こんなときにまたミューズが……
祐徳院(花山院萬子媛)をモデルにした歴史小説と漱石の評論を抱えている(ノート#15さえ、まだ書いていない)のに、またミューズが降りてきた。
冒険前夜のみ電子書籍にした児童小説『不思議な接着剤』の続きや、作成したい電子書籍、手を加えたい過去の作品のことまで考えると、今は到底書くだけの時間がとれそうにもない。
それでも書きたくてたまらないので、とりあえず、メモをとった。ここ数ヶ月、小説にしたいとは露ほども思いつかないままに、考えていたことがあった。
それがどこかでまとまって、別の世界で小説の形に育っていたという感じだ。
インスピレーションに打たれるとき、プラトンのイデア説がリアリティを帯びて感じられる。書く以前に、原型は既にこの世より遙かに高い世界で存在していると感じられるからだ。
わたしはその原型より極めて不完全にしか表現できない。
夢の中で、赤ん坊から育つ人間(小説)や馬(電子書籍)やプードル(創作意欲)がひじょうに生々しく生きていたりもするのだから、不思議だ。繰り返し、夢に登場してくる。
あの世では、創作された人物も、一見生きている人間(というより霊というべきか。つまり、あのよの住人)と見紛うくらいの本物っぽさで街を闊歩しているとも聞くが……よく見れば、わかるらしい。
なぜそういうことになるかというと、あのよが想念の世界だかららしい。そうだとすれば、天国も地獄も招聘するのは、その人自身という神秘主義の説も納得がいく。
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