短編小説ざっと完成
まだ友人を悼む段階にすらないのに、彼女をモデルに作品を書いてしまった。これ以上、この作品にかかわっていては、身が持たない。
どうしても書きたくて書いてしまったが(しかも賞用に)、彼女には迷惑千万だろう。こんな不出来な粗描、彼女が読んだらどんな感想を持つだろうと思うと、怖い。彼女の初盆に合わせようとしたわけではないけれど、わたしにしては異例のスピードで仕上がってしまった。何て、珍奇な供え物であることよ。
賞に落ちたら、例によって電子書籍にするのか?
彼女のご家族に、彼女の作品を積極的にどうしようというお考えは今のところおありにならないようだが、本は無理でも、せめて電子書籍にするとか、考えてあげるべきではないだろうか。今はご連絡するわけにもいかない感じがあるが、いずれは。
彼女に、書籍にできるだけのまとまった作品数のないのが惜しい。量を補うために、民話風の童話の完成度をもう少し高めてもらえないか、働きかけていた矢先の死だった。童話が、落書きのようにのびのびと書かれていて、魅力的であっただけに。病気だったから、圧迫するわけにもいかず、さりげなく(どうしても願いが籠もったが)、いうしかなかった。
まあ、それはそれ、わたしの作品は作品だ。彼女をわたしが勝手にモデルにしたからといって、彼女には無関係なことだ。彼女には似ていないし、彼女の人生とは似ても似つかない、どこかの誰かの物語だ。
少し時間を置いて、校正だ。朝寝るつもりで寝なかったので、昨日の朝から起きっぱなし。深夜から一度もこの場から離れていない。排尿も忘れてしまうから、泌尿系のトラブルをすぐに起こしてしまうのだろう。
今は全く眠くない。作品が仕上がった直後はだいたいそう。軽い、心地よい興奮があるからだ。今が一番幸せなのだ。大抵、1日置いたくらいにドッと疲労の雪崩に見舞われる。
できれば、早く応募を済ませて、童話にとりかかりたい。とりあえず、トイレへいって、何か飲もう。そして、何か食べよう。家族は自分でパンを食べていた。夕飯はちゃんと作る。豚カツ用の豚肉と、煮付けによいカレイが冷蔵庫にある。
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