祐徳稲荷神社と普明寺に行き、博物館で取材しました
昨日、家族で祐徳稲荷神社に出かけました。また出るのが遅くなり、途中でお昼近くになったので、ドライブインに寄りました。
わたしは萬子媛にお目にかかる緊張感から、何も飲食しませんでした。以前は何も考えずに気軽に行けたのが不思議です。
遅くなり、御祈願の受付時間には間に合いそうでしたが、祐徳博物館には行けても、16時半には閉まってしまうので、慌ただしい見学になりそうでした。
博物館の近くの駐車場に夫が車を止め、降りて本殿や石壁社のあるあたりに目を向けたとき、傾きかけた日が燦然と射して、あまりの美しさにしばらく見とれてしまいました。
日を受けた樹々の緑の輝きがあまりに美しいので、「まるで天国みたいに綺麗ね、こんなに綺麗に見えるのは初めてよ」と娘にいうと、娘は怪訝な顔をしました。
何て綺麗なんだろう、ずっとここにいたいと思ったほどでした。あとで、もっと傾いた日を受けて、それでもまだ輝いている樹々の緑を見たときとの平凡な印象とは、落差がありました。
今思えば、御帰りになる萬子媛のオーラの輝きが日の輝きに混じっていたからだとしか思えません。
御祈願をお願いしようと思って、厄年の記された表を見ると、そこにわたしの生まれた年はありませんでした。来年、還暦の御祈願をお願いすることになりそうですけれど。
神社によって、違うのですね。先日、帰省した息子、夫と宇佐神宮に参拝した折に厄年の表を見ると、前厄に当たっていたので、祐徳稲荷神社で御祈願をお願いしようと思ったのでした。
それなら博物館に先に行こうかな、と思いました。「そちらに長居してしまうと、萬子媛がお帰りになってしまうよ。いいの?」と娘がいいました。娘はわたしのいうことを信じている風ではありませんが、合わせてはくれるのです。
そうかもしれないと思いました。それでも、博物館で前回見落としがあって(結局は今回も見落としが出ました)、どうしても確認のために行きたかったのですね。
そして、やっぱり長居してしまい、出ようとして博物館の受付のところを見ると、職員のお顔が見えたので、どうしても知りたかったことをお尋ねしてみたくなりました。このことがわからないと、小説が進まないのです。
閉館の時間になっていたにも拘わらず、快く質問に答えてくださいました。
「江戸時代のお話になりますが、祐徳稲荷神社のお寺としての前身の、黄檗宗の僧侶となられた萬子媛が創建された祐徳院の建物はどこにあったのですか?」とわたし。
これまで調べたことを総合して考えると、祐徳院は庵のような小規模の建物で、山腹にあるとしか想像することはできませんでした。
でも、萬子媛の義理の息子で大名になった直條公が執筆したとされる『祐徳開山瑞顔大師行業記』には、尼僧となった萬子媛がもう一人の義理の息子断橋和尚(直條の兄に当たる)から譲られた祐徳院で、尼十数輩をひきいたと書かれているのです。
祐徳院を庵のような小規模の建物と考えるのは不自然でした。
すると、職員はおっしゃいました。「それは、ここです」
「ここって……山腹にあったのではないのですか?」とわたし。
「実は、はっきりとしたことはわかっていないのです。廃仏毀釈をご存知でしょう? それによって、祐徳院にあった物は普明寺に移されたということのようですよ」と職員。
はっきりしたことは不明とおっしゃっているにも拘わらず、再度お尋ねしてしまいました。「では、祐徳院は本殿とか石壁社のあるあたりの山腹にあったわけではないのですね?」とわたし。
職員は困ったような表情で、「萬子媛に仕えていた尼さんの石碑が岩本社のあるあたりにあったと聞いています。それで、岩本社が建てられたようです」とおっしゃいました。
祐徳稲荷神社で行われた『かしま伝承芸能フェスティバル』の模様を収めた動画がアップされていました。
「一声浮立」が披露されています。鹿島小唄、鹿島節と共に、盆踊りでお馴染みの曲です。知っている顔があるような……やっぱりそうでは。なつかしいので、自分のためにも貼りつけさせていただきます。この歌詞の中に「福は授かる祐徳稲荷」とあります。
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