ダイエット日記(17)念願の補正に嬉しい悲鳴。赤ん坊の姪を詠んだ句。
来月、猛暑の時期に姪の結婚式がある。そのためにフォーマルウェアを買ったが、そのときに中年太りを強く意識せざるをえず、その場でダイエットを決意(他に糖尿病回避のため、スリムな友人に刺激されたなど、複数の動機で決意を固めた)。詳しくは以下の記事。
- 2014年5月18日 (日)
フォーマル洋装とダイエット。Rちゃん。半年間のkindle本の売り上げ。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2014/05/post-d297.html
購入したのはフォーマルスーツで、上は胸当て付ジャケット。光沢のあるゴールドがかったベージュ。下はマーメードタイプの黒のロングスカート。
ダイエットをその場で決意したものの、痩せられる自信はなく、ありえないことだわね――と自虐的な気分で、店員さんに痩せた場合は補正も可能であることを確認しておいたのだった。
補正には1週間ほどかかるという話だったので、確認しておかなくちゃと思い、着てみた。何かダブダブ。花嫁の伯母というより、母親の服を着た子供みたいだった。
4~5㎏痩せただけで、こんなに違うのだろうか……と衝撃を受けた。嬉しさ半分、どうしようという気持ち半分だった。
そして昨日、服を購入した百貨店に出かけた。
購入時の店員さんは不在で、別の店員さんだった。事情を話し、とにかく着てみてくださいということで、着た。
商品の交換、返品にはレシートが必要で、それも1週間以内だという。玉屋の出張所で働いたことがあるので、この場合は補正しかないとわかっていた。それも、これほどサイズの合わない服を持ってくるお客なんて、対応に困るだろうなあとわたしは店員さんに同情した(?)。
補正が必要なのは、意外にも、スカートではなく、ジャケットだと店員さん。マーメイドタイプのスカートは上のほうを折り曲げても、全く皺にならない便利な作りなのだった。
自宅で着たときに、そうかなとは思ったが、全身が映る鏡の前で店員さんと改めて確かめてみると、マーメードタイプのラインは少しも損なわれていなかった。下手に詰めると、座ったときにむしろ無理が来たりするという。座ってみて、これも確認。
中年の微妙な体形を考慮した作りになっているのだ。若い人向きのお店で買うと、こうはいかない。絶対に失敗する。
次に、問題のジャケット。補正箇所と値段が表になった用紙を前に、店員さんが一生懸命安くあげようとしてくれていた。が、補正箇所を特定するのはなかなか難しいことらしく、「補正担当の人を呼びますから、お待ち下さい」とのこと。
その人がやって来て、相当に驚いたらしく、眉を顰めて「どうして? もう少しサイズの合うもので、好みのものはないの?」とおっしゃる。
補正の人はどうやら、わたしがこのとき買いに来たものと勘違いしたらしい。そして、サイズが合わないにも拘わらず、この服に執着していると思ったようだった。
店員さんが事情を説明。「ダイエットして痩せたんです」とわたし。「うーん、そうねえ」と補正の人。
結論からいうと、作り直したほうがいいくらい、あちこち詰めることになってしまい、補正に1万円かかることになった。
それでも、買い直すより安い。逆に太って入らなくなっていたら、これは買い直さざるをえなかっただろう。この服を購入した時点では、わたしはどちらに転ぶこともできたのだった。どちらの可能性もあった。そう思うと、戦慄を覚える。
もう少し太りそうな気がして、いくらか余裕のあるサイズにしたものだから、なおのこと今のわたしには大きすぎた。袖幅だけで4㎝詰めたほうがいいという。
そもそも、肩幅からして詰めなくてはならない。仮縫い(1,000円)もお願いした。
わたしは予想以上の出費に心の中で悲鳴を上げたが、それは同時に嬉しい悲鳴でもあったのだ。重いコートを脱ぎ捨てて軽くなったような気がしていたが、本当にわたしは厚みのある肉の服を脱いだのだった。
あんなに重い服はもう二度と着たくない。その間のわたしは、自分でなかったような気さえする。ストレスからそうなったことは否定の仕様もなく、もう何年もわたしは僻みっぽく、卑屈で、惨めだった(中年太りがそれに拍車をかけた)。
まあ、4~5㎏痩せたからといって、自分の置かれた状況が何ら変わるわけでは全くないのだが、霊感を象徴するペガサスに乗ろうにも、おなかの出すぎた体ではペガサスに気の毒な話であった。
早めに出かけてよかった。姪の結婚式までには間に合いそうだ。
久しぶりに確認した夫の礼装用の白いネクタイが草臥れていたので、紳士服売り場でそれを買い、わたしはぼーっとした頭で帰宅した。
これは余談になるが、神秘主義者としてひとこといえば、生前に節制の習慣をつけておくと、死後に楽なはずだ。タロットカードの「節制」。最近のわたしはこのカードが一番好き。
以下は、恥ずかしながら過去記事で紹介した、姪が赤ん坊のときに詠んだ句。
妹に電話をかけたときに長話になり、昔の話が出たりもしたので、つい昔作ったこの俳句の話をしたら無視されたわ。ほほほ……姉妹ってこんなもの。わたしの文学なんて、てんで信用されてないというわけ。腹の足しになるものじゃなしね。
妹産科へ緊急入院、点滴続く 一句
生まれきて伯母が立ちたる夏野見よ
姪誕生 三句
夏雲のふつくり浮かんで姪うまる
日盛りの子となり初めし産湯かな
いのち今うまれしばかり夏の赤子(やや)
ベビー・ベッドの傍らで 三句
真秀ら(まほら)から落ちし疲れか夏布団
夏布団いのち定まる刻々と
ほのかなるいのち豪華に夏布団
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