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2018年12月11日 (火)

神秘主義エッセーブログの記事「34」に手を加えるに当たって、考えたこと

更新したKindle本の表紙。内容は以前と同じです。内容紹介に本文から引用していた文章は削除し、目次を加えました(この部分は現在審査中で、まだ表示に反映していません)。

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最近、ブログ記事によく手を入れているのね、とお思いでしょうが、過去記事で登録をご報告したGoogleサーチコンソールのお陰で、自分のブログが検索によってどんな風に見えているかがわかるので、つい手直ししたくなるのですね。萬子媛をモデルとした歴史小説の進行には妨げになりますけれど。

特に「マダムNの神秘主義的エッセー」はある意味で人の生死に関係する――いえ、それどころか死後にまで影響しかねないことを書いていると思えば、読んでくださるかたがどのような受け止めかたをなさろうと、内容的にも体裁的にも手抜きはできないと思っています。力の及ばないところは仕方がありません。

「マダムNの神秘主義的エッセー」は、いずれKindle本にしたいと思っています。ウィキペディアからの引用は、kindle本にするときはまずいですし、ウィキにはとんでもない解説があったりするので(あえて、そのようなとんでもない内容を考察したエッセーも前掲ブログには含まれます)、極力出典はチェックするようにしていますが、そうすると、読書が追いつきません。ですから、このKindle化はまだ先の話です。

「枕許からのレポート」は前掲ブログと当ブログにアップし、kindle本にもしている作品ですが、久しぶりに読み直したところ、引用の脚注に、どのページからの引用か書いていなかったことに気づき、そこを補い、ついでに目次もつけることにしました。シモーヌ・ヴェイユの著作は『神を待ちのぞむ』を『シモーヌ・ヴェーユ著作集Ⅱ ある文明の苦悶―後期評論集―』と取り違えていました。

短い作品であるにも拘わらず、引用したページを調べるだけで、何と、まる二日かかりました。35年も前の独身時代に書いた作品ですが、当時はよく本を購入していたので、幸い全部家にありました。今はよく図書館を利用するため、参照や引用のために同じ本を何度も借りなければならない不便さは致しかたありません。

現在は購入した本も、大事なところは付箋利用です。昔はよく線を引いたり書き込んだりしていたので、当然そうした箇所を見れば引用したページが判明すると高をくくっていました。ところが、線はあちこちにあるのに、なぜか引用したところには引いていなかったのです。

「枕許からのレポート」に引用したのは、次の著作からでした。

  • C・G・ユング(A・ヤッフェ編,河合隼雄・藤綱昭・出井淑子訳)『ユング自伝 ――思い出・夢・思想―― 2 』みすず書房,1963,pp.162-163
  • ヴィクトール・E・フランクル(霜山徳爾訳)『フランクル著作集1 夜と霧』みすず書房,1961,p.183
  • おおえまさのり訳編『チベットの死者の書〈バルド・ソドル〉』講談社,1974,p.49
  • :新改訳聖書刊行会訳『聖書 新改訳』日本聖書刊行会,1978・2版,「新訳聖書」(ヨハネ21・22)p.207
  • 責任編集 野田又夫『世界の名著 27 デカルト』中公バックス - 中央公論社,1978,「哲学の原理」(21)p.381
  • シモーヌ・ヴェイユ(田辺保・杉山毅訳)『神を待ちのぞむ』勁草書房,1967,「神への暗黙的な愛の種々相」p.228
  • クロード・トレモンタン(西村俊昭訳)『ヘブル思想の特質』創文社,1963,p.189

ユングの著作には若い頃は感激しましたが、わたしには今は足りないところが見えてしまいます。

「無意識」が唯物論者に対する妥協的工夫なのか、ユング自身唯物論者の要素が強かったのか、よくわからないところがあります――その両方だと思われます――が、死後の世界への言及、霊的観点からの考察のない神秘主義者の著作などというものはまず存在しません。

「無意識」にこれらを含めるような含めたくないような論考は乱暴といえるくらいに独自的すぎて、錬金術を含む神秘主義の研究者・応用者としての適性をいささか疑ってしまいます。

いずれにしても、晩年の思想の頂点が『ユング自伝 ――思い出・夢・思想―― 2 』で書かれた「死後の生命」のようなものだとすると、神秘主義に長く関わった人としては、変な人だという気にさせられるのです。これが知的誠実さということなのでしょうか。どこか、ウィリアム・ジェームズとの共通点を感じさせます。

ユングについて書きたいと思っていますが、時間がかかるので、これもすぐには無理ですね。

フランクルの『夜と霧』は昔も今も感銘を受け、全て再読しました。そしてちょうど、『夜と霧』を再読する直前にシオニストと正統派ユダヤ教徒(同化主義ユダヤ人を含む)の違い、シオニストについての情報をもたらしてくれそうな著作を漁っていたので、シオニストによるナチス下のドイツで同朋に対する裏切り行為、選別行為がどんなものだったかの裏付けとなる著作として、昔読んだエティ・ヒレスム(大社淑子訳)『エロスと神と収容所 エティの日記』(朝日選書298 - 朝日新聞社、1986)も再読しました。

