今度出す電子本『気まぐれに…』はわたしには鬼門。ピュタゴラス。
電子書籍『気まぐれに芥川賞受賞作品を読む ①2007 - 2012(Collected Essays 2)』の巻末につける広告を作成したついでに(?)、電子書籍一覧を更新した。
あとは目次をつけて、校正に念を入れればKDPに提出できるが、この本の作成はまるで鬼門に当たるみたいに気が重く、この本の作業に入ってから、電子書籍の出版が滞った。
初の歴史小説に取り組んでいることも一因ではあるだろうが、わたしはこの本を作成するために改めて当ブログに書いた芥川賞受賞作品のレビューや文学界に関するエッセーを読み直した。
その過程で、日本の文学界の未来像を想い描くことが全くできなくなった。
そして、三島由紀夫や江藤淳の自殺の意味が生々しく迫ってくるようにすらなった。彼らは国家に殉じたのだ。それは確かだ。彼らの死は風化していってしまうのだろうか。
また、最近、以下の記事を書くために、レビューや知恵袋などを閲覧した。
- 2014年3月 6日 (木)
村上春樹訳に置き換えられてしまったサリンジャーの「Franny and Zooey」
サリンジャーの作品が難しいと訴える、若いと想像される人々の文章を読み、これも結構衝撃だった。
サリンジャーの作品には求道的な深刻さがあるが、大学(福岡大学文芸部)時代、わたしも仲間も半分は娯楽気分で読んだように思う。
日本人の読解力が低下し、歴史、思想、文学などの教養に乏しくなったことは芥川賞受賞作品を読んでもわかるのだが、その自覚が彼らにあるのか、どうか。
インターネットの普及で断片的な知識をあれこれ持っている人は多いのだろうが、重厚な思想書や文学書をまるごと読む人はわずかになったのではないだろうか。
江藤淳についてはいつか評論を書いて、『三田文学新人賞』に出したいと考えているが、編集長の交替でカラーも変わるだろう。その変わり方によっては、その気がなくなるかもしれない。そういえば、まだ会費を送っていなかった!
神智学協会ニッポン・ロッジからも会長選挙の選挙用紙が送られてきているのだが(ありがたいことに、ニッポン・ロッジで翻訳がつけられていた)、まだ送っていない。うーん、どちらの候補者がいいのだろう?
お一人はフリーメーソンの会員でもあるそうな。フリーメイソンについて、日本ではまことしやかに色々なことがいわれているけれど、バッカみたい。
キリスト教の教義には古色蒼然、荒唐無稽なところがあり、科学精神やキリスト教以前の文明を否定するので、いくら西洋人といっても、まともな知性の持ち主にはとてもやっていられないに違いない。
一方、神秘主義には伝統が息づいており、神秘主義の辞書に「神秘」という言葉はなく、科学的であることが基本姿勢なので、神秘主義に逃げ出す人が多くても、何の不思議もない
わたしは若い頃、キリスト教に接近して逃げ出した。イエスの言葉がどう読んでもすばらしいだけでなく、イエスには伝統の薫りがあるとわたしは感じたので、別の経路でイエスに、というよりイエスから薫る伝統的な思想に接近することも可能だと当時のわたしは考えたのだった。
わたしも昔の西洋に生まれていたとしたら、迫害や誹謗中傷される危険があったとしても、地下に潜ってでも神秘主義の本を読んだり、研究をしたりしたに違いない。
今の西洋で神秘主義御三家は、薔薇十字、フリーメイソン、神智学で、これらは姉妹関係にあるといってもよい。同じ原理原則、知識を共有しているから。そして西洋の神秘主義は東洋思想に似ている。
これら西洋の神秘主義はピュタゴラス抜きでは語れない。
サモス島(ギリシアの島)で生まれ、イタリアのクロトンで学派(教団)を形成したピュタゴラス(古代ギリシアの数学者、哲学者として有名)は、輪廻転生を説いた。
ピュタゴラス学派に影響を与えたといわれるオルペウス教だが、オルペウスは北方シャーマニズムの文化からギリシア世界に入ったものと考えられている(参照:イアンブリコス『ピュタゴラス伝』、ポルピュリオス『ピュタゴラス伝』)。
- 2011年3月22日 (火)
Notes:不思議な接着剤 #75 ピュタゴラスの最期。プトレマイオス王とエウメネス王の蔵書競争。
https://elder.tea-nifty.com/blog/2011/03/notes75-6cdd.html
あれこれ検索していたら、神智学関係の動画が海外から結構アップされていた。
何にしても早く電子書籍を出して、次へ進まなくては。この本は、とにかくわたしには鬼門だ。
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