旧友からの電話①
音信不通になっていた旧友から電話があった。音信不通になる前に話したとき、心身のバランスを欠いているようで心配だったが、精神的には安定している様子に安心した。
ただ、腰痛があるなど、体調のほうは思わしくないとのこと。
わたしはどうしても彼女と賞狙いをしていたころのことを思い出してしまう。努力次第ではプロになれると純真に信じ、切磋琢磨していたあのころ。
仲間の輪が広がっていたが、一番よく連絡をとり合っていたのは彼女だった。
今思えば、それは青春時代の延長のような、あるいは第二の青春だったような輝いていた時代だったようにも思えてくる。
彼女は今は創作からは離れていて、書く意欲が湧かないそうだ。
それで、なるべく文学の話題は避けるようにしていたが、つい、その話題になってしまった。嫌な思いをさせてしまったかもしれない。
わたしは文学からは離れられないし、プロになるのを諦めたといいながら、結局のところ諦めきれてはいない。
彼女はクリスチャンとして、それなりの「場」を見つけているようだ。わたしは神智学協会の会員として、「場」を見つけているだろうか。
安い年会費で、ボランティアで翻訳された質の高い神智学論文を読ませて貰い、感謝してもしきれないが、何のお返しもできていないという思いが募っている。
神秘主義者としての自分なりの発見を記録していくことが、神智学という分野には何らかの貢献にはなることかもしれないが、それとこれとはまた話が別で、要するに、わたしは文学にしろ、思想的な事柄にしろ、56歳の今になっても社会に足場が築けていないのだ。受ける一方の子供のままなのだ。
それにしても、思想の違いが友情を隔てることはないというのが、不思議だ。逆にいえば、同じ思想に共鳴して集まるということはあるが、その中でなら友情がはぐくめるかといえば、それはまた別の話という気がする。
わたしはブログにいろんなことを書き散らしているが(それがよいことだと思っているわけではないが、純粋に内的な動機から書かずにはいられないことを書いている)、今日電話で話した友人は上に書いたようにクリスチャン。左派の友人もいるし、新興宗教にはまっている友人もいるが、昔のまま、普通に電話で話している。第一声からなつかしくて、他のことはどうだってよくなるのだ。話しているうちに議論になったり、おかしな空気になることはあるが、忘れてまた電話してしまう。
尤も、ここ数年(いや、軽く10年くらいは)、わたしの交際は極めて不活発だった。ダイエットして体――というより心臓――がとても軽くなったので、活発化する可能性はある。
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