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2016年7月27日 (水)

相模原殺傷事件の容疑者の大麻使用

26日未明、相模原市の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で殺傷事件が起き、19人が死亡、26人が重軽傷を負ったという。

7月26日20時54分配信の時事通信によると、元同施設職員植松聖容疑者(26)には2月に「重度障害者を殺す」「(施設利用者は)安楽死させるべきだ」などといった異常発言があり、施設は神奈川県警津久井署に連絡、措置入院させ、このとき、大麻の陽性反応が確認された。

19日、医療機関で診察した医師は「そう病」と診断。緊急措置入院となった。同22日の再診察では「大麻精神病」や「妄想性障害」などと診断され、改めて措置入院の処置が取られたものの、その後の診察で措置入院の必要性は消失したとされ、3月2日に退院したという。

また措置入院前の2月14日には衆院議長公邸を訪れ、障害者殺害を予告する内容の手紙を渡そうとしていた。

手紙の全文が「ニュース速報Japan」に掲載されている。
 →http://breaking-news.jp/2016/07/26/026100

フリーメーソン、UFO、宇宙人といった言葉が出てくるが、辻褄の合わない、一読して精神異常が疑われる奇怪な内容である。

この時点で精神障害を発症していたとしても、その原因が大麻だとすれば、それは取り締まりの対象となる犯罪ではないのだろうか。

7月27日(水)16時57分配信のテレビ朝日系(ANN)では、大麻に関しては「覚醒剤などとは異なり、使用に関する刑法上の処罰はないため、担当者は踏み込んだ対応ができなかった」と報じている。

調べてみると、大麻取締法では、大麻の所持、譲渡、譲渡、栽培、輸入、輸出などの行為が禁止されているが、大麻の「使用」それ自体は禁止されていない。が、大麻の使用自体は処罰されないとしても、その前後の行為が犯罪を構成し、逮捕・処罰されることは可能性としてあるという。

だが、大麻がもし精神障害を惹き起こすのだとすれば、このこと自体が大問題ではないだろうか。

ウィキペディアで大麻精神病について調べると、「経過も多様であり、大麻との因果関係を確定することは困難で、診断基準や分類も一定せず、大麻精神病という疾患単位 (clinical entity) は確立していない」というのが実態らしい。以下は部分的な引用である。

世界保健機関
WHOの依頼により2015年に作成された「大麻とその医療使用についての最新版」は、「大麻による精神病の誘導は、当初1903年にワーノックによって概説されてその後 立証された」(10頁)等、精神病の危険性を指摘している。

アメリカ精神医学会
アメリカ精神医学会は、2013年、「現在の証拠は、もっとも低く見積もっても、精神障害の発症と大麻利用の強い関係を支持する。若者は特に 、その精神の成長に関して、大麻の作用が与える危害に弱い」と述べている。

その他の者
高用量の大麻を長期にわたって手に入れやすい国では、顕著な精神病症状を示す患者が見られると述べる精神科医がいる[7]。また(他の薬物や既存の精神病兆候などの)交絡因子に関係なく、大麻摂取量と精神病発症リスクは正の相関があると報告されている。
大麻使用者の精神病の発症リスクが40%増加する調査結果がある。

厚生労働省所管の公益法人財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターのウェブサイトである「ダメ。ゼッタイ。」では、以下のように説明している。
『大麻を乱用すると気管支や喉を痛めるほか、免疫力の低下や白血球の減少などの深刻な症状も報告されています。また「大麻精神病」と呼ばれる独特の妄想や異常行動、思考力低下などを引き起こし普通の社会生活を送れなくなるだけではなく犯罪の原因となる場合もあります。また、乱用を止めてもフラッシュバックという後遺症が長期にわたって残るため軽い気持ちで始めたつもりが一生の問題となってしまうのです。社会問題の元凶ともなる大麻について、正確な知識を身に付けてゆきましょう。』

スウェーデンでは徴兵検査を受けた18歳から20歳の青年を45,570人を15年間に渡って追跡調査を行った結果、大麻を1回以上使用したことのある者の統合失調症の相対的発症リスクは使用しなかった者と比較して2.4倍、50回使用した場合は6倍に上るとした。

ウィキペディアの執筆者. “大麻精神病”. ウィキペディア日本語版. 2016-03-19. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E5%A4%A7%E9%BA%BB%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E7%97%85&oldid=59016006, (参照 2016-07-27).

ウィリアム・ジェームズが薬物や病気による幻覚経験も神秘主義的経験も一緒くたにしてしまったため、神秘主義者のいうことに権威がなくなり、信頼されなくなってしまったが、神秘主義的観点から見ると、麻薬のような薬物や不適切な行法はオーラの保護の網を破り、低級霊の侵入(憑依)を容易にするという点で極めて危険である。

下手をすれば凶悪な低級霊の操り人形となってしまうだけではなく、死後にまで深刻な影響を及ぼす。

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