神秘主義ブログのヴァイア―と夏目漱石の記事を改稿。ユング心理学のテキストをお勉強。
少し日が経ちますが、竜王会の機関誌が入った封筒に、C・G・ユング(老松克博訳)『ゾシモスのヴィジョン ――古代ギリシアの錬金術師による夢見の指南書』(竜王文庫:竜ブックス、平成30年10月)が入っていました。
ユング派分析家で大学教授であられる老松氏が前に訳されたブラヴァツキーの著書に比べると、大学の授業で使われるテキストのような体裁に見えます。実際に授業で使われるのかもしれませんね。
ここ二日はその本を読み、感想を半分書きかけて、わたしみたいなお馬鹿が教科書に使われるかもしれない本の感想を書いていいものだろうか、とふと疑問に思いました。
で、ちょっと中断して、「マダムNの神秘主義的エッセー」の二つの記事を改稿しました。
ヨーロッパ中世の魔女裁判の抑止力となったのは神秘主義者たちでしたが、最も影響を与えたのは、オランダ生まれのヨハン・ヴァイアー(Johann Weyer,1515 - 1588)だといわれています。
彼は有名なアグリッパの弟子でした。アグリッパを御存じないかたはウィキへどうぞ。→ここ
上山安敏『魔女とキリスト教』(講談社・講談社学術文庫、1998)は秀逸な内容で、魔女裁判のことがよくわかります。ヴァイア―の人物像も浮かび上がってきますが、今日見つけたオンライン論文も参考になりました。
「J・ヴァイアー『悪魔の眩惑』 : 魔女は罪人か、病人か?」
著者 菊地 英里香
出版者 筑波大学大学院人文社会科学研究科古典古代学研究室
雑誌 古典古代学 (ISSN:18837352)
巻号頁・発行日 no.1, pp.29-51, 2009-03-31
http://hdl.handle.net/2241/110213
39 ヨハン・ヴァイアー、魔女裁判の抑止力となった暗黒時代の神秘主義者たち
https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2015/12/17/064216
目次
- 異端審問の延長上に生まれた魔女裁判
- 魔女妄想の拡大に一役買った、グーテンベルクの出版革命
- 魔女裁判の衰退に影響を与えた、ヴァイア―の魔女懐疑論
- アグリッパの思想系譜に属する神秘主義者、ヴァイア―
- キリスト教が生んだブラックファンタシー
- 中世のヨーロッパに生まれた、神秘主義者の悲劇
- 現代の魔女は掃除機に跨る?
32 神格化された夏目漱石 (1)神仏分離政策の影
https://mysterious-essays.hatenablog.jp/entry/2015/10/11/192042#f-ecc03139
- 国民作家、夏目漱石の小説から見える明治の骨格
- プラグマティズムによる唯物論の影響
- 小説「こころ」に潜む闇
- GHQの占領政策と左派好みの漱石
- 「こころ」のKのモデルは藤村操だろうか
- 神経衰弱の一因となったかもしれない、明治の文化破壊
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