Kindle本『茜の帳』を出版停止にしました。カテゴリー「初の歴史小説」「萬子媛 - 祐徳稲荷神社」を非公開としました。
キンドルストアで販売していた『茜の帳』は、まことに勝手ながら、出版停止とさせていただきました。
『茜の帳』は、以下のような本でした。
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『 茜の帳』目次
本書について
第一部 小説・〔付録〕エッセー
茜の帳
萬子媛抄
第二部 俳句
第三部 ブログ「マダムNの覚書」からセレクトした記事
祐徳稲荷神社 ①初詣
祐徳稲荷神社 ②石の馬と「うま」くいく御守り
祐徳稲荷神社 ③萬子媛ゆかりの石壁神社にて
石の馬の夢
不思議なこと
萬子媛の美麗なオーラ
同人雑誌と萬子媛のこと
宗教の違いなんていうけれど……マグダラのマリア伝説と萬子媛
萬子媛のお社
母親として偉大だった萬子媛
あとがき
本書について
創作時期と作品形式から、本書を三部構成としました。
第一部に収録した「茜(あかね)の帳(ちょう)」は、平成四年一月三十日発行の個人誌『ハーモニー 10号』に発表した幻想小説です。「萬子媛抄(まんこひめしょう)」は、その付録としたもので、舞台のモデルとなった祐徳稲荷神社の創建者、萬子媛に関するエッセーです。
小説「茜の帳」はその後、平成七年三月一日発行の同人誌『くりえいと 創刊号』(塚崎耕治 発行)に掲載していただきました。執筆者一同の後記にわたしは「タンスに仕舞いっぱなしの着物を点検したら、亡くなった母から貰ったものがいくらか傷(いた)んでいました。その傷みからうまれた空想を作品にしてみました」と書いています。
実は、この小説は、神秘主義的傾向を持つわたしの思想を表した一面を持ちます。その一面については、神秘主義思想に不案内の方々にはこちらから説明しない限り、汲み取っていただくことも、想像していただくこともできないでしょう。
勿論、それでも充分なのですが、興味があおりの方々のために、「あとがき」で解説を加えたいと考えました。ここでは、小説に出てくる《着物》をあるものの隠喩(いんゆ)として使っているとだけ申しておきましょう。種明かしはお楽しみのあとで、ということに致したいと思います。
第二部に収録した俳句も前掲の『ハーモニー』に発表したもので、祐徳稲荷神社に参詣したときに詠んだ句です。
第三部には、ブログ『マダムNの覚書』に二〇一二年から二〇一三年にかけて公開した記事の中から、萬子媛に関するものを収録しました。
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『茜の帳』を出したあとの昨秋、わたしは萬子媛――祐徳院様とお呼びするほうが正しいようですが――をモデルとした歴史小説を書くことにしました。
優秀な郷土史家から貴重な資料を提供していただき、自身の調査も加わる中で、歴史認識が変化し、萬子媛に対する見方にも修正が加わりました。
そして、『茜の帳』に収録した昔書いたエッセーとの食い違いが気になるようになり、この本を出版停止とすることにしました。
ただ、昔書いたエッセーには当時のわたしにしか書けなかった貴重な部分が含まれており、当ブログで公開したエッセーにも同様の部分があります。本のタイトルともなった幻想短編小説「茜の帳」にも、若書きながら棄てがたい瑞々しさがあります。
当時掲載していただいた同人誌『くりえいと』のメンバーの方々が、問題点を鋭く指摘してくださる一方では、以下のような読後感を表白してくださったことに作者として悦びを覚えました。
- 後半の幻想的描写で、それまでの日常から切り離され、母親への想いが昇華されて、彼女の遺した俳句で結実する――でも、私にとっての魅力は、前半の母親との記憶の下りでした。特に、『サリーちゃんが床で割れた』――この痛ましいほどに響く一節。……見事。
- 雅な雰囲気が流れていて、ラストの茜さんのところなんてものすごく幻想的でした。
- ひとつひとつのエピソートがドラマティックに書かれていて、小説作りの卓抜さを感じます。そして、母との確執、内省による自己嫌悪、ひたむきであろうとして不条理に打ち壊された精神。どんなに言葉を尽くすより、理屈を並べ立てるより、エピソートを作るより、ラストの四行でそれ等の昇華が美しく凝縮されていると思いました。小説における表現の深みを、初めて心底から感じることができました。
幻想短編小説「茜の帳」は、他の幻想短編小説と一緒にした本の中で再度ご紹介する予定です。
また昔書いたエッセーも、当ブログで公開したエッセーも、Collected Essaysの何巻になるかはわかりませんが、その中で再びお読みいただけることと思います。昔書いた萬子媛に関するエッセーには、注をつけて、その後に判明した史料的に明らかな事実を説明したいと考えています。
それから、萬子媛をモデルとした歴史小説の創作メモをカテゴリー「初の歴史小説」「萬子媛 - 祐徳稲荷神社」に収録することで、当ブログをご訪問くださる歴史好きな方々と情報を共有したいと考えていましたが、そうすることは現段階では軽はずみなことではないかと思われ、非公開とさせていただくことにしました。
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