ちょっと短編小説を。あさりのトマトクリームソースパスタ。
初の歴史小説の短編に時間がかかり――短編といっても、長編につなげるための短編なので、江戸時代に関するかなりの知識を蓄えないと書けない――、同じことをしていると、気晴らしがほしくなります。
作品を書くことで溜まったストレスは、別のジャンルの作品を書くことで解消する癖がいつごろからか、ついています。
で、このところ純文学短編を書こうと思っていて、それがなかなか思い浮かばず、気晴らしになるどころか、ストレスになりかけたところで、ようやく、書き始めることができました。
何日かかるかしら。あまり時間をかけたくはないなあ。そのうち、『直塚万季 幻想短篇集(2)』を出したいと思っており、そのための短編を書き溜めているということでもあります。
『直塚万季 幻想短篇集(1)』(ASIN:B00JBORIOM)
サンプルをダウンロードできます。
↓「あら、あら、散らかっていること」涼しく言い捨て、階下から誰かが上がってくる。足音まで美しい。その人が美しい人であるということだけが何故かわかる。――「杜若幻想」より
わたしは七つ。台所で、魔法使いサリーちゃんの漫画の付いたカップに牛乳を注いでもらって飲んでいた。その時に、何か、母に口答えをして叱られた。その頃のわたしは、大して悪いことをしたようには思えないような際にも母に厳しく叱られがちだった。――「茜の帳」より
あなたは今や、生者が死者と呼ぶものになってしまっていた。死後の世界が死者によって組織されているのは当然のことだろうが、其処や其処の者たちは、この世の観点からすれば無であり、視覚的には透明である。透明となって、あなたは斎場にいた。――「フーガ」
夜空の月と競って細り続けたこの女人の痩身は、今まさに一条の光芒と見えたのだった――。顔面これ蒼白、雪の気配があった。超絶的なる形相と化した妻の気韻に石屋は打たれ――、しかしその石屋を妻は、丁と打ったのだった。――「牡丹」より
薫り高い幻想短篇小説「杜若幻想」「茜の帳」「フーガ」「牡丹」の4編を収録。
最近、あさりのトマトクリームソースパスタを作りました。あさりの味がよく出ていて美味しいと、家族に好評でした。パスタは夫が茹でてくれます。レパートリーはひろがりませんが、麺を茹でるのと、サイフォン、マキネッタで淹れるコーヒーは熟練の域に達しつつあります。
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