創作が滞っています。脳死について。
萬子媛をモデルとした歴史小説を忘れたわけではないのですが、臓器ビジネス及びブラヴァツキー夫人の心臓に関する記事を神秘主義エッセーブログにアップしようと資料漁りをし、メアリー・ポピンズの物語への神智学の影響を調べかけたところで、予定が滞っています。
どちらもちょっと書いておくつもりだったのが、そのちょっと書くだけでも難しくて書きあぐねていました。
メアリー・ポピンズのシリーズの最初の二冊に神智学の影響が見られ、『帰ってきたメアリー・ポピンズ』では赤ん坊のアナベルが鳥たちに自分は闇の中から来たという場面があります。はじまりはそこからとアナベルはいうのです。
それに続けてアナベルは色々なことをいい、総合すると神智学の影響は疑いのないものとなりますが、この闇の性格が旧約聖書に出てくる闇や子宮の中の闇とはどう違うのかを説明しようとすると、厄介で、つい後回しに。
先に臓器ビジネスに関する記事の続きを書こうとして、渾身のルポ、城山英巳『中国臓器市場』(新潮社、2008)を読むと、もう衝撃を受けるばかり。これで11年も前の作品です。ルポは、日本人ブローカーとの出会いの話から始まります。
脳死移植はキリスト教社会で発達したもので、儒教的考えの残る中国では日本と同じように両親から授かった自分の体を完全な状態で火葬したいという伝統的価値観が浸透しているため、臓器提供に積極的でないとあります。
それなのになぜ、中国がアメリカに次ぐ移植大国となったのか(11年も前に既にそうです)。以下のニュースには、2020年には中国が世界一の臓器移植大国になるとあります。2017年、中国人体臓器提供・移植委員会の黄潔夫委員長の弁です。
中国、2020年に世界一の臓器移植大国に―中国メディア
人民網日本語版 配信日時:2017年8月9日(水) 5時50分
https://www.recordchina.co.jp/b186821-s10-c30-d0035.html
「中国には現在、1900人あまりの臓器提供・移植コーディネーターがおり、近く5千人にまで増やす計画だ。現在、臓器移植手術を実施している病院は173軒あるが、年内に200軒、2020年までに300軒まで増やすことを目指している」。
日本では、本人が提供拒否の意思を示していない限りは家族の同意が得られれば脳死移植が認められるようになり、また高額医療制度が利用できるようになったりしていますが、このまま臓器移植の道を突っ走っていいのでしょうか。
ブラヴァツキー夫人の心臓に関する言葉を引用するまでもなく、小松美彦・市野川容孝、田中智彦編『いのちの選択――今、考えたい脳死・臓器移植(岩波ブックレット782)』(岩波書店、2010)を読むと、脳死移植に疑問が湧きます。
脳死者から臓器を切り出すときには麻酔や筋肉弛緩剤が投与されるそうです。「脳死者に深くメスを入れただけで、脈拍や血圧が急上昇するばかりか、暴れ出して摘出手術どころではなくなってしまうからです」(15頁)とあります。
ずいぶん活発な死体ですね。科学に無知な人間は、驚かされることばかりです。次のようなニュース記事もあります。
心肺停止後、5分は意識がある!? 最新の脳神経学で分かった「死」
ニューズウィーク日本版 2018年3月6日(火)19時30分
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/5-40.php
心肺停止後、5分は意識がある!? 最新の脳神経学で分かった「死」
心臓が止まったり生命の兆しが見られなくなったりした後でも、脳内では3〜5分間ほど脳細胞や神経細胞が活動していることが分かった。
ブラヴァツキー夫人は、心臓に最後に死ぬ点があると書いており、ヨギが土中に埋められ肉体のすべての部分が死んでしまっても、この点が生きている限り、ヨギは復活することができると書いています。
心肺の停止が先か脳の活動の停止が先か……いずれにしても、最後に死ぬ一点が生きている限りは、ブラヴァツキー夫人の説に従えば、死んだように見えていたとしても、それは死ではないということになります。
ブラヴァツキー夫人のような日本でいえば江戸末期に生まれ明治時代に亡くなった人の説を持ってくるまでもなく、現代科学においてもこれほど不確かな「死」。臓器の必要に駆られて死んだかどうかわからないものを死と決めつけなければならないとしたら、これほど非科学的な話もないでしょう。
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