日本在来馬の魅力
児童小説『田中さんちにやってきたペガサス』を書くために乗馬体験し、馬の魅力の虜になりました。乗馬体験で乗せていただいたのは、老サラブレッドでした。
それ以来、競馬番組をよく視聴するようになりました(賭け事はしません)。競馬番組で観るのもサラブレッドです。
そんな折り、イギリスの旅行家で、作家でもあったイザベラ・バード(1831 - 1904)が『日本奥地紀行』の中で、日本の馬に手こずったエピソードを書いているのを読みました。イザベラ・バードはたまたま気性の荒い馬に当たったのでしょう。
イザベラの本の影響もいくらかはあって、日本の在来馬には冴えないようなイメージが湧き、わたしの馬に対する関心はサラブレッドにほほ限定されるようになりました。
ところで、昨夜、録画していたNHK BSプレミアム「戦国鉄砲隊vs騎馬軍団~織田信長・軍事革命の秘密」 を視聴したのですね。
番組によると、戦国時代末期、日本は世界最大の武器国家・軍事国家だったそうです。
当時、火縄銃は最先端兵器でした。一説では15万丁あったとか。戦国大名お抱えの兵士は45万人。その3分の1が鉄砲を持っていたとされ、火縄銃の威力を見せつけた「長篠の戦」がそのブームを呼んだそうです。
「長篠の戦」では、織田信長・徳川家康連合軍が武田勝頼軍に圧勝しました。
戦力は一説では織田信長・徳川家康連合軍が38,000、武田勝頼軍15,000とされ、兵力の差が大きかったのかもしれませんが、それまで戦の花形であった騎馬隊が三段撃ち鉄砲隊に敗北したのでした。
番組では、鉛の実弾をこめた本物の火縄銃を手にした人と、甲冑をつけて槍を手に木曽馬に乗った人を配して、実際の戦ではどのようであったかを実験、検証していました。
火縄銃は遠方からでは命中率が低く、弾丸をこめるのに時間がかかりました。それに比べて、在来馬である木曽馬は胴長、短足の見かけによらず、足が速いのです。ですから、信長には、三段打ちという戦法が必要だったわけです。
番組では、西洋の例なども出して、鉄砲の流通によって騎士という貴族が存在意義を失い、戦が大衆的なものになったといっていました。
在来種の馬には、木曽馬以外にも北海道和種、野間馬、対州馬、御崎馬、トカラ馬、宮古馬、与那国馬がいますが、本州の在来種は木曽馬しかいません。
騎馬隊は鉄砲隊に敗れましたが、わたしは番組で木曽馬を通して在来馬の魅力に目覚めました。
番組に出てきたのは小夏という名の雌馬でした。性格は穏やかで、寂しがりなところがあるそうです。
ラバみたいに小柄で、おなかのでっぱった、ずんくりした、張りのある馬です。目はサラブレッドより小さめに見えましたが、凜とした印象があります。
重い甲冑をつけた人間を乗せても平気で、走らせれば、これが速いこと! 荷物を運び、農耕を助け、山道も登ることができる、優れもの。
馬の背中が低いので、背の低い日本人が自力で跨がれます。馬から落ちても、サラブレットのような大きな馬から落ちるよりはダメージが小さいのでは、と番組でいっていました。
まさに、日本人にぴったりの馬だったのですね、在来馬は。
ああかわゆい、たまりません! 小夏ちゃん。 勿論、トーセンソレイユもディープも好きだけれど、小夏ちゃんも好きになりました。会いに行きたいです。
YouTubeで木曽馬の動画を探しました。以下は、雪の中の木曽馬たち。
以下は、ドドドッと走る木曽馬たち。
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