歴史短編1のために #36 神社に参拝する僧侶たち(「神と仏のゴチャマゼ千年…」 - NHK「歴史秘話ヒストリア」2018.5.30
5月30日のNHK「歴史秘話ヒストリア」は「神と仏のゴチャマゼ千年 謎解き!ニッポンの信仰心」というタイトルだった。
神仏習合の長い歴史を振り返り、その後の明治期に起きた廃仏毀釈と、その中で生き残った神仏習合の事例や復活した風習などを紹介していた。
というのも、祐徳稲荷神社で御祈願をお願いしたときに、わたしは同じような情景を内的鏡で見ていたからである。そのときのことを拙「マダムNの神秘主義的エッセー」の 74 で次のように書いている。
神事のとき、萬子媛はどのような位置で、どのような行動をなさっていたのだろうか。厄除け祈願をお願いしたときのことが参考になるだろうか?
これはあくまでわたしの神秘主義的感性が捉えた――内的鏡にほのかに映った――萬子媛をはじめとする、この世にあったときは尼僧であったと思われる方々の御祈願時の様子なのであるが、わたしはそうしたこの世ならざる方々が御神楽殿での御祈願時にそこへお見えになるとは想像もしていなかった。
そのときまで萬子媛のことしか念頭になく、御祈願のときにもし萬子媛をわたしの内的鏡が捉えることがあるとしたら前方に捉えるのではないかと想像していた。というのは、そのときに萬子媛の臨在があるとすれば、神主さんに寄り添うような形をとられるのではないかと漠然と想像していたからだった。
事実は違った。萬子媛をはじめとする尼僧の方々――生前は尼僧であったとわたしが推測する方々――は、御祈願を受けるわたしたち家族のすぐ背後に整然と並ばれたのであった。
端然とした雰囲気の中にも、日ごろの馴染んだ行為であることが窺えるような、物柔らかな自然な感じがあり、整然と並ばれたといっても、軍隊式を連想させるような硬さは全くなかった。
わたしの内的鏡にほのかに映った美しい情景からは、江戸時代初期から中期かけて、神事というものがごく自然に仏事や日々の生活に溶け込んでいた様子が窺えた。神事も仏事もどちらもこよなく敬虔に、当たり前のこととして行われていたに違いない。
同じ記事に、村上竜生『英彦山修験道絵巻 』(かもがわ出版、1995)で見た、江戸期の神事に参列している僧侶たちのことを書いたが、どれも同じ神仏習合の風習を伝えるものだ。
番組では、1941年に滋賀県の日吉神社の社殿の床下の土中から発見された懸仏[かけぼとけ]なども紹介していた。
懸仏とは、銅などの円板に浮彫の仏像を付けたもので、柱や壁にかけて礼拝するものだそうだが、それら懸仏が「廃仏毀釈」からの生き残りとして紹介された。
娘と視聴していて思わず「わぁ可愛らしい」と同時に声を上げたほど、おぼろげに浮かび上がった仏様が如何にも尊く、可憐な御姿に見えた。これを彫り、拝んだ人々の思いがそのようなものであったからだろう。イコンを連想させた。
番組の参考文献として挙げられた著作
- 『神道とは何か 神と仏の日本史』(伊藤 聡 中公新書)
- 『古代仏教をよみなおす』(吉田一彦 吉川弘文館)
- 『神仏習合』(義江彰夫 岩波新書)
- 『神道・儒教・仏教 ―江戸思想史のなかの三教』(森 和也)
| 固定リンク
「神秘主義」カテゴリの記事
- 長引いたコロナ。舅の死(ある因縁話)。百貨店でオーラの話。(19日に加筆あり)(2024.03.18)
- 小指が立つ癖。モーツァルトのロンド(ニ長調 K 485)、パッヘルベル「カノン」。ピタゴラスは弟子たちの魂を音楽によって矯正しました。(2023.08.06)
- 年賀状を用意する時期になりました。スペース座談会「第一回ワクチン後遺症を語る会〜メディアでは報道されない真実〜」。コオロギせんべい(グレート・リセット関連)。魂の無い機械人間?(ツイッターでのやりとり)(2022.12.20)
- 神秘主義エッセーブログより、改稿済み「71 祐徳稲荷神社参詣記 (2)2016年6月15日」を紹介(2022.11.04)
- 神秘主義をテーマとしていたはずのツイッターでのやりとりが、難問(?)に答える羽目になりました(2022.06.22)
「歴史」カテゴリの記事
- 本日――令和6年4月13日、右も左もない国民運動として「パンデミック条約 国際保健規則改定反対集会」及び池袋デモ行進が行われました(2024.04.13)
