しょうゆジプシー。ストウブであれこれ。瞑想的効果のある(?)料理。
最近しょうゆジプシーをしていました。しょうゆには、「こいくち」「うすくち」「たまり」などありますが、九州のしょうゆが他の地域のしょうゆとは異なり、とても甘いとは知らなかったのです。
九州では、長崎貿易で砂糖が比較的豊富に手に入った伝統から甘味を求める傾向が強い。このため北陸と同様に混合醸造方式の比率が高いが、糖分やうまみ成分などは北陸のものに比べ多めに添加されており、甘みが一層引き立っている。なお、九州ではこれらの製法で作られた醤油を「うまくち」と称している。
「醤油」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2019年3月1日 05:30 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org
どおりで、甘すぎるレシピが多いと思っていました。それで、わたしは砂糖をレシピより少なめに入れていたのですが、本来はたぶん減らした砂糖の分くらい、しょうゆが甘くないぶん、レシピの砂糖の全体量は少なかったというわけですね。
亡くなった女友達も、レシピは甘いと同じことをいっていました。彼女は小倉出身でした。
わたしは福岡県ではニビシを主に使い(佐賀の実家で、母は何使っていたのかなあ?)、サブ的にキッコーマン。大分県に来てからはニビシが置いてないので、フンドーキンかフジジンで、やはりサブ的にキッコーマンでした。
これまで使っていた、こいくちしょうゆのストックがなくなる前にと思い、アマゾンで、煮物に使うと美味しいというヒゲタ本膳と、なつかしくなって少ない容量――500ミリリットル――のニビシを頼んでみました。
ニビシに慣れていただけかもしれないと思い、少ない容量のにしたのでした。
家族は、ヒゲタ本膳で作った煮物が気に入りました。わたしは優しい味わいのニビシがやっぱり好き。
今は、煮物には主にヒゲタ本膳。吸い物、煮物にも使ううすくちは、フジジンがまだあります。刺身用もフジジン。食卓には二種類――ニビシ特級うまくち、キッコーマンいつでも新鮮しぼりたて生しょうゆ……という具合です。
まだジプシー中なので、これからどう変わるか楽しみです。全国には使ってみたいしょうゆが山ほど。でも、一度買ったら、しばらくはありますから、満足するまでジプシーするには相当に時間がかかりそう。少ない容量のばかり買うのは不経済ですし。
ところで、過去記事で何度か書いたストウブ(ノワール2世と呼んでいます)は、すっかり我が家の一員となりました。
「これ美味しいね。ストウブで作ったの?」と家族は、別の鍋や御影さん(バッラリーニ・フライパンの我が家的愛称)で作った料理のときも尋ねたりします。
というと、ストウブの宣伝マンみたいですね。
うちはIHクッキングヒーターですが、御影さんもなかなか使いやすいですよ。リーズナブルでしたし。
みないきぬこ『はじめてのストウブ』(池田書店、2018)がストウブ入門に役立っています。
ただ、鍋の大きさによって、仕上がる時間は違ってくるので、模索しながらやっています。
水は少なめ、もしくは無水。沸騰したら蓋をして――例えば10分――弱火、火をとめて――例えば10分――時間を置くという基本があるようです。
この基本を頭に入れておけば、ストウブレシピでなくても、活用できることがわかりました。
『はじめてのストウブ』の中のレシピ、「鶏団子のスープ仕立て」を作りました。
別の日に、バター焼きをするつもりで娘にアサリを買ってきて貰いました。思ったより量がなかったので、ネット検索してストウブで美味しく仕上がりそうな、サイト「Nadia」の以下のレシピを参考に作ってみることにしました。

出来上がって、味見をし、「これは炊き込み御飯というより、リゾットだなあ。失敗したのかしらん」と思いましたが、アサリの出汁がすごく出ていて美味しいのです。
レシピをよく読むと、「仕上がりはお米が少しかため。且つ、水分やや多めに炊き上げます。(リゾットのような雰囲気でOK。)」 とあったので、ああ成功だったんだと思いました。家族にもヒット。
昨夜は新じゃがを使って、煮ころがしを作りました。調味料の分量は土井勝(土井善晴・監修)『日本のおかず500選』(テレビ朝日コンテンツ事業部、1995)のレシピ「新じゃがいもの煮ころがし」を参考にしました。水の量は半分以下にしました。
レシピでは、「気長に炒めます」とあり、揚げたような仕上がりです。わたしは油を少なくして普通程度に炒めただけでした。これでも美味しかったのですが、次回は時間に余裕をもってレシピのように「気長に」炒めてみたいと思います。そしたら、もっと美味しいでしょうね。材料(4人分)
新じゃがいも(小粒)……800g
揚げ油……1カップ
(A) だし汁……2カップ,砂糖……大さじ4,みりん……大さじ1と1/2,しょうゆ……大さじ5
わたしは調理器具を洗ってから食べるので、食卓に着くのが遅れます。洗いものをしながら家族に感想を聞こうと振り返ると、娘が「マシュマロみたいに、いつのまにかイモが消えていた。まるで、食べていないみたい」といいました。美味しすぎた、ということのようです。
夫も、「ほくほく~アチアチ」と、いいながら食べていました。煮ころがしをして、これほど美味しそうな家族の様子は初めてなので、ストウブ様様です。
わたしは心が乱れたとき、料理をすると、月並みな表現かもしれませんが、癒されます。
精神的苦痛は、自分の中で急いで答えを出そうとするときに高まる気がします。
台所仕事は、注意を働かせつつも無心になることが多いので、一種の瞑想といえるのではないでしょうか。
台所仕事をすることで、これまでどれだけ精神の均衡を保ってこられたか、改めて考えたこのごろでした。
短編小説『侵入者』で、料理の効果について、書いたことがありました。小説のストーリーに組み込む形でですが。その「瞑想」の効果(?)か、主人公の視点が変化したことで、ストーリーは悲劇から喜劇に転ずるのです。
この作品は平成19年8月に脱稿し、同人誌「日田文学」56号(編集人・江川義人、発行人・河津武俊、平成20年4月)に掲載していただきました。その後、「文学界」7月号(文藝春秋、平成20年)・同人雑誌評蘭で、今月のベスト5のうちの1編に選ばれました。
『侵入者』はその後、新しく計画した作品に組み込まれて前後編中の前編となり、『結婚という不可逆的な現象』という小説になりました。後編ではダイエットについて、ちょっと哲学的に分析しています。これも勿論、ストーリーに組み込む形で。何て小説だろうと思われるかもしれませんが、格調高い(?)純文学作品です。電子書籍にして、Kindleストアに出しています。
定年退職後に依存症に陥る人は結構多いそうで、その対策として料理はとてもいいというお話を前にテレビで視聴したことがありました。
女友達の予期せぬ、早すぎる死はこたえましたが、料理をすることで、自分を保っていられました。それと、神智学や萬子媛のことを考えることで。
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