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2013年9月11日 (水)

電子書籍化中の迷い(脚注文章のルビについて追記あり)

 事件小説『地味な人』を感熱紙原稿から写すのに目が疲れて、先に日記体児童小説『すみれ色の帽子』の電子書籍化中です。

 日本語ワープロソフト「一太郎2012 承」のお陰で、小学3年生以上の漢字にルビを振ろうと思えばたちどころに振れてありがたい限りなのですが、送り仮名がある場合、その送り仮名にまで振られるので(そうしないと認識できないのかもしれません)、これを直すのに案外時間がかかります。

 また、これは単にわたしの作品上の問題なのですが、「(八)牛の夢」で、牛のかたちをとった「神秘の牝(ひん)」というのが出てきます。

 フクロウが「「あのかたは、神秘(しんぴ)の牝(ひん)。しんぴ・の・ひん。しんぴ・の……。」といって、牛の正体を明かします。子供がここを読んでも何のことかわからないと思いますが、牛の神秘性や行為はその前の場面で描いているので、賢い子は「何だろう、しんぴのひんって。名前かな」くらいに思ってくれるかもしれない思い、説明はしていませんでした。

 でも、電子書籍というと、読んでくれる人があるとしたら、たぶん大人……。じゃあ、注くらい必要かなと思い、脚注機能を使って説明を加えてみましたが、もしかしたら子供だって読んでくれるかもしれないと思えば、脚注ではルビ機能は働かない(※追記をご覧ください)ので、ルビを括弧に入れ、

「脚注①
玄牝(げんぴん)すなわち神秘の牝(ひん)は、古代中国の哲学者、老子(ろうし)が著(あらわ)したと伝わる『老子』(別名『道徳経(どうとくきょう)』に出てくる。「谷神(こくしん)は死せず、是(こ)れを玄牝(げんぴん)と謂(い)う。玄牝の門、是れを天地の根(こん)と謂う。綿々として存するが若(ごと)し。之(これ)を用うれども勤(つ)きず。」(『老子』小川環樹訳、中公文庫、一九七三年)

 と、しました。何か、読みにくいですね。電子書籍ゆえの迷いというのが結構出てきます。

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追記
 すみません。「脚注ではルビ機能は働かない」というのは、わたしの勘違いでした。脚注文章にもルビを振ることはできました。

Iblog2

 文書編集でルビなしの脚注文章を入力し挿入ボタンを押したあとで、原稿の該当ページ末尾に表示された文章で普通にルビを振ることができます。

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『地味な人』は大人の小説ですが、ネットを使わない時代に書いた作品なので、気になったところをネットで調べ直したくなりますが、ネットで得た情報と当時使った資料との間で立ち往生したりといったことも出てきます。

 グーグルアースが使えるので、架空の土地であっても、モデルとした土地があれば上空からはどんな描写になるのか確認ができて、昔とは便利さが違うなあと改めてネット時代の創作の恵まれた点を思います。

 ウィキペディアの記述は正式な論文などには引けないようですが、確かに責任の所在が明らかでなく、記事によって内容の程度にバラつきがあります。でも、単に知りたいだけであれば、本当に便利。

 編者の氏名が明記されている辞書や事典は限られた人数(頭脳)で行われているので、案外これは変、と思える記述があったり、無難でもの足りないと思うこともあって、一方、よってたかって(?)作り上げられているウィキペディアの凄さに感心させられることもよくあります。

 で、わたしは辞書、事典類とウィキペディアなどのネット検索を併用して小説を書くことが多いです。便利になった反面、かえって時間を食うことも……。

『地味な人』は100枚ちょっとの作品ですが、電子書籍にするには、何だか時間がかかります。こんなことやっている間に新しい作品が書けると何度も思ってしまいますが、今やっておかないと後で絶対に後悔するという気がするのですね。

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