明日に迫ったノーベル文学賞の発表と村上春樹の記事へのアクセス数。イスラム国の戦闘に参加しようとした大学生とフィクションの関係。
ノーベル文学賞の発表が明日に迫ったが、6日のYahoo!ニュース(時事通信 18時35分配信)によると、英国ブックメーカー(賭け屋)ラドブロークスの予想では、今年も賭け率5倍で、村上春樹がトップ。
ケニアの作家グギ・ワ・ジオンゴ氏も同率で、他にベラルーシの作家スベトラーナ・アレクシエービッチ氏やシリアの詩人アドニス氏らが上位に入っているとか。
では、村上春樹人気は健在なのだろうか?
なぜ、人気を疑うかといえば、朝日新聞の慰安婦問題謝罪のころから、当ブログにおける村上春樹関係の記事へのアクセス数が激減したからだ。
ノーベル文学賞の結果がどうであれ、この時期にこの少ないアクセス数というのは、昨年までを考えれば、ちょっと考えられない。訪問者が減るのは淋しいが、そのぶん、他のブログの他の作家へのアクセスが増えると思えば、嬉しい。
朝日新聞、村上春樹と並べると、2012年9月28日付で朝日新聞・朝刊に寄稿された村上春樹のエッセー「魂の行き来する道筋」を思い出す。
拙ブログ固有の現象にすぎないことを春樹人気と結びつけ、春樹人気の陰りと独断するわけにもいかないが、朝日新聞の偏向報道が明らかになったことが、村上春樹ブランドに疵をつけたということはありうると思う。
村上春樹人気とは無関係だと思うが、7月21日、92歳になった瀬戸内寂聴の体力的負担が理由で、法話の庵「寂庵 ナルト・サンガ」(徳島県鳴門市。京都市の寂庵の別院)が閉鎖されると報道されたころから、大手出版社が何かおとなしい気がしている。わたしの気のせいだろうか。
村上春樹に戻ると、10月4日にYOMIURI ONLINEで、ドイツ紙「ウェルト」が今年の「ウェルト文学賞」を村上春樹に授与すると発表したとのニュースを目にした。これについても、これまでほどには騒がれなかった気がする。
YOMIURI ONLINE(2014年10月04日21時20分)のニュースによると、ウィルト紙は、
一連の作品について「魔法のように多彩なリアリズム」「様々なジャンルを飛び越えている」などと評した。
とのこと。
この評、1982年にノーベル文学賞を受賞したガルシア・マルケスが「魔術的リアリズムの旗手」といわれていることを連想して笑ってしまったが、マルケスの小説はどう読んでも純文学で、村上春樹の小説のように様々なジャンルを飛び越えてはいない。
そういえば、今日のYahoo!ニュース(TBS系〈JNN〉)、1時15分配信のニュース)、イスラム国の戦闘に参加しようとして警察庁公安部の家宅捜索を受けた北大生がフリージャナリストの取材に応じ、その中で以下のように語っているところがあった。
「社会的地位とかに価値を感じなくなった。ただそれだけ。日本の中で流通しているフィクションにすごく嫌な感情を抱いていて、別個のフィクションの中に行けば、違った発見があると思った。それくらい」(事情聴取を受けた大学生)
日本で流通しているフィクションというのが何を指しているのかは漠然としているが、わが国におけるフィクションのあり方、特に日本独特のファンタジー――村上春樹の作品もその中に含まれる――のおかしさについて考察を重ねてきたわたしには、気になる言葉である。
イスラム国が突きつけてくる、非情な生々しい現実を、「別個のフィクション」とは。まるで、粗悪なフィクション漬けになったために脳が冒された若者のサンプルのようだ。
大学生に取材したフリージャナリストの常岡浩介氏は、大学生には破滅願望があり、シリアは破滅的な場所というイメージがあるだけなのかなと受け取った、と語っていた。
日本国内のイスラム教徒はインタビューで、イスラム国のやっていることはイスラムの教えではないといっていた。大学生の行動に疑問を示していた。
それにしても、大学に行きたくても行けない若者が増えてきた日本で……大学生も大学生だが、学生の渡航を仲介していたとして同志社大学元教授が家宅捜索を受けただなんて、言葉をなくす。
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