「現代アフリカ文学の父」チヌア・アチェベ氏、死去
「現代アフリカ文学の父」として知られるナイジェリアの作家、チヌア・アチェベ(Chinua Achebe)氏が82歳で死去したという。22日、家族の発表によるもの。
1958年に発表された代表作『崩れゆく絆(Things Fall Apart)』は世界で1000万部以上売れ、50か国語に翻訳されているそうだ。
わが国では、門土社から1977年に出ているが、現在は入手できず、検索したところでは県立図書館にはなかった。
出版社: 門土社 (1977/11)
ASIN: B000J8R6EG
発売日: 1977/11
過去記事でも書いたように、本当に現代日本は文学的後進国に成り果てた。戦後、インテリ階級が消えたこの国では、文学的価値の高い本を出したところで、売れないのだろう。商業的価値の高い本なら売れる。
文学的には限りなく怪しい村上春樹やデイヴィッド・アーモンド『肩胛骨は翼のなごり』のような本なら、馬鹿売れする。コンラッドだって、売れただろう、映画になりゃね。所詮、大衆は、お酒や煙草といった嗜好品のように読める本しか買わないのだ。
いや、商業的にブランド的価値を煽れば、文学的価値の高い作品だって売れるはず。所詮、この国の大手出版社の編集者にそんな手腕、期待するだけ無駄というものだ。
二十歳の若者に配るんなら、「現代アフリカの父」と呼ばれた作家の本を配りゃいいじゃないか。よりによって、ホームレス悲惨物語とまぎらわしいあんな……(絶句)。
以下は、Wikipediaより抜粋。
“チヌア・アチェベ(Chinua Achebe、1930年11月16日 - 2013年3月22日【死去報道】)は、ナイジェリア出身のイボ人の小説家。アフリカに多い口承文学を題材にした小説を描く。
「生立ち」
アチェベは1976年以降のアナンブラ州にあたる地域の町オギディで生まれた。そして当時ロンドン大学のカレッジであった現在のイバダン大学で、英語と、歴史、神学を学んだ。BBCで放送について学んだ後、1961年にナイジェリア放送の最初の海外放送部ディレクターになる。ビアフラ戦争時にはビアフラ共和国の大使を務めた。この時の経験から「難民の母と子」と題した詩を書いた。
アチェベは英語でのアフリカ文学の父と考えられている作家であり、世界的に賞賛される作家の一人でもある。1958年に発表した『崩れゆく絆』は世界で一千万部以上売れ、50以上の言語に訳され、ノルウェー、イギリス、米国、アフリカなどで小説100選の1つに選ばれた。
アチェベは「あるアフリカのイメージ コンラッドの『闇の奥』にみる人種差別」と題した批評を発表し、世界的な議論を呼び、この文章がディベートの題材として用いられるようになった。アチェベはジョゼフ・コンラッドの帝国主義を描いた有名な小説がアフリカの背景や人物を歪めて非人間化し、人種差別的な文脈や語彙を潜ませていると断じた。彼は『闇の奥』の再評価についての議論で、非人間化された人々を偉大な地位に就けるべきでないとする前提で書かれたこの植民地主義の文章に与えられてきた神聖な地位を拒絶した。
アチェベはイングランド、スコットランド、カナダ、米国、ナイジェリアなどで、ダートマス大学 (1972年)、ハーバード大学 (1996年)、ブラウン大学 (1998年)、サウサンプトン大学、ゲルフ大学、ケープタウン大学 (2002年)、イフェ大学などの30以上の名誉学位を得た。また2007年国際ブッカー賞、英連邦詩人賞などの数々の賞を受賞した。
2013年3月22日、ロイター通信により死去報道がなされた。死因や死亡日時は不明。 ”
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