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2013年9月 3日 (火)

マグダラのマリアの薫り。

 最近シリア情勢が気にかかり、ネットニュースにへばりついています。パソコンで作業をすることが多いので(勿論家事もやっていますよ,入浴も欠かさず。入浴ができるかどうかはわたしの健康のバロメーターです)、ちょこちょこアクセスしてしまうのですね。

 午後4時ごろもそうでしたが、ふとTopilo提携メディアサービスには「マリ・クレール スタイル」も入っていたと思い、アクセスしてみました。8月の記事を閲覧し終え、移動しようとしてもう少し前のほうに何か綺麗な気持ちにさせてくれるような記事がないだろうかと思いました。

 シリア情勢の記事にはきついものが多いですから。で、過去記事を見ていったら、「貴婦人と一角獣」の記事があったのです。4月の記事でした。

「貴婦人と一角獣」は中世後期に製作された連作タペストリーです。わたしは「マリ・クレール スタイル」のニュースにリンクした上の記事で、以下のように書きました。


 キリスト教の異端カタリ派を出発点として、マグダラのマリア、グノーシスに興味を持つようになったわたしにとって、中世はやはり異端カタリ派の中世だ。

『ダ・ヴィンチ・コード』の参考文献の一冊として知られるマーガレット・スターバード『マグダラのマリアと聖杯』(和泉裕子訳、英知出版)にまる一章を割いて「貴婦人と一角獣」が採り上げられており、タペストリーの構図に秘められた謎が追究されている。マーガレット・スターバードは、マグダラのマリア研究の第一人者。

 まる一章を割かれたのは、第七章で、以下のように始まっています。

西洋文明に見られる「聖婚」と「失われた花嫁」という二つのテーマに導かれて、本書は異端聖杯信仰の教義によって解明される可能性がある中世美術の謎を探求してきた。ここでぜひとも探求していきたい芸術作品のリストに加えなければならないものに、中世後期の遺物ともいうべき「一角獣」のタペストリーがある。なかでも『貴婦人と一角獣』と呼ばれる連帳のタペストリーは、カタリ教団の何らかの教義を示しているのではないかと言われてきた。この繊細で神秘的な名作の製作者は、アルビジョア派の異端的聖杯信仰に触発され――「花嫁」に敬意を表して――この構図をとったに違いない、そう私は確信している。 ”

 このタペストリーのニュースを知ったのは、無料キャンペーンの始まる1時間ほど前で、始まるまでわたしはマグダラのマリアのことを考えていました。

 キャンペーン中の『昼下がりのカタルシス』には、半ばエッセーのような形でマグダラのマリアが目一杯出てきます。マグダラのマリアがモデルとして登場するのは、中断中の児童文学小説『不思議な接着剤』においてです。『接着剤』のためのリサーチで産み落とした作品が『昼下がりのカタルシス』です。

 電子書籍『茜の帳』の中心人物は祐徳稲荷神社を創建された萬子媛ですが――といっても、幻想小説「茜の帳」には萬子媛が直截的に登場するわけではありません――、エッセーでマグダラのマリアを参照した部分があります。

 キャンペーンの前にマグダラのマリアを連想させられる「貴婦人と一角獣」の記事に触れられて、何かしら清浄な歓びを味わいました。

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