西城秀樹の死。幼馴染の病気を考える今、役立っている男友達の病気情報
西城秀樹が亡くなったとのニュースに、ショック。高校時代にファンだったのです。中学時代に大好きになって、自殺後も忘れられない田宮二郎ほどではなかったけれど。
西城秀樹の楽曲の中では、初期のころの「恋の約束」が一番好きです。
秀樹は過去に二度、脳梗塞になり、そして昨日亡くなったようです。脳梗塞後、リハビリに励む様子が伝えられ、前向きで何事にも全身全霊で立ち向かう秀樹らしいその姿が素敵でした。
秀樹の脳梗塞は、脳梗塞の中でも半数近くを占め、日本では最も多いというラクナ梗塞というものだったそうです。原因は高血圧。
冠攣縮性狭心症と心臓弁膜症があり、心房細動を抗不整脈剤サンリズムで予防しているわたしには脳梗塞のリスクは常にあるはずで、他人事ではないと思えます。
そういえば、先週の土曜日に循環器クリニックを受診していながら、記録しそびれています。大して書くことがなかったとしても、思いがけない記述があとで役に立つことがあるので、書いておかなくては。
紙に書く日記だと続いた試しがありませんでしたが(文学のことは精力的に書いても……)、ブログに書くようになってからは続いています。同じ病気のかたには参考になることもあるかと思っています。ジェネリック関係の記事にはアクセスが多いです。
話は変わりますが、わたしは大腸がん――直腸がん――になった幼馴染みからの精密検査の報告を待っていました。「わたしのほうから連絡するから」と彼女がいったので。
それが、なかなか連絡がないので、日曜日にこちらから電話をかけてみました。以下は、幼馴染のことを書いた過去記事です。
2018年4月21日 (土)
散歩中にワタメを弔う(リヴリーアイランド)。幼馴染のこと(その2)。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2018/04/post-d9cc.html
電話をかけるなら、病院の外来がお休みの日のほうがいいと思いました。平日だと、病院に出かけている可能性があります。でも、お休みの日だと、彼女を心配する他の友人が来ていたりするかもしれないので、電話するにも躊躇するものがありました。
でも、気になって、気になって、かけてみました。
幸い、彼女がすぐに電話に出ました。今電話で話すことに差し支えはないとのことで、ホッとしながら尋ねました。
「結果報告を待っていたのよ、どうだったの? それから、お菓子ありがとう。この間電話を切るときに御礼がどうのといっていたから、そんなのいらないっていったのに。こちらからお見舞いしなきゃならないところなのに。でもありがとう、物凄くおいしかった。大好きなアンリ・シャンパンティエのに似ていると思ってググったら、同じ会社のものだったのね」
結果報告を聞きたいけれど、聞きたくない気持ちから、早口でまくし立ててしまいました。がんなんかの話ではなく、別の楽しい話ができたらどんなにいいかと思いましたが、現実的にならなくてはと自身を叱咤しつつ自分が宣告を受ける気持ちになりました。
「Nちゃんに、これ以上迷惑をかけるのが悪いと思って。病気のことなんて、自分か自分の家族がそうなって初めて、知りたいと思うものよね」と彼女。
「そりゃそうね。病気のことなんて、まっぴらよね。現実的な対応のために、渋々知ろうとするわね。でも、Yちゃんは家族ではないけれど、幼馴染だし、何にしても、もう遅いよ。知ってしまったんだから」とわたし。
こう明け透けにいえば非難されそうですが、本当に、迷惑な話だともいえます。疎遠だった人に限って、鼻息荒く近づいてきて、自分が末期がんだとか、他の重い話を突きつけてきます。こういった人々は、こちらから求めているときにはなぜか音信不通であることが多いのです。
友情とは名ばかりで、単にわたしを使えると思っている人々なのでしょう。彼らの相手をするのであれば、その前に、ボランティアをするつもりかどうか自分に尋ねてみる必要があります。
でも、幼馴染みの場合はこういった人々とはやはり違う。
子供のころは共に電話交換手の母親を持つ鍵っ子として――うちの場合は外国航路の船員の父も留守がちだったので、家政婦さんに来て貰っていたため、正確にいえばわたしと妹は時々鍵っ子でした――姉妹のように育ち、高校、大学が別だったために疎遠になったとはいっても、互いに年賀状を欠かしたことはありませんでした。
それに、彼女には自分の行動が他人に与える影響を洞察しようとする知性と優しさがあります。重い話をするときも、科学とか文学とかのテーマであるかのように、真摯に、興味深そうに話すので、思わず引き込まれるものがありました。そして、「結果は……震度3……」などと、うっかりいってしまうユニークなところがあります。
わたしは、自分のいい間違いに気づいた彼女と一緒に思わず笑ってしまいました。
「ああ、よかった。4ではなかったのね。3だとすると、開腹手術? 人工肛門つけることになるの?」とわたしは尋ねました。残念ながらリンパ節にも転移が見られ、遠隔転移はなそさうだけれど、正確なところは開けてみなければわからないとのこと。
人工肛門にはならずに済むぎりぎりのところだそうで、ただしこれも手術中の判断で人工肛門になる可能性もあるとのことでした。
以前、わたしは大腸がんのことに無知でした。が、夫が虫垂炎から盛り上がった無害の肉芽を腫瘍と間違えられ、13年ほど前にそのころ住んでいた大分県日田市から近いK大学病院で摘出手術を受けました。
大腸がん、それも深刻な事態かもしれないといわれ、娘が就活の真っ最中で金銭的にも気持ち的にも余裕のない中、どうしようと思い悩みました。
幸い、腹腔鏡下で手術してみると、悪性腫瘍ではなく、良性腫瘍ですらなくて、虫垂炎の炎症に反応してできた健気な肉芽でした。
