危険と恐怖について
不思議だ。
よくあることだが、深夜、起床には早すぎる時間に目覚め、また寝ようと目を閉じても眠くならないので起きてしまった。
そして、心の糧にしようと、ある本を探した。その本だと思って手にとったのは思いがけない本で、探していた本と同じように古びていたけれど、どういうわけかこれまで本棚にあることに気づかなかった。
探していた本と同種の本はもう1冊ある。その2冊。
- 『田中恵美子会長 至上我の光 論文集(昭和57年~平成7年全般編)』(平成8年、竜王文庫)
- 『田中恵美子会長 至上我の光 巻頭言集(昭和48年~平成7年抜粋編)』(平成8年、竜王文庫)
田中先生の一周忌に有志の手でまとめられたものである。先生は神秘主義の要点を採り上げて解説してくださっている。
ところが、今回見つけたもう1冊はなぜかこれまでに読んだ記憶がない。ヘレナ・レーリッヒとH・P・ブラヴァツキーの著作から抜粋した文章をテーマごとにまとめた本で、訳者は田中先生。これら3冊は手製の本で、出版された本ではない。
3冊目の本を、長い間忘れてしまっていたのだろうか。よく目につく場所にあったというのに、気づかなかったなんて、どういうわけだろう?
読まなかった証拠に、その本には1枚の付箋もない。他の2冊は付箋だらけである。本棚に忽然と出現したかのようで面食らう。
神秘主義的な学習をしているとき、こんな不思議なことがたまにある。30年もカバラが全然理解できなかったのに急にわかった――といっても理解できたのはごく一部分にすぎない――のも、最近の出来事だった。
自分に本当に必要となったとき、つまりその本に書かれていることを受け入れる準備ができたときに、意識が本をクローブアップするのだろう。まるで、本が装いを新たに再出現するかのようだ。
新たに見出したその3冊目の本を開いて読んでみると、渇いた喉を潤すように文章が全身全霊に染み込むかのようだった。
本の内容と関係したことなのだが、地震は恐ろしかった。こちらはそれほど揺れなかったのだけれど。地震の危険性にすくみ上がった。地震について冷静に考察した神秘主義者たちは何て凄いのだろうと思った。
本には、火山の麓に家を建てた漁夫について書かれていて、危険と恐怖に関することが色々と書かれている。
頻繁に揺れていた間、恐怖に縮み上がっている自分を意識しながらわたしは色々なことを考えていた。それに対する回答が与えられたかのようだ。
わたしたちの囲りに危険は沢山あるが、気づかれるものはわずかしかないという。地震はそのうちの一つというわけだ。危険なしに生きることは不可能で、心の平静と危険に気づくこととの間に均衡をとらねばならないという。しかし、無頓着は解決にはならないとのこと。
活動・洞察力・勇気を強めるという意味での用心深さが必要。そして……以下略(ここからは誰もが閲覧できるブログに引用することではないと思う)。
また、最近わたしはアルコールや煙草の害について、神秘主義的な観点から考えたりもしていた。ある疑問があったが、それに対する答えが的確に書かれている箇所を見つけた。
わたしが知りたかったのはアルコールや煙草が死後どのような影響を及ぼすかであった。昨年ようやく成仏してくれた夫の父方の祖父を通して貴重な考察を行い、それについていつかきちんと書きたいと思ってきた。
本に書かれていたのはアルコールと阿片についてであるが、それは死後にまで――死後にこそというべきか――恐ろしい影響力を発揮するようである。
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