名月を拝んで(下手な)三句
前の記事に書いたように、わたしが見たときは雲が多く、今年はもう中秋の名月を見られないだろうと思っていました。
夫に残念だと連発して、家事の続きを始めました。
ところが、今日はたまたま娘が残業で、そしてたまたま夫が休日で、まだバスはあったのですが、迎えに行ったのです。
帰宅した夫に「月、出ていなかったでしょ?」と訊くと、夫はにやりとして「いや、出ているよ」といいました。
駐車場に出た夫は、わたしの言葉を思い出してすぐに上を見たそうです。すると、そこに月があったとか。
「そこに月があったって……月、出ているの~?」と驚き、ベランダに出ると、ベランダからは見えにくく、雲もあったので、すぐには月がどこにいるのかわからなかったのですが、しばらくしたら雲の陰から見え出しました。
そして、月の周りの雲がいつの間にかなくなり、綺麗な月を拝むことができたのです。
杉田久女の俳句に「椅子涼し衣[そ]通る月に身じろがず」(杉田久女『杉田久女全集第一巻』立風書房、1998)という句がありますが、わたしも身じろぐことができませんでした。
お月様にじっと見つめられ、何か高貴な言葉で語りかけられているような気がしました。夫も「かなり強い光だね」といいました。
普段も出ている月ですが、改めて、その存在感に感動しました。そこでまた俳句を作りましたが、難しいですね。
名月は雲のまにまに遊泳し
名月の雲を統[す]べたる光かな雲退きて名月の黄の濃かりけり
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