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2014年6月11日 (水)

初の歴史小説 (35)ポイントとなる出来事を抜き出す ①幾編かの短編を書く必要性

 いきなり歴史小説の中編、長編を書く自信がないので、手始めとして、幾編かの短編小説を書いてみることにした。

 で、まずは歴史短編のモチーフになりそうな、ポイントとなる出来事を『鹿島市史年表』(迎昭典編)、中公クラシックス『葉隠』の年表から抜き出しておきたい。

 執筆の参考にするために、吉屋信子『徳川の夫人たち』(上)(下)(朝日文庫)、『徳川秀忠の妻』(河出文庫)を読んでいた。

 徳川秀忠の妻・江と、江の実子である家光の乳母・福(春日局)には興味がわいたことがあり、他の史料と一緒に『徳川秀忠の妻』も読んでいた。

 そのとき、かなり史料に忠実に書かれているという印象を受けた。

 日本の歴史に興味がなかったわたしは、吉屋信子の有名な『徳川の夫人たち』ですら読んだことがなく、初めて読んでいるのだが、こちらは自由に創造されているようだ。史料に乏しいお万の方をモデルに、吉屋信子は自らの理想像を創り上げた。

 解説によると、吉屋信子を触発したのは、史料の中のわずか9行だったそうだ。

 同じようなことは作家の評伝など読んでいると、たびたび目にする。

 そう、稲妻に照らし出されたかのように物書きを触発する断章というものがあるのだ。

 わたしにとっては、祐徳院(萬子媛)の義理の息子・直條によって著された「祐徳開山瑞顔大師行業記』の中の萬子媛が実子を亡くして慟哭する場面でのその言葉だった。

 そこには万人に通ずる心情が表現されていた。そして、吐露の言葉に萬子媛の人柄及び生き方をありありと見る想いがした。

 未熟な一神秘主義者として、祐徳院様のような高級霊と接し得た歓びとは別に、この世で一人の人間であった萬子媛に接した気がしたのだった。本当に……本当に……大好きになってしまった!

 Amazonに行ってみたら、『徳川の夫人たち』が何と☆一つ食らっていた。大衆評論家は畏れというものを知らないなあ(まあわたしもその一人なわけだけれど)。夫に教えると、夫も同じことをいった。資本主義社会の末期症状……

徳川の夫人たち 上 <新装版> (朝日文庫)   
吉屋信子 (著)
出版社: 朝日新聞出版; 新装版 (2012/10/5)

徳川の夫人たち 下 <新装版> (朝日文庫)
吉屋信子 (著)
出版社: 朝日新聞出版 (2012/10/5)

徳川秀忠の妻 (河出文庫)
吉屋 信子 (著)
出版社: 河出書房新社 (2010/10/5
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