薄い箱の中のプチ私設図書館
Kindleストアから、青空文庫の電子書籍を250冊も購入してしまった! たぶん、青空文庫のがもっと増える。
0円×250=0円!
まるで図書館に出かけたみたいな気分になり、買っては読みかじり、買っては読みかじりして、いつのまにか250冊も。
青空文庫には、格調高い名作が多く収められていることは知っていたから、パソコンで少し読んだことはあったが、読みにくいので、例えるなら、遠くの図書館に出かけて、ざっと見て回ったことがあるという程度だった。
今は、読んだことのある作品であっても……否、家にある作品でさえ、できるならKindle Paperwhiteに収めておきたいと思う。
その結果、薄い箱の中に、自分のためだけの、プチ私設図書館をオープンさせてしまったという感じだ。何と贅沢な話だろう!
与謝野晶子は歌人というより思想家だ。骨太の社会派ということが、数多い社会的エッセーから改めてわかる。
与謝野晶子ばかりではない。昔の作家たちは皆、思想家であり、第一級の知識人であり、趣味人であり、文化人であった。
彼らがまるごと、内容で勝負していたとの思いに打たれる。日本の知を形成した人々だけが持ちうる気概を感じさせられる。
現代日本とは、何という意識の違いだろう?
わたしは寺田寅彦、岸田國士(次女は岸田今日子)のエッセーが好きだ。
神西清の小説は、つい読んでしまう。絵画的な鋭利さ……芸術的考察が贅を尽くした表現力で描かれる。少しも古びていない。むしろ瑞々しい。
坂口安吾、泉鏡花、夢野久作、岡本かの子、宮沢賢治が沢山読めるのは、嬉しい。『ジャン・クリストフ』『家なき子』『宝島』なんかも、再読したくなり、収めた。
コレクションというタグに似た機能で、本とドキュメントを分類できるので、とりあえず「お気に入り」「わたしの作品」「青空文庫」「読書中」「読了」という新しいコレクションを作って、振り分けている。
Kindleは寝て読めるのがありがたい。紙の本だと、本で明かりを遮ったりして目が疲れるが、一定した柔らな明かりが画面全体を内側から照らして、読みやすい環境に置いてくれるので、つい際限なく読みふけってしまう。
青空文庫の作品群の気韻に浄化されてしまったのか、ハングリー精神が失せてしまったという感じだ。
今は少し心臓をいたわらなくてはならないから、これでもいいが、クリスマスまでには『田中さんちにやってきたペガサス』をパブーとKindleで電子書籍化したい。
それに、年賀状を書かなくてはならないし、選挙もあるんだった。年末に向けての掃除やらも。
『不思議な接着剤』も進めなくては。
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