杉田久女、川端茅舎、三橋鷹女、松本たかしの春の句を紹介
当ブログで以前、杉田久女、川端茅舎、三橋鷹女、松本たかしの俳句を紹介していました。その後、「マダムNの俳句紹介」へと紹介の場を移し、気が向いたときに記事を更新してきました。
久しぶりに更新したのですが、当ブログでも紹介したくなりました。過去記事で紹介した句もありますが、再度。
………………………………
三橋鷹女
あすが来てゐるたんぽぽの花びらに
花買はな雪解け窓を押し開き
………………
松本たかし
人来ねば鼓打ちけり花の雨
めりがちの鼓締め打つ花の雨
春愁や稽古鼓を仮枕
座敷には鼓出されて花に月
チチポポと鼓打たうよ花月夜
………………
杉田久女
掃きよせてある花屑も貴妃桜
風に落つ貴妃桜房のまゝ
花房の吹かれまろべる露台かな
むれ落ちて貴妃桜房のまゝ
むれ落ちて貴妃桜尚あせず
きざはしを降りる沓なし貴妃桜
………………
川端茅舎
山高みこのもかのもに花の雲
花の雲鳩は五色に舞ひあそぶ
蹴(け)ちらして落花とあがる雀かな
花吹雪瀧つ岩ねのかゞやきぬ
■ 引用・参考文献
『三橋鷹女全集』(立風書房、1989年)
『川端茅舎 松本たかし集 現代俳句の世界3』(朝日新聞社〈朝日文庫〉、1985年)
『杉田久女全集』(立風書房、1989年)
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