癌と闘っている、双子みたいな気のする男友達 ①5年生存率が18%弱
過去記事で書いたことを、長くなりますが、引用します。
昨年の11月25日に以下のような夢を見ました。
建物の立ち並ぶ、どことなくレトロな街。そこに我が家があるのだが、火事が発生する。道路沿いから裏手のほうへ火が回りかけている。道路の角を曲がるときに見ると、白木造りの家屋の至るところから真っ白い煙が出ている。ここまで火が来ているとしたら、裏手の逆端に近いところにある我が家も危ないのではないかと思う。土手のようになった道路に警官がいて、何か指示している。
この夢が気になっていたところ、大学時代からの男友達から来た年賀状がこれまた晴天の霹靂というべき内容でした。
彼は、誕生日がわたしと1日違いの本当に友人と呼べる人でしたが、結婚後は年賀状の遣り取りのみになっていました。年賀状に、とても小さな字で「今、元気にがん患者やっています。直腸ガン。2回目の抗がん剤治療中です。外来でやってます。あと1回抗がん剤入れて、2月の中旬に手術予定」とありました。
昔、大学の第1食堂でしたか、同じ法学部だった彼と授業後などによくカップコーヒーを飲みながら色々と語り合いました。誕生日が近いせいか、考え方や感じ方がそっくりで、双子のように感じることがありました。
互いの恋人のことも話したりしました。夫を見た彼はなぜか、「こ、怖い……」といいましたっけ。彼が書いた、『緑色の大地』というSFみたいな変わった小説のことはまだ覚えています。
就職とアパートを決めたことを母に知らせた翌日に何と母が倒れたので、わたしは帰省してそのまま病院の母の傍で数ヶ月を過ごしました(拙手記『枕許からのレポート』参照)。
就職がおじゃんになり、先の見通しがつかない失意の状態のときに、彼が来てくれました。わたしを何とか物にしようとしていた夫も、よく高級なメロンなど持って母を見舞ってくれましたが、彼は真の友情から一度だけただ来てくれ、勇気づけてくれたのでした。
アーモンド型をした女性的にすら見える彼の目に宿った綺麗な光を覚えています。このときの彼をモデルにして、わたしは『どこか別の美しい街』(『露草』から改題)という小説を書きました。これはやや倒錯的(?)な小説になりましたが、電子書籍にする予定ながら、まだできていません。まだ表紙だけ。
これが昨年の出来事でした。
今年の年賀状が来なかったら、もう……と息苦しい思いで待っていたところへ、年賀状が来ましたが、昨年の時点で5年生存率が18%弱といわれたとか。あと4年を頑張りたいとありました。
わたしも彼もメールアドレスと電話番号は連絡し合っていましたが、結婚後のやりとりは一度例外があっただけで、あとはずっと年賀状だけのやりとりでした。
一度の例外というのは、彼のいた会社がだめになったときでした。幸い再就職はうまくいったようでした。
年賀状に続いて今日、メールもあり、病気の詳しい経過が記されていました。
明るい文面で元気に癌患者やっているということですが、暗いときには凄く暗いことを――人間ですものね――大学時代から知っています。
彼が治療を受けている福岡県の大学病院には行ったことがあるので、返信にそうしたこととか、神秘主義的なことを話したことはなかったのに(SF的なことはよく話しましたが)、以下のようなことを書きました。ん?でしょうけれど。
眠れないときなんかは、時間を有効活用?するためにも、おなかの中いっぱいに綺麗な白い光がシャワーみたいに降り注いでいるところを想像してみるといいかも。
内科的なことには効きにくいけれど、外科的なことであれば、効くこともあるよ。癌に効くかどうかは、癌になったことがないからわかりません。
そういえば、同じ大学時代の女友達Rちゃんも、職場で知り合った10歳年上の女友達が膵癌で、その人は仕事をしながら、活動的に明るく癌患者やっているといっていました。Rちゃんの頭の中には絶えず、その女友達のことがあるようです。
神智学の仲間で、直腸癌に倒れた人がいました。
当時やっていた神智学関係の集会のあと、手塚治虫にそっくりな年輩の男性、医大生だった青年、わたしの三人で集会後によく喫茶店へ行き、本当に楽しく神秘主義的なことを話しましたが、手塚治虫そっくりだったその男性が直腸癌になりました。
物凄くサボテンに詳しい人でした。その人が亡くなったあと、夢の中で一緒に馬を乗り回す夢を見たことがあります。
読書の習慣をつけてくれた中学校時代の恩師も、直腸癌で亡くなりました。初の歴史小説でお世話になっている郷土史家に出会う前、その恩師の夢を見ました。知り合いだった可能性があり、恩師の導きだと思っています。
男と女という性の違いを超えて友情を育めた、わたしにはとても爽やかに映った人たちが同じ癌にかかり、亡くなったりするのは耐えがたいものです。
男友達も大変なサバイバルに違いありません。ご家族のためにも、頑張ってほしい思いです。
直腸癌は痔と紛らわしいので、発見が遅れがちになるのかもしれません。男友達も痔かと思って病院へ行ったと書いています。
創作にとりかからなければなりませんが、その前に自分のために書きたいと思っていた短編の純文学小説を書いておきたいと考えています。神秘主義的カラーの強い小説ですが、幻想的な美しい小説を書いてみたいのです。『どこか別の美しい街』と合わせて本にするかもしれません。
頭の中ではだいたい出来上がっているのですが、すんなり出てきてくれません。それを終えたら、初の歴史小説にダイビングです。
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