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2013年3月20日 (水)

小学生のブログ ②

 今日も創作の合間に、小学生ブログを閲覧していました。わたしが最も魅了されたのは以下のブログ。

「小学4年」のバナーが貼られています。ブログは2011年9月から書き始められています。当初からバナーが貼られたのだとしたら、この4月で6年? それとも、途中で貼られたのでしょうか?

 当初から安定した筆致で書かれていて、舌を巻きました。

 特に驚いたのが、以下のタグ アーカイブ。

 夏休みの自由研究で漱石を選んだようですが、大人顔負けの文学散歩を行っているではありませんか。寺田寅彦のエッセー「夏目漱石先生の追憶」に触れた記事で、

 “でも、漢字にもうちょっとフリガナふってほしいな。

 という微笑ましいひとことがなければ、小学生のブログだということを忘れてしまうほどです。

けっこうがんばったけど、読み返したら、去年のほうが良かった。どうせ今の先生はろくに読まない人だし。去年の先生は、全員のをちゃんと見てくれて、私の研究もとてもほめてくれた。今の先生には全然そういうこと期待できないんだよなー。

 という箇所の先生賞の審査員に変えたら、何だか自分のブログみたいです。いえ、そういっては失礼ですね。わたしのブログなんかより、端正な印象です。

 青空文庫のKindle版で物理学者・寺田寅彦のエッセーが沢山あったので、わたしは最近まとめてダウンロードしたばかり。ピーター・メイル『南仏プロヴァンスの12か月』も面白い本ですが、この子はママから借りて読んだようです。『南仏プロヴァンスの木陰から』は自分の判断で買って貰ったようですよ。おや、仏検も受けたんだとか。

 デイヴィッド・アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』は未読ですが、面白そう。肩胛骨は翼のなごり――という説を、わたしは短い児童小説『卵の正体』で利用しましたが、これは全く違った作品なんでしょうね、読んでみたい。リンドグレーン、ノートンのタグが大きいことに悦びを覚え、ピアノを習っているようですが、わたしも習っていたので、勝手に親近感を覚えてしまいました。

 少女が綴ったブログという体裁をとったわたしの児童小説『すみれ色の帽子』は、こんな少女もいるはずという想定のもとに執筆したものですが、生き生きと感じ思考する、こういう子がいるのなら、少なくとも的外れな作品ではない――という安堵感を勝手に覚えてしまいました。

 でも、もし、こんな賢そうな子がわたしの児童文学作品を……と想像しただけで『やめて、読まないで!」と叫んでしまいそう。日頃は自信満々のくせに、自分の作品が穴だらけのつまらない作品に思えてきます。それだけの刺激を与えてくれるブログに出合えて、嬉しい限りです。考えてみたら、孫と祖母くらいの年齢差です。

 このお子さんは、恵まれた環境の中でのびやかに成長していっているところのようです。大人として、あたたかく、そっと見守りたいものですね。ここに紹介してしまいましたが、間違っても商業主義の編集者に目をつけられたりしないように、ミューズの加護をお願いしたいと思います。

 また、前の記事で紹介したのは、以下のブログでした。

 以下の二つのブログも、楽しい、子供らしいブログです。

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