙に織り成された、優れた芸術的表現となっていますね。女性であったがゆえの悲劇を感じさせます。
一方、「平和の少女像」は、説明がなければ、ただ不機嫌そうな少女としかわかりません。少女の不機嫌が伝わってはきますが、伝わってくる内容は極めて漠然としたものです。「平和の少女像」というタイトルがちぐはぐな印象を与えます。芸術作品といえるだけの条件を欠いているように思えます。
芸術作品とは、自らを含む全人類の良心と美意識に訴えかけようとするものです。そのような像を制作するには、人間として成熟していなければ、無理です。
「表現の不自由展」の展示物はどれもこれも子供っぽく、がらくたのように見えてしまいます。そのレベルの、およそ芸術とはいえない作品群ということであり、憲法を持ち出すまでもない話です。
実際には、検閲されたわけでも、表現の自由を禁止されたわけでもないのだから、芸術監督が自費で借りた場所で、好きなだけ展示すればいいのです。
それから、展示物の中には、日本とアメリカの国旗を軽率に使用しているものがありました。ツイッターでは、それに対して、刑法第92条を挙げておられるかたもありました。
(外国国章損壊等)
第九二条 外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。
2 前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。
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