禁書目録に入っていたユーゴーの『レ・ミゼラブル』
先日観た映画の感想を健康の記事から切り離し、原作者ユーゴーに関する短いエッセーと合わせた記事を書きたいと思っているのだが、何かと雑用に追われ、時間がとれない。とりあえず、メモだけでも。
改めてユーゴーの原作を三部まで斜め読みし(電子書籍の斜め読みって、案外きつい)、翻訳もすばらしいのだろうが、物語のスケールの大きさ、記述の細やかさ、文体の香気ある簡潔さに魅了された。
ただ、神秘主義者のわたしには人間性のみずみずしい描きかた、特に女性の崇高ともいえる精神性の描きかたから「これは異端書とされたに違いない」とぴんときた。バルザックにしても、わたしの感動するフランスの文学作品は大抵ローマ・カトリック教会の禁書目録に入っている。
以下はWikipediaより抜粋。
禁書目録
ウィキペディアの執筆者,2013,「禁書目録」『ウィキペディア日本語版』,(2013年1月25日取得,http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E7%A6%81%E6%9B%B8%E7%9B%AE%E9%8C%B2&oldid=45766306).
禁書目録(きんしょもくろく、ラテン語:Index Librorum Prohibitorum)とは16世紀から20世紀の半ばまでカトリック教会によって作成された書物のリストで、カトリック教会と信徒に対して危険を及ぼすとみなされた書物が掲載された。
禁書目録は1948年版まで作成された。これは第32版であり、4000の書籍があげられていた。
禁書目録が公式に廃止されるのは1966年6月14日の教理省宣言(AAS 58, p.445)および同年11月15日の同省教令(同 p.1186)によってである. 時あたかも第2バチカン公会議が行われるなか、カトリック教会に残っていた多くの形式的習慣が廃止されたが、とくに1966年の11月の教令は、禁書目録規定違反が1917年教会法典2318条に謂わゆる「破門」の効果を有しないことを明言するに至った。しかしながら禁書目録に載るようなカトリック信仰を危うくする書物を積極的に読むことが推奨されているわけではなく、1975年3月19日の教令(AAS 67, pp.281-284)によって、1917年教会法典の禁書の条項が刷新され、現行の1983年の新教会法典第822条乃至第832条に明文化されている。
外部リンク
●Facsimile of the 1559 index
●Facsimile of a Spanish index librorum prohibitorum et expurgatorum - complete
●The complete list of banned books in 1948
●List of famous authors in the index
上から3番目のリンク先へ行ってみた。カナダのオールドモントリオール大学のホームページ(?)。1948年版の禁書目録が紹介されているようだ。
Hugo, Victor Notre-Dame de Paris. 1834
Hugo, Victor Les misérables. 1864
やっぱり、あった。バルザック、アレクサンドル・デュマ、スタンダール、フローベール、ゾラなんかも仲良く(?)並んでいて、つい苦笑が洩れた。これじゃフランス文学、成り立たないわね。ローマ・カトリック的には。
パンを盗んだために罪人となったジャン・バルジャンは後にマドレーヌ市長と呼ばれるようになるが、マドレーヌといえば、マリー・マドレーヌ。つまり、マグダラのマリアを連想しないではいられないではないか。マリー・マドレーヌ派のキリスト教を広めようとしたともいわれる異端カタリ派の最後の拠点となったラングドックの地名も、作品には出てくる。
何しろ長大な作品なので、斜め読みでしか再読できていないため、全体も細部も把握できず。そのうち、ちゃんと再読したいところだ。
そういえば、ユーゴーの名、『レンヌ=ル=シャトーの謎』(柏書房)に出てこなかったっけ? と思い、本をめくってみたところ……やはり出てきた。
※この記事は書きかけです。
Kindleダイレクト・パブリッシングでの出版をするための準備として専用の口座を開設したいと思った新生銀行から、説明書に次いで、暗証番号、キャッシュカード、セキュリティ・カードが届いた。英訳にチャレンジしたいといってくれた息子たちに作品を送ることや、表紙絵といった作業にはまだ手をつけていない。
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