結果的には虫垂炎の手術となったわけでしたが、最初に受診した胃腸科クリニックの先生が名医ランキング入りするような有名な先生に紹介してくださって、当時は田舎ではまだ珍しかった腹腔鏡手術を受けることができました。
摘出された肉芽は、標本になってからもどんどん縮んでいったそうで、見せていただいたときは小さく萎んでいました。
でも、このケースは誤診だったともいえるわけで、精密検査のために虫垂炎の手術が遅れて腹膜炎にでもなっていたら大変なところでした。有名な先生にお任せしているからといって、安心しきるのはいけませんね。
そのとき、同室に直腸がんのご老人がいらして、人工肛門を外す手術を受けるための入院だと聞きました。食欲旺盛で、元気いっぱいのご老人でした。このとき、直腸がんのことにいくらか詳しくなりました。
さらには、大学時代の男友達が2014年にステージⅣ(5年生存率18%弱)の直腸がんになりました。互いに結婚式には出席し合いましたが、年賀状の返事はあったりなかったりで、疎遠になっていました。
男友達は愚痴の聴き役を欲していたようで、2016年までメール交換しました。彼には恩がありました。わたしが大学を卒業しようとするころ、腎不全から脳浮腫が起きて倒れた母に付き添ってたときに―――就職がふいになりました――、見舞いに来て励まして貰ったという恩があったのです。
友情半分、ボランティア半分でメールの相手をしていたものの、受け止めるのがもう重くて、悲鳴を上げていました。誰だって、自分に無関係な病気の話を洪水のように聞かされれば悲鳴を上げるでしょうよ。
わたしは彼の話の一方的な受け皿にすぎないと思えましたし、いくら友情――とボランティア――から出たメール交換とはいえ、奥様がこうしたメール交換を御存じかどうか、御存じだとしたら快く思われているどうかに疑問がありました。
互いに結婚している身であることを考え、互いの配偶者への配慮からメールを遠慮しようとわたしのほうから提案しました。同時に、ブログの開設を勧めました。同じ患者同士コメントを書き合い、励まし合ったり、情報交換したりできる闘病ブログは有意義です。
彼の闘病ブログは――写真などあって――生々しすぎたので、そのうち花の写真など載せたいと彼がいったことに期待して、記事数が増えたら彼の許可をとって当ブログで紹介させていただくつもりでした。わたしのブログの訪問者は第一に料理、第二に文学、第三に神秘主義、第四に心臓の話題を好まれるので、バランスを考えて、時期を見ることにしたのでした。
でも、彼はこのようなわたしの提案とやりかたに、たぶん怒ったのでしょう。安否確認くらいに今後は留めましょう、というわたしの提案はふいになり、その後の安否は不明です。メール交換をやめた時点では、がんは再発していず、かなりハードな仕事もしていました。
亡くなったという感じを受けたことはありません。ただ、これまでにわたしに別れの挨拶に見えたのは、夫の叔父さんを除けば、生前に宗教はバラバラですが、生と死を一つのものと捉え、霊的なことに関心を持っていた人々です。
お一人は神智学、お一人は浄土真宗、お一人はキリスト教(カトリック)に生前心を寄せておられ、各人がその方面の知識を豊富にお持ちでした。このようないいかたは語弊があるかもしれませんが、霊的に通の方々でしたので、その存在感も並みではなく、ひよっ子の神秘主義者にすぎないわたしにも察知しやすかったのではないかと考えています。
男友達が独自の信仰なり、神秘主義的な考えなりを持っていたのかどうか、わたしは知りません。でも持っていたとしたら、気づいたでしょう。だとすると、仮に彼がわたしに別れの挨拶に見えたとしても、気づくことができない可能性は大です。
メール交換していたときは、正直いって、直腸だの人工肛門だの、手術、抗癌剤治療といった話にもう溺れてしまいそうで、辟易していました。なぜわたしがこんな聞き役を務めなければならないのかと怒りさえ湧いたほどでした。
ですが、彼のメールやブログでの経過報告が貴重な情報となって今、とても役立っています。感謝しています。
幼馴染みの報告にも悲鳴を上げましたが、男友達の教育(?)のお陰か、ある意味で幼馴染み本人より大腸がんについて部分的に詳しくなっている自分に気づきました。
彼女は、精密検査を受けたがん専門病院の先生との相性が悪く、積極的な治療は受けないことにした、ホスピスの面接を受けたというのです。
尤も、ホスピスには今の時点では入れず、もう一軒病院を回って治療を受けることを勧められたとか。彼女と相性の悪いがん専門病院の先生はセカンドオピニオンには協力してくれるそうですが、もし積極的な治療を受けたくないというのであれば、経過観察と痛みの緩和を目的とした通院も可能ではあるということでした。
幼馴染みは離婚後、長いことお母様との二人暮らしで、パソコンも携帯電話もやりません。そのせいで、かんに対するイメージが旧体然としているように思えました。10年ほど前から人はがんでは容易に死ななくなった気がする、とわたしはいいました。勿論、亡くなる人も多いでしょうが、かん治療の進歩には著しいものがあるのではないでしょうか。
わたしは、ステージ4で手術を受けて頑張っている男友達の話をしました。幼馴染は勇気を貰ったようです。
彼女はセカンドオピニオンを受けることにしたようで、二つの大学病院を考えています。そのうちの一つは夫が虫垂と肉芽の摘出手術を受け、男友達ががん治療を受けていた病院で、こちらのほうがむしろ交通の便がいいくらいとのことで、こちらに行くことになるのかもしれません。
わたしはまた彼女の連絡を待つだけです。自分のほうから連絡してくれるでしょうか?
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