謎めいている『ユダ福音書』
2月11日に書いた過去記事で、次のようなことを書いた。
荒井献『ユダとは誰か』(講談社、2015年)を読んで、もう一つ『ユダの福音書』のイメージが掴めず、グノーシス文書の中でどう位置づければいいのかもわかりませんでした。
図書館にこの方面の第一級の研究家二人の共著、エレ―ヌ・ペイゲルス&カレン・L・キング『『ユダ福音書』の謎を解く』(山形孝夫・新免貢訳、河出書房新社、2013年) があったので、夫に頼んで借りてきて貰いました。
エレ―ヌ・ペイゲルスはナグ・ハマディ研究で大層有名な人で、プリンストン大学初期キリスト教史学の教授。カレン・L・キングはハーヴァード大神学部教授です。
カレン・L・キングは以下の記事を書いた時期にテレビのニュース番組で見ました。時間をかけた貴重な研究の成果をバチカン関係者(だったかな)にあっさり否定されていましたっけ。
- 2012年9月20日 (木)
キリストに妻がいた可能性を示す文献が発見されたという
https://elder.tea-nifty.com/blog/2012/09/post-97c0.html- 2012年10月 3日 (水)
「イエスの妻」文献を否定するバチカンの公式見解(=公式願望表明)
https://elder.tea-nifty.com/blog/2012/10/post-6977.htmlしばらくこの方面の読書から離れていたので、二人のその後の研究がどうなったか知りませんでしたが、『ユダ福音書』を共同研究していたなんて、夢のよう。
『「ユダ福音書」の謎を解く』には『ユダ福音書』の原典が注解付で載っています。まだざっと読んだだけですが、これは驚くべき作品です。
図書館から繰り返し借りてエレ―ヌ・ペイゲルス&カレン・L・キング『『ユダ福音書』の謎を解く』(山形孝夫・新免貢訳、河出書房新社、2013年)を読んできて、『ユダ福音書』が驚くべき作品であるという印象は変わらない。
この作品が思想弾圧を受けなければ、人類の歴史が大きく変わっていた可能性すらあると思う。
ただわたしには謎めいた作品に思えるところがあり、どうしてもわからない、理解を超えた部分がある。
エレ―ヌ・ペイゲルス、カレン・L・キングによれば、『ユダ福音書』は新約聖書に登場するユダによって書かれたものではなく、ユダの死後100年を経過した150年代のある時期に執筆されたと推定される文書である(2世紀の教父エイレナイオスの著作『異端反駁』を根拠として)。
『ユダ福音書』の写本は1970年代のある時期に、エジプト中部の砂漠の洞窟墓の石灰岩の箱の中から何世紀もの間眠っていた古代文書群の一つとして発見された。これらの文書は2001年に古文書の専門家の手に渡るまで、美術商たちによって各地を転々とさせられて損傷はひどかった。復元作業に5年が費やされた。
ユダを主人公としたグノーシス的作品『ユダ福音書』の中心テーマは、生け贄を伴うユダヤの神殿儀礼に由来する犠牲(殉教)及び贖罪の否定であろう。
中断します。この記事は書きかけです。書きかけが溜まっていきます。
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