山上億良の子供を思う歌、万葉集を愛でた杉田久女
思いついたことをメモするのに、ツイッターは使えそう。自分本位の使い方になりそうです。
万葉集の中で一番に思い浮かぶ歌。
— naotsuka_maki (@NaotsukaM) 2019年4月15日
瓜[うり]食[は]めば 子等[こども]おもほゆ 栗[くり]食[は]めば ましてしのはゆ いづくより 来[き]たりしものぞ まなかひに もとな懸[かか]りて 安眠[やすい]し寐[な]さぬ(巻五 - 802,佐木信綱編『新訓 万葉集 上巻(全 2 冊)』岩波書店、1997)#万葉集
山上億良の「瓜はめば」の歌を、「いづくより来たりしものぞ」という一節が奥深いものにしている。仏教思想が薫る。#万葉集 #山上億良
— naotsuka_maki (@NaotsukaM) 2019年4月15日
億良は瓜や栗を食べながら子供たちのことを思い、また、その子供たちはどこから来たのだろうか、どんな縁で自分のところへやって来たのだろうか――と、考えている。安眠できないほど、子供たちの面影がちらついているようだ。
反歌は次のような歌。
銀も金も玉も何せむにまされる寶子に如[し]かめやも
億良にとって、子供に勝る宝はないのだ。子煩悩な親心が迸り出ている。
「令和」の出典が万葉集ということで、万葉集を読む年になりそう。読んでいると、学校で習ったものが結構あって、なつかしい。
拙FC2ブログで紹介してきた俳人の一人、杉田久女は万葉集に心酔した時期があったようで、その影響を感じさせられる秀句がある。
防人[さきもり]の妻恋ふ歌や磯菜摘む
元寇の石塁[とりで]はいづこ磯菜摘む
寇まもる石畳はいづこ磯菜摘む
磯菜摘む行手いそがんいざ子ども
(杉田久女『杉田久女全集第一巻』89頁、1989、立風書房)
そういえば、久女も子煩悩な人だったようだ。
俳句界のドンであった高浜虚子との確執などあり、一冊の句集も出さずに亡くなった母の思いを、長女の石昌子さんが叶えた。昭和27年10月20日、角川書店より『杉田久女句集』が刊行されている。
図書館から借りた本の返却が迫ってきた。パソコン、インターネット関係に気をとられて、ほとんど読めなかった。メアリー・ポピンズの三冊目から、神智学の影響を感じさせられる箇所を抜き書きしておきたいのだが。
| 固定リンク
「評論・文学論」カテゴリの記事
- (再掲)イルミナティ創立者ヴァイスハウプトのこけおどしの哲学講義(2020.10.17)
- 中共によって無残に改竄された、「ヨハネによる福音書」のイエス(2020.09.29)
- 「原子の無限の分割性」とブラヴァツキー夫人は言う(2020.09.15)
- 大田俊寛『オウム真理教の精神史』から抜け落ちている日本人の宗教観(この記事は書きかけです)(2020.08.28)
- 大田俊寛氏はオウム真理教の御用作家なのか?(8月21日に加筆あり、赤字)(2020.08.20)
「文学 №1(総合・研究) 」カテゴリの記事
- ついにわかりました! いや、憶測にすぎないことではありますが……(祐徳院三代庵主の痕跡を求めて)(2023.07.04)
- 第29回三田文學新人賞 受賞作鳥山まこと「あるもの」、第39回織田作之助青春賞 受賞作「浴雨」を読んで (2023.05.18)
- 神秘主義をテーマとしていたはずのツイッターでのやりとりが、難問(?)に答える羽目になりました(2022.06.22)
- 萬子媛の言葉(2022.03.31)
- モンタニエ博士の「水は情報を記憶する」という研究内容から連想したブラヴァツキー夫人の文章(2022.02.20)
「俳句」カテゴリの記事
- 謹賀新年 令和5年元旦(2023.01.01)
- 『祐徳院』らくがきメモ 8)ワキが後ジテに出逢う場面での美の表現の難しさ。二日に一句。 (2022.01.03)
- あけましておめでとうございます。初御空に一句。(2021.01.01)
- 名月に三句(2020.10.02)
- 戦後日本の文学を支え続けてこられた優れた昭和の作家、田辺聖子さんが逝去された(2019.06.10)
コメント