この本は大学時代の後輩から貰った貴重な、美しい内容の本ですが、日記の執筆者エティの関わった組織「ユダヤ人評議会」というのが何であるのか、長年、わたしは疑問を抱いたままでした。

ユダヤ人評議会は訳者あとがきに「ユダヤ人を支配し、操り、最後には殺人収容所に送り込むためのナチの巧妙で狡猾な道具であった」とあるような、生易しい組織ではなく、むしろ逆にナチを操っていた恐るべき存在だと考えるほうが理にかなった見方です。

グローバリスト=シオニスト=共産主義者=リベラル(極左)=ネオコンなのですよ。ヴァイスハウプトによるイルミナティの方法論が浸透しています。以前は根も葉もない陰謀論とされていましたけれど、最近になって豊富に資料が発掘されたり、新たに書かれたりしています。

シオニストの計画通りに建国されたイスラエル国では今もなおシオニストと正統派ユダヤ教徒(同化主義ユダヤ人を含む)は対立し、その対立は激化しているようです。このことは世界中に影響があるため、無知でいるわけにはいきません。

以下の本は至急読んでしまいたいところですが、大著もあり、図書館にない本もあって、これも年越しかな。まだ読んだのは『ルーズベルトの開戦責任』だけ。

20世紀ドイツの光と影―歴史から見た経済と社会
斎藤 晢 (編集), 鎗田 英三 (編集), 八林 秀一 (編集)
出版社: 芦書房 (2005/09)

ファシズム時代のシオニズム (叢書・ウニベルシタス)
レニ ブレンナー (著), Lenni Brenner (原著), 芝 健介 (翻訳)

出版社: 法政大学出版局 (2001/07)

裏切られた自由 : フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症
ハーバート フーバー (著), ジョージ・H. ナッシュ (編集), Herbert Hoover  (原著), George H. Nash (原著), 渡辺 惣樹 (翻訳)
出版社: 草思社 (2017/7/13)

裏切られた自由 下: フーバー大統領が語る第二次世界大戦の隠された歴史とその後遺症 単行本 – 2017/11/9
ハーバート フーバー (編集), ジョージ・H. ナッシュ (編集), Herbert Hoover (原著), George H. Nash (原著), 渡辺 惣樹 (翻訳)
出版社: 草思社 (2017/11/9)

ルーズベルトの開戦責任 (草思社文庫)
ハミルトン フィッシュ (著), Hamilton Fish (原著), 渡辺 惣樹 (翻訳)
出版社: 草思社 (2017/4/4)

誰が第二次世界大戦を起こしたのか: フーバー大統領『裏切られた自由』を読み解く
渡辺 惣樹  (著)
出版社: 草思社 (2017/7/13)
※フーバー、フィッシュ著作の参考書として。

エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告【新版】
ハンナ・アーレント (著), 大久保 和郎 (翻訳)
出版社: みすず書房; 新版 (2017/8/24)

私のなかの「ユダヤ人」
ルティ ジョスコヴィッツ (著)
出版社: 現代企画室; 増補新版 (2007/8/1)

話を戻すと、引用を調べていると、読書傾向が変わったことがわかります。デカルトなどは、よく読んだものだ、あまり面白くもないのに……と思ってしまいました。

ところが当時は、理解できていたかどうかは別として、面白かったのです。

デカルトの作品を読むには、あまり教養が必要ありません。面倒がらずにじっくり読んでいけば、神秘主義者でない人物の作品は、毛嫌いさえしなければ、頭脳さえフルに使えばいいので、時間はかかっても読めるのです。数学は時間がかかるので苦手ですが、数学と同じです。

当時は、プラトンやプロティノスは別として、神秘主義者の著作はさっぱり読めませんでした。読むには、本当に教養と経験と高度な情操が必要なのです。自らが成長しながらでないと、読めないのが本物の神秘主義的著作です。ブラヴァツキーの著作はその中でも第一級品です。

冒頭に置いたKindle本の表紙は、慌てて作ったので、そのうち作り直したいです。

マダムNの神秘主義的エッセー
http://mysterious-essays.hatenablog.jp

34 枕許からのレポート
https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2015/12/09/044335

目次

  1. はじめに
  2. 枕許からのレポート
    Ⅰ プロローグ
    Ⅱ ある友人に宛てて出した手紙の一部
    Ⅲ 思想形成の出発点となった体験を考察する 
    あとがき 

○o。+..:*○o。+..:*○o。+..:*

2007年9月30日 (日)
手記『枕許からのレポート』
https://elder.tea-nifty.com/blog/2007/09/post_e32f.html

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