- パレスチナ・イスラエル戦争。ロスチャに握られた原発と水道。ユーチューバーによる3年前のガザ観光動画。(2023.10.25)
- ついにわかりました! いや、憶測にすぎないことではありますが……(祐徳院三代庵主の痕跡を求めて)(2023.07.04)
- 皆既月食の最中です(2022.11.08)
- 終戦の日(2022.08.15)
「文学 №1(総合・研究) 」カテゴリの記事
- ついにわかりました! いや、憶測にすぎないことではありますが……(祐徳院三代庵主の痕跡を求めて)(2023.07.04)
- 第29回三田文學新人賞 受賞作鳥山まこと「あるもの」、第39回織田作之助青春賞 受賞作「浴雨」を読んで (2023.05.18)
- 神秘主義をテーマとしていたはずのツイッターでのやりとりが、難問(?)に答える羽目になりました(2022.06.22)
- 萬子媛の言葉(2022.03.31)
- モンタニエ博士の「水は情報を記憶する」という研究内容から連想したブラヴァツキー夫人の文章(2022.02.20)
「テレビ」カテゴリの記事
- Mさん、お誕生日おめでとうございます(2023.11.07)
- すばらしかった安倍元総理の国葬 ①立派だった昭恵夫人、尽きせぬ想いが伝わる菅前総理の弔辞、皇族の方々の気品、精神美と様式美が溶け合った圧巻の儀仗隊、老舗ムラヤマの心憎いばかりの演出(2022.10.02)
- 安倍元首相は、日本の今後をどう案じていたのか? (2022.07.25)
- 日本をこよなく愛した安倍晋三元総理のご冥福をお祈りします。在りし日のピアノ演奏を聴きながら。(2022.07.10)
- プーチン大統領の軍事行動とウクライナの生物兵器研究所(2022.02.27)
「Theosophy(神智学)」カテゴリの記事
- 長引いたコロナ。舅の死(ある因縁話)。百貨店でオーラの話。(19日に加筆あり)(2024.03.18)
- 年賀状を用意する時期になりました。スペース座談会「第一回ワクチン後遺症を語る会〜メディアでは報道されない真実〜」。コオロギせんべい(グレート・リセット関連)。魂の無い機械人間?(ツイッターでのやりとり)(2022.12.20)
- 神秘主義エッセーブログより、改稿済み「71 祐徳稲荷神社参詣記 (2)2016年6月15日」を紹介(2022.11.04)
- モンタニエ博士の「水は情報を記憶する」という研究内容から連想したブラヴァツキー夫人の文章(2022.02.20)
- (再度の加筆のため、一旦閉じました)神秘主義的エッセーブログを(一応)更新しました(加筆あり、赤字)(2021.11.25)
「思想」カテゴリの記事
- 言葉足らずだったかな……しばしお待ちを(2022.04.01)
- トーマス・マン『魔の山』の舞台で行われるダボス会議のテーマであるグレート・リセット、内閣府のムーンショット計画、新型コロナワクチン(2021.03.24)
- ヴァイスハウプトはロスチャイルドに依頼されてイルミナティを作った ③(2021.01.20)
- ヴァイスハウプトはロスチャイルドに依頼されてイルミナティを作った ① (2021.01.17)
- 流出したスパイ一覧、人身売買と悪魔崇拝(2020米大統領選)(2020.12.19)
「Notes:萬子ひめ」カテゴリの記事
- ひと月ぶりで、すみません。「mRNAワクチン中止を求める国民連合」が発足。ハムスターの腫瘍にイベルメクチンが奏功。「えびとなすとオクラのしょうゆ炒め」(みんなのきょうの料理)。(2024.06.06)
- ついにわかりました! いや、憶測にすぎないことではありますが……(祐徳院三代庵主の痕跡を求めて)(2023.07.04)
- 福島雅典 京都大学名誉教授らが原告となり、厚労省に対して東京地裁に情報公開請求などの訴えを提示。パブリックドメインの楽譜を無料でダウンロードできるサイト。(6日に加筆訂正あり)(2023.02.05)
- 神秘主義エッセーブログより、改稿済み「71 祐徳稲荷神社参詣記 (2)2016年6月15日」を紹介(2022.11.04)
- 神秘主義的エッセーブログに「118 祐徳稲荷神社参詣記 (18)萬子媛亡き後の祐徳院(二代庵主の御子孫から届いたメール)」をアップしました(2022.09.10)