令和元年5月1日水曜日
于時 初春令月氣淑風和梅披鏡前之粉蘭薫珮後之香
初春の令月(れいげつ)にして、氣淑(きよ)く風和らぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす
ずっと貸出中だった『萬葉集②〈全四冊〉 新編 日本古典文学全集 7』(校注・訳者 小島憲之 木下正俊 東野治之、小学館、1995)を、昨日ようやく借りることができた。
元号「令和(れいわ)」の典拠となった『萬葉集』梅の花の歌三十二首の序文全文を前掲書の訳で読んでおきたい。『萬葉集②〈全四冊〉 新編 日本古典文学全集 7』(校注・訳者 小島憲之 木下正俊 東野治之、小学館、1995)の40~41頁より以下に引用。変換できない漢字は◆とさせていただく。
梅花の歌三十二首 と序
天平[てんぴょう]二年正月十三日、太宰帥旅人卿[だざいのそちたびときょう]の邸宅に集って、宴会を開く。
折しも、初春の正月の佳[よ]い月で、気は良く風は穏やかである。梅は鏡の前の白粉[おしろい]のように白く咲き、欄[らん]は匂[にお]い袋のように香[かお]っている。そればかりではない、夜明けの峰には雲がさしかかり、松はその雲の羅[ベール]をまとって蓋[きぬがさ]をさしかけたように見え、夕方の山の頂[いただき]には霧がかかって、鳥はその霧の◆[うすぎぬ]に封じ込められて林の中に迷っている。庭には今年生まれた蝶[ちょう]が舞っており、空には去年の雁[かり]が帰って行く。
そこで、天を屋根にし地を席[むしろ]にし、互いに膝[ひざ]を近づけ酒杯[さかずき]をまわす。一堂の内では言うことばも忘れるほど楽しくなごやかであり、外の大気に向かっては心をくつろがせる。
さっぱりとして各自気楽に振舞い、愉快になって、各自満ち足りた思いでいる。
もし文筆によらないでは、どうしてこの心の中を述べ尽すことができようか。諸君よ落梅[らくばい]の詩歌を所望したいが昔も今も風流を愛することには変りがないのだ。ここに庭の梅を題として、まずは短歌を作りたまえ。
以下は占星術の話題ですので、あとで別の記事にします。
昨日、平成と令和のホロスコープとサビアンシンボルについて、少しだけ触れた。国家を占うときにはマンデン占星術という手法が使われる。
ちなみに、H・P・ブラヴァツキー(田中恵美子訳)『神智学の鍵』(神智学協会ニッポン・ロッジ、1995改版)の用語解説「星学(Astrology)によると、「マンデーン星学」は気象学、地震学、農業応用に関するものであって、「国家、国王、統治者の未来に関わる国や政治の問題」とは別の分野のものとなっている。ブラヴァツキーの星学に関する長い解説は貴重。
わたしには占星術は難しすぎるが、引き続き平成と令和について調べる中でまたまた面白い発見があった。ブログの気楽さで断片的な記述ばかりの記事になって申し訳ないが、これについても、のちほど。
初等教育、メディア、娯楽文学(純文学は9室で見るべきだ。メディアと結びつくような村上春樹の文学はメディアと同質であることがわかる)、近隣諸国は3室で見る。ここが荒れていると、これらは皆質を落とす。平成時代はここに気持ち悪いくらい星が集中した。
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