連載小説「善五郎に捧げるレクイエム」について
「善五郎に捧げるレクイエム」は単なるオカルト小説になるはずでしたが、書き始めると、善五郎の半生を時代と共に浮かびあがらせたいという欲望が芽生えてきました。
善五郎は、連載第1回に書いたような以下のようなことに関わった人物です。
善五郎は、村の青年団で作った芝居一座の中心人物であったが、それにすっかりはまり、旅芸人となってしまったのである。伊万里川の川縁にある旅館を譲り受けたのは、後年の話であった。
芝居小屋があちこちにあり、旅芝居一座が沢山あって、村の青年団による芝居なども盛んだった古い時代。
本格的に取り組むとなると、資料漁りが必要になり、他に書かなくてはならない小説との間で時間の奪い合いが始まります。
執筆計画を練り直した上で、あくまでこの小説は書きたい――気分の――ときに少しずつ書き進めるというスタイルでいくしかありません。
何といっても、この小説の本質はオカルト小説です。純文学的書き方なので、エンター系的面白さは求められてもありませんが、より深く生と死の謎に迫ることは可能かと。自分に可能な限り迫りたい思いです。
尤も、初の歴史小説もオカルト小説ともいえ、キンドルストアに並べている本を眺めても、オカルト的でないのは評論2冊と純文学小説『台風』くらいです
そういえば、山岸凉子の連載「レベレーション―啓示―」が「モーニング」で始まりましたね。時間ができたら、そのレビューと、新潮クレスト・ブックスのアンドレイ・クルコフ『ベンギンの憂鬱』のレビューを書きたいと思っています。
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