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2013年6月28日 (金)

「鬼ヶ島通信 2013 SUMMER 第50+11号」が届きました/掲示板への書き込み

 購読している「鬼ヶ島通信」が届きました。

 購読会員は「鬼の創作道場」に作品の応募ができ、優れた作品は掲載、全応募作品について選考委員による講評が誌上で紹介されます。

 年2回発行で、次の締め切りは2013年8月31日となっています。自由部門と課題部門があり、応募作品は1人2点まで。自由部門の文字数は2000字~12000字以内。課題部門のテーマは「ひび」(タイトルは自由)、文字数は8000字以内となっています。

 投稿方法など募集要項について、詳しくは「鬼ヶ島通信」のホームページへ。
http://onigashima-press.com/

 全応募作品が講評を受けることができるのですから、「創作道場」はまことにありがたい賞だと思います。

  第10回の入選発表は以下の通りでした。

  • 課題部門 参考作品『夜明けのシーラカンス』

 以下は、ワタクシ的メモです。

 わたしは課題部門に『ぬけ出した木馬』を応募していましたが、12編中、選考会で評価の高かった作品――今回は3作品――に入ることはできませんでした。

 自由部門は20編で、評価の比較的高かったのは7作品だったそうですが、参考作品も掲載されていなかったのは一応募者、一読者としてちょっと残念でした。

 課題部門の参考作品『夜明けのシーラカンス』を拝読したので、これはわたしの簡単なレビューですが、書いておきたいと思います。

 中学二年生の不登校の少女麻衣は、夜明け前の深海に似ているような気のする町を散歩しているときに、軽やかに体操する男の人の姿にリュウグウノツカイのイメージを重ねます。コンプレックスを抱えた自分には、シーラカンスのイメージを重ねます。

 両親の離婚が、少女に起きた半年前の出来事としてクローズアップされます。

 海の生き物たちのイメージを借りる……それは、種類ごとに、また個体ごとにも違う生き物のイメージを限定してしまうことにもなるので、こうした表現法にやや疑問がわきますが、恋愛と友情のあわいにあるような心の交流は、この年齢域特有の心の動きとしてよく表現されていると思いました。

 意外性にはやや欠けるかなという印象でしたが、筆遣いが安定していますね。

 それ以外に、選評に気にかかったところがあったので、鬼ヶ島の掲示板に書き込みました。不適切な書き込みだったかもしれませんが。おまけに赤い字で表示されてしまいました~! 以下。

第50+11号をお送りくださり、ありがとうございます。
「波のそこにも」「ホッコ」を楽しみにしていたのですが、「ホッコ」は神秘性を保ったまま終わったのですね。痛痒感を伴うような、独特の神秘性ですね。物語の世界に引き込まれそうでした。購読が途中からだったので、最初から読んでみたいと思いました。
 

ところで今日は、気にかかったことがあったので、書き込みをさせていただいています。

「鬼の創作道場」課題部門の『夜明けのシーラカンス』の選評で、柏葉先生が川原泉のコミックに同じ設定のものがあるとお書きになっていましたが、こういった場合、事前に作者に確認をとることはできないのでしょうか?
応募者にとって、作品が掲載されるということは胸がときめくことだと思うのです。わたしでしたら、そうです。でも、選評を読み、「同じ設定のものがある」と書かれていたら、わたしでしたら、地獄に突き落とされた気持ちになりそうです(偶然似ていた場合、無意識的に真似ていた場合です。偶然似ていた場合は、不運としかいいようがありませんが)。
「同じ設定のものがある」「おもしろいと思わせていただきたかった」という意見にもかかわらず、他の先生方の高評価を得て作品が掲載されたのですから、この評自体は、柏葉先生の率直さや、鬼ヶ島の自由な雰囲気を感じさせてくれるものでもありますが、このように書かれると、わたしが作者であれば、相当にダメージを受ける気がします。そして、偶然似てしまう場合は防ぎようがないわけで、作品を応募するのがちょっと怖くなります。
事前に確認がとられ、ここで「同じ設定のものがあるとは知りませんでした」「前に読んだことを忘れており、無意識的に真似ていたかもしれません」「知っていましたが、それが何か?」「魔が差しました」といった真相を物語る作者の声が挿入されていれば、この件は、応募者にとって勉強になる一件となるのではと思います。
追伸

 わたしの『ぬけ出した木馬』に対する講評は以下のようなものでした。

木馬が逃げ出す発想は面白い(金沢)。ぐるぐる回ることにあきた木馬が空へとびたって競馬にまぎれこんだりおばあさんを助けたりする様子がたのしく書けている(末吉)。少年と馬のエピソードに絞ってもいいのでは?(岸井)。もりだくさんすぎて視点がさだまらない(柏葉)。木馬にもっとよりそって、なにをしたかったか書いてほしい(那須田)。

 どのアドバイスも参考になりました。応募するつもりであれば、もっと早く準備を始めて、できれば、次回は課題部門、自由部門の両方に応募したいのですが、文学観の違いは否めず、長居は失礼な気もしていて、応募しないかもしれません。

『ぬけ出した木馬』はワタクシ的には気に入っているので、また電子書籍化する予定です。自分の作品はだいたいどれも気にいってしまいます……子供と同じですから。夢では最近自分の作品が馬になって出てきます。

 最低価格99円になると思います(Kindleではただにはできないので)。そのうち、まとめてétudeというタイトルの作品集にするのもいいかもしれません……。

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