物質主義社会のなれの果てか、ママカースト
過去記事でお知らせしたように、はてなブログ「マダムNの連載小説」で平成12年(2000)5月に脱稿した「地味な人」の連載を開始した。
100枚程度の短編小説なので、3枚強ずつ毎日更新したら、ひと月で完結する。
この小説をブログで公開するか、電子出版したいと思いながら、気が進まず、清書しかけては中断、を繰り返してきた。
要するに、ダークなテーマであるため、自分の小説であるのに、扱うのが嫌になってしまっていたのだ。
しかし、感熱紙の印字がいよいよ薄くなってしまった今、このまま主人公を失っていいのか、といううろたえる思いが自分の中で湧いた。
16年も前に書いた小説であるにも拘わらず、挑んだテーマは現代日本で流行語になっているママカーストと同じものである。尤も、当時は、そのような言葉はなかった。ママ友という言葉もなかった。
小説を連載しながら改めて、ママカーストの実態をリサーチしたいと考えている。物質主義社会のなれの果てといってよい現象なのか、反日勢力の工作が絡んだ現象なのか……
わたしのママ友関係には、幸いママカーストに当たるような出来事は起きなかった。
同じアパートで、夫が流通業に勤務する似た経済状態にある女性たちが子供を介して交際していた。個人的に合う合わないといった自然な感情は当然存在したが、それだけのことだった。遠く離れても、当時がなつかしく、葉書のやりとりがある。
そうした意味では幸福な子育てだった。ところが、落とし穴はあるもので、別の場所でママカースト現象に当たるような体験をした。だから、小説が書けたのである。
江戸時代に生まれた萬子媛は、彼女の小伝を書いた義理の息子が「大師ハ華冑ニ生ルルモ、富貴ノ籠絡スル所トナラズ、志ヲ斯ノ道ニ鉄ス」と書いたように、高貴な生まれでありながら(後陽成天皇の曾孫女で、左大臣・花山院定好の娘)、そのことに絡めとられることなく、求道者としての道を貫き、衆生救済のために断食入定した。
日本は、過去にこのような人物を生んだ国でありながら、何て情けない国になってしまったことか。
ママカーストなんてやっている人間は、畜生以下だろう。日本人なら、恥を知るがいい。自らの行いはすべて自分に返ってくる――仏教を通して古来、日本人にはそうした認識があった。
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